王女を実力者に変えたくて!   作:〇坊主

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 大変長くなってしまいました頂のお話は今回で決着。
 長文を読んでくださった読者の皆様、ありがとうございました。 
 
 
 
 



四十六 頂上決戦のあとしまつ

 

 

 星が生まれ、弾けた。

 

 その光景を見ていたのは会場内で試合の行く末を見届けるつもりだった観客達だけではない。

 会場の敷地内で商売を営んでいた者。警備に回るもの。客席を取れずとも雰囲気だけでも楽しもうとした者。

 それどころかその会場が見える高台に居た者達や、見晴らしの良い立地で優雅に羽を伸ばしている者達でも見える程に、巨大な存在だった。

 

 巨人が現れただけでも混乱を招いたというのに、そこから小さい月と呼べそうな大きさの球体が創りだされる光景を見てしまえば唖然としてしまうもの。

 だがそれだけに留まらず、小星が創られた少し後に内側から弾け飛んだのだ。

 もし地球の学者がこの場に居たら超新星爆発(スーパーノヴァ)を地球で再現させたのだと判断してしまいそうになってもおかしくない。

 

 球体が壊れてその後襲い掛かってきた衝撃と爆音に王都中の者達が耳を塞ぎ、王都から離れた者達が光の柱が首都から立ち上がっている光景に息を呑んで脳が理解を放棄してしまうほど。

 我に返った者達の声を聴いて各々が口々にその光景を語り、王国中に一斉に広まっていくことで、後日発行される新聞の一面がその話題に埋め尽くされるのは必然であろう。

 

 そんな結果を生み出した両者が決めた最後の攻防であっても、驚くべきことに会場にいた観客達は無傷で済んでいた。

 普通は鼓膜が破れてもおかしくはないのだが、周囲に残る高密度の魔力が彼らのダメージを回復させて耳がキーンと鳴る程度に収まっている。

 最も彼らの攻撃が生み出した結果は会場を観れば誰もが分かるものであったのだが…。

 

「か、会場が…」

「す…すっげぇ…」

 

 無傷の観客席とは異なり、会場内は悲惨な光景。

 奈落へ続くのではないかと感じてしまう程の大穴が開いてしまっており、平坦に整備されていたグラウンドは見る影もない。

 今後このスタジアムを修復するのかと現実を把握してしまったスタッフの皆さんは現実逃避する事で精神が崩れ落ちる事を何とか防いでいたものの、思い出してほしい。ガイアスとシャドウの戦いは第三回戦となり、準決勝である。

 つまりは決勝戦の為に嫌が応でも修復せねば為らぬ訳であり、どうあがいても現実と向き合わないといけなくなることだろう。

 

「どう…どうなったんだ!?」

「まだ空にシャドウがいるぞ!」

 

『 シャドウ様ァ!! 』

 

 環境破壊を視認した次に確認するのは先ほどまで戦っていた二人。

 再び空を見上げた観客がシャドウが宙に佇んでいるのを見て叫ぶ。

 黒いコートを靡かせながらも会場内を見下ろすシャドウ。

 その光景を見た『シャドウガーデン』の面々は一気に黄色い声を挙げだした。

 

「が…ガイアスは!?ガイアスはどうなったのです!?」

 

 それを見て焦るのはアイリスだ。

 彼女達は入場口から観戦していたが、そこから見てもかなり深く地面が抉れてしまっている。

 その攻撃をガイアスは魔力の具現化を使用していたとはいえ、直撃しているのだ。

 あれほどの攻撃力を一身に受けてしまえばその身が消し飛んで消滅してしまっていても可笑しくない。

 最悪の結果を想像してしまったアイリスは泣き叫ぶようにガイアスの名前を叫んだ。

 

「落ち着いてください姉さま」

「この状況で落ち着けますか!?」

「魔力を探ればガイアスが無事なことは分かるはずですよ姉さま。こういう時こそ冷静にです」

「…あっ」

 

