レジェンド・オブ・シンフォギア 通りすがりの奇跡の破壊者 作:サルミアッキ
あ、今回の話からシンフォギアXD以上にかなりクロスオーバー要素が増えたりします。ついて来れる奴だけついてこいッ!
戦闘後、仮面ライダーレジェンドがいつの間にか立ち去ってから、響たちはある場所に招かれていた。
「……」
「ふぅ……」
立花響と、赤いスーツのガタイの良い男性が向かい合う。双方とも油断なく八極拳の構えを取り、地面を砕く勢いで一歩を踏み込んだ。
「—————素人目から見ても、ビッキーなんか強さおかしくない?」
「ま、まあ風鳴弦十郎さん、でしたか?あの方も大概なのですが……」
「ただの八極拳の手合わせだよね?何、この超人みたいな挙動……アニメか?」
瞬間、衝撃が炸裂した。翻る響のコート。彼女は体中の筋肉を凝縮させ、力の蠢動と共に、跳躍する。
刹那の間に地面を滑る。眼前の男との距離をゼロにして、彼女は拳を砲弾もかくやとばかりに突き放つ。
「……凄まじいな。一体その技術をどこで習ったんだ、響君?」
「二年前、変な街に迷い込んだことがありまして。そこで『ラーメン屋を営んでいた神父さん』に教わりました……、ハァ!」
「ふッ……!」
キャロルさんが迎えに来てくれて助かったんだよな…、と迷子になった当時のことをぼんやり考えながら、響は鉄をも穿つ拳を振るう。その攻撃を交差させた腕を使い受け止めた弦十郎。響が教授された拳法は人外を排除するために変化した、本来の八極拳と似て非なるものであるはずなのだが、流石はOTONAである。
ただし、響が放った攻撃の勢いを相殺しきれず背後へ約1m押しやられる弦十郎。その距離を利用し、響は二歩で彼に詰め寄り攻撃を仕掛ける—————。
「いやぁ、でも未だ信じらんないよね。リディアン音楽院の地下にこんな施設があるなんて……」
「ええ。説明を受けても、理解が及ばないことだけは理解しました。『シンフォギア』、でしたか?ツヴァイウィングのお二人が持つ聖遺物由来の力で、ノイズに日夜戦っているとは……」
「もう情報過多でキャパオーバーよ。詰め込み過ぎって言われるわよ、録画溜め込み過ぎて数週間置いてけぼり食らったみたいな感じなんだけど」
三人の眼前で爆弾でも炸裂したかのような音が連続で鳴る。シミュレーションルームは既に爆心地の如き様相だった。
(((でもなによりびっくりしたのは……)))
「響……」
(((政府関係者相手に一歩も引かず、響/響さん/ビッキーの協力者の立場を口八丁で確保した未来/未来さん/ヒナだよなぁ……)))
「—————くぉらァァッッ‼ガキに何してんだい弦十郎ォッ!いい加減にしやがれ、シミュレーターが壊れるだろぉがッッ‼」
二課所属の技術者の一人、『海宝環』の怒号によって、響と弦十郎の手合わせ(とは名ばかりの戦闘)は打ち切られたのだった。
■
(—————選択せよ立花響。傍観か、敵対か。いずれにせよ、君の手から正義は零れ落ちるだろう)
探しても地図にすら無かったあの街の教会で、月夜に投げかけられた
(他人を救って自分を救ってるつもりのお前にゃ、あたしは救われるつもりはねぇ。それとも頭の鈍そうなお前には、こう言ったほうが分かりが良いか?—————『勝手にやってろよバァァァァァカ』!)
