キヴォトスに転移したが頭に浮いてるのは蛍光灯だった 作:一般転移サンクタ
それは唐突であり、必然でもあった。
不良狩りという似たような事をしていれば、その両者が遭遇するのは『水に触ると濡れる』とか『日が射せば明るくなる』ようなものだった。
片や、役立たずの黒い蛍光灯を頭上に、おまけの光の羽が背中から浮かぶというサンクタの証セット。いつもの黒い男物の防弾スーツを着て、普段使い用のグロック34 TTIコンバットマスターを胸の前でやや突き出す様に構えるコンバット・ハイの姿勢で目標を見つめるジョン・ウィックごっこガチ勢の狂人。
片や、鏡写しのように同じ姿形ながらも、黒い靄が身体から沸き上がり、爛々と目が鮮血のような赤に輝いている推定イッチのミメシスことパチモン。手にしているのは乱暴に扱われているのか傷の目立つ、何やら不可思議な金属光沢を放つ物質の混じったグロック17を無造作に片手にぶら下げている。
都市廃棄区画にほど近い、狭い路地裏にて僅か5メートルという至近距離で睨み合う両者は僅かな沈黙の後、ほぼ同時に動き出した。
距離を詰めるように前方に突進するウィックはコンバット・ハイからエクステッドポジションへと瞬時に移行し、射撃を開始。どうせヘイロー持ちの学生共と同じかそれ以上に頑丈だろうと断定してのマガジンを撃ち切る勢いでの猛連射である。恐ろしいことにコテハン通り全て頭が狙いだ。
対するパチモンはまるで操り人形のような固い動きながらも片手で同じく猛連射を行った。曳光弾のように光の尾を描きながら飛翔するそれはオリジナルには不可能な神秘を纏った銃撃だ。
おおよその射線を勘で見切り、小刻みにステップを踏んで前に避ける変態的な挙動を取るウィックに対し、パチモンは避ける素振りすら見せない。無防備に頭部で銃撃を受け、パチモンは首がちょっと心配になるレベルでガックンガックン揺れたがまだまだ余裕そうだ。しかし、首が揺れたことで視界も連動して動いて生じた隙をウィックは見逃さない。即座にマガジンをリロードしながら足払いをかけてパチモンを前に転倒させ、入れ替わるように自分は背後に回ってこれまた後頭部に執拗に銃撃を浴びせかけた。
事前に情報収集をしていてウィックは思った事がある。自分のパチモンのくせにこいつは動作があまりにも杜撰じゃないかと。仮にも自分を真似るということは、自らにとって聖典に等しい
それもそのはず、このパチモンことミメシスは発生原因がウィックを名乗る狂人であることに間違いはないが、発生プロセスが直接のコピーではなく、噂や襲われた連中の恐怖といった曖昧なものを通してあるものを基点として出力された存在であるため、基礎スペックはオリジナルを凌駕するが、肝心の技量は本物の半分もあるかどうかといった程度。それでもキヴォトスではかなりの脅威になるあたり、キヴォトス基準の身体能力が無いことでウィックがどれだけ煮え湯を飲ませられたかが察せられる。
そしてしこたまヘッドショットを決められているというのにのっそりと起き上がるパチモンを見てウィックはドン引きである。
今度はパチモンが牽制射撃を織り混ぜながらインチキスペックによる脚力で肉薄。拳銃を持たない片手が襟を掴み取ろうとしてくるのをなんとかいなすウィックだが、コレを相手に近接射撃戦を挑んだこと自体が失策であったと悟った。
以前、アビドスの一件で便利屋のカヨコとやり合ったことがあったが、キヴォトス人スペックと便利屋で慣らした腕前が合わさり、技量極振りのウィックを相手に十分な時間を稼がれた事がある。
ウィックがテラでやっていた本来の戦法はアーツ銃による防御貫通付き
ほぼ素人の不良や耐久不足のオートマタを相手にする分には問題ないが、ある程度の耐久を持ち合わせた実力者相手には火力不足により押し切られてしまう。自分の強さなど不意打ちや策謀を使わない場合、砂上の楼閣に過ぎない雑魚狩り専門がキヴォトスでは精々という事を慢心により失念していたのだ。
今までは単に運が良かっただけで、少し油断すればキヴォトス基準で脆弱な自分にはあっさりと死神の迎えが来てしまうことを改めて痛感する。なにせ、ヘイローに似た蛍光灯が浮いているばかりに誰も手加減してくれない。なくても手加減してくれるか怪しいところがキヴォトスクオリティだが。
