マブラヴ  ネオ・オルタードフェイブル   作:等速運動する点P

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インフルと課題で更新遅れました。書くこと思いつかず文字数少なめの間繋ぎみたいな話になりました。申し訳ないです。


開始(Re)

「それで? あっちのほうの準備は済んでいるのかしら?」

 

「仰った通りに手配できたとのことです」

 

「こういうときには使えるのよねー。普段はただ敬遠する連中なんだけど」

 

「しかしもう一つの方は問題ないのですか?」

 

「"ダメ"とは書いてないもの。………それに向こうには一人だけ別格の奴がいるみたいだから」

 

「別格、ですか?」

 

「えぇ、どうなるか楽しみね」

 

「はぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で? お前らは何で俺の布団で寝てるんだ?」

 

霞の誕生日会から一夜明け、目覚めてみると左右にはそっくりな美女が二人………俺の部屋への冥夜の忍び込み以降、一切の布団への侵入を禁じた筈だ。

 

「武様、幾ら将来が決まっているとはいえ、こうも周りに女性の影があると不安になってしまうのです」

 

「あ、姉上! タケルはまだ姉上のものでは………しかし、言う通りでもある」

 

「うん………でもそれでもこうして良い訳じゃないよな?」

 

普通の男であれば役得この上ない状況なのだが、強化装備に慣れたせいで薄着どころか裸同然の女体でさえ意識しなければ今や気にもならないし、何より左右に女二人という状況は、向こうの1回目の世界で委員長と彩峰に夜な夜な喧嘩の盾にされ続けたこともありいい思い出がない。

 

「それに香月教諭が言っておられた。"男女の仲は過信によって足元を掬われる"とな。」

 

またいらんことあの人は吹き込んで………

 

「あのな? 俺だってお前らとの約束は覚えてるし、こうやって正面から想いをぶつけてくれるのは嬉しい。でも俺たちは今は学生だ。学生には学生の男女付き合いってもんがあるだろ? いくら不純異性交遊許可証ったって自分のことは大切にして欲しいんだ」

 

「武様はそこまで考えて………私もそこまで思い至ってはおりませんでした」

 

「月詠からの教えを今一度考え直さねばならんな………」

 

こういうところの物分かりは良いからまだ救いなんだけど。

 

「………そういえばふと思ったのだが……タケルは随分と身体を鍛えておるようだが………いやすまぬ、何かを疑っているわけではないのだが………」

 

「あぁ、事前に身辺調査してたことなら知ってるし別に怒ってねぇって。天下の御剣の次期当主の周辺の安全を確保するのは当然だ」

 

「そなたに感謝を………でその話なのだが、タケルが何かスポーツをしていたという話は聞いておらんのでな」

 

前は他に気がまわって気が付かなかったようだが、腕を掴んで添い寝してたなら俺の身体が鍛えられてるってことくらいは分かるよな。

まぁ適当に誤魔化すしかないが。

 

「これでも朝ランニングしたり筋力トレーニングなんかはしてるんだぜ? まぁ調査してた日にたまたまそうしてなかっただけだと思うぞ? 俺だってたまにはサボりたくなったり、忘れたりするし」

 

「……そうか」

 

悪いな。俺の経験は都合上の夕呼先生と霞を除いて他の誰にも話すつもりはないんだ。

 

 

 

ドドドド………

 

『タケルちゃん朝だ待て純夏武はまだ起きていて私が起こしますからみちるさんは朝ごはんの用意をなら私が行きます霞ちゃんが行くなら私も二人とももう学校に行ったらどうだ何言ってるんですか伊隅先生まだ全然時間あるじゃないですかしかしっておい風間何を勝手に一人で───』

 

ピロンピロン

 

「『水月』からメッセージです」

「『茜』からメッセージです」

etc………

 

──朝からうるせぇ………あっ、ちなみに名前は分かりにくいから変えたぜ? 決してマッドな教師や般若が怖かったからじゃない………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ………もうここが校庭だなんて分からないね」

 

「まぁ校庭ぐらいしかスペースがないからそうなるのは必然なんだろうけどな………」

 

