SCP-2XXXX-JP、或いは藤丸立香   作:あなあた

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インタビュー記録3及びクラス再検討

インタビュー対象: SCP-2XXXX-JP-1

 

 

インタビュアー: ウェイバー・ベルベット博士

 

 

前記: SCP-2XXXX-JP-1(個体名レオナルド・ダヴィンチ)へのインタビュー。このインタビューは、異常発生している実体群の完全な収容と、対象が保持すると思われるXK-クラス:世界終焉シナリオの修復を行うための具体的な技術を記録する目的で行われました。また、当該インタビューの性格から、SCP-2XXXX-JPは別室で待機しています。

 

 

<記録開始>

 

 

ベルベット博士: インタビューに応じて頂き感謝します。

 

SCP-2XXXX-JP-1: いやいや、君たちは世界の存続を目指すという点で我々の同士でもある。協力するのは当然のことでもある。

 

SCP-2XXXX-JP-1: それより、マスターくん…君たちにとってはSCP-2XXXX-JPのことだが。

 

ベルベット博士: ええ。

 

SCP-2XXXX-JP-1: 別室で待機させる判断は、こちらにとっても大変有難かった。なにせ、君たちが求める技術は少なくない人命の犠牲のもとで確立したものだからね。

 

ベルベット博士: …その中には、いわゆる非人道的実験によるものも含まれている、と?

 

SCP-2XXXX-JP-1: 理解が早くて助かるよ。

 

SCP-2XXXX-JP-1: さて、前置きはこのくらいにして、本題へと移ろうか。私はカルデアの技術局特別名誉顧問を務める、レオナルド・ダヴィンチだ。

 

ベルベット博士: …ええ、すでに聞き及んでおります。

 

SCP-2XXXX-JP-1: 私の設計した完璧なボディに関する質問があれば、遠慮なく言ってくれたまえよ?

 

ベルベット博士: 疑問は尽きませんが、それ以上に我々には時間がないのです。

 

SCP-2XXXX-JP-1: …まぁ、それもそうか。じゃあ、まずはレイシフト技術について教授しよう。とは言ってもあれは比較的単純なものだ。基本的に、観測機で過去を正確に観測、特異点であるが故の現実強度の低下を利用して対象者を過去に転送する、というだけのものだからね。

 

[空間上にスクリーンが現れ、それらの大まかな設計図が投影される]

 

SCP-2XXXX-JP-1: ただし、既に聞いていると思うが、対象者には条件がある。端的に言えば、その条件とは対象の現実性の強度が極めて高いことだ。

 

ベルベット博士: もし、その条件を満たさない者がレイシフトを実行したら?

 

SCP-2XXXX-JP-1: …実験では、被験者の存在は徐々に希薄化し、最終的には消失した。特異点の中で、異物が個として存在し続けるためには、現実性の強度は絶対条件なんだ。

 

SCP-2XXXX-JP-1: まあ、どちらにせよこの条件を満たす人間は、君たちにとって収容の対象だ。世界滅亡の淵にあってなお、その”異常存在”に人類の存亡を託すのは出来る限り避けるべきだ、というのが君たちの理念だ。違うかい?

 

ベルベット博士: 仰る通りです。

 

SCP-2XXXX-JP-1: じゃあ、君たちのお眼鏡にかなうのは、拠点ごとの転移技術だけになる。ただ、この技術は君たちが持つ異常存在全てを結集させてなお実現できるか分からない、いや可能性は低いと言っていい代物だ。これの生みの親と言っていい私が言うんだから間違いない。

 

 

ベルベット博士: それほど高度なものであると?

 

SCP-2XXXX-JP-1: 個々の物体や技術についてはそうでもない、完成度を無視すれば、難しいのは現実強度の担保と神秘術的機構を同居させる設計くらいだ。

 

ベルベット博士: ならば、何故?

 

SCP-2XXXX-JP-1: 君たちが神秘を忌避するからさ、博士。これらを君たちが望むように、専門的な訓練を受けただけの人間が扱えるようにするのはとても困難だ。

 

SCP-2XXXX-JP-1: まあ、設計図は君のパソコンに送っとくから、頑張り給え。

 

[ベルベット博士のパソコンに、不明な方法で設計図が送信される]

 

ベルベット博士: …これを本当に独力で?

 

SCP-2XXXX-JP-1 ああ。我が叡智、我が万能は、あらゆる叡智を凌駕するってのが私のモットーでね。

 

ベルベット博士: 心から、心から感謝します。

 

SCP-2XXXX-JP-1 これで、私は君たちの求めることに概ね応えたと言っていいかい?

 

ベルベット博士: ええ、勿論。勿論です。レオナルド女史。

 

SCP-2XXXX-JP-1 では最後にお節介かもしれないが忠告を一つ。君たちのスタンスについてだ。まず最初に言うが、君たちの世界の現実性の強度の低さは異常だ。西暦2000年にもなってなお、個人の現実性の強度が多少高いだけで現実改変を起こせるような世界は私たちからすればマトモじゃない。

 

SCP-2XXXX-JP-1 ただ、そこは真の問題じゃない。問題は、君たちが超常的手段を忌避しつつ、しかもそれらを破壊ではなく収容しようとしていることだ。確かに私たちも神秘を秘匿するし無暗には扱わないが、それは神秘を効果的に扱うための手段に過ぎない。

 

SCP-2XXXX-JP-1 人間の技術による人間世界の維持、という理想は大いに結構だがその代償は今後さらに大きなものになっていくだろう。いまこそ現実を受け入れるべき時だと私は思うよ。

 

[ベルベット博士の沈黙]

 

 

<記録終了>

 

 

終了報告: レオナルド女史によってもたらされた設計図は、財団の奇跡術論部門の長をして人類開闢以来の芸術と評されました。これの再現に関する実験は、既にO5評議会によって決定された予備決議に基づき、無条件に支援されます。

 

補遺3: 今回のインタビューで、カルデアと財団の理念が根底の部分で異なることが判明しました。これに伴いSCP-2XXXX-JPの潜在的な危険性を鑑み、対象の終了を視野に入れた実験の再開と、オブジェクトクラスのEuclidからketerへの再分類がO5-4及びO5-11によって発議されましたが、これは否決されました。

 

 

 

 




まあ、そら(一切の異常存在を認めない財団と聖杯盗んでイベント特異点を作るのが容認されるカルデアは)そう(相容れるはずがない)よ。

財団におけるヒューム値と現実改変能力との関わりは、本作内ではfate時空の第五架空要素の減少とと関係があることになっています。具体的には、fate時空では第五架空要素の減少に伴い魔術の行使が難しくなった=世界の現実性の強度が上がったということにしてみました。

カルデアの、2部で描かれているのとは毛色の違う悪の側面を描きたかったんですが、やっぱり難しかったです。

次回は状況がアクロバティックに変化する予定です。
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