元過労暗殺者、平和だが平和じゃない世界へとやってきた 作:シャオロウェをすこれ
中盤くらいから先生視点です。難しいな......あと、今回の話は人によっては好きじゃないかも。昔書いててこれでお気に入りが3人くらい減ってショックを受けたから、かなり怖い......ガールズラブ.....ではないと思うけど...う~む。
時刻は夜の9時。先生はいまだ泣き止まず、私に対して懺悔の言葉を言い続けている。そんな、先生とは全く無関係の所で起こったことだというのに、よほど生徒のことを大事に思っているんだろう。
私がした話だけでこれなのだから、もし先生の前で守るべき生徒が死んでしまったなら......おそらく先生のメンタルは完全に折れてしまうだろう。
でも私は『守るべき生徒』ではないから、万が一死んでも大丈夫だろう。きっと先生は私の話を生徒に置き換えて考えてしまっただけだ。
さて、この現状をどうすべきか。服が涙で沈んでしまうのではないかというほど胸元で泣いている先生と、崩壊しかけてそうなメンタル。
現状私たちは食事もとっておらず、私はともかく先生は明日のためにもなにか食事を摂る必要があるだろう。それに調子も戻さないと。
う~ん、料理はあまり得意じゃないんだけど......まぁやれるだけやってみるか。
「先生、大丈夫ですか?よければ軽食程度なら私が作りますが。」
「.......やだ。いらないから、今は私の傍にいて.....お願い.....」
......ちょっと考えていなかったな。そうだな、こんな泣きはらしている状態で飯なんて食いたくもないか。
とりあえず落ち着けるための方法は......あ~駄目だ、私はこういうのに詳しくないんだが......協会長のせいで、微妙に深いところ知識だけはあるんだが、如何せんリラックスさせる程度の技能は分からないんだよな.....
え~と、セシルは何て言ってたっけ?落ち着けるためには抱きしめるといいとか言ってたか......?でもなぁ、それロウェル部長にやってシャオさんに手刀食らってたしなぁ.......まぁ、それくらいしか分からないしそうするか。
「ん.....あったかい....そのまま.....」
「望む限り、ずっとやっていますよ......」
しばらくすると、スーッ、スーッと寝息が聞こえてくる。どうやら疲れ果てて眠ってしまったらしい。
しょうがないな、ここ最近で長時間徒歩、銀行強盗、精神的ダメージの3要素が重なっているんだもんな.....メンツがおかしいが、確実に疲労は溜まるだろう。
「....やっ......いかないで......」
そういって腕を掴まれる。この人本当は起きてるんじゃないか....?.....まぁいいか。
でもとりあえずベッドを移動しないとな。零れた涙でこっち側のベッドはグショグショだ。流石に濡れたベッドで寝るのは嫌だしな。
.....こんなことを言えるようになったのも、どれもこれもシャオさんとユジンさんのお陰か。改めて二人に感謝して、ちょっと早いが私も寝るとしよう。
「まもら......ないと....私は...先生だから.....」
チュンチュン......
「もう朝か.....」
結局、夜は先生がずっとクモのように抱き着いてきて暑くて寝られなかった。しかもうんうん魘されているし、それも心配だということでもうほとんど一睡もしていない。
瞼が重いな......シの頃は何でもなかったのに、平和な生活を送り過ぎて体が慣れてしまったかな。
先生はまだ起きていないようだが.....そういえば先生は昨日泣きはらしてから着替えていない。普段だったら近くのランドリーで洗濯しているが、昨日はそうもいかなかったからな......
流石に先生もそんな服で仕事をしたくはないだろう。どうすべきか....サイズがだぼだぼになりそうだが、私の服でも貸し出した方がいいだろうか?
......いや、まずはこの引っ付いてる先生を剝がさないことには始まらないか。ちょっと失礼しますよ。
......力よっわ......確かに体は軽かったが、力も全然ないじゃないか。この平和だが治安が悪い世界でこれは中々不安だな.......
でもとりあえずこれで起き上がることは出来たし、行動を起こせるな。まずは.....食事でも作ろうか。きっと先生も今度こそはお腹が空いているはずだろう。
冷蔵庫の中身は.....碌なものないな......これ。まぁ元より先生はインスタントか外食だったししょうがないか。でも簡単な物なら作れそうだな?
