呪術廻戦の世界に転生したので(個人的に思う)悲劇を徹底回避しちゃおうと思います!死なないように。 作:ヨシザエモン
あれから時は飛び、2005年4月。
オレっちは立ったり喋ったりしても怪しまれない程度には大きくなり(え? 某転生芸能界マンガのナレーションで見た? キノセイキノセイ)、天才ベイビーという肩書は似合わなくなってしまった。強いて言うなら天才チルドレンと言ったところだろうか。
「おーい梨〜。教室来るかー?」
「いくっ!」
おっと、状況説明が遅れたね。今アタクシに声をかけて行ったのは、つい先程入学式を終えたばかりの五条悟(通称:ゴジョジョ)だ。ちなみにアタクシも
ゴジョジョとはあの衝撃的な出会いの日から仲良くしていて、最初は直ピッピのように「ガキ」とか「忌み子」だとか呼ばれていたけど、ここ2年ほどは
しかしオイラはまだ救出対象である夏油傑クンに出会えていないのである。せめて寮に入ってくるお姿だけでもと思ったのだが、前述の通り熟睡していたものだからお目にかかれなかったのだ。
つまりボクチンはこれから初めてゲットーに出会えるということ。さっきからワクドキが止まらないかっ○えびせんって感じだ。
ガララッ
ゴジョジョが乱暴に開いた扉の奥から光が差し込んでくる。ドキドキしながら中に入ると、若き日の硝子さんとゲットーが席に座ってこちらを見ていた。
ドキン、と心臓が跳ねる。実は結構懐玉・玉折編お気に入りで、あの、儚い、終わりある青春感がたまらんのです……。
まあ、今回はそんなことにはならない! この青春は守られる!
何故って!? 私が来たッ!!
「うぃ〜コイツがさっき言った『梨』」
「……なんとゆるいしょーかい……」
さっきまでのフハハハヒーローメンタルが一瞬でダルンダルンだよ、と内心ガックリする。
「へー、可愛いじゃん。いくつ?」
はぁ……気だるげにヤニを吸うお姿……麗しい。
「ことしで4さい」
「梨って可愛い名前だね。男の子? 女の子?」
おぉ……画面越しだと気にならなかったけどこうして同じ次元で見ると
「まえがみとくしゅだな……あっ」
「ん??」
あ、まずい。地雷踏んだ。理子ちゃんみたいに捻られるかも。アッけどゴジョジョの地雷は踏んでないし……
「何か、言ったかな???」
「いえっ!」
うんもう何も考えちゃ駄目だ、早く質問に答えよう!
「あ、ええと、『梨』は
「わぁ、難しい言葉知ってんだね。賢いじゃんこの子」
硝子さんに褒められた。嬉しい。
「あ、というか、私達も自己紹介しなきゃだね。なんて呼んだら良いか分からないでしょ」
いえ分かります。名前も術式も何なら未来も知ってます。と思いつつも一度ゲットーの地雷を踏んだ身。何も言わず黙っておく。多分これが吉。
「私は夏油傑。えっと、確か、呪術諸々の話も理解できるんだよね? 悟くんから聞いたよ。えと、じゃあ、私の術式でも紹介するかな。術式は呪霊操術。よろしくね」
「よろろすおねがいするます」
よしっ、俺っちょすが持ちうる語彙で一番可愛いものを選んだ! これでゲットーは癒やされ、さっきの地雷踏みの前科は帳消しってことで! ね! ……ね!!(注:だいぶ焦っています)
「んとー、私は家入硝子。反転術式使えるよ。よろー」
「よろろすおねがいするます」
やばい緊張のあまりアー○ャ語が抜けん。まあ良いわ別に。4歳児だし困ることはない。
「で、お前傑にやりたいことあったんだろ」
ほれ、とゴジョジョに背中を押されて、私はようやく思い出した。
あれはいつのことだったか……。ゴジョジョから
「ん? 私にやりたいこと?」
不思議そうに首を傾げ、自らを指差すゲットー。アタクシはゆっくり深呼吸をしたあと、ゲットーの目をじっと見つめて言った。
「はぁ? 『その入学生に術式使いたい』だぁ? 高専内のアラートに引っかかって終わりだろーが」
「だーかーらぁ! その日だけあたいのジュリョクを、アラートはつどーじょーけんから、はずすようにおえらいさんにいってほしーの」
「んなことするか! めんどくせぇ」
「……また、あやつりにんぎょうになりたいの?」
「ヒッ、わ、分かったよ。言っとくよ。……なあ梨」
「ん? 何、文句言うならーーー」
「ちげぇちげぇ! ただ、ソイツに何命令させたいんだって気になっただけ」
「…………ん〜、ないしょ☆」
「はーー!?」
「ほらほら、いったいった。はやくしないと、じゅつしきはつどーしちゃうぞー」
「クッ……人使いが荒いやつ……!」
「すぐるくんはじゅれーをとりこむ時、とてもまずい思いをするときいた」
