元過労暗殺者、平和だが平和じゃない世界へとやってきた   作:シャオロウェをすこれ

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 投稿遅れてすみませんでした。
 あと幕間を2、3話書いたら本編に移行します。
 それと何もしてないのに日間26位になっててセルマア、俺涙が出そうだよ......


幕間 過労暗殺者は休暇を過ごす(2)

「ご馳走様でした~!」

 

「再び一同する機会がある時を祈らん。」

 

 空だった腹を大量の料理を詰めこみお腹いっぱいにすると、私たちは再び次の目的地に向かって歩き始めた。とは言っても、明確などこかに行きたいという目的はなく、ただただなにかないかとさまよっているだけなんだが。本当はエスコートとかをしてあげたいが......あいにくと何も分からないから出来ようもない。申し訳なさが走るな。

 

 でも流石に何もしないままとはいかないし......何か話そうか。

 

「先生、あそこに花屋がありますが......先生は花とか好きですか?」

 

「『花屋 ドンベク』?花かぁ......結構好きだけど、最近は触れられてないなぁ......シグレは?」

 

「あまり花は知識が無くて......それに少し嫌な記憶もあるので、あまり好きではありませんね。」

 

 花には二つ思い出がある。一つは協会長の傍にいた時に嗅がされた嫌なにおいのする花。あれを近づけられると頭が真っ白になって、ボーっとして、何も考えられなくなって......ただただ協会長のお遊び人形になるしかなかったっけ。

二つ目はシ協会で処理を担当したあの紅い花。研究所から出たねじれということで様々なよくわからない攻撃を駆使してきて、あれで何人も私の同僚たちが死んでいった。最終的にはユジン部長が花を直接真っ二つにして片づけたが、あれもあれでやはり二度と相まみえたくない。

 

「......あれ、なんか銃声しない?」

 

 先生の一言に反応するように耳を傾けてみると、確かに遠くの方で銃声がしている。銃声の数からするに、そこまで大きな争いではないみたいだが......先生はどうするのだろうか。

 

「どうしますか?」

 

「仲裁しに行こう。私は先生だしね。」

 

 先生はどうやら介入する気のようだ。ちょうどいい、私も体を動かしにでも行こうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ......なんて、思っている時期がありました。

 

『走れロシナンテ!正義は勝つ!』

 

『うわぁぁぁぁ!?なんだこいつぅぅ!?ずっと追ってくる!助けてくれ!』

 

『駄目だ止まらん!あかん死ぬぅ!』

 

『当人から逃げようとする気でありますか!?なんと......先に攻撃してきたのはそちらであろう!ガトツゼロスタイル!』

 

『おわぁぁぁぁ!?』

 

 

「......なんですかね、これ。」

 

 現場に着いた私たちが目撃したのは、かなり大柄の赤いフェンシング用の剣を振り回しながら不良共を突き刺して千切っては投げている黄色い髪の少女だった。不良は銃を投げ捨ててまで全力で逃げているが、少女は追撃を辞めず一人一人串刺しにしている。あっ、最後の一人がやられた。

 

「止めた方がいいかな?」

 

「まぁ、やり過ぎるようなら止めた方がいいと思いますが......」

 

 一応刀を抜いて待機しておく。あの様子だと、こちらから手を出さなければ攻撃してくることはないと思うが......一応構えておこう。

 

『他の悪人はどこにいるでありますか!?......そこのもの!そなたは悪人でありますか!』

 

「誰が悪人だ!って正直に答えるんですかね......まぁいいや、様子を見に来ただけのただの一般人ですよ。」

 

『そうでありますか!ならばよかったでありまする、ここは当人が守護するで候!』

 

 簡単な問答を交わしたのち、黄色髪の少女はどこかへと走り去っていってしまった。いやいや、単純なのか馬鹿なのか、はたまた思い切りがいいのか知らないがいくらなんでも決断が速すぎるだろう。誰もがびっくりするレベルで即決審判とは......いいところでもあるが、変につついたら一気に暴力性の高いものと化しそうで怖いな。まるで嵐のようというかなんというか。

 

「面白い子だったね......?」

 

「関わりたくないものですが......あれ、なにか落ちてる。」

 

 先ほどの少女が落としたのだろうか。地面には白い小さな紙が落ちており、拾い上げて中身を見て見ると、『正義のヒーロー・ドンキホーテ』と書かれていた。多分名刺のようなものだろう。なるほど、大方ヒーロー気取りで不良をボコボコにしていたとみるべきかな。

......正義にしては、少しやり過ぎなような気もするが。というか、もしかしてあれトリニティの生徒か?なんか見えたなそう言えば。下に着ていたのはヒフミさんと同じようなものだったし。

 

「ま、まぁ悪い子じゃないみたいだし、また歩き出そうか。」

 

「そうですね。どこに行きましょうか......」

 

 行く宛てもなくぶらりとただ歩く。私にとってはこうやって未知の道を歩いているだけでも割と面白いが......先生はそうではないだろうな。と、先生が何か見ているな。何を見ているんだ?