 しかし隣にいるアイリスの妹であるアレクシアは至って冷静。

 魔力操作技術が非常に長けている彼女は魔力を感知する能力も高い。

 空にガイアスは確認できないが、この風穴の中でガイアスの魔力が残っている事は把握できていた。

 そのためアイリスよりも冷静に状況判断出来たのである。

 

(でも、無傷のシャドウを見ているとガイアスが同じく無傷とは思えない…。ガイアス、無事でいてよね)

 

 内心では当然多少の不安はあるが、あのガイアスだ。

 なんの対策もせずに真正面から挑みはしないと考えていることだろう。

 

 何とか動揺が収まったアイリスと共に、この試合の結末がどうなるのかを考えながら、アレクシアは行く末を見届ける。

 

 

 

 

 

「痛ってぇ…」

 

 アレクシアが感知した通り、ガイアスは会場に空いた大穴の底に居た。

 シドが放った攻撃を完全に抑えきれずに大きなダメージを負ったのだ。

 見るも無残なことになっている会場の残骸と幾多の岩盤を押しのけて立ち上がる。

 ガラガラと音を立てていくものの、上を見上げればかなり深い。

 観客席からこの底を見ることは出来ない程に掘り下げられているのが分かってしまう。

 

「まだ残っては…いるな」

 

 体内を操作して吐き出すはこれまでガイアスが試合で多用していた魔力電池。

 実はこの男、普段から身につけている物とは別に緊急時用として体内にも魔力電池を保管している。

 体内に溜まっている血液を操作することで取り出せるようにしている為、こういう苦境に立たされた時を考えて準備しているのだ。

 最も取り出すときに胃酸が逆流していると錯覚する吐き気を感じるのがネックなのだが、背に腹は代えられないというものだ。

 

 魔力を補充し、悪化しないように最低限の傷を治療したガイアスはそのまま大穴を跳びあがる。

 ガイアスがいる深さまでかなり綺麗に無くなっている為に登るのにちょっと苦労するものの、大地を創れるガイアスにとって難関とまでは行かない。

 壁を蹴って魔力を節約しながらも土地を創って会場へと戻ると観客達から何度目かわからない驚愕の声が漏れた。

 

「凄い…あの攻撃を耐えきったんだ」

「こっちがその言葉を言いたい。甕星(みかぼし)が完全に壊されるとは思っても見なかった」

 

 宙に浮かんだままであるが、ガイアスと同じ目線の高さにまで下りてきたシャドウことシド・カゲノー。

 本音であろうその発言に、ガイアスはこちらのセリフだと返す。

 

 互いにほぼ全魔力を使用して放った攻撃。

 そのどちらも破られ、凌ぎ切られたのは初めての経験。

 

「だが流石にこれ以上は辛いな。魔力を維持できなくなる」

「ハハッ、君も同じだったんだ。でも十全に魔力があるようにも見えるけど?」

「馬鹿言え、どれだけ魔力消費激しいと思ってるんだ。あくまで応急処置程度だ」

 

 本来体外に出れば霧散するのがこの世界の魔力。

 それを制御することで無理矢理維持しているというのに、それを更に具現化まで圧縮操作すれば相応の魔力消費になるのは当然だった。

 それらを先ほどまで自前の魔力だけで維持出来ているのが可笑しいのであって、普通の人間なら干からびる。

 それと同じぐらいの魔力放出をしてもなお宙に浮き続けれるシドもおかしいほどの魔力量をしているのは解るというもの。

 

 だからこそこれ以上の戦闘は難しいとガイアスは冷静に自己分析を行っていた。

 

「あの時の『約束』。お前の勝ちになるかね。完全に抑えきれなかったとなれば文句も言えねぇ」

「何言ってるのさ。こっちだって一撃必殺技を耐えきられたんだよ?耐え抜いてまだ戦える君こそが勝ちになるでしょ」

「意外だな。こういうのは勝ちたがると思ってたが…」

「勝ちを譲られるなんて『陰の実力者』じゃないよ」

 

