呪術廻戦の世界に転生したので(個人的に思う)悲劇を徹底回避しちゃおうと思います!死なないように。 作:ヨシザエモン
禪院家で育てられることになって一週間。天才ベイビー梨(自称)は赤ちゃんでありながら超絶スパルタな訓練を……
「ったく、誰も彼もお前に甘すぎや。強くなりすぎて手に負えんなったらあかん思て何も訓練させん気や。腹立つわぁ」
しているわけではなかった。
しかし特訓が無いからと言って別に暇ではない。ここ数日、ずっとあることを思案していたからだ。それは
(作中で散りゆく命を救うッ!)
……簡単に言えば死亡キャラの救出だ。
特訓などせずとも自分にはチート術式が備わっているのでゆくゆくは第一線で戦うことになるだろう。となれば必然的に高専にも通う。本編に関わるのは容易だ。となればこの生存率の低い世界でどれだけの命が救えるのか、試してみたい! ということで、数日前から脳内で救出リストを制作しているのだ。
〈救出リスト〉
・七海健人(渋谷事変が起こらなければ死なない。ので夏油を救えばバッチオーケー)
・釘崎野薔薇(上に同じく)
・禪院家の皆様方(上に同(略))
・伏黒甚爾(ママ黒を生存させればいけるハズ!)
・天内理子(パパ黒を救えばなんとかなるよね?)
・黒井美里(上に同じく)
・夏油傑(闇堕ちを阻止せねば。それはそれとしてミミナナをあのクソ村から救ってあげることもしたい)
・吉野順平(ユウジーンが「高専来い」って誘うあたりで真人を我氏の術式でブッ56にしてやろう)
・メカ丸(我氏の術式で治してあげよう)
こんなところか? と今日も頭の中で整理しているうちに、私はある事実に気づいた。
パパ黒を救うにはママ黒を救わねばならない
↓
ママ黒はめぐみんをオギャーさせてそう経たないうちにお亡くなりになった
↓
自分は一年ズと同い年(真希真依の一個下だから)
↓
今年中にママ黒を救わなくてはいけない
……詰みでは!?
「なんやフキゲンな顔やなぁ。赤んぼってブッサイクよなホンマに」
なんだと! 人が真剣に悩んでるときに! と唾を吹きかけようとして、止めた。私の中に、ある考えが浮かんだからだ。
(確か直ピッピってパパ黒にクソデカ感情抱いてたよな……。わっちの術式でパパ黒のとこまで行かせりゃ大喜びするんじゃないか? で、行かせたついでにママンに起きてることも探らせる。もし病気を持っていたら治す。そうでなければ直ピッピにママ黒の護衛をお願いする(事故である確率が高いから)。うん、我ながらやるじゃない)
「次は神妙な顔しとる。やっぱ気色悪いガキやな。俺の言うとること分かってるみたいな反応するときもあるしキショいわぁ」
なんで俺がこんなやつの世話役任されとんねん、拾うたんが俺やからって、とかなんとか愚痴りながらオムツを捨てに行く背中を見送る。完全に消えたのを確認してから周囲を確認した。
一週間前のあの日、ぼくちんはしっかり術式の発動方法も聞いていた。その方法は、何かを地面にトントンと叩くこと。あまりにも簡単なので、あたいにはおしゃぶりの一つも与えられていない。遊んでいるうちに発動することを恐れてのことだろう。誰もいないうちに何か音を出せるものを見つけなくては。
あった。部屋の隅に、
これがあたいの救出作戦の記念すべき第一歩。ここで失敗するわけにはいかない! 這いずり這いずり、ただひたすら櫛を追う。
直哉が戻ってくるのと、私が櫛を掴んだのはほぼ同時だった。
「あかん!」
直ピが叫ぶがもう遅い。私はニヤリと微笑んで櫛を振り上げた。
さあ、始めるよ、救出劇を!
コンコンッ