王女と七陰
「アルファ様“七陰”の皆様が全員ご到着なされました」
「わかった。すぐに向かうわ」
『シャドウガーデン』の活動拠点であるミツゴシ商会。
その最上階に建設された屋敷内の一室にて、『シャドウガーデン』統括者のアルファは部下の報告を受けてにらみ合っていた資料から目を離した。
“七陰”が一同に会する機会は多くない。
それは今回の一件が彼女達がそれほど重要視している案件であるということに他ならない。
「…アルファ様。今回の件…アレクシア王女が持ってこられたという話はそこまで重要な内容なのでしょうか?」
「えぇ、その通りよ。これは私…いえ、私達にとっても今後の将来を決める内容になるわ。私が独断で決めることは許されない」
「シャドウ様に…お伝えせずともよろしいのでしょうか…?」
「不要よ。むしろ彼にはまだこの話をする訳にはいかないわ。いいわね?」
「は、はい!」
アルファに声をかけた人物も『シャドウガーデン』の構成員。
七陰やナンバーズとは違って目立った功績を出してはいないものの、事務作業や状況把握能力が高く、組織運営においても非常に優秀な女性である。
しかし彼女でも今回の一件は知らされていない。
アレクシア王女がアルファ様に話をつけに参られたということは把握しているものの、その内容は二人きりの空間で共有されていた。
出てきたアルファの表情は見慣れない少しの困惑と覚悟が混ざった珍しい
「アレクシア王女は?」
「控え室でご休憩を為されています。御呼びになられるのでしたらすぐにでも」
「お願いするわ」
部屋から退出されるアルファ様に一礼し、自分も役目を果たしに歩を進める。
『シャドウガーデン』の将来を決める可能性があるほどの重要機密案件…。
どんな命令が出されようともすぐに対応できるように準備をしておく必要があるなと彼女は思った。
◇
「皆居るわね。まず始める前に突然の招集に応じてくれてありがとう」
アルファが席について礼を述べた。
それもそのはず。
今回の招集は事態の深刻さを把握したアルファが急遽行ったものであり、他の七陰達の活動を後回しにしてでも話し合わなければならないものであったからだ。
「…一体、何?」
そのため研究に没頭していた所を引っ張り出された七陰の第七席であるイータは彼女達の中でも一番不機嫌だ。
アルファ様からの緊急招集ということでしぶしぶ席に座っているものの、その不機嫌さは隠しきれていない。
「アルファ様が私達の任務を切り上げさせてまで呼んだ案件…。事態は相当深刻な事になっているって事かな?」
イータの発言に倣う様に言葉を突けるのは第六席。
猫の獣人であり、世界各地で諜報活動を行っている隠密担当のゼータだ。
彼女が担当する諜報活動の都合上、他の七陰達よりも情報がゼータの下に集まってきやすい。
そのためアルファが把握している内容はゼータも大半を把握しているのだが、今回呼び出されたことに関しては何の情報も持っていない。
なので今回の招集で一番事態を重く見ているのは彼女である。
「そこまでの事態となれば、やはり教団と魔人ディアボロスに関する事…でしょうか」
第五席として表舞台でも活躍する水色髪のツインテールが特徴のエルフ イプシロンは限られた情報から教団関係なのではないかと予想。
特に今はオリアナ王国に巣食うディアボロス教団が『ブシン祭』を介して王国内に侵入しようと試みているのだ。
オリアナ王国に伝わる『黒キ薔薇』に対して、事態が動いたのかもしれないとアタリをつけた。
「がうぅ、アルファ様!デルタは誰を狩ればいいのです!?」
敵対勢力がいるのならば狩りつくしてしまえばいい。
そんな発想を出すのは第四席のデルタ。
犬系の獣人で、七陰の中でもトップクラスの戦闘御能力を持つ『シャドウガーデン』における特攻兵器である。
知力が乏しいために仲間内でも扱いが難しい筆頭であるが、彼女が持つ野生の勘は馬鹿にできない。
そのため今回の一件でも役に立つ可能性は存在していた。
「もし教団が動きを早めたのであれば事は一刻を争うはず…。ですがアルファ様からはそのような緊張とは異なった印象を受けます。
アレクシア王女がミツゴシ商会経由で話を持ち掛けてきたことから、ミドガル王国に関わってくる問題…になるのではないでしょうか」
ミツゴシ商会のトップにして、七陰内でも最高の頭脳を持つエルフ。
第三席のガンマはゼータ達の考えとは異なった視点から状況を分析していた。
戦闘よりも頭脳面において、彼女に勝るものはそれこそアルファか主たるシャドウ以外にはいない。
その発言を肯定するようにアルファも小さく頷いた。
「でもそうなれば私達を招集する程の案件とは一体どのようなものに…。
『ブシン祭』でクラウス国王が接触してきたことはありましたが、依頼という形で話をつけたはずです。ドエム・ケツハット宰相がよからぬことを企んでいるのかと思いましたが…」
