元過労暗殺者、平和だが平和じゃない世界へとやってきた   作:シャオロウェをすこれ

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 ムツキ可愛い。テンマちゃんと一緒にナデナデしてみたい。
ちなみに前回感想欄にてスキルの方にご指摘があったので、色々いじって修正したものを後ろの方に置いておきました。

 簡単に言えばデバフが消えました....色々統合したので、見ていってください。


元過労暗殺者、下準備を整える

 

「あ、先生。それにシグレさんも、おはようございます。」

 

「おはようございます。かなり朝早いですが、どうしました?」

 

 先生をしばし落ち着かせてから1時間後くらい。

本当だったらもう少し後でもいいはずだったが、外の空気が吸いたいという先生の気持ちに応えてかなり早くからアビドスへ向かっていた。

そして今はその道中でアヤネさんに邂逅した......という状況だ。

 

現在時刻を鑑みても、もっと遅くてもいいと思ったんだが....どうしたんだろうか。

 

「今日は利息を返済する日でして.....色々な準備があるんです。」

 

「早めに登校して返済の準備もしないといけないですし、今後の計画も見直さないといけないので.....」

 

 なるほど、それなら納得だ。しかし前も思ったが、この年にして借金返済とは.....相当苦労しているな。

どうにかこうにかやりくりしているようだし、借金の返済が滞らないといいんだが。都市ではそういうことには特に厳しかったから......踏み倒そうもんならフィクサーが来る。殺してバラすためにな。

 

「なるほど......」

 

「あっ、先生にシグレちゃんじゃん!おはよ~!」

 

 元気溌剌とした声に目を向ければ、そこには昨日共に激戦(指スマ)を繰り広げたムツキさんがそこにいた。

そうか、帰路の途中か?昨日は監視付きとは言え泊まる場所がないといってアビドスに泊まっていっていったからな。

いくら無力化したとはいえ敵対したものを自身の本拠地に置くのは不安だったが、この様子を見るに大丈夫だったみたいだ。

 

「おっ、シグレちゃんぼ~っとしてるな!?ならばこの隙に.....え~い!!」

 

「うぇっ!?ムツキあばっばっばばばば」

 

 ムツキさんが先生に抱き着くと、自身の身体と頭を先生にぐりぐりと擦りつけて抱きしめている。

随分スキンシップが激しいな......まぁ先生もまんざらではない様子だしいいか。昨日話して悪い人ではないと判断したし。あ、アヤネさんに引きはがされた。

 

「何してるんですか!?いきなりなれなれしく.....離れてください!」

 

「え~、ダメ~?」

 

「ダメに決まってます!戻ろうとしないでください!」

 

「まぁまぁそう怒らないでよ、減るもんじゃないしさ。アビドスのメガネっ子ちゃん。」

 

 そう言われたアヤネさんの眉は爆発しかねないほどひくついていた。あと一歩きっかけがあったら多分あのちゃぶ台返しが見れるだろう。

まぁ私はそういう現場は見たくないし、ここいらで制止しておくかな。

 

「ムツキさん、そこまでにしてください。アヤネさんも気持ちは分かりますが落ち着いて。」

 

「ちぇー、しょうがないかぁ......」

 

「......分かりました。」

 

 二人の間に一矢即発の空気が漂う。後ろの先生は女の子に触れられた歓びと止めるべきという感情の間で顔が崩れた豆腐みたいになっている。

こういうときにこそ、先生はしっかりしていて欲しいんだが......仲裁は私の仕事じゃない。

 

「でも、別に私がこうやって体を触れていても、先生はむしろ喜んでいるみたいだけど?それに、『シャーレ』の先生はあんたたちだけのモンじゃないでしょ?ね、先生。」

 

「ひゃ、ひゃい......」

 

 また再び先生の胸元に頭を擦り付けるムツキさん。そしてその色仕掛けに心揺らされたのか、蕩けた表情で返事をする先生。

あ~、もうダメかも分からないな........アヤネさんの顔が一周回って笑いの表情を見せているが、目は笑っていない。元は笑いは威嚇だったと聞いたことがあるが、もはや威嚇どころか実力行使までいきそうだな?

 

「先生。」

 

「ひぇええ.....にゃ、にゃに.....?あやね.....」

 

「そこから離れて、今すぐアビドスに行きましょう。そしてお説教です。」

 

 そういってさっきとは比べ物にならない力で先生を引っ張っていく。なんか布地が裂けるミチミチという音が鳴っているが....

まぁ、自分で蒔いた種だ。死ぬわけでもないし、危害が加わる訳でもなさそうだから、私も介入しないでおこう。さらば先生、お元気で。

 

 にしても、この光景にはどこか既視感がある。あ~、確か......今日は残業するなと念を押していたのに残業していたユジン部長がヴァレンティンに見つかったときだな。

『ユ~ジ~ン部長~?』と笑っているが笑っていない顔で近づいていくヴァレンティンは軽くホラーだった。ちなみにちゃんと部長は帰された。

後の仕事?期限が2週間もあとのだったけど締まりが悪かったから一応私がやりましたとも。その日はどのみち遅くまで残る用があったから。

 

 でも、そういうのも、悪くなかったな......