今更後悔したところで時既に遅し、あまりの剛力に捌き損ねたパチモンの腕がウィックの胸ぐらをむんずと掴み、あっさりと体が宙に浮かされてしまう。抜け出そうと胴を蹴りつけたり、拳銃のグリップを用いて手首に殴打を食らわせたりと、必死に脱出を試みるがパチモンはそれを意にも介さずウィックを勢いよく振り回し、連続で壁に叩き付けた。
ガツンゴツンと劣化で脆くなったコンクリートに亀裂を生じさせながら、壁と壁の間を往復させられるウィックは意識が途切れそうになるのを必死に堪えるが、どこかのタイミングで放り投げられたのか気がつくと地面に転がっていた。
揺れる視界の中、手放して何処かへ行ってしまったTTIコンバットマスターの代わりに予備で持っていたキンバー1911を引き抜き、どこぞの
パチモンは無様に床を這いずるこちらへと禍々しい神秘の光を放ち始めたグロッグ17を向けてくる。どうみてもヤバイ技の前兆だ。脳裏に以前カイテンレッドから食らった赤い神秘の銃撃が脳裏を過る。あのレベルの攻撃をまともに受けたら防弾スーツを着ていても中身が持たない。
咄嗟に飛び道具を弾き飛ばそうと妙な色合いのグロック17を狙い、震える腕での片手撃ちという些か無謀なそれを技量と経験で捩じ伏せ、グロック17を見事手から弾き飛ばすことに成功する。なんならそのまま壊してしまえと地面に落ちたグロック17の機関部を狙って数発撃ち込んでさらに遠くに弾く。ふと、そういえばパチモンの追撃がないと視線をそちらにやると、悠々と迫ってきていた奴は身体を痙攣させ、膝を突いていた。
なにがなんだかよくわからないが今がチャンスだと追加でグロック17を弾切れまで撃ち抜けば、パチモンはまだ立ち直っていない。予備の銃の予備マガジンという心配性にも程があるそれを取り出して本体の方を撃ち抜けば、さっきまで鋼鉄の様に小揺るぎもしなかったヤツの体幹が崩れ、アルミ製にでもなったかのようにダメージが通るではないか。
吹っ飛ばされたTTIコンバットマスターを探して拾い直し、手持ちの弾薬を全てぶちこみ、執拗に蹴りを叩き込んで漸く黒い靄になってパチモンは霧散した。形振り構わぬ泥仕合により、疲れきったウィックは薄汚れた弾痕と亀裂まみれの路地裏の壁へとずるずると身を預け座り込んだ。
強敵を相手にどうにか競り勝つこの感覚。キヴォトスではカイテンジャー以来の感覚に狂人は口角を無意識に吊り上げた。ちなみにバトルジャンキーの狂気の笑みではなく、原作映画さながらのボロボロ具合に原作再現が出来たとうれしさからニヤついている筋金入りのごっこガチ勢のキモい笑みである。
ひとしきり余韻に浸った後、乱れた呼吸を整えて周囲を見回すと破損したグロック17が転がっていることに気付いた。主を失ってなお残るそれを拾い上げてみれば、執拗に機関部を撃ち抜いたせいかスライドは破損し、トリガーガードも欠けてしまっているジャンク品以下の鉄屑といった有り様。だが、未だ不可思議な色合いの光沢を放っている。
オーパーツ集めの折に感じる本物特有の不思議な感覚、恐らく神秘の気配を明らかに近代工業の産物であるグロック17から感じる。
喉奥に何かが引っ掛かるようなもどかしさを感じながら、ウィックは廃品銃を回収してその場を後にした。
189:ヘッドショットおじさん
なんだこのサンクタ?!(驚愕)
190:名無し@頭に蛍光灯
>>189
お前のパチモンじゃい!
191:名無し@頭に蛍光灯
あーあ、出会っちまったか
192:名無し@頭に蛍光灯
居そうな所に行けばそりゃあね?
193:名無し@頭に蛍光灯
なんか身体に悪そうな黒い靄が出てて草
194:名無し@頭に蛍光灯
偽者ですっていうアピールやぞ
195:ヘッドショットおじさん
普通に神秘の乗った攻撃してくるのやめちくり~
196:名無し@頭に蛍光灯
などと普通に足払いかましてコテハン通りにヘッドショット連打しまくる奴が申しております。
197:名無し@頭に蛍光灯
なんか効いてない……効いてなくない?
198:名無し@頭に蛍光灯
衝撃はあるみたいだけど平然と戦闘続行してる辺りあんまり効果はなさそう
199:名無し@頭に蛍光灯
まるで◯ーミネーターみたいだぁ(直球)
200:名無し@頭に蛍光灯
イッチの手持ちって今ハンドガンと手榴弾くらいしかないけど手榴弾は使うと自爆しそうなくらい路地裏が狭くて使えないからこれ詰みでは?
201:名無し@頭に蛍光灯
圧倒的火力不足
202:ヘッドショットおじさん
ちょ、速い速い速い
ぬわーーっっ!!