「!」
「え、まじで?」
「へー、知らなかった」
ゲットーは動揺したような色を浮かべている。無理もないだろう。今までおくびにも出さず隠し通してきたことを、たった今会った子供が言ってしまったのだから。
「それで、おれっちのじゅつしきで、じゅれーをとりこむ時だけ、あじを感じないようにベロをかえてあげたい」
「おれっち?」
「つっこむところそこじゃないと思う」
直ピッピと言いゲットーと言い、なんで見当外れなとこで疑問符浮かべるんかねこの子達は(A. 梨(自称)の言動が変だから)。
「えと、その……良いのかい? というか、そんなこと出来るのかい?」
「うん」
ぼくちんの術式、
「それで……その杖を一振りすれば私のベロが変わる……ということかな」
「あー、いや、ちがうよ」
ゲットーの視線の先は、あたいが背負っている一本の杖。英国紳士が持っていそうな代物で、どこをどうみてもビビデバビデブーできるような見た目ではないと思うが……。これで術式を発動する、という点ではゲットーは半分正解だ。
この杖は私が普通に歩けるようになり、周りと意思の疎通も取れるようになっていった頃に、禪院家(と大雑把にされていたが、おいらは知っている。これは2歳の誕生日に貰ったものなのだが、女中の噂によれば直ピが一ヶ月も悩みに悩んで買ってくれた物らしい。あの論外の男にそんな心があったなんてと驚いたが、この人命救助チルドレンの魂の高潔さを見抜き、少しばかり優しくなったということだろう)から受け取ったものだ。この杖は長さが調整できるようになっていて(直ピッピ気が利くじゃん!)、おいどんの成長に合わせて長さも変えられる。買い換える必要がないスグレモノだ。
これを貰ってからは自由に術式を使えるようになった。オレっちが天才キッズだと分かるやいなや「忌み子」と呼ぶのをやめ、私の自称である「梨」という名で呼ぶようになった。厳禁なやつだ。確かに幼い頃からゴマをすっておけば奴隷にされることはない、と思っているのだろう。ま、あたいは必要とあらば誰でも操りますけどね。まあ奴隷なんて作りませんけど。
「成程、それで床を二回叩くと呪術式が発動し、なんでも命令できるようになる、と」
「そーゆーこと。さっそくいいかな?」
「……うん、そうだね。お願いしようかな」
「よしまかせろ」
私は背中のホルダーから杖を抜き取り、床を叩く体勢に入った。ゴジョジョは身構えている。どれだけ強くとも、意識があるのに動けない、という状況は怖いらしい。ちなみに硝子さんとゲットーにはその情報は隠しておいた(ドS)。
コンコンッ
「「……!?」」
ふふ、いい顔いい顔。これだから術式を知らない人に使うのは楽しいんだよね〜。
って言っても、いじめるために術式発動したわけじゃないから、手早く済ませますかっと。
コンッ
「げとーすぐるがじゅれーをたべる時だけ、そのベロはバカになれ」
そうそう、言葉を話せるようになってからは声で命令することにしたんだ。そっちの方が画になってカッチョいいからネ☆(厨二病)
コンコンッ
ふふ、来るぞ来るぞ鉄板が来るぞ〜〜!
「……っ!! う、動ける、成程あの中にいると動きが止まるのか……すごいな」
「ふふふ、そーでしょ」
……。
なんかちがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!!!!!!!!!!!!!!!!
あーそっかぁぁぁ、「○○に行け」みたいな命令じゃないから言葉の途中で去りゆく姿は見れないのかぁ。えーなんか消化不良。
コンコンッ「「「え?」」」
コンッ「おい、あたいのめのまえにいる3にんよ、たいいくかんでダンスしてこい」
コンコンッ
「ちょ、なんで俺に命令すーー」「ちょ、なんで私まで。まだタバコ吸い終わってなーー」「ちょ、梨ちゃん? くん? わ、分かんないけどなんでーー」
「はよ行け」
「「「うわぁぁぁぁぁぁああああ!?!!?」」」
アハハハ面白いくらい猛スピードで走り去ったな。やっぱこれがなくちゃだなぁ。
「ハッハッハッハッ!!」
「お前か……呪力がアラートに引っかからないからと好き放題しよって……」ゴゴゴゴ
「ピ」
恐る恐る振り向いた先には……可愛いを作るオッサンこと夜蛾正道先生がいらっしゃいました。
「ガキといえども術式の悪用はご法度。分かるまでみっちり教えてやる」
「ヒェェェェ!」
2005年4月。この日呪術高専で初めて説教を食らったのはワイでした。(説教の後で3人は開放してあげた。3人とも2キロ痩せてた)