ねこです、よろしくお願いします!   作:ねこです

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くっつけて投稿するはずのやつがされてなかったので追加


別視点:ねこです、よろしくお願いします!

「アコ。一つ聞いていい?」

 

「……なんですか、ヒナ委員長?」

 

「とうとう人攫いするまでゲヘナに染まったの?」

 

「ヒナ委員長、流石の私も怒りますよ?」

 

「……ごめん」

 

ゲヘナの風紀委員会。そこの長である空崎ヒナと天雨アコは顔を突き合わせていた。事の発端は、ゲヘナ内の定期的な見回りでみつけたねこ……正確には、猫の姿をしている人物を保護したのがきっかけである。もはや身ぐるみ剥がされて打ち捨てられていると言われたらそう信じてしまいそうなぐらいボロボロだったのだ

 

「で、どうするの?この子」

 

「まずは事情を聞かないとどうしようもないかと。他校の生徒だった場合、面倒事になるので早めに引き渡すことになりますから」

 

とは言うもののこのねこ、身元を確認できるものは一切ない。それどころか一般的な生徒が持っているであろうスマホなどの電子機器は勿論の事。財布も見当たらず。持っていた銃もしばらく使っていないのか、ところどころガタが来ており。そこらへんのヘルメット団にすら劣るような生活をしているのは見て取れる

 

「……まあ、他校の生徒。という線はないかと思いますけれど」

 

ねこを拾い上げたとき、恐ろしいほど軽かったのだ。体が小柄。というのももちろんあるのだけれど、下手をするとヒナよりも軽いかも知れない。それと身なりも、言ってしまえば浮浪者のそれだ。そんな状態になるまで捜索されないわけがないのである。

 

「セナに頼んで、ある程度治療してもらったけど…大分怒ってたね。このねこに」

 

氷室セナ、ゲヘナの医療部であり。こんなになるまで放置されていたことに酷く怒っていたらしい、拾い上げた時は、砂まみれで、言ってしまえば汚かった毛並みも。彼女がお風呂に入れて綺麗にしてあげると、汚れが落ちて真っ白な美しい毛並みが現れたのだ。毛先は、栄養が足りなさすぎてパサパサではあったが、これからしっかり食べれば。モフモフのフサフサになることは間違いない。顔は幼く、可愛らしい顔をしている

 

「……って、アコ?話聞いてる?アコ?」

 

ヒナが真面目に見ているのを尻目に、アコはねこの頭を触っている、肌触りが良いのか。ずっと撫でている、ヒナの言葉を無視するのは天雨アコを少しでも知っている人物ならば考えられないことである。逆にそんなことをするわけがないと逆ギレするレベルである

 

「ヒナ委員長、何も言わずに触ってみてください」

 

「え?」

 

「良いから、早く」

 

言われるがままに触るヒナが手を伸ばして触ってみると。……これはなかなかどうして、触り心地が良い。そこらにいる野良猫や、飼い猫と同じかそれ以上の肌触りである。これで本調子ではないというのを考えると驚異的である。

 

そんな風に撫で回していると。すりすり、撫でている二人の手にねこは頬擦りしてきたではないか、そしてそれも気持ちよさそうだ。可愛い……二人の心はシンクロしていた、もしかすると初めて此処までお互いがお互いの心に通い合ったかも知れないレベルである。ねこは偉大なのだ

 

「……ふふ、可愛いですね」

 

思わずアコの顔がほころぶ、ゲヘナの風紀委員会というのはストレスがマッハな組織なので。いつもカリカリしているのだが、手に頬擦りしてくるのねこに癒やされている。アニマルセラピーというものだろうか?各校のトップ陣のところにねこを配置すれば割りと平和に物事が終わりそうと思わないでもない。

 

「あ、そろそろ起きそうですよヒナ委員長」

 

そうしていると、寝ぼけた顔をしたねこが顔を擦って洗い、そのまましばらく左右に揺れてうとうとしていつつ。此方を見ながら首をかしげていれば。段々と視点があってくると……

 

 

「へ……変態が居ますーーーーー!?!?!?」

 

「誰が変態ですか!?これは機能性を重視した結果です!変態呼ばわりは──」

 

「ごめんなさいごめんなさい!?!?ねこに乱暴しないでくださいぃ……ねこは弱い生き物なんですぅ……謝るので殴るのだけは、銃を打つのだけは許してください……」

 

