元過労暗殺者、平和だが平和じゃない世界へとやってきた   作:シャオロウェをすこれ

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 セルマア...一時的とはいえ日間64位に入って俺、涙が出そうだよ....
 マジでありがとうございます!ここで活動し始めて早2年、ついに願いを達成できました!これも皆さんの感想と高評価のお陰です!いつも見てニヤニヤしています!本当にありがとうございます!

 これからも頑張っていきますので、どうかご愛顧のほどよろしくお願いします!


過労暗殺者、落ち着いた日常を過ごす......?

 アビドス廃校対策委員会対策室。何回か通い少し見慣れた教室の中で、会議が始まろうとしていた。

実は私は知らなかったのだが、この学校は莫大な借金を抱えており、返済しきれなければすぐさま廃校一直線らしい。先生からその話を聞いたとき、だから廃校対策委員会という名前なのかと納得したっけ。

にしたって絶望的な状況だが......

 

 

「......それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます。」

 

 アヤネさんのその一言で、次々と声があげられる。

先生を交えての初めての会議みたいで、その模様は活気に満ちている。まぁ、私はどのみち参加しないから、関係はないだろう。多分。

 

「あ、シグレも参加して欲しいんだけど...ダメ?」

 

 訂正、普通に関係が出来そうだ。特にデメリットはないから、普通に参加するが。

だからといって、ここに来て日も浅い私が何か言えるかは分からないが......

 

「構いませんが......いい考えは思いつきませんけど.......」

 

「まぁまぁ!いてくれるだけでいいの!ほら、座って座って!」

 

 そういって先生は壁際に寄りかかっていた私を椅子に座らせてくる。

場所は先生の隣、しかも何故だか肩を寄せてくる......なんで?別に寄せる必要はないと思うんだけど。

というかちょっと傷口に当たって痛い。しかしこれも依頼主の意向だし、拒否する権利はない。

 

「これでいいね。あ、続きを......」

 

「はい。それでは意見のある方は挙手を......」

 

「はい!はい!」

 

 昨日復帰したばかりのセリカさんが元気よく手を挙げる。

気絶させたときには少しやり過ぎたかと焦ったが、あの様子なら大丈夫そうだ。

さて、しかしあんなに自信満々に言っているのだから何かいいアイデアがあるのだろう。どんなものだろうか?

 

「知っての通り、わが校の財政状況はまさに破綻寸前としか言いようがないわ!」

 

「でも毎月の返済額には限度がある...私たちも頑張ってはいるけど、正直返済が追い付かない。」

 

「要はこのままじゃ埒が明かないってこと!そこで、何か大きな一発を狙わないと!」

 

 ほぅほぅ、その考えとはいったいなんだ?

きっとさぞかし素晴らしいものなのだろう。私もそれに協力できるなら協力しようか。

して、そのアイデアとは?

 

「大きな一発といっても......一体?」

 

「それは......これよ!」

 

 そうしてバッグから出されたのは、一枚のチラシ......チラシ?

書いてある内容は『ゲルマニウム麦飯石であなたも一攫千金』......えぇ。

これ絶対マルチ商法だと思うんだけど.......周りの人達はどうだ?

 

「セリカちゃん......」

 

「.......」

 

 うん、周りの人達も気づいてるな。ここは一つ言ってあげようか......このまま見ているのもあれだしな。

 

「セリカさん、それは......多分マルチ商法というものかと......」

 

「うん、シグレさんの言う通りだよ~。次から気を付けないと、悪い大人に騙されて、人生手遅れになるかもしれないよ~?」

 

 指摘されて気づいたのか、セリカさんの顔は血のように真っ赤になっている。

まぁ、誰しもそういう経験はある。とはいえ、テンマが騙されて仏像を買ってきたときはユジン部長と一緒に目を丸くして驚いたが。

いや、普段しっかりしてるテンマがそんな簡単なことに騙されるとはだれも思わないじゃないか。横見たらユジン部長が少し笑いを抑えていたんだからな。ヴァレンティンは大爆笑してたし、あの時のセルマは信じられないものを見るかのような目をしてたが。あ、ダメだ、思い出し笑いが......

 

「シグレ?にやけてるけどどうしたの?」

 

「いえ、少し昔のことを思い出しただけなのでお気になさらず...話を続けましょう。」

 

 

 そしてその後も話し合いが続いた。

しかし出てくるアイディアはどれも珍妙なもので、スクールバスを襲って生徒を確保するとか、銀行強盗をするだとか、アイドルを作るだとか。

正直どれも現実味がないなと思っていたが、それに怒ったのかアヤネさんが机をひっくり返すとかがあった。

 

 先生はどうなのかというと『私がアイドルグループのプロデューサーになってやる!』とか言い出してはっちゃけていたし、なんだか真面目にやろうとしているアヤネさんが可哀そうになった。

しかし私まで巻き込まれたのは解せない。やはり少し落ち着かせた方がよかったのだろうか......?

