元過労暗殺者、平和だが平和じゃない世界へとやってきた   作:シャオロウェをすこれ

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メリークリスマス!いいクリスマスを!


元過労暗殺者、ブラックマーケットを訪れる

「ここがブラックマーケットか......」

 

 まだ点いていないネオン付きの看板や、生ぬるい風を排出するエアコンの室外機があちこちに置かれた場所。

道端を見ればごみが散乱し、あちこちに血の跡がないこと以外は都市とそっくりだ。ただしこちらにはその代わりなのか銃痕が見られるが。

皆はここが想定よりかなり賑わっていることに驚きを見せているようだ。実際この規模は都市でもなかなか見ない。

 

 確か12区の裏路地がこんな感じだった気がする。あそこは旧L社の巣があった場所で、都市の重要なエネルギー生産を担っていてR社やT社の警備員が外周を見張っていた。

そのおかげで指とかネズミも下手な行動を起こせば首が飛んだからな。いい抑止力になっていた。ほんっと、なんでL社の巣はあんな光を出して図書館に変貌したんだ......?

 

『皆さん、油断しないでください。そこは違法な武器や装備が取引される場所ですから、何が起こるか.....きゃぁ!?』

 

「!」

 

 聞こえてきた声に即座に刀を構える。アヤネさんに何かあったのだろうか?であれば不味い、早急に救助に行く必要がある。もうセリカさんの二の舞はごめんだ。

その声と同時に軽快な銃声が聞こえる。もしかしてこれが原因か?.....待て、人の声も一緒に.....

 

『うわあああ!!まって!ついこないでくださいいいい!!!』

 

 白い服に銃と鶏のような面白いカバンを背負った少女が、いかにも不良ですと分かるようなものに追われている。

あぁ、あれが原因か。ふむ、アビドスの皆はどうするのかな?正直何か助けるメリットが明確にないと助ける必要もない.....というかそれでピンチに陥っていることが何度かあるからな。

ひとまず様子を見てみよう。

 

『あれ.....あの制服は.....』

 

 アヤネさんが何かあの少女について気づいた様子だ。あれ、待ったあれこっちに来てないか?

 

『わわわっ!?どいてくださいいい!!』

 

 その少女はシロコさんに激突したのち、すっこけそうになりながら停止した。なんだなんだ、こんな無邪気そうなのに何かやらかしたのか?

おっと、どうやら追っていた不良っぽいやつもこっちに来たぞ。話を聞くかな。

 

「そこの金髪マスクの方、何故彼女を追っているんです?」

 

「アァ!?んなもん決まってんだろうが!」

 

『あっ!思い出しました......その制服、キヴォトス一のマンモス校、トリニティ総合学園です!』

 

「そうそう、そしてキヴォトスで1番金を持っている学校でもある!そいつを拉致って、身代金で一儲けって訳さ!」

 

 ......救えないな。斬ってしまってもいいだろうか?

やっぱりさっきの発言は訂正しよう。我慢ならない。こんなやつがいるから.....!!

 

「屑が.....!」

 

 すっかり相手の意識外に追いやられていた私が突然行動を起こしたのに反応できなかったのか、驚愕の表情で目を見開く不良。

顔面に裏拳で一撃入れた後、銃をへし折って折れた箇所で殴打する。もう片方の黒髪は、持っていた空鞘で首を狙って気絶させた。

 

 ......あぁ、またやってしまった。どうにも私はこういう奴らに対して我慢が効かない傾向にあるな。

ユジン部長も私に対して警告していた。怒りを抑えろと。

事実私は一度無茶苦茶な命令ばかりしてきたセルマのセルマに対して本気で殴りそうになったことがある。ユジン部長に制止されてやめたが、その日から一ヶ月くらいはセルマは私たちに強く出れなかったっけ。

 

 後ろを見てみれば、同じく私がそんな行動を起こすと思っていなかったみんながが少し驚いた表情でこちらを見ている。

ああ、確かに私から先に手を出すことはあまりなかったからな。だからか?

 

「すみません。つい手が出てしまいました。」

 

「いえ、悪人は懲らしめないとですから☆!」

 

「うん。」

 

 しかしすぐさまシロコさんとノノミさんは同調してくれた。助けられた少女は『えっ.....えっ?』と動揺しているが、こちらとしてはただやるべきことをやったまでだ。

さて、それでは用も済んだし話を聞こう。何故こんなところにいるのかを。ここ一のマンモス校のお方が、何故いるのかを。

 

「あ、ありがとうございました......皆さんがいなかったら、学園に迷惑をかけてしまうところでした。」

 

「こちらのすべきことをしたまでです。それで、なぜこんなところに?」

 

 それを聞くと少女は少し体を震わせて、うつむきながら恥ずかしそうに答えた。

 

「じ、実は......探し物をしていて。もう非売品になってしまっていて買うことが出来ないのですが、ここでは密かに取引されているらしくて.....」

 

 .....なるほど、物品の入手か。正規の場所ではもう取引されていないから、ここで買うと。

う~ん、そういうのは結構あるが大抵壊れてたり訳アリの品なことが多い気がするんだが......やめておいた方がいいと思うんだけど。

 

「もしかして......戦車?」

「もしくは違法武器?」

「科学兵器とか?」

 

 口々に上がってくる回答はどれも物騒な物ばかり。かくいう私も違法薬品のようなものかと勘繰っている。

さぁ、一体何が望みでここに来たんだ?

 

「え、えっと.....ペ、ペロロ様の限定グッズなんです。」

 

 .........ペロロ様?なんだそれ、聞いたことないぞ?しかもグッズ......まさかだとは思うが創作もののグッズを買いにわざわざ?

