呪術廻戦の世界に転生したので(個人的に思う)悲劇を徹底回避しちゃおうと思います!死なないように。 作:ヨシザエモン
理子ちゃん救出日から早3日。
たかが3日、されど3日だ。
理子ちゃんの「生きたい宣言」(「正確には『行きたい』じゃ!」by理子ちゃん)を聞き届けてすぐに我らは高専に特攻(?)し、夜蛾センに向かって突き進んだ。
いやぁ、あの時の夜蛾センの驚きっぷりと来たら! 思い出しただけで笑えてくる。でも、一瞬ビクッとした後にすぐ金属バット持ってたのは……冷静に考えるとなんか悲しいな。殴ろうとしてたってことだもんね。単なる牽制ならまあ殴る意志はないけれど、フツーにゲンコツかます男だからな〜。ゴジョジョがそれを光の速さで感知し無下限張って最前線に出てくれたから何の被害も無かったけどさ。ありがとゴジョジョ。
で、理子ちゃん生存権を強く訴えたところ案の定大激怒されまして。そしてこういう時だけ頭の働くゴジョジョはオレっちょすの一言がきっかけでこうなったのだと全ての責任をおっかぶせようとしてきましてね? どう思います奥さん?? まあ、ゲットーがちゃんと事の顛末全部話してくれたから助かったけどさ。
「そうは言っても、どうするんだ、これから」
大まかな話を耳にして尚夜蛾センは困り顔だった。いや、何を訴えんとするかを理解したからこそ受け入れたくなかったのだろう。わたくしは前のめりになりながら言った。
「わたくしの、わたくしのへやは、どうでしょうか」
「そういうことじゃない」
その苦虫を噛み潰したような表情に、わても苦しくなった。
分かっている。「どうするんだ」というのは、理子ちゃんが身を置く場所のことではないくらい。きっと、天元様のことだ。だって、理子ちゃんには今まで黒井さんと暮らしていた家があるのだから。ちゃんと予想しておかなかった状況に置かれて、少しパニックになったいるらしい。
理子ちゃんをどう生存に導くか、ということしか考えていなかったせいで、話が複雑になっている。この場面をどう乗り切れば良いのか、アタイには分からない。一体どうすれば……。
「先生、いきなりで申し訳ないとは思っています。しかし、悟とは依頼を受けたときから話をしていて、ある意味決定事項でもあったんです」
ゲットーの言葉に、夜蛾センが鋭い眼光を向ける。
しかしそんな視線に臆すること無い態度のゲットーが、その時のボクチンにはとても頼りがいのある存在に見えた。この身体の年齢で見ればゲットーの方が年上だということをその時ふと思い返したくらいだ。
「そうそう。俺たち最強だし、天元様相手でもどーにかなるでしょって」
ゴジョジョが自慢げに歯を見せて笑う。ニッ、という効果音がぴったりだと思う。
我は理子ちゃんと黒井さんに目線を移した。二人は教室の入り口で身を寄せ合っている。その顔はどこか不安げだ。使命を捨てて此処にやって来たことへの罪悪感のようなものがあるのだろう。そんな事心配する必要ないよ、と心のなかで呟いて、口をつぐむ。
「梨、お前だって責任を取らなければならない一人なんだからな」
いきなり声をかけられて、オレっちはビクッと肩を揺らした。話を聞いていないのがバレていたのか、話の流れでアタイの方に流れ弾が来たのか、今となってはもうわからないが、とにかくお怒りではあった。とーーーっても、お怒りであった。
「は、はい、わかってます、せんせい」
「……まあ、梨なら天元様相手でもどうにかなるやもしれんしな」
その一言は、とてもわかりにくいものの、夜蛾センなりの「許可」であった。つまり、理子ちゃんの生存を認めてもらえたのである。
しかしここからがまあ大変。その日は理子ちゃんはわての部屋、黒井さんは硝子さんの部屋で泊まってもらった。そして次の日。我らは「上層部をなんとかしなくてはならない」という事態に陥ったのだ。
いや、「陥った」というより「ついに訪れた」と言った方が正確だろう。これもまた、我の予測不足によるパニックだ。そういや最強二人は寝る前に「明日は激務だろうな」とか何とか言ってたのは「天内救出作戦」の密かなる計画者であるワタクシよりも先を見越していたと思われる。
仕方ないじゃん、元しがないアニオタだったんだもん、そんな頭脳を求められても困るよ。アレだよ、アレ、「筋肉こそパワー!」な脳筋ならぬ、「術式こそパワー!」な脳術なんだから(引き伸ばしといて表現わかりにく)。
で、その一日がどんな日だったかと言いますと、まあまずは作戦会議ですわ。アタイの術式で何とかなろうことは想像がつくものの、一体どんな命令を誰に下せば良いのか、誰にどんな役割を任せるか、細かい計画が必要となる。ここまで準備できてれば、わても皆も楽だったろうに……。
最初は天内護衛隊だけで話し合っていたのだが、もしかすると穴があるかも知れない(byゲットー)ということで一年ズにも参加していただいた。
ちなみに硝子さんは
「え、面倒」 キィ、パタン(ドアの閉まる音)ガチャ(鍵の閉まる音)
だそうです。面倒事の気配を感じ取るなんて、流石ですあねさん!()
だが一年にそんな横暴な拒否ができるわけもないししようとしてもニッコニコの笑顔で、その閉めようとするドアの間に割り込むんだけどね!