自分の考察が外れていたことに若干の安堵を抱きながらも、アルファが呼び出した理由がわからないために悩んでいる白銀髪のエルフ。
七陰の第二席を担うベータも持ち前の文才を活かしており、表舞台では『芸術の国』と言われるオリアナ王国の芸術界からも新規精鋭の二大巨頭の一人として名声を博している。
彼女も文学や小説に関して多大な影響を与えた人物としてオリアナ王国内に潜むディアボロス教団の情報を集めており、ドエム・ケツハットが水面下で教団員を増加している事を突き止めていたため、彼女なりに警戒していたようだ。
「ガンマの言うとおり、今回の招集は教団関係ではないわ。急いで集まってもらったから細かい内容はいうことが出来なかったのだけれど、今回の内容次第で『シャドウガーデン』の今後の将来が決まると言ってもいい。それだけ重要な話なの」
そうして各々が意見を出し合った後に話を切り出すは『シャドウガーデン』の統括者であり、第一席のアルファ。
教団関係ではない事に一人を除いてホッと胸を撫で下ろすことになるが、そうなれば王国案件であるその内容が非常に気になるところ。
狩りを行うわけではないということを把握したデルタはその内容から興味を失いかけているのだが、それはいつもの事なので一同は注意することもしていない。
「まず把握していると思うけど、彼女は第二王女アレクシア・ミドガルよ。実力の高さはゼータとデルタが認めてるわ。王国と共にディアボロス教団と戦うことにした理由の一つでもあるわ」
全員がアルファと対面するように座るアレクシアを見る。
デルタとゼータ、そしてガンマは彼女が戦っている所を直で確認しているため思う所は無いものの、その状況を見ることが出来なかったベータとイプシロンは『暴君』デルタが彼女を認めている事に驚きを隠しきれない。
「ご紹介ありがとうアルファさん。改めてミドガル王国第二王女 アレクシア・ミドガルよ。『シャドウガーデン』の皆様方にとあるご提案をしにお邪魔させてもらいました」
「提案?」
今のところ友好的関係を築けているとは言えど本来は他勢力の組織。
その主要幹部たちに囲まれても尚、アレクシアの所作からは優雅さと余裕が溢れており、王女としての貫禄を醸し出している。
元々は包帯などでぐるぐる巻きにしていたものの、この場においてはそんな擬態は不要。すでに外して全回復している状態を彼女達に
それはつまり魔力によって彼女を治療した及び自分で治癒を行ったことを教えるものであり、どちらにせよかなりの実力を持っている事を示す結果に繋がっていた。
オリヴィエ経由でガイアスと関わりのあるイータやよくコケることに対して補助スライムを作ってもらったガンマは誰が治したのかを察しているものの、他の面々…特に魔力制御では七陰随一のイプシロンは特に真剣に見据えている。
「私達ミドガル王国と貴女達『シャドウガーデン』は現状友好的な関係を築けていると思っているのだけれど、今後の将来を見据えて貴女達に話しておきたいことがあってね。落ち着いている今の内に話す場を整えてもらったという訳なの」
「―――それが今回の招集に関わる案件…と」
「えぇ。私達からその資料を準備させていただいたわ。言っておくけど、政府関係者でも極一部しか知らないから絶対に他言無用にするようにお願いするわね。……特にガイアスには」
ゼータの質問に答えるアレクシア。
彼女が事前に渡していた資料を選りすぐりの“ナンバーズ”の面々が配っていく。
裏側の白紙部分を上にして渡されたことで訝しむものの、捲って読み進めていけば段々と七陰達の空気が変化していく様子がナンバーズ達も即座に分かった。
「おー」
「…………なるほど」
「こ、これは…ッ!?」
「???よくわからないのです」
「た、確かにこの内容は…」
「シャドウ様と…っ??!」
内容を理解した七陰達の反応はそれぞれ違うものの、誰もが驚愕と喜びを含んでいる様にナンバーズ面々は感じ取れた。
普段クールに努めるゼータ様は尻尾が異常な勢いで振られているし、ガンマ様は何を想像したのかコケていないのに鼻血が垂れている。
イータ様は納得といった様子で不機嫌さを解消しているし、ベータ様とイプシロン様は何を想像しているのか身を捩らせながら妄想に耽っていた。
デルタ様は意味が解らない様子で首を傾げており、アルファ様に確認を取っているのだが、どんな内容なのだろうか。
「アルファ様アルファ様!文字が多すぎてよくわからないのです!どういうことなのですか!」
「デルタ、貴女にわかりやすく伝えるなら、私達七陰…いえ、『シャドウガーデン』の“全員”が“合法的に”シャドウと婚姻を結ぶことが出来るということよ」
『 !???! 』
「おーすごいのです!群れの頂点であるボスに相応しいことなのです!!」
アルファ様から告げられる内容はナンバーズの者達へ動揺を伝えるのに充分すぎる発言であった。
婚姻…合法的に?