「あっ……」

 

思わずいつものようにキレてしまう、普通のキヴォトスの生徒であれば。まあなんてことはないものなのだろうが、生憎と相手はねこだ。最初のイメージというのはとても大事だ、特に動物ならば。ねこは猫ではないのだがビビリなのは共通している。途端にベッドにかかっていた毛布を丸めてその中に体を入れて震えてしまう。何処からどう見ても怯えている、ガチビビリである。仮にこれをゲヘナ生徒が見たとしよう。流石に自分達でもこんなことはしないと顔を引きつらせてこう言うだろう

 

『いや、私達でもそこまでしない。ショウジキナイワー』

 

と。大声をいつもの調子で言ってしまったアコはフリーズしていたが、あまりのビビりっぷりにオロオロしてしまう。相手がゲヘナの生徒と同じ対応をしてしまったのである、こんなのゲヘナじゃ悪口にもならねえぜ!!というのだがこのねこ、出身地不明の謎猫である。ミステリアスキャットですまない

 

「………アコ、後で反省文5枚ね」

 

「ハイ……」

 

普段なら、ヒナ委員長!?と悲鳴を上げるアコもこれには従う。どう考えてもアコが悪いからである。事故で言うなら10:0。事件なら執行猶予なしの1発実刑で刑務所行き。そういうレベルでアコが悪い、仮にねこに否ががあるとするならば。それはキヴォトスの世界に有るまじき耐性の無さだろうか?まあねこだからしょうがないね

 

「……どうしようか、アコのせいで随分と怯えさせてしまったようだし」

 

「じゃあヒナ委員長がやったら良いじゃないですか……」

 

普段絶対にヒナに向かって言わないようなことをアコは口走る。それだけねこに拒絶されたのが悲しかったのだろう。大丈夫、致命傷だ。何の問題もない

 

「……大丈夫?」

 

ヒナが声をかける、毛布がわずかに動いているから。寝てしまっている……もとい、気絶してしまっているわけではないのだろう。流石にそこまでビビりではない、ねこを侮るなよ風紀委員長。ねことて色々と修羅場を潜ってはいるのだ。これぐらいで気絶しているのなら今頃出荷されているはずである。

 

流石のねこもビビりっぱなしでは事が進まないのも分かっている、ねこは賢いのだ。いつまでも籠城をしているわけでもあるまい。ほんの少しだけ、顔を出す。まあ流石にアコと違って大声も出していない、大丈夫だろう

 

 

今度は怖い人ーーーーー!?!??!?

 

はい駄目でした。先程よりもビビっている、さっきのは大声を出されたことで驚いたねこの反応だったが。今回は殺されてしまうかも知れないという恐怖からくる声である。先程違い、毛布が揺れるぐらいビビり散らかしている。なんならただ潜るのではなく、頭を手で守るようにしつつ、縮こまっている。他者が見たらどう見ても虐待に怯える子供と、虐めている姉か母親である。ネグレクトされているほうがまだマシかも知れない……そういうレベルでも有る

 

「痛いのは嫌です、虐めないでください……ねこは、ねこは人畜無害な生き物です。戦うことも苦手です、争うこともしたくありません。尻尾を抜こうとしないでください、ねこの毛を剥ぎ取って衣服に使おうとしないでください……それ以外は、それ以外なら何をしても構いません。お仕事ならできます、ご飯は1日1回……とは言いません、餓死する間にちょっと貰えるだけでいいです……お願いします……お願いします……にゃぁ……にゃぁ…………」

 

もはやヴァルキューレに見つかろうものなら1発で逮捕されそうな状態である。ヒナ委員長はそんなに怖くないだろ!と言いたそうなそこの君……よく考えて欲しい。魔王みたいなマントをしていて、普段から暴徒鎮圧に明け暮れているゆえに荒ごとになれていそうな雰囲気。そしてゴツい銃、あとあの顔つき。そこに圧倒的格上と思わせる威圧感がマリアージュしているのである。どう考えても怖いに決まっている。ドンパチすることになれていないねこなら尚更のことである。ビビらないほうがおかしいのである

 

 

さて一方びびられたヒナはというと…

 

「───」

 

生きる彫刻と化していた、ただ普通に話しかけただけなのにこれである。相手がゲヘナ生徒でも此処までビビられることはなかったし。他校の生徒なら尚更のことである。自分が怖い顔してるよなーという自覚はあったものの。此処まで一方的にビビり散らかされるとは思っていなかったのだ。

