元過労暗殺者、平和だが平和じゃない世界へとやってきた 作:シャオロウェをすこれ
後これから少し投稿頻度が落ちます。ご了承ください。
帰ってきた対策委員会教室。今は翌日の奪還作戦のためにしばらく体を休めている所。あの後はユメさんのお陰もあり、無事にホシノさんがいるであろう場所の特定にも成功し、そしてもうすぐ来るであろう吉報の連絡を待っている。お、電話が鳴り始めたな?
「はい、もしもし?......えっ!?」
「え、えぇ!?は、はい、分かりました......!」
「アヤネちゃん、どうしたんですか?」
「ア、アビドスの借金が......すごい減額されたと......利子も元に戻って、前の状態に......」
私は忘れていたが、ユメさんはちゃんと減額請求の話を覚えていた。これでここに戻ってきたときにアヤネさんが言っていた、借金は結局変わっておらず苦しいままだという事態も避けられた。
これで心置きなく、ホシノさんを助けに行けるだろう。懸念材料が一つ消えたともいえるからな。後はこの戦いでできた疲労を癒して、さっき言った通り次の戦いに備えるだけだ。
にしても、あの戦いは随分刀を酷使してしまった......しかも人ではなくて硬いロボを斬ったせいで、油もついて正直切れ味の心配がある。とりあえず拭いてはいるが、間に合わせの処置だろうな.....早いところ専用の研石を手に入れないと。このままじゃ落ちる一方だ。
「ただいま~!今帰ってきたよ!」
などと考えていると、扉が開いてユメさんがやってきた。......なんか足に黄色いコードがついてるな。あれもしかしてカイザー理事のものか?
「ユメさん、足にゴミがついてますよ。」
「えっ!?あっ、ほんとだ。ありがと、シグレちゃん!」
そういってゴミ箱にコードを投げ捨てるユメさん。アヤネさんから借金の話を聞いて、成功したみたいだねとほっと胸をなでおろしているが......あの理事も、流石にあそこまで追い込まれたら承諾するしかないんじゃないかなとは思うが。ま、上手くいったんだからそれはよしだ。
さて、私はそろそろ戻るとしよう。もう日も落ちてきたし、あの速報も聞けた以上、これ以上ここに残る必要もない。情報提供も終わったし、帰るかな。
「あっ、シグレちゃん行っちゃうの?」
「?ええ、そのつもりでしたが......」
「ならまた今日も一緒に寝ない?いや~、なんだか一人で寝るのが怖くなっちゃって......場所は前の体育倉庫......って訳にはいかないし、保健室でどう?」
「......先生、いいですかね?」
「私はいいよ、二人で楽しんで。」
......多分、そういうつもりじゃないんだと思うがな......まいいか。
ユメさんと一緒に、保健室を出る。ユメさんはあの拷問していた時の顔付きとは違い、すっかり穏やかな顔になっていて、ホシノさんがいないということを除けば少しだけ精神的余裕が出来たようにも見える。都市に比べれば、この世界は圧倒的にマシだからな......
そういえば、ユメさんについて少し気になったことでも聞いてみようか。どのみち明日まですることはないしな。
「ユメさん、そのスーツって着心地とか悪くないんですか?サイに比べればマシに見えますが、それでも動きづらそうですが......」
「これ?いや、そんなことはないよ。むしろ使用者に合わせて最適化されてるから、すごい着やすいよ!ちょっと着てみる?」
「いえ、遠慮しておきます。」
あんなに分厚いのに、最適化されているから動きやすいとな......中々興味深いものがある。シ協会やリウ協会で活動していたころの制服も、それを作る仕立て師の元個人に合うよう作られていたが......まぁ、R社にも似たような部門などがあるのだろうな。
「あ~、布団があったかいよ......あとはホシノちゃんだけいれば、完璧なんだけどね......」
「そうですね......しかし一人で先走ってもいいことはありません。刻が訪れるその時を待ちましょう。」
「そうだね......」
翌日。アビドスの正門前に集まった私たちは、それぞれ奪還作戦の最終準備をしていた。対策委員会の方々は銃の点検や持ち物の確認、ユメさんは銃のほかにも杖と整備、私は刀を整えるといった感じだ。先生も、先生の重要なブツであるあの人工知能入りタブレットに指示を出していた。
皆仲間を奪われたということで、それを奪い返すためのやる気は十分どころじゃない。もはや後ろから何か真っ赤なオーラでも見えそうなくらい燃え滾る闘志を見せている。
「ん、準備完了。」
「こっちも準備できたわ!睡眠もしっかりとったし、お腹もいっぱい!どっからでもかかってきなさい!」
「私の方も、アビドスの古い地図をすべて最新化しておきました。ユメ先輩から教わった情報によると、ホシノさんは旧アビドス高等学校本館にいるはずとのことです。一番安全なルートで案内します、行きましょう!」
「それじゃ、出発!」
「行きましょうか。」
「それじゃ、ホシノ先輩救出作戦.....」
「開始です!」
アビドスを離れて少し、ここに来るまで道中多少の妨害などはあれど、その道を防ぐすべての敵をハチの巣にしたり斬り伏せたり精神破砕したりで跳ね除け、ひとまずカイザーの前哨基地のようなところまではたどり着けた。
しっかし、あの理事と言いこの世界にいる大人は先生以外まともな人間はいないのか?あいつが言っていた黒服も、碌な人間ではないだろうし......私も後ろ暗いといえば後ろ暗いからなぁ......