一体誰と?…シャドウ様?
恐れ多い…でも…
デルタの無邪気な発言はよく主様たるシャドウへ話している発言。
当時は色々と幼い一面が多いデルタ様の発言であることから聞き流すことは容易であった。
だがそれはデルタだからこそ全員受け流せていた訳で、もしこれがベータの発言などであれば即座に開戦へと移行していたことだろう。
しかし今回アレクシア王女が彼女達の価値観を上回る爆弾を起爆させた。
敬い、愛する主の為であれば命を捨てることすら厭わない彼女達であるが故に、今回の提案は七陰全員にとっても非常に魅力的なのだ。
狙いはするものの、なんだかんだでアルファ様がシャドウ様と婚姻関係になり、自分たちは良くて二番手。内心ではそう考えて、そして受け入れていたこの場にいる全員はその大前提が崩れ去れる手段を目の前にぶら下げられたのだ。
それも提案してきたのがミドガル王国の未来を担う第二王女であり、クラウス国王陛下達がこの法律を制定させれる一歩手前まで来ているのは
共に戦う仲間であり、家族としての認識も強い『シャドウガーデン』の面々であるが、シャドウに関しては恋愛的な意味で水面下でバチバチに牽制しあう間柄。
今のまま進めば結果的に誰かが選ばれ、それ以外が多少なりとも意気消沈する事は全員が理解できる。
そんな中で今回の提案はその問題すら無くし、アルファが夢として抱く『全員が穏やかに過ごせる環境』をより作りやすくするものであった。
「なるほど、確かにこれは最重要にされるだけはある。ただこれだけの条件を出す裏に何を考えているのやら…」
「ゼータ。冷静さを取り繕う前に強風を発生させている尻尾を落ち着かせなさい」
あくまで冷静沈着に事を進めようとしたゼータの後ろでは花瓶に生けられた花から花びらを吹き飛ばすぐらいの勢いで風が生み出されている。
それを指摘するアルファであるが、声が届かず呟きBOTになっているゼータ。
冷静なのは見た目だけで内心は動揺が隠し切れていない。
「これは…なんてすばらしい発想力!!この法律が制定されれば私がシャドウ様の伴侶になるだけでなく、皆も納得して暮らすことが出来る…っ!!それにこれはイケる…!次回の小説内容にこの要素を盛り込んで…突然開示すると困惑が先に来てしまう可能性もあるから事前にメディアへ内容を僅かに漏らしておけば後は勝手に浸透していくはず…」
「ベータ。ものすごいアイデアであることは認めるけど、今は会議中よ。自重しなさい」
この内容を開示されただけでこうなのだ。
アルファとて最初にアレクシアから聞いた内容を知って驚愕したモノ。
この情報を独占せず、即座に七陰と一部ナンバーズへ共有する姿勢を見せることが出来たアルファは統括者としても見事と言わざるを得ない。
「気持ちはわかるけど、皆…落ち着きなさい」
『 …はい 』
スライムや鼻血、嬌声が飛び交う混沌とした場を諫めるのも当然アルファ。
彼女の鶴の一声によって何とか事態は収拾したモノの、各々が資料を食い入るように見つめており、早く結論を出して纏めてあげなければズルズルと時間を浪費するだけになるだろう。
「『複婚』に関する記載は私も驚いたもの…貴女達の反応も理解できるわ。そしてこれは生半可な覚悟で決めれることでもない。つまりミドガル王国は本気で考えてきているということよ」
前回述べた通り、複婚はメリットもあればデメリットもある。
そこに加えて複数の異性と婚姻関係になるという発想自体がこの世界に根付いていないのだ。
国民達だけでなく他国からの反論も発生する可能性を加味しての決定。
わざわざこの内容を持ち込んできたということは自分達がシャドウに捧げる覚悟も把握していると見てよい。その上で上層部の『シャドウガーデン』と友好関係を築いていきたいという想いは本物であると言えるだろう。
「確かに主様と“合法的に”過ごせるのであれば、私達にとって非常に大きい利点でしょう」
「バカ犬がいた獣人の里とは違って基本一対一が基本である現状を考えれば我々の活動もし易くなる」
「デルタ犬じゃないもん!!」
「何より…余計なしがらみを、気にしなくて済む…」
一人が複数の異性と関係を持つことは一般的に異常とされる。
それを根底から変えてくれるのであれば、『
『シャドウガーデン』の本拠地として活用している『幻の都』アレクサンドリアは唯一無二の最重要拠点であるが、利便性というモノがある。
ミドガル王国は現時点でディアボロス教団が世界で一番少なくなっている国家へと生まれ変わり始めており、『シャドウガーデン』の面々も正直言うと居心地が良くなっていた。
「この法を制定した後、『
「それは違うわ。この法制定が終えると共に、私と姉さま…ミドガル王国第一王女と第二王女が先陣を切って『複婚』を宣言することになるから」
「――!王女様も思い切ったことをするのね…」