 

 

 

 

 


 

「いやぁ~......ひどい目に遭ったね、シグレ。」

 

「私はあまり関係ないと思うのですが......そうですね、怒らせたくない相手でしたね。」

 

 そして今はその怒ったアヤネさんを宥めるため、一昨日訪れた柴関ラーメンへと再びやってきた。

流石に前回のようにはち切れるほど食べる気はないし、私自身お腹もそこまで空いてはいないので、適当なものを一つだけ食べて上がらせてもらう予定だ。

 

「シグレは何食べる?」

 

 メニューを開く。一番安いものにするか......あ、前頼んだ柴関ラーメンが一番安いのか。じゃこれにするか。

 

「では、私はこの柴関ラーメンで......」

 

「ん、シグレさんだけ構ってないで、私も見て。」

 

 あっ、先生の腕がなんかミシミシ言っているような気がするが......うん、これは止めに入らなくていい事案だろう。

凄い人望だな、来て一週間も経っていないはずなのにここまで懐かれているのか。というか......シロコさん、まるで大型犬だな......袖に擦り寄ってるし。あっ、先生の顔がすごいことになってる。

まぁ、喜んでるならそれでいいか。

 

「あ~、シロコちゃんだけずるいです~!」

 

「えちょノノミあばばっばばばば」

 

 あっ、ノノミさんにも食われた。完全に押しつぶされてんな....

なんてイチャイチャした場面を見ていると、後ろの扉が開いた。チラッとだけ見てみると、そこには紫髪の少女が、オドオドした様子で立っていた。

胸元に抱えているライフルを除けば、普通の少女と言えるだろう。

 

「あ.....あのぅ......ここで一番安いメニューって、お、おいくらですか?」

 

「一番安いのは~......580円の柴関ラーメンです!看板メニューなので、美味しいですよ!」

 

 問われた質問に、セリカさんが返す。するとその答えが余程嬉しかったのか、輝いた眼で後ろに手招きをすると、またしても扉が開いた。

入ってきたのは背の小さい白髪の少女、落ち着いた雰囲気の同じく白髪の少女、そしてリーダー格らしき薄ピンク髪の少女。

ふ~む......一見したら大人しそうだが、さっきの紫髪の少女とといい、どうもこのグループにはただならぬ気配を感じるな。

 

 まぁ、敵対する気配はなさそうだし、そっとしておくか......って、なんじゃありゃ......

さっき私が聞いていたはずだと、彼女達が頼んだのは私と同じ柴関ラーメンの並だったはずだ。なのに、彼女達の目の前には、えっと......ヴァレンティンが言っていた、確か......イエケイラーメン?のようなサイズ感のものが置かれている。

 

 違和感を感じたのか、紫髪の少女が間違っているんじゃないかと質問したが、店主曰くこれで問題ないとのこと。

......ここの人は優しいんだな。都市だと平気で追加料金持ってかれるのに。

 

 ま、それは置いておこう。私は食べ終わったし、少しお腹を休めようかな。

少し警戒していたけど、あれなら大丈夫そうか。ノノミさん達も楽しく談笑しているようだし、それに水は差さず、大人しくているか......

 

 そういえば、この先どうしようか。

先生の護衛としてなんとか働き口を探せたのはいいが、資金に住居もいつまでも頼っているわけにはいかないし......

それに折れた刀も直したいな。手袋の修理も万全とは言い難いし....課題は多いな。

 

 だけど衣服に関しては目処がついたのがありがたい。

先日風呂から上がらせてもらった際、着替えを取ろうとしてクローゼットを開けた所、私がリウ協会でフィクサーとして動いていた時代の衣服がなぜか入っていた。

リウの色である金色の装飾が施された赤色の外套に、同じく金色の龍の装飾がされたスーツ。しかも張りぼてではなく、ちゃんと月光石付きの状態でだ。

 

 とりあえず今日はシ協会の制服を着てきたが、明日からはそれを着る予定だ。

この服も着ていて長いが、よく動くだけあって耐久性と柔軟性は素晴らしい。リウのものはそれに加えて自分の発する炎に耐えるため耐火コーティングがされている。

ちなみに私はシ協会に入る際リウの装備一式を持参してきていたので、頼み込んで耐火性能付きの制服を作ってもらった。少しお高くついたがな.....

 

 ......ここはいい世界だな。巣の中でなくても、皆なにかしら光のある目をしている。

なにか成すべきことがあったり、仲のいい友人がいて、素晴らしい世界だ。こんな世界に最初から生まれていたら、部長やテンマ、ヴァレンティンに仲間たちも、死ぬことはなかったのに。

うらやましいな......あぁ、ダメだ。考えが悪い方向に引っ張られてる。落ち着け、今はそんなことを考えていてもしょうがないんだ。

 

 だから、頼れる人が出来たのに、どこか寂しさを感じるのも、おかしくはないんだ......

 

 

 

 

 

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