 勝負を決めようという『約束』の結果を話し合うものの、互いに自身の勝ちとは考えていない。

 勝つなら納得のいく勝利を。そうでないのなら、それを認めるのは癪ということなのである。

 

「互いに自分の勝ちは認めない。んー…ってことはつまり」

「うん。“今回は”引き分けだね」

「それが無難かね」

 

 互いの落としどころを決めたことでシドは高度を少しずつ上げていく。

 今現在地面が消滅してしまっているので、これ以上戦うことになれば空中戦闘になってしまい、スライムコートの維持も難しくなってしまうということだろう。

 そのためシドはこのまま姿を晦ませる事にしたようだ。

 

「次は勝たせてもらうぞ」

「ぬかせ。次は俺が勝つ」

 

 声音がシャドウへと変化する。

 流石にシドのまま終わらせることは出来ない様だ。

 『陰の実力者』を目指す彼にとって大切なのは勝つことではない。

 如何に自分が求める行動が取れるかどうかが大切ということ。

 

「実に良き闘争だった。次に相まみえるその時に決着をつけよう、ガイアス・クエスト!」

「いつでも相手になってやるさ、シャドウ!」

 

 青紫色の魔力を瞬かせ、一瞬でその場からいなくなる。

 高らかに哂うシャドウの声を聴きながら、観客達は置き土産としてばら撒かれたシャドウの魔力をその身に受けながら見届ける事となる。

 

「…どうなるんだこれ?」

「さ、さぁ…?」

「運営の判断次第なんじゃ?」

 

 先程まで激戦を繰り広げた当人が自ら会場を後にする。

 それは試合の放棄とも捉えられるものであるものの、それは観客達が決める内容ではない。

 当然運営の判断に委ねられることとなり、ブシン祭運営が慌てて会議を開く事態となった。

 

 

『 …凄まじい戦いに私、言葉も出ませんでした。

  えっ、運営から?えーっとなになに… 』

 

 

 会議の結果が出るまで何とか言葉をひねり出して静まり返った空気をどうにかしようと取り組む解説の下へ渡された一枚の紙。

 それはこの戦いをどう収集つけるのかが書かれた内容。

 

 

『 えー会議の結果、運営によるとシャドウと名乗る人物がジミナ・セーネン選手の名を借りて出場していたとの判断になりました。つまり『本人であること』という大会の出場条件を満たせなくなったと判断するとのことです 』

 

 

 慌てて話し合って決めた内容も苦肉の判断なのだろう。

 運営陣にも王国の根幹を担う人物はいる訳で、その人物は王国と『シャドウガーデン』の繋がりも理解している存在だ。

 『シャドウガーデン』内でシャドウの名が語られる機会は当然あり、親交を持つ者がその名を聞いていても可笑しくない。

 そのためシャドウを直に見たことはなくとも、彼が彼女達の言う主である事は察せる内容。

 そんな彼を雑に扱おうものなら反発を生んでしまう可能性もあったのである。

 

 実際戦いは恐ろしく感じつつも、実に素晴らしい試合だった。

 相手がガイアスだったから何とかなっていたものの、それ以外が相手であればあそこまで善戦出来た者がいるのだろうかと思ってしまう程の高み。 

 

 そんな彼に対する扱いは重要であり繊細なのだ。

 

 そのため運営側の解答は『登録者本人じゃないから規定に則り敗北にするね』である。

 シャドウの敗北と名言せず、彼が身代わりとして出場したジミナ・セーネン選手を出場資格剥奪とすることでこの場を収める考えであった。

 

 運営が出したその解答は大正解であり、もしこのままシャドウの負けなどと運営が宣言していたら『シャドウガーデン』から報復措置が取られていたのは事実である。

 

 

『 そのため大会の運営といたしましては、ジミナ・セーネン選手に本大会の出場資格が無くなったと判断したとのことです 』

 

 

 アナウンスを受けて観客達の理解が浸透していく。

 先程の戦いでどちらが勝者なのかは言及せず、あくまで規定に則っての決着。

 多少の不満はあれど、規定となれば多くの者達は納得するもの。

 

 

『 よって決勝戦出場するのはガイアス選手!