「用途を民衆に丸投げすることなんてしないわ。『シャドウガーデン』の皆様には機会を観て追随してほしい。そういう考えは確かにあるわね」
ベータの推測を訂正するアレクシアに対し、イプシロンは第二王女の行動力に驚いた。
確かに国のトップ自らが行動で示せば国民達の理解も得られやすいだろう。
「すぐに答えを出して欲しいわけではないわ。でも『
アレクシアの言葉に対し、先程浮かれていた表情とは異なり一同が真剣な面持ちで会議を進行させていく。
時間は多少なりとも過ぎてしまったが、『
そうして準備を着々と進めていくミドガル王国第二王女。
彼女は印が押された書を丁寧に持ちながら自分の寮へと足を運ぶ。
「ふんふふんふふー♪」
無事計画通りに事が運んでいることに喜ぶアレクシア。
鼻唄を歌いながら帰っている姿は、傍目から見ても非常に機嫌良くなることがあったのだろうと見た全員が答える程に表情がにこやかであった。
(これであとはお父様と話を詰めて、ガイアスに伝えて…は最後の方が良さそう。何となくだけど、全ての準備を終わらせていた状態で伝えたほうが成功しそうな気がするわ)
女の直感というやつなのか。
『複婚』というシステムの発想はガイアスが口を滑らせたことで生まれた内容だ。
これによって『シャドウガーデン』との関係が強化できることを知れば、彼の驚いた表情が見れるのかもしれないが、まだ準備…という何かが必要な気がしていた。
(姉さまの問題も解決できるし、『シャドウガーデン』との関係も強化する事が出来る。本当にガイアスのお陰ね…)
ミドガル王国にとって間違いなく一番貢献している男を思い浮かべながら、まだまだやることがあるなと思い返して気合を入れる。
成立した後にも発生するであろう問題もあるのだ。
成功させて王命を完遂させる義務がアレクシアにあった。
(…ん?あれってガイアス?)
帰りの交差点で視界に映ったのは自分がよく知る人物。
ガイアスが背中を向けるように立っており、アレクシアに気づいている様子はない。
隣に立っている狐の獣人と何やら話をしているようだ。
折角なら声を掛けよう。
そう思ったアレクシアは
「ガイ――」
「本当に美しいです!!是非とも教えて頂ければ!!!」
ある程度近づいて声を掛けようとしたアレクシアは、ガイアスから放たれた言葉によってその動きを停止させた。
(…え?)
美しい?
誰が?
呆然と見れば褒められた獣人側は「お世辞が巧いでありんすな」とまんざらでもない様子。
扇子で口元を隠しているが、なるほど…確かに容姿は目を見張るものがある。
雪の様に白く輝く髪と、手入れが行き届いている事がわかる9本の尻尾。
見慣れない衣装であるが、彼女の容姿と相まって非常に似合っていた。
でもあんなストレートに誉める?
彼との付き合いは長いものの、あんな女性は見たことがない。
そしてガイアスの声音から、その発言は本心から出ているのだとアレクシアにはわかってしまった。
彼と出会って早10年。
使い古されたものかもしれないが、思い返してみればアレクシアは彼からそんな言葉を受けたことはないのではないか?
自分だって身嗜みには非常に気を配っている。
どこを見られても王女として相応しくあろうと努力を重ねてきた。
それなのに…自分よりも先に、見たこともない女にその発言をする?
「は?」
先ほどまでのルンルン気分は何処へやら。
これまでの人生で出たことがない声音を腹の底から出しながら、アレクシアは手に持つ重要資料を思いっきり握り潰すのであった。
・『シャドウガーデン』
アレクシア王女が持ってきた案件に一同騒がしくなり、少しの間仕事に手がつけられなくなった。
どんな解答をしたのかはお察しの通りである。
本当はそれとは別に商会に関わる内容もあったのだが、見事にスルーした。
・アレクシア・ミドガル
下準備をほぼ終わらせた第二王女。
帰り際にガイアスから放たれた言葉が、彼女を怒りへ駆り立てた!
「屋上へ行こうぜ……久しぶりに………きれちまったよ…」
・謎の獣人
9本の尻尾を持つ綺麗な女性。
露出の多い
一人称は「わっち」
・ガイアス・クエスト
様々なスキーを持つ男。詳しくは第二話あとがきより。
色々とアキラメロン…
戦闘における状況描写について
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理解しやすい
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まぁ解る
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普通
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ちょっと難しい
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難解