昨夜、ネフシュタンの鎧を着た少女の声が、何時までも残り続けている。
「響ちゃん。あったかいもの、どうぞ」
「あ、あったかいものどうも……えぇっと、友里さん」
二課司令たっての願いで手合わせをした響に差し出されるホットココア。女性オペレーターに会釈をして、渡されたそれをずずず…と音を立てて一気に飲み干す。舌の上に熱湯が奔り擦過傷が生じるかのよう。しかし、今の響にとってそれは些末なことだった。
ずっと、正義という二文字が彼女を蝕んでいる。正しさ、
ここはリディアン音楽院の地下にある二課の本部。謎の少女……ネフシュタンの鎧を着た誰かと戦った後、響たちはツヴァイウィングに連れられてこの場所までやって来た。
二課の人々は(少しおかしな技能を持つ人間もいたが)気の良い大人ばかりで、信頼に足りうることは分かった。だが、響はそれでも……—————。
「……ん?あの、弦十郎さん?これって……」
「どうした……なッ」
一体何時からそこにあったのか、弦十郎が背を向けていた卓上に『一枚の上質紙で作られたポストカード』が置かれていた。カードには、アオスジアゲハを模したマークが刻まれている。その手紙を開いた弦十郎の顔が、驚愕に染まった。
「予告状、だとぉッ!」
予告状
特異災害対策機動二課司令官 風鳴弦十郎様
拝啓
三つの和音刻む五線譜に、無が原初に還る終わりの名が記される今日この頃。その尊き身命を賭してノイズの脅威から人を護らんとする、特異災害対策機動二課の皆様方におかれましては、健やかにお過ごしのことと思います。
さて、わたくしがこの度筆を執らせていただいたのは、長久の刀剣が学び舎の深淵から記憶の遺跡へと移ろうことを耳にしたためです。シンフォギア装者がまた一人増えた特異災害対策機動二課のご活躍は、浅学なわたくしも聞き及んでおりました。そんなツヴァイウィングのお二人や、新たなガングニール装者様が聖遺物を通じて響かせる、狂えるオルランドの歌を拝聴するとともに、長久の刀剣である聖遺物サクリストDを頂戴いたします。
それでは、特異災害対策機動二課の皆様と戦場でお目にかかれますことを楽しみにしております。また、シンフォギア装者の方々におかれましてもますますのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げますとともに、御三方の心の歌に感謝と尊敬を込めて、結びとさせていただきます。
敬具
2043年5月吉日
怪盗ファントムシスター
弦十郎の周りに集まった三人娘たちが口を開く。
「こんな予告状、アニメ以外で初めて見た……」
「いや、そもそも予告状自体現実にお目にかかるとは、って感じなんだけどね?」
「この怪盗ファントムシスターとは、いったい……?というか、一体どうやってこれを置いたのでしょう…?」
今この場にいるのは響と未来、そして三人娘と弦十郎……そしてオペレーター二人というたった八人。誰かに紛れてやって来たにしても、にわかには信じがたいことだった。
「ファントムシスター、……ついに二課にも来たかぁ。あ、君たちにもわかりやすく説明すると、聖遺物のみをターゲットにした怪盗だよ」
「はじめのうちはただの愉快犯だと思っていたんだけど、政府が秘匿する保管施設、『深淵の竜宮』に易々押し入られて、複数の聖遺物がこの怪盗に盗まれたわ。そして、出口が無いはずの場所には『頂きました』の書置きが一つ。今みたいにね」
二課のオペレーターである藤尭朔也、友里あおいが少女たちの疑問に答えてくれた。
「この、長久の剣って言うのは……?」
「あ、それならあたしわかるかも。『デュランダル』ってやつじゃない?」
「知ってるの?弓美ちゃん、凄い!」
「いや、アニメでちらほらでるし、そういう伝説の武器。要するに聖遺物ってそういうもんでしょ?」
「そう。今板場君が言った通り、二課が保有している完全聖遺物が『デュランダル』だ。あぁ、完全聖遺物というのは……—————」
突如、弦十郎と響の表情が強張った。
「—————そこッ!」
弾丸もかくやという速度で響の手から放たれた奇妙な刀剣。ビィン……と鈍い音を立ててその刃—————『黒鍵』は二課施設の壁に突き刺さる。
「ど、どうしたの響?」
「……やはり、今の一瞬の気配は勘違いではなかったか」
「はい。壁を傷つけてしまいすみません……逃がした、みたいです」
八極拳を習った神父から与えられた不思議な礼装を壁から引き抜き、響は気配を手繰る。すでに異質な霊体の気配は二課本部内から消え去っていた。