 

「......BANDOIからプレバンで新ユニコーン......だと!?しかもここで入荷......」

 

 あぁ、なるほど。先生の趣味の一つのプラモデルか。で、向けられてる視線の先は......プラモデルがいっぱいあるな、名前は『バラのスパナ工房』?

 

「なにか欲しいものでもできたんですか?」

 

「うぇっ!?あいや、出来たには出来たけど、今はシグレと一緒だし......気にしないで。」

 

「いや、でしたら買いに行きましょう。元はと言えばそれが目的で来たのですから。」

 

 先生の手をとり、そのまま店の中へと入店する。中には様々な道具やプラモデルが置かれており、先生が興味を示したのも納得といったところだ。で、先生はなんと言っていたか......まぁいいや、その所は先生に任せよう。

 

「いや、シグレごめんね......私のわがままで入らさせてくれて。」

 

「気にしないでください。ささ、先生の好きなものをお取りください。代金は今度こそ私が支払うので。」

 

 一応手元に資金はかなりある。というより給料をもらっても使い道がそれこそエナジバー&エナドリを買うくらいしか使い道がないから溜まっていくのだ。カードもあるし、まぁ流石に桁が6桁になるのはあれだがそれより下なら問題ないくらいの贅沢は出来るだろう。

 

『よし!フルハウスで勝負......来た!いやっふ~!私の勝ちぃ~!』

 

「......ポーカー?」

 

 先生が買い物を終えるまで待っていようと思った矢先、ふとそんな一言が聞こえてきた。視線を移動させると、そこにはレジの隣に置かれているパソコンの画面と対面しながら腕を上げて喜んでいる店員がいた。見た所彼女がやっていたようだが、勤務中にポーカー......うぅむ、いいのか?

 

「おっ?お姉さん興味あるの!?」

 

「あ~、いえ、私は......」

 

「お金さえ出してもらえば、一発やってみても構わないよ!?というかやってみて!」

 

 なんだか面倒なことになったかもしれない......が、正直ちょっとやってみたいという気持ちはある。ネットを利用したポーカーは初めてだが、昔散々嫌になるほど協会長に教え込まれたからある程度のルールは覚えてる。先生も選ぶまで少し時間が掛かりそうだし......ちょっとならいいかな。

 

「では失礼。掛け金はいくらで?」

 

「言い値で!」

 

「では5000で。」

 

 対局が始まる。どれ、久々だが......やれるだけやってみようじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!!』

 

「あはは......ちょっとやりすぎましたね。」

 

「............嘘でしょ..........」

 

 先生が来るのに少し時間が掛かりそうだったので、ついじっくり考えこみながらやっていたら興が乗ってしまい結果的に5000円がとんでもない額に膨れ上がってしまった。店員は口をあんぐりとしてそれが閉じないようだし、かくいう私も正直嘘だろと思っている。奇跡的過ぎるしな。

 

「えっと、と、とりあえず店の裏のコンビニで換金してくるから......ちょっと待っててくれる?」

 

「......なんだかすみません。」

 

 店員は慌ててバックヤードから外に出ると、そのまま裏手へ走り去ってしまった。結構な時間が経っているのにいまだ興奮が冷めないのは、こういう賭け事の醍醐味と言えるだろう。ふむ、もしあの店員がちゃんと持ってきてくれるなら、結構な額に増えるが......そう素直にはいくだろうか。

 

「ごめんごめん!ちょっと面白いものが多すぎて時間が掛かっちゃって......あれ、店員さんは?」

 

「今は離席中です。ちょっと色々ありまして。」

 

 店員と一緒にポーカーやって一発当てちゃってそのために席を離れさせてるなんて口が裂けても私からは言えない。私も護衛という立場だし、勤務怠慢もいいところだろう。頼む、別の店員よ早く来てくれ......でないと色々不味い......

 

「しょうがないな~、なら呼ぼうか!」

 

 先生はあのよくレジ横に置かれてる店員呼び出しベルみたいのを押して店員を呼び出した。よかった、人がいればであるが最悪の事態は逃れそうだ。というか先生、随分買ったな?籠がパンパンじゃないか。まさにぎっしりという表現が似合うな。

 

「はい、お呼びでしょうか......」

 

 などと思っていると、先ほどの方向から別の従業員が出てきた。しかし明らかに具合が悪そうというか、様子が酷いというか。目元にはくっきりとクマがついていて、雰囲気も全体的にくたびれている。何か既視感があるなと思えばこれあれだ、ユジン部長がいなくて5徹して様子がおかしくなったヴァレンティンだ。多分この人過労で疲れているんだろう。

 

「えっと、これのお会計をお願い」「お姉さ~ん!!今換金してきたよ!」

 

「......不味いですね......」

 

 前には疲れ果てた店員と金の束を持った店員。後ろには様子を察したのかちょっと不穏な気配の先生。あ~、こんなことになるんだったら賭けなんてやるんじゃなかった......

 

「えっとね、最終的に5000が100万に跳ね上がったから、こんなもんなんだけど......」

 

 店員から重い札束を渡される。......ふぅ。

 

「えっと、先生。」

 

「なにかな?シグレ。」

 

 

 

「すみませんでした。」

 

「次からは一言言ってね?」

 

 

 

 

 

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