203:名無し@頭に蛍光灯
原作でスモトリめいた巨漢に吹っ飛ばされたりするアレ
204:名無し@頭に蛍光灯
それこそター◯ネーターに圧倒的パワーで振り回されて壁ドン(叩き付け)されるやつでしょ
205:名無し@頭に蛍光灯
ちょっとヤバイのでは?
206:名無し@頭に蛍光灯
イッチー!気をしっかり持てー!
207:名無し@頭に蛍光灯
ちょっとした小物を投げるノリで人体が吹っ飛ぶのはあんまりみたい光景じゃないぞ……
208:名無し@頭に蛍光灯
アカン銃を落とした
209:名無し@頭に蛍光灯
イッチ早く起きろ!なんかチャージしてるぅー!
210:ヘッドショットおじさん
じめんつめたい……
アイツつよすぎワロタ……
211:名無し@頭に蛍光灯
深刻なのかふざけるのかはっきりしろ
212:名無し@頭に蛍光灯
普通にピンチでは?
213:名無し@頭に蛍光灯
そして無言で引き抜かれる予備の銃よ
214:名無し@頭に蛍光灯
まだ持ってたのか(困惑)
215:名無し@頭に蛍光灯
なんか原作でも銃を預けろって言われてネタだろうけどアンティーク銃含めて3丁出すシーンあるからな……
216:名無し@頭に蛍光灯
見た感じキンバー1911やね
原作でも使用されてるヤツだけどウォリアーじゃなくてイージスかな?
フレームがアルミニウム製で軽くグリップも薄いから隠匿性に優れるモデル
217:名無し@頭に蛍光灯
M1911は製造元の特許が切れて他社でも好きにカスタマイズ出来るようになってまだまだ需要があるからな
218:名無し@頭に蛍光灯
むしろ開発から100年以上経ってるのにちょっとカスタムしたらまだまだ現役なのがおかしい銃だから……
219:名無し@頭に蛍光灯
使用弾薬が9mm弾じゃなくて45口径弾だからストッピングパワーはあるけどぶっちゃけヘッドショット連打を耐える奴に効果あるかと言われると……
220:ヘッドショットおじさん
いやフツーににげるよ
うしろからうたれるとキツいからぶきをはじきとばす
221:名無し@頭に蛍光灯
流石にイッチでもキツいか……
222:名無し@頭に蛍光灯
耐久力が強めのネームド生徒クラスと考えると最低でもショットガンが欲しいところで9mmはキツイ
223:名無し@頭に蛍光灯
漢字で文章打てないあたりだいぶキテますね……
224:名無し@頭に蛍光灯
当たった!
225:名無し@頭に蛍光灯
やりますねぇ!
226:名無し@頭に蛍光灯
おっしゃ逃げろイッチ
227:名無し@頭に蛍光灯
ん?
228:名無し@頭に蛍光灯
おや?
229:名無し@頭に蛍光灯
なんかスタンした?
230:ヘッドショットおじさん
よくわからんがくたばれ
231:名無し@頭に蛍光灯
なんか効いてるぞ!
232:名無し@頭に蛍光灯
CC値が蓄積してダウンとったのかな?
233:名無し@頭に蛍光灯
なんだっていい
ヤツを倒すチャンスだ
234:名無し@頭に蛍光灯
効いてるけど固いなぁ!
キンバー1911は予備だから弾ほとんど持ってないし
235:名無し@頭に蛍光灯
お、イッチが落ちてたTTIコンバットマスター拾った
236:名無し@頭に蛍光灯
時折弾き落とした銃を撃ってるのはあれが弱点だから?
237:名無し@頭に蛍光灯
よくわからんが撃つとなんか怯むからね
効果がある内は同じ戦法を擦るのはよくあること
238:名無し@頭に蛍光灯
かってーなコイツ
239:名無し@頭に蛍光灯
おい全然倒れねぇじゃねぇか
240:名無し@頭に蛍光灯
とうとう弾が切れてついに脚が出た
241:名無し@頭に蛍光灯
ストンピング連打は絵面が酷すぎて草
242:名無し@頭に蛍光灯
仕方ないだろ固いんだから
243:名無し@頭に蛍光灯
うわぁいまメキャッって
244:名無し@頭に蛍光灯
よく自分と同じ顔した奴に躊躇なく暴力を震えるなと思ったけどよくよく考えると確かに自分だったら躊躇なくぶっ飛ばせるな
245:名無し@頭に蛍光灯
同族嫌悪ならぬ自己嫌悪?
