元過労暗殺者、平和だが平和じゃない世界へとやってきた   作:シャオロウェをすこれ

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 高評価とお気に入りと感想をしてくれると執筆意欲が上がるとか.....


元過労暗殺者、迎撃戦を行う。

「なんで......一体どうしてでしょう?」

 

 対策委員会教室。昨日も私がいるときは暗い雰囲気を醸し出していたその教室は、昨日に増して最悪の空気感だった。借金が増額されたと聞いた翌日の、先輩の離脱。みんないい感情を抱いていないのは当然だろう。あまりにも突然過ぎた出来事だったからな。

まだあの手紙は読んでいないから、この雰囲気がどうなるかはその手紙次第だろう。だが、少なくともこの重苦しい空気感が払しょくされることはない。今日一日は続くだろうな......怒涛の出来事ラッシュだな、ここ最近は......

 

 などと考えてると、不意に扉が開いた。見て見れば、そこには息を切らして汗だくだくの様子の先生がいた。おそらくあの衝撃的な知らせを聞いて以来ホテルから全速で走ってきたんだろう。

 

「あ、先生。来ましたか。」

 

「うん.....ごめん、ちょっと遅れた。ホシノの退部届って言うのは?」

 

「こちらに。」

 

 そしてそれを受け取って読んだ先生の表情が暗くなる。やはりみんなホシノさんの急な離脱はショックなようだ。しかしまだどういう意図があっていなくなったのか確実には分かっていない。まだ慌てるときじゃない......

 

「......どうして、ホシノちゃんはいなくなっちゃったんだろうね。」

 

「分かりません。ただ、先生も来たことですし、これで手紙を見れますね。」

 

 そういってノノミさんが手紙を手に取る。包装はピンクの可愛らしい包装をされていて、表面には『アビドス対策委員会のみんなへ』と書いてある。封を切って中身を見てみると、そこには綺麗に折りたたまれた一枚の紙があった。

流石にこれを全員で読むと窮屈だし、一人一人回し読みして読んでいこう。そっちの方がじっくり見れるだろうしな。私は......多分順番的に最後かその前くらいだな。それまで待つとしよう。

 

 

 

 

 

「......腐りきってやがる.......」

 

「何なの!?あれだけ偉そうに話しておいて!!切羽詰まっちゃったら何でもしちゃうって、自分でわかってたくせに!こんなの、受け入れられるわけないじゃない!」

 

 全員が手紙を読み終えると、一番最後に手紙を読んだセリカさんが憤怒の声を上げて憤っていた。みんなの表情も煮え切らない表情で、それぞれ思うところがあるようだ。

特にホシノさんとかかわりが深かったであろうユメさんが大分顔が不味いことになっている。そう、笑っているが笑っていないだ。これこそが最適な表現だろうな。

 

「......助けないと。私が行く。対策委員会に迷惑がかかるし、私一人で......」

 

「シロコさん。それなら私が行きます。私は対策委員会所属ではありませんから、行くなら私が行きます。」

 

「いや、二人とも、それなら私が行くよ。ホシノちゃんを傷つけて連れ去ったクソッたれのカイザーにホシノちゃんと私達が受けた分の苦痛と喪失を抱かせてやる......!」

 

「み、皆さん落ち着いて......今はまず足並みをそろえないと......!」

 

 ああもう、じれったいな......!ならカイザーを全員皆殺しにして目撃者を消した上でホシノさんを助ければいいか.......あのガラクタ共の殲滅くらいなら私一人でも......!?

 

「爆発!?」

 

「近いです、場所は......!?」

 

「......そ、そんな!?こちらに向かって、数百近いPMCの兵力が進行中!同時に、市街地に無差別攻撃を仕掛けています!」

 

 その言葉を聞いた瞬間、ユメさんと私、お互いの目が合った気がする。ユメさんは杖と槌を、私は刀と手袋を装着し、ただ一言の言葉だけでお互いの意思を理解した。

 

「......ユメさん。」

 

「シグレちゃん。」

 

「「カイザー、殺しに行こうか。」」

 

 お互いがカイザーの元へと向かう。私は窓から、ユメさんは降りておそらく玄関から向かうつもりなのだろう。

もう奇襲だとかそんな猪口才なことは考えない。正面から突撃して、正面から磨り潰す。二度と立ち直れないくらい、ギタギタのグチャグチャにして、この体をガラクタ共のオイルで染めてやる。N社ではないが、それに準ずる勢いで義体のクソ共を破壊してやる。

 

 校門から侵入してきているのはまだ周囲の掃討でここに来ることはない......今私が狙うべきなのは、体育館から侵入しようとしている奴らだろう。ほら、見えてきた......!

 

「死ね!」

 

 刀をガラクタの心臓部へと刺しこむ。そのまま抉りこむと、胴体を真っ二つに斬り裂いて始末する。既にユメさんも暴れていて、槌を振り回して敵を粉々にしている。私も負けていられないな。

 

 攻撃される前に持っていた銃を蹴り飛ばし、刀を逆さに持って左半身を切断し、そのまま浮かんだ刀で後方に迫ってきていた敵も横一文字に斬り裂く。

そしてこの斬り裂かれてもはやロボとしての体を成していないジャンクを盾にして、次へ次へと進んでいく。盾持ちの敵に対してそれを投げつけて、視界が塞がれた今のうちに......!