  ガイアス・クエスト選手が決勝戦進出です!! 』

 

 

 目まぐるしく変化し、会場に少なくない被害と王国中に騒ぎを齎すこととなった準決勝戦はこうして幕を閉じることとなるのであった。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 これはそんな頂上決戦が終わった後に起きたお話となる。

 

 

 ガイアスとシャドウが『ブシン祭』で戦ったことは王国歴史史上、最大の決戦と称される事となった。

 それと同時に巨人出現も騒がれ、更にはブシン祭会場が実質的に崩壊したことを受けてミドガル王国中でしばらく騒ぎ立てられることとなった。

 なお会場の修復には一か月では済まされない被害である。文句はシャドウへお願いします。

 

 これにより『巨人による破壊事件』として世界中に発信されてしまった。

 あの戦いで生まれた衝撃と爆音、そして王都中を駆け巡ったその情報によって、今国内は大きく混乱していると勘違いしたディアボロス教団の連中と息がかかった国が王国に対して侵略行動を取りだしたものだからそれはもう大変であった。

 まぁ領域侵犯されたと同時に全員を叩き潰したので、一部の関係者と辺境に居た者達しかその事実は知られていないのだが。

 

 ディアボロス教団が関わってきているとなれば教団スレイヤーと化している『シャドウガーデン』が動かないわけがない。

 特にシャドウの雄姿を見て、魔力を戴いた者達は最高のコンディションで事の対処に当たったために、被害もほとんどなかったようだ。

 そして故意ではないとは言えどもその状況を招いたガイアスも事態の鎮静に当たることとなったのだが、その結果どういうことになるのかは皆お察しの通りだろう。

 そして…。

 

 

 

 

 

「本当に感謝するよガイアス・クエスト君。私にまでその手を差し伸べてくれたことに…」

「教団に迷惑を被っていたのはオリアナ王国もミドガル王国も同じですよ。オリアナ国王陛下(・・・・・・・・)

 

 ガイアスの傍には意識を取り戻したオリアナ国王であるラファエロ・オリアナがベッドから身を起こしていた。

 ラファエロの傍には意識を取り戻したことで感極まって涙を流すローズ・オリアナもいたのだが、泣きつかれてしまったことでそのまま眠ってしまっていた。

 

 王国に来賓された後も体調不良ということで公の場に現れる機会がなかったオリアナ国王。

 その真実はディアボロス教団の関係者であるドエム・ケツハットにより毒を盛られて傀儡にされていたというものだった。

 

 更にはミドガル王国内で急速に教団勢力の力が削ぎ落されている事に危機感を覚えたことで、傀儡にしたラファエロ国王陛下を利用してクラウス国王陛下を暗殺しようと企んでいたのである。

 教団の者ということもあり、ドエム達と共にやってきた魔剣士たちは腕の立つ者達だったのだろうが、残念ながらその場にいたアイリスやアレクシア、オリヴィエにローズとベアトリクスに加えてガイアスとアルファ達という精鋭中の精鋭達によって瞬く間に鎮圧されていた。

 ドエムも最後の足掻きとしてどうにかクラウスへ刃を突き立てようとしたのだが、事前にガイアスが渡していた防御用のアーティファクトに完璧に防がれ御用となった。

 

 

『ダデガ頑張ッテモ! オンナジヤオンナジヤオモテェー!! ア゛ァアン!!!』

 

 