球技大会もといバルジャーノン大会の決定以降、その設備を整えるために御剣財閥全面協力の元会場設営が行われている。

 

元々空き教室となっていた場所には練習用にと数十台の媒体が搬入され、挙句の果てに校庭があった場所にはどデカい観戦用モニター完備の観客席付特設会場がすでに完成している。

 

「冥夜はバルジャーノンにすっかりと嵌ったようで、先日御剣財閥は製造元のSAGAと協定を結んだのです」

 

「マジで?」

 

「ああ。娯楽としての楽しさは勿論、その技術力の高さにも大変感銘を受けた。御剣の技術も結集してより発展をと望んでいる」

 

「すると………あれか? もしかしてこの球技大会って御剣財閥が公的にスポンサーになってるってことか?」

 

「それだけではありません。SAGAの宣伝部も是非にとスポンサーに付いて頂いております」

 

「もはや学校行事じゃねぇな………」

 

ちなみにこの機に乗じて、夕呼はまりもに衛士強化装備(訓練兵用)のコスプレをさせて是非広告塔にと企んだのだが、間一髪で本人にバレたためお蔵入りとなったとか。

 

 

 

 

「呑気に会場を眺めて、そちらさんチームは順調といったところか?」

 

そのとき後ろから聞き覚えのある声がかけられる。

 

「──剛田!」

 

剛田とそのチームメンバーらしき人物を数人連れてきてやってきた。

 

「俺は博士の元で順調に訓練を重ねているぞ! 茜さんは絶対に渡さん!」

 

別に俺は欲しいなんて一言も言ってないんだけどな。

 

「竹尾!」

 

「うひょッ! な、なんだよォ〜、いきなり大声だすなよォ〜」

 

「茜さんの悲しむ顔を見たくはないだろう!」

 

「…………あう」

 

………なんか変なヤツだな

 

「築地!」

 

「ひゃ、ひゃいッ!」

 

「貴様も茜さんを幸せにしたいと思わないか!」

 

「わ、わだすにそげなこときかれても」

 

この子が猫にされたっていう築地か………なんか物凄く訛ってるな。というか一応こっちじゃ知り合いなんだよな。

 

「勝負は明日! 今度こそは永遠のライバルであるお前を倒す!」

 

「お、おう」

 

剛田は改めて宣戦布告(?)をして去っていった。

 

「相変わらず剛田くんは熱いねー」

 

「まぁあいつの話は置いといて………問題は向こうがどういった作戦で来るかなんだよな」

 

「何しろ香月先生だもんね〜」

 

「香月教諭……かなりのやり手だとお見受けしますが、それほどなのですか?」

 

「とんでもない。策略であの人に勝てる人はまずいないぞ? ちなみに学園の偉いやつはみんな弱みを握られてるから、この学校の最高権力者は事実上夕呼先生だったりする。スポンサー云々でも学校側の方針を決めてたのは夕呼先生だったんじゃないのか?」

 

「確かに……」

 

「香月教諭、恐るべし……」

 

そもそも夕呼先生は俺の事情も知っている。俺はあの世界をゲームの中ではなく、命が掛かった現実で経験した。何しろ向こうでは負け=死だ。生き残ったということはすなわち腕の良さを証明している。

 

「考えられる手は全部対策しておかないとな」

 

「………白銀さん」

 

「ん? どうした霞?「……ゴニョゴニョ………」……なるほど、確かに先生ならやりかねないな。でも出来るのか?」

 

「……大丈夫です。私の得意分野です」

 

「そうか、じゃあ頼んだぜ」

 

「どうしたの二人とも?」

 

「ん? いや、霞がとっておきの策を思い付いてくれたんだ」

 

夕呼先生、今回ばかりは好き勝手させるわけにはさせん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜白銀宅〜

 

 御剣家侍従見習いを務める神代、巴、戎──通称3バカは今日この日、侍従長月詠真那よりとある命を受けた。それはズバリ『武様の性癖を探る』である。武の部屋に隠されたあんなやつやこんなやつを見つけださなければならない。彼女達もまた御剣に尽くす者、与えられた職務は忠実にこなす。