 

 盾の前で跳躍し、防御されていない箇所......頭を獲りに行く。よくわからない音を吐いて盾を上に向けようとしてきたが、それをされる前に頭部を砕きつぶす。

前衛をやられて混乱しているのか、敵は浮足立っている。ほぅ、ロボットも浮足立つことあるんだな?ちょっと興味深いかもしれない。しかしそれにしてもこの数は多いな、こういうときは......!

 

「ユメさん!合わせられますか!?」

 

「オッケー任せて!焼き壊れろ!」

 

 体当たりで敵を少し吹き飛ばした後、刀で一閃を入れて敵をユメさんの方に寄せる。そしてこうして飛ばされた敵の前には、ユメさんの大槌が目の前にあるというわけだ。

 

「あ!ちょっと壊しちゃった......」

 

「大丈夫ですよ。その敵は爆弾を抱えてましたから、殺さなければもっと破壊されていました。」

 

 互いに得物に着いたゴミを払う。ふと違う方向を向いてみれば、そこには武器を投げ捨てて逃げ出そうとするPMC兵士たちがいた。......先に手を出しておいて、逃げれると思っているのか?

 

「ひっ!?き、きたぁ!?」

 

「あ?お前人間なのか......?」

 

 義体の下から見えた人間の皮膚に、振り下ろす刀を一瞬止める。今までの敵は全員ロボットで斬ることに躊躇はなかったが......人間を殺すなと先生に止められているからな.......

う~ん、ここは見逃すか。しかし参ったな、こうなると識別が面倒だ......いちいち手間はかかるが、ロボと人間の気配を識別して攻撃するしかないか。

 

 とりあえず戦意を失ったこいつらは置いておいて、今度は校舎内に侵入した敵を排除するか。ロボは......少ない、クソッ、面倒な......丁寧にやらないといけないのか。

ひとまずは一階にいる敵を排除するか。2階の敵はさっきからする銃声的に、対策委員会の人達が排除してくれているっぽいし、とりあえず目先の敵からだ。

 

「第二部隊からの通信が途絶えた......?」

 

「私から先に失礼するね!」

 

 先陣を切っていたユメさんが、あの恐ろしい鞭で敵に攻撃する。出ていった鞭からまた鞭が分裂し、巨大な円状の範囲攻撃となって敵に襲い掛かる。そうか、あれ自体に物理的な破壊力はないから広範囲攻撃でも気にせず撃てるのか。盲点だったな。

 

「ああぁぁぁ!?!?痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃぃ!?」

「ぁ.....ぁぁ......?」

 

 効果は絶大なようで、人間・ロボ問わず地面に膝をついていた。酷いものは自分の首を絞めて死のうとしているものまでおり、流石に人間に死なれては困るのではたいて気絶させておいた。あ、ロボは別に死んでも問題ないからそのままにしたが。

 

「私も負けていられませんね?」

 

「なら、ホシノちゃんを奪還するまで競争かな?」

 

 玄関前に立ち塞がっていたデカブツを背後から袈裟に斬る。む、刃が深くまで届いていないな。なら突き刺してコアを殴り飛ばしてやる。

手に炎を纏わせてロボの胸部を思いっきり殴りつけると、火が電気系統か何かに引火したのか巨大なスパーク音を上げながら煙を吹き出して機能停止した。勢いそのまま、周囲のPMC兵士も頭を吹っ飛ばしたり腹に風穴を開けたりで対処し続ける。

 

 にしても、こいつら練度は微妙だが数だけは多いな......さっきから倒しても倒しても増援が来てキリがない。よっと、これで......何体目だ?数え切れなくなってきたな。

だけど多分......コイツで最後かな。側頭部に回し蹴りを叩き込んで、終わり!

 

「ユメさん、それじゃ2階に行きましょうか。とはいっても、もう終わりそうな感じですが。」

 

「分かった......ところで、これ()に当たってない?大丈夫?」

 

「大丈夫です、この通り元気ピンピンですよ。」

 

 あの鞭はユメさんがねじれた時には避けるのが大変だったが、今は制御されているのか分からないがとても素直な軌道で避けやすい。こっちの方向に鞭が曲がってきても、少し体を捻ればすぐ避けられるというのにどれだけありがたみを感じたか......

 

 階段を駆け上がって2階に向かうと、そこには破壊されたロボットと倒れ伏した人間の兵士の山が大量に、という感じだった。対策委員会のみんなは少し消耗したものの、まだやれるといった感じだ。なら大丈夫そうかな?聞いてみるか。

 

「大丈夫でしたか?」

 

「はい......ここにいる敵は撃退できたみたいですが、まだ市街地の方には大量のカイザーPMCが......市民の避難もまだ済んでいませんし......」

 

 ......知っていたが、改めて聞くとほんっと物量だけはあるな......

というかそうか、この侵攻は予告なしで行われたから民間人も逃げていないのか。無差別攻撃を仕掛けているとか言ってたっけ......ウサギチームかよ?ユメさんもそれを思い出したのか苦い顔をしている。ウサギは見境ないからな......トナカイはどうなんだろうか。

まぁ、それは一度置いておこう。とりあえずは、目先の問題に対処しないと......

 

「なるべく早く出撃して、その問題にも対処しに行きましょう。」

 

「ん、了解。」

 

「ホシノちゃんも早く助けないといけないからね!」

 

 それ以外のみんなも気合い十分なようだ。よし、行くか!

 

 

 

 

 




 次回 カイザー理事死す、デュエルスタンバイ!

何か見たい話はありますか?

  • 剣楔アリス
  • W社ウタハ
  • ディエーチ協会ウイ
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