 

「ヒナ委員長!?ヒナ委員長!?!?」

 

「───!?」

 

アコの必死の呼びかけでやっと蘇生(?)したヒナだったが。フリーズが解けたことにより。自分が此処まで怯えられてしまう存在だと知ってしまい膝から崩れ落ちてしまう。そりゃねこにそこまでビビられたらそうもなる。モフモフのもこもこの白毛玉とかしているであろうねこは見た目も大人しそうかつ。触っていて気持ちよかったのだった。

 

「………ねえアコ」

 

「な、なんでしょうかヒナ委員長……?」

 

「私って……そんなに怖い?」

 

ヒナの言葉にアコは思わず目を逸らす、そりゃアコはヒナを崇拝している。崇拝しているのだが、恐怖心を抱いたことがないかと言われれば嘘になってしまう。強くて勇ましいのだが……その、電話越しに怒ってるときのヒナはアコですら怖いのである。主に反省文をかかされる意味合いで

 

「………」

 

「ヒナ委員長!?早まらないでください!?」

 

ヒナが窓のふちに脚を掛けて飛び降りようとしているのを必死にアコは止める、あまりのしんどさにもう楽になる選択を取ろうとしているのだ。そんなことで風紀委員長を失うわけには行かないので、アコはヒナの体を引っ張るがそこは風紀委員長。パワーは有るのだ、アコを振り払おうと窓際で騒いでいると。とうとうアコがキレた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「止めないでアコ、もはや私は───」

 

「ここは1階ですよ!?馬鹿じゃないんですか!?」

 

そう、此処は一階なのである。飛び降りるというか脱走である。それこそねこみたいである、そこまで錯乱しているとはアコも思ってなかったらしい。あまりの取り乱しっぷりにアコは息が絶え絶えになる。そんなこともわかんなくなるまで追い詰められたヒナはと言うと……

 

「アコに怒られてねこに嫌われた………」

 

おめでとう!空崎ヒナはゲヘナシナシナシロモップへと進化した!どっかで見たことの有るようなしおしおヒナは部屋の隅に据わって体育座りしながら床を指でなぞっていじけている。もう再起不能レベルである。此処から入れる保険はなさそうですね……残念。使い物にならなくなったゲヘナシナシナシロモップをアコはどうしようか……と頭を抱える…訳では無い、その前にこの怯えているねこをどうにかしなければならない。もしあの面倒くさいゲヘナバカマコトに見つかったとしよう。攻撃材料に使おうとするだろうが、あまりのねこの怯えっぷりに真顔になるかも知れないのである

 

アコは、救援要請を出した!

 

 

鬼方カヨコが参戦した!

 

「……で、どうして私のこと呼んだの?便利屋、捕まえるんじゃないの?」

 

「本来ならそうなんですけれど……そうも言ってられない状況でして」

 

カヨコは困惑していた。アコからのガチの急ぎできてくださいお願いします来てくださったら便利屋のゲヘナでの活動を見逃します口座凍結も解除しますほんとによろしくお願いしますというあまりにも迫真すぎるメールが届いたからである、便利屋の皆は流石に罠じゃないか?と疑ったが、カヨコはため息混じりにやってきたのである。やはりお人好しか

 

「……で、呼び出した内容は?」

 

「それはその……お、怒らないで聴いてくださいね」

 

アコがボソボソと、なるべくカヨコを見ないように説明しだした。正体不明のねこ(ねこであって猫ではない)を拾ってきたこと、とりあえず応急処置は済ませたこと。此処までは良かった、カヨコ的には猫が好きなので預かれとかそういうものだと思っていたのだが……

 

「その………私と、ヒナ委員長が怯えさせてしまって……」

 

は?