 

「何で私たちがこんなことしなきゃならないのさ」

「そもそもやり方が回りくどいんだよ」

「だからいつまでも処○なのですわ〜」

 

………やる気は十分である。

 

しかしこの家にいるのは彼女らだけではない。

 

「話は聞かせてもらった」

 

「私たちも参加してよろしいかしら?」

 

武と同棲生活が始まってはや数日。いまだに踏み出せずにいるいい歳をしt………ゴボンッ!……ピチピチの乙女が二人、伊隅みちると風間祷子である。

 

「ゴニョゴニョ(ねぇ、どうする?)

「ゴニョゴニョ(確かこの二人もあいつに夢中って感じじゃなかった?真那様に怒られない?)

「ゴニョゴニョ(でも〜あのお二人に任せれば私たちの手も空きますわ〜)」

「ゴニョゴニョ(確かに!さっすが美凪!頭いいね)」

 

「分かった。ならあんた達にも手伝ってもらうよ」

 

ただ仕事をサボりたいという安直な考えもとに許可した3バカ。

 

「まずはベッドの下だよねー」

 

隠し場所の定番、ベッドの下から捜索を開始する。

 

「………おかしいな、純夏が前に見つけたときはここに隠してあったと聞いたのだが……」

 

「何もありませんわね〜」

 

さすがの武も同じ場所には隠していないということだろうか。

 

「よし! 次は机!」

 

第二候補、机の引き出しである。

 

「んー、なんかテスト用紙ばっかだよ。どれどれ………数学82点………なんか点数いいの腹立つ」

 

「英語は89点ですわ〜」

 

「あいつ何気に頭良い?」

 

「みちるさんの教育の賜物かしら?」

 

「教えていたのは高校受験までだ。これらの結果は武の努力の証だ」

 

そう言いつつも、教え子である武が良い成績を維持してくれていたのは何だかんだで嬉しいみちるである。

 

「他はロボットの絵が書いてる分厚い本とかしかないねー」

 

「あいつもしかして不能なんじゃないの?」

 

………ひどい言われ様である。

 

「えぇい! どこかにあるはずなんだ! もっと隅々まで探すぞ!」

 

「───みちるさん?」

 

───彼氏いない歴年齢のみちるにはもう後がない。ここで何としてでも武の趣向を把握しておきたい、そんな思いが焦りを募らせる。

 

「あら〜? この本、よく見たら何か挟まってますわ〜」

 

先ほど巴が手にしたバルジャーノンの攻略本をめくってみると、そこには一枚の紙切れが挟まっていた。

 

「んーどれどれ………『秘蔵コレクション URL〇〇......〇〇、ID 20011022、PASS Takeru1216』………コレだ!!」

 

キュピーンッ!

 

一同目が光る。

 

「なるほど、電子媒体に保存していたか」

 

「巽、早速調べちゃおうよ」

 

「合点承知」

 

神代は自身のスマホでファイルを開くことにした。

 

「よし開けた!………んと何々?『ご登録が完了しました。契約金10万円をお支払いください』………えっなになに!?」

 

URLを入力した先はログイン画面ではなく、ワンクリック詐欺のページであった。しかし、ここにいるのが全員女性陣かつ、世間知らずな御剣家侍従見習い3人と比較的お嬢様とも言える育ちの2人。

 

───コレが偽の契約画面とは分からなかった。

 

しかし、ここで期待を裏切らないのが3バカであった。

 

「ドンマイだね巽。きっと入力ミスしたんだよ」

 

そういって今度は巴が検索をかける。

 

「そら!………あ、あれ?」

 

開いたページは、神代と同じ詐欺サイトであった。

 

「二人とも入力が早いんですわ〜。もっとゆっくりと打って〜………あら〜?」

 

戎が調べるも、またしてもそのページは詐欺サイト。

 

───そう、武は初めから自分の部屋が漁られる可能性を把握していた。そのため、もともとあったコレクションは一斉処分。そして代わりに詐欺サイトへと飛ばされるURLが書かれたメモ用紙を本に挟んだのだ。