……。
…………。
………………。
……………………ふわり。それは壁から滲み出ると、朧気だった霊体を現実に繋ぎ止める。
「—————そうですか。ありがとうございます、ご苦労様」
『—————……』
茶髪の音楽教師が一枚のカードを撫でる。そのカードには、彼女の前に立つ亡霊の戦士が描かれている。彼女…………『アンナ・サンダース』の命によって予告状を届けた『オレンジのパーカーを羽織った仮面ライダー』は、リディアン音楽院の廊下に溶けるようにして消えていった。
■
森の中にある湖畔に建てられた、厳かな雰囲気を纏う大きな洋館。高い天井の廊下を抜け、これまた貴族趣味なシャンデリアが吊り下がるだだっ広い大広間には、その豪奢な場にそぐわない拷問器具や電気椅子などが並べられている。
部屋の中には、肉が焼ける匂いが漂っていた。そして、耳障りな電気がスパークする音が絶え間なく流れている。
「ッッッ~、……っと。こんな所か」
「うわぁ。頭イカレてんですか、『クリス』。傷口に電極直に突っ込んで……」
長い銀髪を鬱陶し気に搔き分けて、乱暴に電線を放り捨てたクリス。火傷の跡が残る白い肌を隠そうともせず、消耗した体力を回復させるため上質なソファベッドに身を沈めた。
「あー……かもなぁ、ガキの頃に比べて痛覚とか完全に鈍ってるし。つーか、フィーネのかったるい拷問ごっこじゃ、ネフシュタンの侵食の除去に時間がかかるしな。自分で雑にやった方が早ぇ……」
眠りにつくように瞼を閉じたクリス。だが、常在戦場が常だったからか、無防備に見えても全く隙が無い。ハンドレッドの構成員である赤髪の少女『キョウ』は、彼女のことを横目で見ながら、この世界で購入したスマートフォンを義手で弄る。
キョウの手の中で数度鳴るコール音。そのリピートが途絶えると、彼女は電話口の人物と会話をし始めた。
「ええ、はい。そうです—————一つ、頼みごとをしても良いですか、『アルゴス』。あなたのその瞳で見つけていただきたいものがあるのですが。…はい、よろしくお願いいたします」
簡潔に要点を伝え、彼女は電話を切る。
「…………『アルゴス』?」
「おや、盗み聞きとは感心しませんね。まぁ、貴女に聞かれても特に支障はないですけど。ついでに、暇でしたら手伝っていただいても構いませんよ?」
「はッ。現在のクライアントはフィーネだからなぁ……」
「こちらも今すぐに、と言うわけではないのでそこは安心してください。金ならまぁ、前金で…………このくらいです?仕事を完了したら、さらに上乗せさせていただきますよ」
「…………話だけでも聞かせてもらおうか、契約はそれからだ」
提示された金額に考えを検めたクリスは、裸の身体にコートを引っ掛け、キョウと向かい合う形で机に座った。
「この世界には並行世界間に門を開ける角笛—————完全聖遺物『ギャラルホルン』と言うものがあるらしいのですが。どうやら我々が用いているオーロラカーテンの影響でか、並行世界だけでなく異世界の物品まで流れ込んでくるらしく、想定外の事態が起こっているようなのです。その内の一つとして、こちら…………『
長いテーブルの上を滑り渡されたタブレット端末の画面上には、『鎖に四肢を拘束された長い髪の人物が描かれたカード』が映っていた。
「またカードかよ……。あの仮面ライダーってやつも使ってたよな」
「確かに。どちらのカードも錬金術に関連する技術で造られているらしいですね。ライドケミーカードはこの世界で数百年生き続けるキャロル・マールス・ディーンハイムが手ずから錬成し、そしてクラスカードの方は錬金術を根幹とする魔術師の……あぁ、『エインズワース』—————でしたか」
(しかし、カレイドの魔法少女は兎も角、こちらの世界に『蜘蛛』をも倒せるあの集団、
■
ここはあらゆる次元の狭間。何処の空間にもどの時間にも存在しない虚無の世界。悍ましいマーブル色の風景と、銀色のオーロラだけが周囲を揺らめくそこに、浮遊する巨大な城があった。
巨大な音叉やパイプオルガンを思わせるその城の名は『アナザー・チフォージュ・シャトー』。様々な異世界を観測し侵略を繰り返す謎の組織『ハンドレッド』の前線基地の一つだった。
長い廊下に静かな足音が規則正しく鳴る。法衣をはためかせて歩く肉感的なその女性は、大扉の前で立ち止まると、華奢な細腕で大理石のドアをいとも容易く開け放った。
「—————あらあらまぁまぁ。皆々様もお揃いのようで」
「あれれ~?