 

「ヒエッ」

 

アコの一言で一発でプッツンした。激オコとかそういうレベルではない久しぶりにキレちまったよ……屋上に行こうぜ……とか言い出しそうな画風に変わっている。それはもう怒りすぎて本来重いコストをためて打つ恐怖付与するあれを常駐発動させるレベルでプッツンしている

 

ちゃんと説明して。今、私は、冷静さをかけようとしているから

 

「アババババ」

 

鬼方カヨコは激怒した。必ず、かの風紀委員会を除かなければならぬと決意した。鬼方カヨコには政治がわからぬ、分かるかも知れないけど面倒くさいのである。鬼方カヨコは、便利屋である。便利屋として働き、猫と遊んで暮して来た。だから猫を虐める者に対しては、人一倍に敏感であった。

 

あまりの圧にビビりながら、アコが詳しく説明すると、カヨコは荒んだ目をしながら、アコを部屋から追い出して。ゲヘナシナシナシロモップをぽいっと廊下に投げ捨てる。流石の暴挙だったがカヨコのガチギレっぷりとゲヘナシナシナシロモップがされるがままになっていたので何も出来なかった

 

 

さて、ねこを虐める悪いやつを追い出したカヨコはというと。おそらくそれであろう毛布に包まって震えているソレを見つつ、大きな音を立てないようにゆっくりと近づいていく。ベッドの上には上がらず、ねこよりも視線を落とすようにして、野生の生物は上から見られると攻撃されると思うので。此処も大事なポイント、そして腕もしたから伸ばす。此処も大事

 

 

「ねこはただ日向ぼっこしながら最期を迎えたいです……痛いのと苦しいのを感じながら終わりたくないです……あの場所に戻してくれるだけでいいです……そのままねこは日向ぼっこしながら今度こそ旅立てると思うので………にゃぁ……にゃぁ…………」

 

「…………」

 

此処まで怯えているとは思わなかったカヨコは、本当に風紀委員を潰そうかと考えた。まあそれは後からでも良いか……と思いつつ、震えているねこと言われていた生物の頭をゆっくりと撫でる、この感触。毛布越しだが猫であるとカヨコは確信した。風紀委員会へのプッツンゲージが加速する。カヨコの怒りが有頂天

 

「………大丈夫、攻撃したりしないよ」

 

なるべく。優しい声で声を掛けながら撫で続けていると、布団の隙間から此方を伺うような視線が飛んでくる。真っ白い毛並みと深い青味ががった目の色、可愛らしいであろうその顔は恐怖と怯えでぐちゃぐちゃになっている。見るに忍びないレベルである、やっぱり風紀委員会潰そうか………

 

「にゃ………う…………」

 

か細い声を出してまた布団に潜るのを見ると、優しく優しく撫でて安心させてあげる。急いではいけない、ねこは警戒心が強い生き物だし。何よりも怖い目にあった後だ、余計に警戒するだろうからとカヨコが撫で続けている

 

「ちょっと話ししたいから、布団から顔だしてもらって良い?何もしないから」

 

しばらく撫で続けてから声をかけると、ねこが顔を出してきた。キョロキョロと視線を彷徨わせながら、耳をぺたんと閉じて怯えている

 

「……大丈夫、あの二人は外に追い出したから。もう居ないよ?」

 

そう言ってあげると、あからさまに安堵するねこ。よっぽど怖かったのだろうか、まだ震えており、尻尾を体に巻き付けて身を守るようにしている。どうやらカヨコに対しては、特に警戒心を抱いてないようだ。

 

「ありがとう……ございます………ねこの、人」

 

か細い声でねこの人と呼ばれるとカヨコが首をかしげて自分のことを指差すとコクコクと頷く

 

「ねこの撫で方、間合いの取り方、視線落としたりとか。ねこ以外の猫にも優しいんだなって、ねこは感じ取りました。猫に優しい人は、ねこは信用できます……ねこが好きな人に悪い人は居ません……顔は、ちょっと。こわいとおもいましたけど……ソレ以上に優しいんだなって……」

 

「……ありがとう」

 

ちゃんと此方の気配りを把握してたねこにカヨコは相当感受性が高いんだろうなと内心思う。猫もそうだが、このねこはよりその傾向が強いのだろうと。顔が怖いは余計なお世話であるものの、それを差し引いても、ねこだからしょうがないと思いつつ撫でると。一瞬だけビクッと体を震わせるものの、耳を動かして撫でやすいようにしてくるねこにカヨコは微笑みを浮かべてゆっくりと優しく撫でる

 

「……じゃあ、ええと……名前。教えてくれる?」

 

「……名前?」

 

「そう、名前」

 

カヨコがそう問いかけると、ねこは不思議そうな顔をしつつ首を傾げる。可愛いな……とカヨコが撫でる、ねこが喜ぶ。永久機関が生まれちまったな………

 

「ねこはねこですよ?…ねこは、名前?で呼ばれたこと無いですし。ねこは名前?というものを知りません、ねこなので」

 