いや、分からないことはないぞ。リウにいた頃の同僚の一人にK社の.....ジークフリートと名乗っている特色のグッズを買いに23区の裏路地にカチコミかけた馬鹿はいたが......まさかな。

 

 周囲を見渡してみてもみんな頭の上に?が浮かんでいる。セリカさんもシロコさんも知らないようだ。

ということはかなりマイナーなものを.....ますます意味が分からないんだが。......あれ、ノノミさんだけ何か知ってそうだな?表情がそんな感じだ。

 

 まぁそんなことを考えているうちに、少女はあのなんだか気味が悪いよくわからないカバンの中からおもむろに携帯を取り出して私たちに見せてきた。

どれどれ.....なんだこれ?目がイッてる鶏に.....チョコミントアイスが刺さってる?......絵面が意味不明なんだが。

待て待て、一体どういうこった.....

 

「こ.....これは?」

 

「ペロロ様とアイスクリーム屋さんがコラボした、限定100体生産のグッズなんです!どうです、可愛いでしょう?」

 

 .....ちょっとこの人の感性は私には理解できないな。そんなに鶏が好きなら、ブレーメンの音楽隊でも呼んで演奏してもらおうか?

もちろん、呼んだ後は斬るが......ちょっと滑ったな?どのみちあいつらも殺す相手なんだし。

 

「あ、あとはこれです!最近新しく登場した、『チキン野郎-a.k.aボンちゃん』も入荷されたと聞いたので来たんです!」

 

 .....理解できぬ。ちょっと脳が思考停止しそうだ。ノノミさんは楽しく会話を繰り広げているが、少しついていけないな.....

あ、そうだ。さっき気絶させた不良共から財布でも抜いておこうか......いや、ダメだな。昔の経験で、つい手癖で抜いてしまいそうになる。

ユジン部長にもシャオ部長にも絶対やめるように言われているし、やめておこう。あ、でも携帯くらいは見せてもらおうか。

 

「うぅ.....アタシになにを.....」

 

 あ、起きちゃったみたいだ。それなら顔面を思いっきり踏んづけてもう一度気絶させておこう。

『ホゲッ!?』という間抜けな声を出すと同時に鼻血を出してまた倒れた。あ~、携帯が少し汚れちゃったよ。まいっか。

パスワードはかかっておらず、本当にそういうところ気にしないのかと思った。必須級なのにな。

 

 どれどれ、中身は.....あ~。

 

「お話し中失礼しますが.....多分もうすぐ敵が来ます。復讐しに。」

 

『皆さん大変です!四方から武装した人たちが向かってきます!』

 

 そのメールの内容は、『10分報告が無ければ最後に反応があった場所に来い』というメールだった。

やれ、不良の抜けた計画にしては随分しっかりしているんだな.....面倒な。

 

「あいつらだ!よくも!」

「痛い目に遭わせてやるぜ....!」

「頭ねじきっておもちゃにしてやるぜぇ!?」

 

「はぁ....話は通じなさそうですね。」

 

 刀を抜く。数はあまり多くはないし、余裕で殲滅できるだろう。

こういう場所で面倒ごとを起こすとその後が余計面倒になるというのはなんとなく分かるし、手早く片付けよう。

 

「それじゃあ、行きましょうか。」

 

 狙いはいまだ威嚇の言葉をしゃべり続けてる黒マスクの馬鹿共。敵、しかもすでに戦闘態勢の奴らを目の前に攻撃せずにしゃべり続けるとか、何考えてんだ?

とりあえず、そのショットガンを置いて行ってもらおうか。ここだと散弾は避けづらそうだしな!

 

「おまっ!?話しているのに襲ってくるとか卑怯だろ!」

 

「それは油断してる貴方が悪いでしょう。」

 

 股に一撃蹴りを入れる。不良の身体が宙に浮き、腹部になんとも攻撃しやすい弱点が出来る。だからそこに逆手持ちで斬撃を叩き込む。

そして片方。ライフルをこちらに向けてきているが、銃身が長い影響で射撃しづらそうだ。であらばもっと近づいて.....!

銃口が顔の前にやってくる。左手に持っていた空鞘を銃口にあて、自身は右側に逸れていなす。

 

 そうすると行き場を失った銃弾は必然的に銃口付近で停滞し暴発する。

そしてそれで体制を崩した時がチャンス、顎下に拳を叩き込む!

 

「オエッ!?」

 

 でもまだ終わりじゃない。後ろには巨大な機関銃を構えた不良と、シールドを構えた黒いロボがいる。

一人なら何とかなるが二人だと真っ向勝負は厳しい。ハチの巣になるのは勘弁だ。だからお手軽にできる奇襲を行う。

 

 地面を力を込めて蹴り、壁を蹴ってそれ伝いに近づいていく。一番大きいのはあのロボのシールドだから、それを踏み台にして....!

 

『">PA)#"((>!?』

「オートマタを踏み台に!?」

 

 機関銃を斬り落とした後、顔面に蹴りを入れてまた気絶させる。そして相方がいなくなって怯んでいるうちに折れた機関銃で顔面を気絶するまで殴打する。

そして最後のオートマタは人ではないし容赦する必要もないかと普通に首を斬る。よし、始末完了。

 

 あっちも終わったみたいだし、戦利品のバカでかいシールドを持って合流しよう。少しは売れるだろ。

 

 

 

 

 

 


 

 

『チキン野郎-a.k.aボンちゃん』

 

 最近モモフレンズに登場した新たなキャラクター。

ほぼ調理済みの鶏の形をしており、大抵いつも焼かれたり揚げられたりしている。でも見た目が面白い上声がいいので人気は高い。




 リンバスからチキン野郎登場!ちなみにこれはあくまで映像の中なので現実にはいません。

何か見たい話はありますか?

  • 剣楔アリス
  • W社ウタハ
  • ディエーチ協会ウイ
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