上記の強制参加の儀式をくらったナナミンは顔がキレていた。いやなんかナナミンっていっつも顔面キレてない? 血糖値大丈夫そ?
とまあそんなことは置いといて、以下はその会議を録音したテープの書き起こしです。なんか雰囲気出るかなぁって。んじゃ、どうぞ。
五「で、何が出たんだっけ、案」(足を組み直す音)
夏「はいはい急かさないでくれ。……えーっと『上層部にアポなしで行って梨の術式で命令』だね。これが一番手っ取り早い。と、さっきまでの話し合いではこういう結論になったんだけど。どう思うかな、七海、灰原」
七「いきあたりばったり過ぎませんか。その時はそれでなんとかなっても、後々「上」から恨みを買うのはハイリスクすぎるかと」
灰「けど一人の少女の命運がかかってるんだよ! いきあたりばったりくらいじゃないと駄目なんじゃないかな!?」
夏「灰原、熱意があるのはこの話し合いに力を入れてくれているのは有り難いけど、ちょっとボリューム落とそうか」
灰「ハイ」
夏「ちょっとそれは小さすぎるかな??」
五「ハイリスクっつっても、梨は特級であの禪院家もコイツの顔色を伺って過ごしてる。上もそう簡単には動けねぇんじゃねぇの?」
梨「そうかなぁ。けっこー「うえ」ってこわいインショウあるんだけど」
五「ビビり過ぎだってww」
灰「そうだよ! 君けっこー有名だし、逆らうものはないんじゃないかな!? 僕はそう思うよ!! うん!!!」
七「灰原、うるさい」
灰「ハイ」
夏「いやだから高低差……」
七「話の続きですが、五条さんが色々条件を付けて持ちかけるのはどうでしょうか」
五「条件〜〜? めんどくせぇな。そんな提案するならお前が考えろよ〜?」(床に寝そべる音)
七「チッ(すっごい小さかったけど聞こえる。めっちゃ舌打ちしてる)はぁ……。分かりましたよ」
テープはここまで。結局灰原くんが声量調節できない人間ということしか伝わってこなかったね! 皆も灰原くんに「適切な声量」を求めるのはやめよう! いつの間にかツッコミ役になって心労がエグぴだぞ☆ 世のツッコミにあこがれていると言うなら話は別だが、ツッコんでても精神疲労万歳なだけで疲れるぞ! 労災もおりないぞ! だからやめとけやめとけ、ツッコミはこころが弱るんだ()。
まあ結果、「梨の命令で五条に『上層部の前で話すことは、相手はなんでも結局は肯定してしまう』という命令を下し、五条が上層部へ行き、理子ちゃんを生かすことを提案。上層部は肯定」という作戦となった。何故こんな遠回りかと言うと、簡単にいえばゴジョジョが将来「上」と煩わしい対話しなくて良くなるからです。いずれ訪れる宿儺の器諸々の話とかさ、「上」が何でも肯定してくれたら助かるやん? ってことで。
で、今日に至ると。しかしのんびりしている場合ではない。何故なら───
「あ! 梨! 今自販機行ってるんだけど一緒に来る!?」
このクソデカボイスくんこと灰原くんの命を救わねばならないからである。