ちなみにスマホに未だ完全には慣れていない武がなぜこのような手段を取れたのか。そこには一人のマッドな教師が関わっていた………

 

「………風間、おそらく武はこうなることを分かっていたんだろうな」

 

「えぇ、こういうところで武君は抜け目ないですわ」

 

結局まんまと引っかかった3バカは言われた通りに10万円を振り込み、計30万のお金はとある物理教師へと渡った………

 

 

 

 

 

 

「いよいよ明日か………」

 

家に帰るとどこからか月詠さんのヤンキー口調が聞こえた気がするが、本棚を漁られた形跡があったため、おそらくそういうことだろう。

 

「………またか」

 

最近どうも誰かに見られている気がする。それも敵対的な視線だ。あたり一帯は更地だから、見られているとすれば公園からなのだが………

 

「公園に向かうまでに御剣の監視員にバレていない………素人じゃないな」

 

一度であれば勘違いも疑うが、ここ毎晩感じるのであれば間違いはない。この世界に来てまで手を汚したりしたくはないのだが.......

 

「もしものときは………」

 

ようやく手に入れた平和だ。もしもみんなに手を出すのなら───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「諸君は今、大いなる時代の幕開けに立ち会わんとしている!『伝統』という鎖に『躍進』という名の刃を突き立て、自らの手でその未来を切り開こうとするその熱き魂が、いよいよ持って報われるのである!」

 

球技大会の幕開けはラダビノット学園長の演説によって開始された。

 

──というか前から思ってたけど、ラダビノット学園長の声ってどっかで聴いたことあるんだよなぁ………なんつーか○本?………いや、○本ってなんだ?─────おっと、いかんいかん。世界の法則がミダれる………

 

「我々諸君は、今まさに満身創痍………だがその瞳に映る光はむしろ神々しいばかりではないか! 何故諸君らは辛く険しい道のりを進むのか? 何故そこまで傷つかなければならぬのか!? それこそが現代という時代に生きる諸君等にのみ許された、青春という名の戦いなのだ!」

 

一球技大会にしてはやけに大袈裟な演説が行われるが、その覇気ある言葉に周りは疑問なく聞き入っている様子………まりもちゃんは違うのかな?

 

「ときは生き残りをかけた決戦! 我々人というものは決して皆同じではない! それぞれが違う価値観を持ち、己が信念を宿している! それゆえに争いというものが起き、そして進歩するのだ! 諸君よ、戦え! その手で叩き、その手で奪い、そしてその手で掴み取るのだ! 頂点を手にしたものだけが真の未来を手に入れるのだ! そしていm.──ぶるぁぁぁぁぁぁぁ!?───フ、フグタくn………」

 

「………」

 

演説がヒートアップして来たところでどこからか吹き矢のようなものが飛んできて、首元に命中。そのままラダビノット学園長は黒服の男達に連行されていった。そこから少し離れたところでは眼鏡をかけたメイドが目を光らせていたとか。

 

───というか、フグタくんってなんだ?

 

「……白銀さん」

 

「ん?」

 

「………考えてはダメです。世界の法則が乱れます」

 

「………そうだな」

 

───わけわかんねぇ………

 

「え、えー……学園長ありがとうございました。続いては来賓の特別ゲストを紹介します。バルジャーノン販売元であるSAGAより、専務の千堂さんにお越し頂いております」

 

「千堂といいます。このような体験ははじめてですが、わが社のゲームでこのような試みが行われることは大変嬉しい限りです。本日はどうぞよろしくお願いします」

 

へぇ、SAGAの専務さんまで来てるのかぁ。

 

───そういえばあの専務って人、どっかで見た気が……気のせいか?

 

「それでは早速競技に移りたいと思います。第一試合は──」

 

さてと、優勝目指して頑張りますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さんは竹尾というキャラをご存知でしょうか。ゲーム版『アカネマニアックス』に登場する剛田の同級生です。今後登場することは多分ないですが、剛田チームメンバーとして一応出してみました。原作だと人間じゃない(?)ので......
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