元過労暗殺者、平和だが平和じゃない世界へとやってきた 作:シャオロウェをすこれ
このままじゃ皮を1万枚剝がされて23区の裏路地にポイされちゃうので次回は長く...長く書くのでお許しを....
このラーメンは美味しい。口に入れた瞬間理解した。都市で食べたラーメンがラーメンでないように感じてしまう。
だからといって科学で作られた人工調味料の味はしないし、人骨のような異物の味もしない。
...まともな食事って、こんなにも素晴らしかったんだな。涙が出そうだ....
気づけば一瞬で食べきってしまい、スープの最後の一滴まで飲み干してしまった。美味い...
まぁ、昨日から何も食べていないからもう少し食べたい気もするが....贅沢は言えないな。
「もっと食べたいの?」
「!?あ、私そんなに顔に出ていましたか?」
「うん、なんというかこう、目に出てたよ。」
...これでも暗殺専門のシ協会直属フィクサーだし、表情を隠すことには自信があったんだがな...
一応部長からは『お前は分かりやすい』と言われたことはあるが、それでも...う~ん...
「すみません...」
「なにも謝ることはないよ!それより頼みたいならもっと頼んでいいからさ。ほら、この餃子とかどう?」
そう言われて指さされたメニューの餃子は確かに美味しそうだった。
餃子かぁ、懐かしいな...リウ協会であった餃子パーティーはめちゃくちゃ楽しかった。シャオさんとロウェルさんが甘ったるくなるくらいいちゃついていたり、メイが珍しく酔ってセシルと私に絡んできたり...
シでは餃子ではなく和食だったから、それ以来食べる機会がなかったからな...そもそもそんな機会が1度くらいしかなかったけど。
しかし少しは我慢した方がいいのだろうが...腹が鳴いている。
食欲に従ってしまってもいいのだろうか?
「いいんですか?」
「いいよいいよ!遠慮しないで。」
「じゃ、じゃあ...お願いします。」
「お~、先生太っ腹だね~、流石大人、頼りになる~!」
ホシノさんからの横槍に、先生の表情が少し変わるのが分かる。
照れてるんだろうか、煽られてピキッと言っているのかは知らないが。都市のように失言した所で明日見たらいなくなっていたなんてことはないだろうし、多分だがホシノさんの方が先生より強い。だから、大丈夫だろう。
「シグレさんがいいなら、おじさんも許されると思うんだよ。というわけで、炒飯を1つお願いしま~す。」
「ん、なら私も。おかわり。」
「み、皆さんほどほどに...」
...なんだか申し訳なくなってきたな。私が原因の事案だろうし...
でも先生の表情は心なしか穏やかだ。損をしているのに...それだけ大事にしているのだろうか?
上に立つものとして素晴らしい心だろう。ユジンさんも、私たちのためならいくらでも自分を犠牲にしていた。もっとも、あれは少々やりすぎの領域だが。
おっと、そうこうしているうちに餃子が来たようだ。香ばしい匂いが鼻を撫でる。
ちょっと笑みが抑えきれないな。いただきます!
「ごちそうさまでした、先生。ありがとうございます。」
「いや~おじさんもすっかりゴチになっちゃって...」
「ん、お腹いっぱい。ありがとう。」
あの後、みんなの後押しもあり餃子以外にも様々な物を食べてしまった。
結果、腹ははち切れそうなくらいにいっぱいとなり、久々に満腹という感覚を思い出した。これが幸せか...
外に出てみれば、すっかり日は落ちかけて所々切れている街灯が道を照らしていた。
しかしこれくらいなら大丈夫だ。夜といえば午前3時13分から午前4時34分までが本番だ。
裏路地の夜とも恐れられるあの時間は、掃除屋...人を溶かして無差別に殺戮をするやつらがうろうろしている。
それに加えて一切の法の庇護を受けられない。たとえ誰がどこで何をしようと、殺人をしてもいいまさに無法と化す時間帯だ。
この世界でも裏路地の夜のようなものは存在するのだろうか?存在するとしたら早く帰らないとな...あいつら個々の実力はないが数の暴力がえげつないからな....