入室してきた尼僧に、甘ったるい作った声がかけられた。微笑を浮かべて振り返り、救世主と呼ばれた彼女は眼前の女科学者に向かって口を開いた。
「えぇ、えぇ……。使い勝手はとても良いですよ。世界中の人間と一つに繋がれるのはとってもとっても気持ちが良くて、あぁ思い出しても昂ぶりが抑えきれません……いけません、こんなはしたない、うふふ、困ってしまいます……ふふふ?」
「うっへ。本当変態だねぇ……。ま、
異端技術で構築された機械部品と不思議な植物の鉢植えが整然と並べられた作業机から顔を上げる、『ウサギ耳のカチューシャ』と『不思議の国のアリスを思わせる服』を着た紫髪の女性。彼女の隈だらけの目元が無機質に細められ、周囲に群がる黒髪の少女たちを睥睨していた。
「むぅ。お父様ぁ、このうさ耳コミュ障が何か言ってる~」「邪魔だってさ、わたしたちのこと」「何様なのかなぁ。ただ天才なだけの人間がさぁ……」
全く同じ顔をした彼女たちが全く同じ声で喉を震わせてけらけらと笑う。鈴を転がすような笑い声が、部屋の中に響き広がっていく。
【オムニフォース!】
—————白髪に黒いスーツの男性の手に納まっていた、赤い表紙の本が開かれた。
「「「きゃあ~っ♪」」」
うさ耳の女性の周囲に群がっていた精霊たちが消えていく。後には消えた少女たちと同じ数の本の頁だけが残された。
「すまないね、プロフェッサー。まぁ良いだろう、気のいい魔王の娘たちだ。気にしないでくれたまえ。それと、これが以前の会議の際に言っていたDEMの新作商品だ。どうか勝手にやってほしい」
「ん~?あぁ、はいはい。目を通させてもらうよ、っと……。あ、
「…ふん。私の研究に何かメリットでもあるかしら」
血色の悪い蝋色の肌に、紫色の口紅を付けた妙齢の女性も、気怠る気に身体を起こしてアリス服の美女の手元の紙を覗き込んだ。
そんなやり取りをする三人の後ろに、赤黒い蝙蝠の群れが巻き起こる。キィキィと鳴く吸血蝙蝠たちでできた竜巻がやがて止むと、そこには二柱の悪魔が立っていた。
「……久方ぶりでもお元気そうね、皆さん。あぁ私は紅茶でも頂こうかしら。お願いできるかしら、『佑斗』」
「はい、『リアス様』。皆様も如何ですか?」
鼻にかけた調子で紅髪を手櫛で整え、豊満な胸を強調するように腕組みをした被膜状の翼を持つ女性は、年季の入った赤い背もたれのウッドチェアに腰掛ける。
騎士である青年の従者は主であるその女の言葉に従いつつ、部屋の中にいるハンドレッド所属の人間たちの顔を見渡した。
「……ふむ。では私は珈琲でも頼もうか」
「わたくしは緑茶を頂ければ。お茶請けにおはぎを持ってきたので」
「私は結構よ、必要ないわ」
「あ、じゃあ束さんは煎茶ちょうだ~い。
暗がりにいた二人組が、その問いかけにヘッドギアパーツが付いた首を回してやってくる。
「……分かっていて言っていますか?」
「今の我々はヒューマギアの身体を使っている。気を使う必要はないとも」
薄紫の長い髪をした美女と、白衣を着た短髪の男性が側頭部のヒューマギアモジュールを青く光らせてすっとぼけた言動の女科学者に苦言を呈した。
「おーっとうっかりうっかり。気が回らなくてごめんね~。折角だしその身体、味覚の機能も搭載してあげようか?」
それでもエプロンドレスの女性は笑みを絶やさない。おどけた調子で小首を傾げた時だった。
「皆様お待たせいたしました。我らが長…ハンドレッド首領からのお言葉があります」
—————現れた義足の少女の声に空気が一瞬で張り詰めた。空間にかかる重力が嵩んだようだった。その場に現れた人間の存在感だけで、世界が重く苦しくなる。