246:名無し@頭に蛍光灯
いや単純に見てて不快だし
247:名無し@頭に蛍光灯
不細工だったら尚更な……
248:名無し@頭に蛍光灯
おっと多方面にダメージ振り撒くのはやめるんだ
249:名無し@頭に蛍光灯
転生したら見た目は多少まともになる場合が多いからセーフ
250:名無し@頭に蛍光灯
そうじゃないやつもいるんだよなぁ
251:名無し@頭に蛍光灯
なんなら人間じゃないこともあるゾ
女児向けアニメのマスコットキャラin俺とか誰得だよ
擬態諦めたら微妙に扱いが雑になったし
252:名無し@頭に蛍光灯
>>251
涙拭けよ
253:名無し@頭に蛍光灯
一方イッチはようやっとパチモンを撃破した模様
254:名無し@頭に蛍光灯
長く苦しい戦いだった……いやほんとに
255:ヘッドショットおじさん
あーしんど……
でもこれはこれで原作再現っぽくてちょっとテンション上がるな……
256:名無し@頭に蛍光灯
うわぁ……厄介オタクみたいなキモい笑い方
257:名無し@頭に蛍光灯
フヒッみたいな含み笑いはまごうことなき俺ら
258:名無し@頭に蛍光灯
この状況で笑えるならある種の才能だよ
259:名無し@頭に蛍光灯
イッチが楽しそうで何より
260:名無し@頭に蛍光灯
こんなに追い詰められるのキヴォトス転移直後の騒動以来だからな
261:ヘッドショットおじさん
ところで本体は消えたけど銃は残ったんだが
262:名無し@頭に蛍光灯
ドロップアイテムかな?
263:名無し@頭に蛍光灯
ほぼ廃品じゃん
264:名無し@頭に蛍光灯
ばっちいから早く捨てなさい!
265:名無し@頭に蛍光灯
一応ミメシス発生の原因を探るのには使えるんじゃね?
266:ヘッドショットおじさん
なんかオーパーツとかに近い雰囲気なんだよな
あとどっかで見た覚えがある気がする
267:名無し@頭に蛍光灯
グロック17は不良とかから奪い取ってなかったか?
268:名無し@頭に蛍光灯
もしくは普通にコレクションしてあるからとか
269:名無し@頭に蛍光灯
イッチー、刻印番号は見える?
270:ヘッドショットおじさん
ほい
@画像
271:名無し@頭に蛍光灯
キヴォトスの刻印番号調べても俺らに照合は無理じゃね?
272:269
キヴォトス転移直後の過去スレから引っ張ってきたけど先生との合流時に使ってたヤツでは?
@画像1
@画像2
@画像3
273:名無し@頭に蛍光灯
これマジ?
>>269が優秀過ぎんだろ
274:名無し@頭に蛍光灯
どういうことなの……?
275:名無し@頭に蛍光灯
イッチの使ってた銃が原因の可能性が?
276:名無し@頭に蛍光灯
さっぱりわからん!(無能)
277:名無し@頭に蛍光灯
もしかしてゴルコンダが言ってたクリーピーパスタとかネットの都市伝説みたいに元ネタが定かじゃなくても話が有名になったことで発生するようになったみたいなパターン?!
278:名無し@頭に蛍光灯
ペロロジラのこと言ってんのか?
279:名無し@頭に蛍光灯
生徒に噂されるだけでボスやらされて堪るかと思ったけど確かに一体だけ毛色が違う奴が居たわ
280:名無し@頭に蛍光灯
・デカグラマトンのセフィラ連中
ホド
ケセド
ケテル
ビナー
他多数
・スランピアのマスコット
ゴズ
クロ&シロ
・マエストロの作品と思われる奴
ヒエロニムス
グレゴリオ
・凶悪犯共と大型兵器
カイテンジャーとKAITEN FX Mk.0
水着ワカモとホバークラフト
・呪いの具現化
クロカゲ
・名も無き神々の憤怒の具現
セトの憤怒
・ペ ロ ロ ジ ラ
・イッチ←NEW!
281:名無し@頭に蛍光灯
うーんこのwww
282:名無し@頭に蛍光灯
言われてみれば明らかにネタくさいボスだなぁ
283:名無し@頭に蛍光灯
かなりデカイから都市部に侵攻されようものなら大惨事確定なので出現すると必死に迎撃作戦が立案される奴
284:名無し@頭に蛍光灯
元ネタが怪獣王だからネタなのに被害がガチ
285:名無し@頭に蛍光灯
あと他の地域で暴れてるパチモンの装備に前にイッチが壊した銃が混じってるっぽい?
@画像
286:ヘッドショットおじさん
ATIオムニハイブリッド?!
銃身とチャンバーは完全にアーツで焼き切れてた筈なんだけど?!
287:名無し@頭に蛍光灯
なんか復元されてますねぇ……
ちゃんと処分せずにその辺に捨てるから
288:ヘッドショットおじさん
ウ…ウソやろ
こ…こんなことが
こんなことが許されていいのか
TIPS:複製体はあと5体ほどキヴォトスを練り歩いているぞ!