 

 

 

 

 

 

 

「......お待たせしました。変動金利なども含め、利息は888万3670円ですね。」

 

 頭がT字型のヘンテコなスーツを着たロボットが、金の入った重厚なスーツケースを受け取る。

オール現金、護衛はなし、大した装甲もない車一台にいるのはそのロボット一台.....都市だったら警備がザルすぎて余裕で襲撃されるぞ。

まぁ、流石に私はやらないが。やる理由もない。

 

「はぁ、今月もなんとか乗り切ったね~。」

 

「完済まであとどれくらい?」

 

「309年返済ですから......今までの分を入れると......」

 

 ......どんなローン組んでんだ?309年返済?T社の技術でも使って無限に労働しろとでもいうのだろうか。

借金が莫大だとは知っていたが、そのローンもとんでもないな.....返済が終わる前に砂に覆いつくされるんじゃないか?ここ。

 

 というか一つ思ったが、何故現金オンリーなんだ。あんなに襲撃が行われるということは裏路地と同じくらい治安が悪いと思うんだが。現金だと奪われる可能性が高くないか?

話を聞いている限り、アビドスのみんなも違和感を抱いているようだ。普通大金を用意するなら電子とかも使うからな。

そしてなぜかシロコさんがセリカさんに輸送車を襲うなと警告されている。なんだ、シロコさんってそんなに凶暴な人なのか?

 

 まぁそれは置いておこう。とりあえず、教室に戻るか。

そういえばあのときに私が鹵獲した.....戦車か。戦車はどうしたんだろうか?資金不足なら売り払ったのか、はたまた虎の子の秘密兵器にしているのか。

どっちみち私一人でも始末できる程度なら、あの時に感じたほど脅威はないかもしれない。

 

 

 

 もう見慣れた対策委員会が置かれた教室に入って席に着く。特に変哲はない.....と思いきや、置かれていたホワイトボードに、

 

『便利屋参上!何かあったらこちらの電話番号に....』

『便利屋68室長より。』

 

 と書かれていた。それを見たアヤネさんの顔がまた般若みたいになっていたが、それを消すとアヤネさんは口を開いた。

 

「今日は一つ、普段とは違う事案についてお話したいと思います。」

 

「先日の戦闘でシグレさんが鹵獲した戦略兵器を分析した結果.....現在では取引されていない型番だということが発覚しました。」

 

 あれ非売品だったのか。いや、あんなデカブツだから当然か?

しかしそれがなんだというのか。非売品程度いくらでも闇市場とかに流れていることはザラだ。都市ではどっからパクってきたのかも分からないエンケファリンが売られていることもあった。

もっとも、買ったら下手したら追われるうえ粗悪品だと死ぬこともあるらしいが。私は買ったことないから知らん。

 

 しかしどうやらここでは一般的ではないらしい。口々に疑問が湧き出てきている。

 

「それをどうやって手に入れたのかしら?」

 

「生産が中止された型番の兵器を手に入れる方法は.....キヴォトスでは『ブラックマーケット』しかありません。」

 

  ブラックマーケット.....闇市か。私が考えていたことが当たったと考えてもいいか。

ふむ、都市の裏路地のブラックマーケットは本当に入ったら裏路地の夜に近い状態になるが、こっちはどうなんだ?

 

 .......なるほど。話を聞いている限り、こっちも様々な事情で転がり落ちたゴロツキ共がうろついているらしい。

しかしその事情がどれも学校に関係するというのは面白いな。普通そういう組織の転落系で思いつくのは汚職~だとか嵌められた~とかだが。

まぁ、それもこの世界の事情の一つか。つくづく都市とは違って面白い。

 

 そして昨日の襲撃と関連付けて、もしかしたらなにか手がかりがあるかもしれないからブラックマーケットに行ってみることにしたらしい。

ちょうどいい、もしかしたら私もなにかいい探し物が見つかるかもしれない。どのみちついていくことは確定しているんだし、今のうちにできそうなことを考えておこう。

 

 あ、服は......まぁ溶け込むならシ協会のものの方がいいかな。あとそういう場所に行くなら折れてしまって使えないが威圧目的で空鞘を携帯していくか。

刀で重さの七割を占めるのは本体だし、鞘程度なら問題ない。そういう場所にはよく任務で行ってたんだ。今更どうということはない。

 

 それじゃ準備を整えて、行くとしよう。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

シグレ

 

 +294 混乱抵抗値 74  2~7

 

パッシブスキル

・速度3 速度ダイススロット+1、感情レベルが3以上のとき、追加で速度ダイススロット+1

 

・死の目/過呼吸 各ページの威力+4、本来のコストが4以上のページを使用時、光を2回復。

 

・解放/気配探知 毎ターン、自分にある状態異常の値を1つ減らす。2幕目以降に永続的にクイック1を得る。

幕の開始時、永続的にクイック1を得る。ランダムな敵に『偵察』を付与し、『偵察』が付与された敵はマッチ進行時威力-1。

 

・シ協会での経験/都市での経験 毎幕毎に、一方攻撃を受ける際反撃ダイス(斬撃 7~10)で反撃する。このダイスは破壊されない限り無限に使用する。

遠距離ダイスページとマッチ時、全ページの威力+6、相手のページの威力-3

 

・死の本能/絆 他のキャラクタ―が死亡した場合、永続的にパワー1とクイック1を得る。味方が死亡した場合、永続的にパワー1と忍耐1を得る。

 

・ユジンの刀/研ぎ澄まされた一撃 斬撃威力+2、攻撃的中時相手に麻痺1か出血2を与える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 史実に比べ若干だけ利息の返済額が上がっている理由はシグレちゃんが戦車を無傷で鹵獲したからです。使えるパーツをひっこぬいて売りました。

 死の本能は永続と書いてある通り舞台を跨いでも永続です。なんならシグレちゃんのバフスキルは基本的に全部そうです。つっよ。でもユジンぶっちょの方が強い。

何か見たい話はありますか?

  • 剣楔アリス
  • W社ウタハ
  • ディエーチ協会ウイ
  • リクエスト......?
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