「皆さん、良く集まってくれました。ハンドレッドの同志たち。侵略作戦を決行中の面々はいませんが、これだけの面々が一同に会するとは喜ばしい」
その人物は、『キャロル・マールス・ディーンハイム』と全く同じ顔と声をしていた。長い金髪、桃色交じりの青い目、片目の端にある泣き黒子。だが、その眼差しだけが違う。キャロルと違い、『彼』の瞳には光が灯っていない。限り無い闇が広がっているような、死んだ魚を思わせる深い淀みの淵。そんな目だった。
「幾つもの異世界を征服してきた我々ですが、此度の侵略する世界にはどうやら厄介な者が幾らかいるようです。—————『ヨウ』、例の情報を」
ハンドレッドの首領の傍に控えていた『ポニーテールの少女』がハンドレッド構成員たちの前を移動しながら、各々に情報を手渡していく。
「……へぇ。この女、『ボスの並行同位体』ってところかな?」
「えぇ、その通りです。なので、今回は万全を期す形で行くことにします。ハンドレッドの全幹部と総戦力を、この世界に投入することにしました」
幹部会に出席していたメンバーたちの表情に変化が生じる。困惑、驚愕、そして愉悦。それほどの脅威なのかと訝しむか、それほどの手合をどう倒そうか高揚に胸躍らせるかの二極化だった。
「それと、頼んであった例の遺伝子情報はどうですか?『プロフェッサー束』」
「ん~とねぇ?あ、あった、はいこれ。で、どのロイミュードにコピーさせるの?」
立体映像で遺伝子のゲノムマップを受け取ると、ハンドレッド首領は懐から取り出した『コブラとクモの形をしたミニカー』にその情報を読み込ませた。
そして、空中に三桁の数字が浮かび上がり—————人間の姿となって舞い降りる。
「—————あははっ、そりゃいーや。ちょうどいいナンバーだね。ねぇねぇボス~、こいつら『いっくん』と『ちーちゃん』って呼んでいい?」
「……ふん。くだらない、所詮ロイミュードの精神など、人間のコピーに過ぎない。お前が我々に何を思おうと勝手だが、お前の未練につき合わせるな」
「口が過ぎるよ。別にいいじゃないか、108。潜入作戦としても悪くない。コピーした遺伝子元と同じように、俺もお前を先生として扱えば良いか?」
「……止めろ。ナンバーが若いのはお前の方だ、001」
ミニカーが変化した男女が、まるで姉弟を思わせる親しさで軽口を叩き合っていた。
「最後に……『ヨウ』。『キョウ』がレジェンドの世界へ先発隊として向かっていますが、彼女にこちらを渡してきてください」
ハンドレッドのエンブレムが刻まれた銀色のアタッシュケースが、ハンドレッド総帥の手で開かれた。
「—————おぉ、これは」
「現地の協力者である『彼女』に渡しなさい。ボクの予想通りなら、恐らく『彼女』の計画はまもなく瓦解してしまうでしょう。コレはそのネフシュタンの鎧の代替品です。模造品ですが、その出力はオリジナルと遜色はありません」
「—————かしこまりました」
『赤と銀のベルトのバックル』と『白いキーアイテム』があることを確認した緑髪のポニーテールの少女は、義足を鳴らして一足先に大広間から退出した。
「では、レジェンドの世界へ侵攻する前に……。下準備として、侵略済みの世界群を悉く解体し、歴史の全てを募集するとしましょうか。幸い、今いる人員の数だけで十分でしょう」
各々の腰に巻かれたベルトと、手に持ったアイテムが起動する。
こちらの世界のハンドレッドメンバー、書いてたら筆が乗って何かヤベーの増えてねぇ……?ってなった。