ここは備え付けのコンロはないが、先生が別にコンロを持ち込んでいたようで簡単な調理器具程度はある。
皿は紙皿でいいだろうし.....箸も割りばしがあるな。うん、よし。それじゃ、作り始めますか。
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目に光が射し込んでくる。もう朝なのかな.....?
うぅ.....なんだか体が重い。昨日泣き過ぎたんだろう。昨日の私の愚かさに吐き気がしそうだ。
私は......私は先生失格だ。目の前の
シグレは、幼いころから過酷な思いをしてきていた。親に愛情をいっぱいもらって、楽しく成長する時期には殺人鬼どもに追われて。
将来大切な人に捧げるはずの春は、ただ生きるというためだけにただの有象無象に奪われて。それで、身体にも傷をつけられて。
毎日が死と隣り合わせの日々を送って......最後には形容するにも出来ないほどの痛みに襲われて死んでしまったんだろう。
息が出来ない。苦しい。でも、シグレの方がよっぽど苦しい思いをしてきたのに、私は......
「先生....?」
違う、違う、私は先生だから、守らないと......本当に守れるの?目の前にいる生徒の事情すら察せず、挙句の果てには傷口を掘り返すような真似をして......
生徒の心一つも守れずに......こんな私に先生なんて務まるの.....?でも、それが......
「先生!」
「!な、なに.....?」
「顔色が悪いですが、どうしましたか?簡単なものですが食事を作りましたが.....気分が優れないのなら取り下げますが。」
「いや....食べるよ。ありがとう。」
机の上には美味しそうな目玉焼きとサラダ、それに汁物が置かれている。箸も綺麗に備え付けられていて、生活力が壊滅している私とは対照的にお手本のような食事だ。
一口飲んでみれば、素朴なれど体に浸みる優しい味がした。美味しい......
「どうですか?」
「.....美味しい。すごくおいしい.....」
「そうですか!それはよかった.....あまり料理が得意ではありませんから。」
そういってシグレは手を広げておどけて見せる。その顔はまるで太陽のように明るい。
でも私はこの笑顔を守れなかった。シグレが来たという異世界はとても残酷で、最低な世界だ。子供に、あんなことを強いて.....
シグレはどうしてそんな笑えるのだろうか。言葉にするのも恐ろしいことをされて、それでいて、どうしてこんな満面の笑みが出来るのだろう?
.....苦痛を、押し殺して生きてきたからなのかな?
本当だったら今は最高に楽しいはずの青春を謳歌しているはずなのに、目の前の彼女は苦痛の中で生きてきた。
身体に刻まれた夥しい数の傷跡は、もう二度と消えることはない。今後、友達が出来てやっと心を落ち着けられる場所が来ても、あれはずっと残ってしまうんだろう。
.....そんな彼女に、私が、『先生』としてできることはなんだろう.....?
そうだ......私はもう.....シグレを苦しませたり、傷つけたりするようなことはさせちゃだめだ。
シグレは私と同じで、ヘイローがない。銃弾一発でも受けたら、致命傷になってしまうかもしれない。些細な怪我でも、恐ろしい事態を招くかもしれないんだ。
だから....もう戦わせないようにしよう。シャーレの執務補佐として、私の隣にいてもらえば、シグレがこれ以上体に怪我を積み重ねることはないはずだ。
シグレは、今私の『護衛』という形で、私の傍にいる。学校も通っていないし、それこそ身寄りは......
私がしようとしていることは、先生としてしてはいけないことなのだろう。生徒を、身寄りを人質として自分の手元に縛り付けること。
だけど....これもシグレのためだから。お互いにとってwin-winなことなんだから.....
「許してくれるよね.....?」
「先生、なにかおっしゃいましたか?」
「う、ううん!何でもないよ!」
そうと決まれば、頑張らないと。ごめんね、シグレ。今まで辛い思いをさせて。今はシグレに守られてるけど、これからは私がシグレを守るから......
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ネガティブエモーションが蓄積しました
現在の感情レベル 3
状態異常 パニックを獲得しました。
/おめでとう!先生のSAN値が直葬されたぞ!\
先生は負荷に耐え切れず見事に混乱しました。今後彼女に対する精神ダメージは2倍になります。WHITE2.0の脆弱です。
何か見たい話はありますか?
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剣楔アリス
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W社ウタハ
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ディエーチ協会ウイ
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リクエスト......?