 捕まったドエム・ケツハットは暗殺に失敗し、現実を受け入れることが出来ずに発狂していたらしい。

 まぁ彼は国王陛下ひいては国家に対する反逆罪として、更には他の国王暗殺を企てた極悪人としてミドガル王国の法で裁かれる事がすでに確定している。

 

 そして残ったオリアナ王国関係者が毒を盛られたラファエロ国王陛下だけとなり、即治療に当てられることになったのである。

 

「娘から君の話を聞かせてもらったよ。娘の“悪魔憑き”を治療してくれたそうだね」

「彼女の症状に気づいたのはアレクシア王女ですがね」

「ほほっ…そう謙遜しなくともよい。過程はどうであれ、私と娘を救ってくれた大恩人であることは紛れもない事実なのだ」

 

 気持ちよさそうに眠るローズの頭を撫でながら語るラファエロの表情はとても穏やかだ。

 教団に対する怒りや現在のオリアナ王国の状況など気になる事はもっとあるだろうに、そんな素振りを一切見せることはない。

 国王としてやるべきことを冷静に判断されていた。

 

「フゥー…ふぅー…」

「ラファエロ国王陛下、無理を為されてはいけません。長期間毒に身体が侵されていたのですから、休むべき時はしっかり休むべきです」

「ふふ…娘が言った通り、優しい男で安心したよ」

 

 目をゆっくりと閉じるラファエロ国王。

 事が色々終えてからすでに一月は経過しているのだが、そんな短時間で意識を取り戻しただけでも充分奇跡と呼べるだろう。

 意識を奪われて傀儡にされている間、まともな食事を与えられていたとは思えない。

 筋力は当然として、毒の大量摂取によって内臓もかなり痛めつけられているラファエロの体力はほとんど残っていない状態であった。

 

「私と娘達は…受けた恩は決して忘れない…。ありがとう」

 

 そうして静かに寝息を立てて眠りにおちる。

 眠った後、安定していることを見届けたガイアスは、静かに病室を後にした。

 

「ありがとうございますイータさん」

「気にしない…。貴重な、サンプルが取れた」

 

 そして今回の陰のMVPへお礼を述べた。

 それが“七陰”の一柱であるイータである。

 

 毒に侵された病人を安静にさせるべき場所を探すに当たって大切な事。

 そして対象の人物が人物な為に、教団の魔の手が伸びてきにくい環境にラファエロの身を預けられるべきだということ。

 そこで選ばれたのがミツゴシ商会が建てている病院である。

 

 戦闘が得意ではないが何とか役割を持ちたいと集った『シャドウガーデン』の構成員達が主な職員であり、イータは薬の研究と実験体を得れるということで結構な頻度で病院へやってきているのである。

 なお本質は研究者と建築家なので医療の場に立つことはないのだが、今回は毒の分析と解毒方法を見つけるべくイータに白羽の矢が立ったのである。

 

 彼女の気分によっては拒否されることも考えていたのだが、服用に使った毒の解毒はまだ彼女も取り組んだことが無かったらしく、その分析に悪い笑みを浮かべながら研究していたのは関係者以外内緒。

 なお彼女の意向によって毒の治療をした者の名は伏せられている。

 

「今度は、オリヴィエを連れてきて」

「構いませんけど、たぶんアルファさんもセットですよ?」

「……。………むぅ」

 

 イータの頼みであるが、おそらく確実についてくるであろう人物の名を上げると非常に不本意な顔をしている。

 実は何度もオリヴィエと一対一で会おうとイータは画策しているらしいのだが、一度オリヴィエ相手に実験していたイータの姿を見たアルファは大激怒。

 普段から過保護?の気が見えていたものの、イータ関係となればべったりと警護するようになっていたりする。

 今ではほぼ公認のお祖母ちゃん大好きっ子だ。

 