「……そう、じゃあ……学生証は?」

 

「がくせいしょう?ねこは難しい言葉はわかりません。ご飯貰えるんですか?」

 

「……………そう、なら………親は?」

 

「親猫のこと、ねこは知りません。ねこが生まれて、ねこがねこです!と思ったときには……居なかったはずですから」

 

「………………………今まで、どうやって生きてきたの?」

 

「ねこはお仕事して生きていました。場所は……よくわかりません、ねこはそこでお仕事して。たまにご飯もらって、生きていました。ご飯貰えない時は、ずっとねて生き延びました……寝すぎて怒られたり撃たれたこともありました。でも、お仕事終わって寝床に帰ったら無くなってました。だからフラフラして、倒れて……此処に連れてこられたんだと思います……ねこの人?大丈夫ですか?ねこ、なにか言っちゃいけないこと言いましたか?」

 

「……………………ううん、大丈夫。大丈夫だよ」

 

カヨコがねこの話を聴いていれば、どんどんと顔つきが鋭くなっていくのを見て。ねこは慌てて謝り、しょんぼりする。ソレを見たカヨコは優しく、優しく。壊れ物を触るような手付きで頬を撫でる、ねこは気持ちがいいのか尻尾をゆらゆらとさせながらご機嫌な様子だ

 

「……ねこは、その暮らしに不満とかなかったの?」

 

「不満…?無かったですよ?ご飯は毎日じゃないけど、ありましたし……。寝床も、雨風は防げたので、ダンボールさえあれば暖かいですし」

 

「……ちなみに、そのご飯っていうのは?」

 

「パンと、牛乳です。パンが硬かったので噛み切れなくて、牛乳でふやかして食べてました。あんまり美味しくはなかったですけど、慣れれば問題もないのと。お腹が空いて動けなくなるよりかは全然良いかなって!」

 

「……………ソレ以外食べたことは?」

 

「無いですよ?ねこですから、それだけあればいきていけます!多分!ねこなので難しいことはよくわかりません……あふあふ、ねこの人。くすぐったいですよ」

 

「ごめん。しばらくこうさせて」

 

カヨコは、ねこのことをぎゅーっと抱きしめていた。ねこはくすぐったそうにしていたがそんなことはお構いなしである。ねこのあまりの生活水準の低さに、居ても立っても居られないのだ。

 

「………ねこは、此れからどうしたい?」

 

「ねこですか?……何も考えていません!ねこはあのまま旅立つつもりだったので……ねこは何も考えていません、ぐすん。宿なし銭無仕事なしのないないねこです。此処から出ていった後、また同じ様になって旅立つかも知れません。」

 

「別に出ていけ、なんて言われてないと思うけど……」

 

「変態さんと、怖い人はねこのことを何処かへ引き渡すとか言ってたような気が……?やっぱり出荷されるのでしょうか、ぐすん。短い…短い……?短いかも知れないねこ生でした」

 

「………」

 

この後カヨコは一度部屋を出て、しばらく帰ってこなかった。廊下ではどっかの行政官の悲鳴が聞こえてきた気がしたが、ねこには良く分からないのである。ねこだからしょうがないね

 

「……とりあえず、ねこは此処にいていいよ。そういう風に話しつけておいたから」

 

「い、良いんですか?ねこ、出来ること少ないですけれど………」

 

「ん、大丈夫……なにかあったら。連絡……いや、スマホも無いんだっけ?」

 

「すまほ?すまほなる物をねこは触ったことがありません」

 

「……………後で、教えてあげるから」

 

「ありがとうございますねこの人!やっぱりねこの人は優しいですね!」

 

純度100%から放たれる自分はまともな生活水準を知りません発言を聞いて、カヨコはまたねこを抱きしめてよしよししてあげる。ねこはなんでそんなことされるか不明だったけど、気持ちがいいので大人しく受け入れることにした。ねこは暖かいところが好きなのである。

 

「……ごめん。そろそろ帰らないと」

 

「ねこの人は、此処が寝床では無いのですか?」

 

「うん、ちょっとお仕事でね。別の場所で働いてるんだ」

 

「うー………ねこはねこの人と一緒にいたいです。でもねこの人が此処に居なさいというのなら、ねこは言うことを聞きます。賢いねこなので。ぐすん……」

 

「……ちゃんと会いに来るよ」

 