「じゃあ、用事が無ければ早く帰りましょう。夜はあまり安全ではないですから。」
「そうだね~。じゃあ、私たちで先生の泊まる場所まで護衛していこうか~。」
「ん、賛成。先生弱いもん。」
「私も賛成ですね~、襲われたらひとたまりもないでしょうし。」
「み、みんなして私を弱いって...私大人なのに....」
...こういう談笑のときも、悪くはないだろう。なんだか久しぶりで新鮮だ。
さて、帰るか...あっ、私...帰る場所ないじゃん...どうしよう?
ま、最悪あの起きた時にいた場所に戻るか。とりあえず聞いてみることに始まらないけど。
「あ~、先生...」
「どうしたのシグレ?」
「帰る場所がないんですけど...どうしましょうか?」
「....じゃあ、私と一緒のホテルに来る?ビジネスだけど、二人くらいなら大丈夫だしさ。」
先生から出された提案は、考えうる中でもかなりいい提案だと思う。
ただ、これ以上お世話になるのは流石にやり過ぎじゃないかとも思う。食事を大量に提供してもらった挙句に、住までお世話になってもいいのだろうか?
「...私はとても嬉しいですけど、先生は大丈夫なんですか?」
「提案したんだから、嫌なんてことはないよ!むしろ可愛い女の子と一緒の部屋なんて...うへへ...」
...私は少し、先生に対しての認識を変える必要があるのかもしれない。
なんだろうな、うん、傍から見たらただの変態なんだけど...ま、まぁ、いざとなったら頼りになる人のはずだから...
「じゃあ、お願いします。」
「は~い!」
「シグレ、起きて。大変なことになっちゃったかもしれない。」
その知らせが来たのは、私が床で少し目を瞑っていたときだった。
先生の顔には大分焦燥感が見える。何があったのだろうか。
「どうしました?」
「セリカがあれ以来ずっと帰ってきてないらしいの。とりあえず今からアビドスに向かうから、シグレも来てくれる?」
「もちろんです。」
...なるほど。行方知らずという訳か。
帰りが遅れた...なんてことはないだろうな。連絡するほどの異常事態ということだろう。
まずは向かわないと始まらないし、とりあえず同行するか。
「一体何があってこうなってしまったんでしょうね?」
「私には分からないけど...セリカが心配だよ。」
アビドスについて教室に入れば、セリカさん以外の対策委員会のメンバーが勢ぞろいしていた。
しかしその顔には落ち着きはなく、いなくなってしまった仲間を心配しているようだ。
「こんな遅くまで帰らないなんてこと、今までになかったですよね...?」
「まさか...ヘルメット団の連中?」
「えっ!?ヘルメット団がセリカちゃんを...!?」
...ヘルメット団か。可能性としては普通に考えられるな。
あの時の戦いを思い出すと、ここアビドスとヘルメット団は敵対関係...それも土地を巡っての争いにあるみたいだし、人質を取って要求を通させるというのはありだ。
...私もセルマに刀を突き付けやればよかったか?いや、それをやるとユジン部長の立場が危うくなったから結果的になしだな...
「みんな、お待たせ~。」
「ホシノさん、先生、結果はどうでしたか?」
私が聞いてみると、先生は手に持っていた端末を差し出して見せてきた。
そこには赤いマークが付けられた地点があり、おそらくこれがセリカさんが最後に居なくなった地点だろう。
「連絡が途絶える前のセリカちゃんの端末の場所、ここだったよ~。」
「これは...砂漠化が進んでいる市街地の端の方ですね?」
あぁ、この写真がやけに砂にまみれてるなと思ったらそういう事か...
「このエリア、以前危険分析をした際にカタカタヘルメット団の主力が集まっていると確認された場所です...」
うん、やはり確定だな。間違いなく、ヘルメット団の仕業だろう。
さて、誘拐されたとしたら時間はない。支度を整えてとっとと向かわなければ。時態は一刻を争う。
「そうと分かればそこに向かいましょう。まだそこまで離れてはいないはずですから。」
「うん、もちろん。」
「よっしゃ、そんじゃ行ってみよー!」
ちなみにシグレちゃんの人に対する呼び方は...
初遭遇・そこまで仲が深くない人...「...さん」
仲間...呼び捨て
シャオ・ロウェル...「さん」
ユジン...「ユジンさん」「ユジン部長」「部長」
ミリス・チュン・セシル・メイ・テンマ・ヴァレンティン...呼び捨て
セルマア...呼び捨て・「*都市スラング*」
青い残響...「青い残響」「青キチ」
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