 なお『武神』ベアトリクスとも対面で一度会える機会があったらしいのだが、彼女は過去と決別しているということで言付けだけ他の者に預けて会ってはいないらしい。

 そのため放浪の旅を続けていたベアトリクスも一旦動き回る事を止めてミドガル王国に腰を据えている。

 更にはガイアスが戦争を止めに行動をしていた時に一部関係者たちの前でアレクシアと戦ったようであるが、結果はここでは語らない。

 どちらも非常に有意義な時間だったと語っていたので、悪い結果にはならなかったのだろう。

 

「仕方ない…。今回は、諦める。じゃ…」

 

 彼女の脳内ではどう頑張ってもアルファがついてくる未来しか見えなかったのだろう。

 うなだれながら離れていった。

 

「残党も抑えたし、帰って電池でも作るか」

 

 本日の予定を決めて自宅へ帰ることを決めたガイアス。

 いつか再び戦うことになるシャドウことシド・カゲノーへの対抗策を脳内で考えながら、ゆっくりとした足取りで雲一つない青空の下、歩を進めていくのであった。

 

 

 

 

 




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・ラファエロ・オリアナ
 毒を盛られ、意識を奪われながらも原作では最後の最後に自力で意識を取り戻してローズを後押しする言葉をかけた。
 今作で彼を殺させるはずもなく、王国最強の実力者集団とシャドウバフがついた“七陰”によって保護される。
 超病み上がりであるが、娘から色々話を聞きつつオリアナ国王としてミドガル王国へ為すべき行動を思案し続けている。
 
 クラウスから聞いたけどなんかミドガルでいい法案が出来るらしいネ。


・ローズ・オリアナ
 帰省した時に父であるラファエロが傀儡になっている現状を見ても行動せずに耐え抜いた王女。
 話を聞いていたので何とかなったが、内心ではドエムを刺し殺そうとしていた。
 今回父が意識を取り戻したことを受けて涙を流しながらこれまであったことをラファエロに伝える。
 受けた恩は決して忘れない、芯が非常に強い麗しい王女である。


・イータ
 ラファエロ国王を救った陰のMVP。
 ガイアス達魔力操作に長けている者達であっても流石に毒物は対象外だったために急遽白羽の矢が立ったエルフ。
 国王相手であってもその研究意欲は変わらず、いろんな薬を投入している。
 オリヴィエを研究解剖するのは諦めていないものの、いつの間にか傍にいるアルファの目が欺けずに何度も断念している。


・シャドウ
 シド・カゲノーが『陰の実力者』として活動するために扮する裏の顔。
 世界で頂点と呼べるほどの魔力制御能力と魔力量。そして技術を即座に自分の物にする観察力があるため、この世界の実力者程度では太刀打ちできない。
 そのため身を削るような経験が無かったことで気づかないうちに腐心して迷走しかけていたのだが、ガイアスが現れたことで初心に帰った。
 気分はウキウキ。でも勝手にいなくなったことで姉のクレアに首を絞められることとなる。
 

・ガイアス・クエスト
 『陰の実力者』と戦った本主人公。
 シャドウとの戦いを見ていた者達によって一気に知名度が増すことになるが王国の手回しとクエスト家関係者たちの尽力によってだいぶ落ち着いた。
 両親に実力を知られるが、過ぎたこととして軽く流している様子。
 さっくりと戦争も終わらせており、その関係で学園に出席していないが、どんな反応が待っているかは特に考えていないらしい。


・ドエム・ケツハット
 オリアナ王国の宰相でありディアボロス教団のラウンズ候補だった男。
 王女達の実力で胃をやられ、ガイアス達の戦いで脳の処理がやられ、暗殺を防がれた現実に精神がやられたちょっとかわいそうな目にあっている。
 ほんとは『ディアボロスの涙』で強化させて暴れさせようとも思ってたけど、アイリス、アレクシア、ベアトリクス、オリヴィエにどうあがいても勝てる未来が見えなかったのでカットされた。

 ンンハァーハァッ↑!!

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