「アヤネさん、後どれほどでしょうか?」
『教えていただいた座標はもう目の前なので、あと少しです......!』
「まだまだいけますよ~!」
ノノミさんがそう反応する。実際皆もまだまだ全然余裕がありそうだし、このままならすぐにつけそう......おっと、敵の気配がするな......
『っ、前方に敵を発見しました!距離は2km、もうすぐ接敵します!みなさん、対応の準備を......』
やはりか。2kmなら先行して私が___________砲撃!?
「支援射撃?」
『L118、トリニティの牽引式榴弾砲です!一体どうして......?』
私も何故だろうと考えていると、不意にアヤネさんの通信に誰かが割り込んできた。この声には聞き覚えがある......そう、あのブラックマーケットで共にした、ヒフミさんの声だ。
「ヒフミさん?」
「あっ!ヒフ______」
『ち、違います!私はヒフミではなく、ファウストです!』
「わぁ、ファウストさん!お久しぶりです!ご自分で名前を言っちゃってましたが、それはご愛嬌ということで☆!」
『あ、あれ!?あぅぅ......』
『その、このL118は、トリニティの牽引式榴弾砲ですが......』
『と、トリニティ総合学園とは一切関係ありません!射撃を担当している方にも、そう伝えておきましたので......』
『す、すみません、これくらいしかお役に立てず......』
「ううん、すごく助かった。」
......私たちはよき友を持ったようだ。たった一日程度の関りにも関わらず、こうも私たちに手助けをしてくれる人を持てるとは。それにトリニティ総合学園と関わりがないということは、個人的な理由で手助けしてくれたという意にもとれるしな。
さて、敵は砲撃で混乱状態、大分指揮統制もがたがたのようだし......このまま突破してしまおうか。一番槍は、私がもらっていくとしよう!
「お先に失礼!」
ひとまずはロボを全員排除する。そのためにまず、あのスナイパーを先に排除しておこうか、ロボ程度いくらでも斬れる......!最初は厄介者から排除するのが定石だ!
「なっ!?なんでこっちに!?」
戦場に立っているからには、常に自分が狙われるという覚悟を持たないと。でないとこの目の前にいるスナイパーのように、腰が抜けて咄嗟の対応が出来ないなんてことがあるからな。
スナイパーは人間だから、銃ごと斬り裂き、しかし殺さないよう手加減して無力化する。これがなかなか難しい......おそらく都市にいた頃だったらそのまま斬り殺していただろう。
そして高台から飛び降り、自身の直下にいる黒い盾持ちのオートマタの頭上へと着地する。着地の際にドロップキックのような構えを取り、勢いそのまま頭を破砕する。そして盾に隠れ、衝撃でノックバックされる前に押しつぶす!シールドタックルとでも言おうか!
盾に鈍い衝撃が走る。多分、何体かロボットを吹っ飛ばしたのだろう。だがまだ終わらない。倒れ行く盾を足場として、敵の上をとるよう跳躍する。驚いているうちに、こっちを向いている敵全員まとめて横から横へ一閃......足りなければダメ押しの体術を織り込んで、倒しきる!
「よし......戦車か。」
そうして倒し続けていると、砲撃の音が聞こえた。音の方向を見て見て見れば、そこにはこちらへ今にも発砲しそうな戦車が目の前にいた。だけど、多分大丈夫だ。
砲身から発砲の煙が上がる前に、後方から銃撃が飛んでくる。銃弾の雨あられを体中に浴びた戦車は、一発も撃つ暇もなくその鉄の破片を辺りに散らし爆発四散した。やはり持つべきものは優秀な仲間か。
「シグレさん、大丈夫ですか?」
「問題ありません。今はホシノさんを救出することを第一に考えましょう。」
さて、まだまだ先は長い。行くぞ.......!
特にこれといったこともなし!
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