「ありがとうございます!ねこの人と会うために、ねこは頑張って此処で生きていこうと思います!出荷されないように!」

 

「出荷はされないしさせないから……ん、またね。ねこ」

 

「はい!ねこの人もお気をつけてお帰りください!」

 

帰るカヨコを見送るねこはとっても寂しそうだったけど、言いつけはちゃんと守るから。という姿勢を見せ、そんなねこの事をぎゅーっと最後に抱きしめてあげると。ねこはとっても嬉しそうにしながら。元気一杯に見送るのでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねこ:食べ物はパン、飲み物は牛乳と水しか飲んだことがない。スマホを触るどころか見たこともない、労働者と言うよりは奴隷のような扱いを受けていたのだが。本人はその環境以外知らない、知る手段もない。というような状態だったので自分がどういう扱いで生活していたのか分かっていない。なのでカヨコの行動はよく分かっておらず、この人が新しく仕事をくれる人かな。たまにご飯くれるかな?位にしか最初は感じては居なかった

 

天雨アコ:戦犯その1、ねこをビビらせた戦犯である。ねこからすると、変な格好をしているというだけの認識だったのだが、大きな声を出されて怒られたという認識に塗り替えられたので。その後の会話もぎこちなく、一定の距離を保たれている、触ろうとすると全力で逃走される。悲しい、ねこと和解せよ。ただ、ねこ的には。暴力を振るわれたわけではないので、ちょっとずつ歩み寄るつもりではあったりする

 

空崎ヒナ:戦犯その2…というよりはもはやA級戦犯である。ねこがビビり散らかしている相手。カヨコが帰った後、たまたま遭遇した時は。半べそかきながら逃げられたりしている。本人は仲良くしたいつもりでは有るが、ねこの本能的な部分で怯えてしまっているので、これからが勝負である。ほぼ負けが確定しているが

 

ゲヘナシナシナシロモップ:ヒナです……話しかけただけでねこに嫌われたとです……ヒナです……小鳥遊ホシノの様にはなれないし。天童アリスのようにも振る舞えません………私だって鬼方カヨコみたいにねこと遊びたかった!

 

鬼方カヨコ:ねこの保護者、アコとゲヘナシナシナシロモップにあの後めっちゃ詰めた契約書を書かせた、内容としては。ねこを対等に扱うこと。ねこをゲヘナの生徒として扱うこと、生徒会には関わらせないこと、関わったら爆破する事。ちゃんと3食お昼寝付きの生活をさせること、人間としての権利を覚えさせること等などである。ちなみに破ると本気でゲヘナを襲撃する予定である。スマホは一緒にショップに行ってねこに買い与えるつもりであり、そのお金は便利屋の給料を前借りするか、一人で別途の仕事を見つけようとしたが。アルに内容がバレてギャン泣きされた。その後「社員が大事にしてるペット……ペット?にも優しくしてこそ一流の社長よ!」とのことで全額会社負担になることになった。ちなみに買い与えた後の通信費も払う様子、アル曰く「買うだけ買ってその後放置するような社長に社員はついてこないでしょう?」とのこと。カヨコは何があってもアルについていこうと再度思った。

 

ちなみにもしカヨコがねこの名前をつけるなら?とねこに問いかけると

 

「ねこはねこですよ?でも、名前があったほうが便利なんでしょうか……?なら、ねこはねこの人に名前。つけてほしいです!ねこの人ならきっといい名前。つけてくれるってねこは確信しています!」

 

と言われる。その場合はカヨコは名字を鬼方にして本当に引き取るつもりになる

 

アル:カヨコが風紀委員会のところに行ってソワソワしてた。戻ってきた後にいきなり給料前借りさせてほしいとおねがいされて理由を聞いて男泣き……もとい社長泣きした、見栄を張りまくったが。カヨコがそこまで言う相手ならだいじにするべきよね!という安直な発想で決定した。ちなみにこの後カヨコがスマホを買い与えるためにねこを連れてきた時にあったのだが、純度100%から放たれる社長さん凄い!経営者?っていうんですよね!ねこはカッコいいと思います!アル社長!という言葉に撃沈した、保護者その2になった瞬間である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???:不当に扱われている労働者の気配を察知したぞ!!!!!!!!労働者の権利を守れ!!!!!奴隷ではない!!!!!!!

 

 

 

 

 




多分続かない。プロットなんてものはない、だってねこは気まぐれなのだから
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