機動戦士ガンダムSEED DESTINY ~ 機械人形は"蒼き星"の夢をみるか ~   作:松ノ木ほまれ

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第4話

 

 

 ~ コロニー『アーモリーワン』・工廠区画 ~

 

 

 アスラン・ザラは、ほんの僅かな間目眩がしそうになるのを、必死になってこらえていた。理由を口にするのは憚られる。格納庫の隣で、グリスと汗の匂いが鼻腔をくすぐる感触は、何とも懐かしい。胸につっかえたシコリのようなものが、音をたてている。

 

 もう少しじっとしている事は出来ないのか、と自分自身に言い聞かせる。

 

 それが、感情の中に潜み燻っている代物である事を、彼は把握していた。こうして冷静に自身を俯瞰的に見る事が出来るようになったのは、この二年近く"平和"の中に身を置いたからである。オーブへ亡命してからのアスランの仕事は、カガリ・ユラ・アスハの個人的な護衛というものだった。それが嫌かどうかを考えた事は無いが、一つだけ自覚した事がある。

 

 ―― 非道く退屈だ。

 

 仕事そのものは、そう難しいものでは無い。一年近く前、アスハ父子を快く思わない派閥の者が、隙を見て狙ってきた事がある。そうしてぶつかり合う事は少なからずあったが、四,五人程度の手足をへし折ってやると、しばらくはカガリの周囲で物騒な事は起こらなくなった。

 彼女に咎められたかというと、そうでも無い。護衛は自分だけでは無いから、早々に守られ別の場所へ移動していたため、アスランが自らの意思で襲撃者の手足を折ったという事は知らない。知られていれば、烈火の如く責められたであろう。

 しかしながら、小競り合いの種が無くなったと言うには、各地で火種が残ったままなのは相変わらずだ。オーブ国内でも先の大戦が尾を引いており、コーディネイターとナチュラルの衝突が起こる事がしばしばある。その度に、彼女の目を盗んで現場へ向かい、衝突に混ざる事があった。互いをおとなしくさせるには、双方の"争おう"という意志をねじ伏せるのが一番だ。最も手っ取り早いのが、数名を直ちに鎮圧する事。それも圧倒的な速さと、力で。

 

 この発想に至るたびに、自分は『パトリック・ザラ(あのおとこ)』の息子なのだと再確認させられる。

 

 自身に潜んでいるこの()()()()()()を自覚したのも、平和へ踏み込んでからであった。

 

 護衛の仕事は退屈とは言っても、嫌いという訳では無い。私的な面では、カガリという少女は女性として見ているつもりであったし、公私共に周囲の人々には可愛がって貰っているとも思っている。しかし、何かが足りなかった。地球という、人類の住まう蒼き星の地表は美しい。水は美味いし、空気が美味しいという表現の意味を、地球で知ったと言っても良かった。

 

 しかし、アスランにとってこの生活は、何かが足りない。

 

 ソレがなんなのか、実際の所はわかっている。しかしそれを認めたくは無かった。鼻腔をくすぐる油の匂いは、灯の灯っていなかったエンジンをふかすが如く、彼の心を駆り立ててくる。平和をこの口で語っていながら、その実最大の望みは、それと最も遠いところにあったのだ。

 【ジン】や、その高起動タイプ【シグー】を見上げ、【ゲイツ】の格納されている工廠区へと目を移す。地球上での作戦活動を念頭に開発された【ザウート】とその後継らしき姿も見える。そして、ジンなどの前主力に替わる 次世代機であろう機体。

 足りない隙間を埋める匂いだと思った。それを認めたくないと考えると、目眩がするのだ。自分に欠けたものを、火薬とオイルと鉄の臭いが埋めるというのは、危険だと。

 

「遠路、この宇宙まで来ていただいたのにも関わらず、騒がしい所での会見になってしまって申し訳ない、アスハ代表」

 

 彼の思考を"護衛"という現実に縛り付けているのは、目の前の金髪の女性・カガリと、会見相手であるデュランダル最高評議会議長の存在だった。

 

「いえ、多忙の時期に急な打診をを受け入れていただいて、感謝している」

「して、お忍びで宇宙まで来られる程の案件が、ありましたかな?」

「その言葉を、此処で口にされるというのは、挑発と受け取ってもよろしいか」

 

 デュランダルの言葉は、出迎えの段階からやや挑戦的な所があった。

 ただし、そういう出方をされても仕方の無い初動をオーブ側(こちら)がすでに取っている以上、それに文句を言う事は出来なかった。

 

 <先の大戦において、オーブより流出した人材・技術資源の軍事転用の停止>

 

 という、極めて曖昧な申し出から始まっているからだ。アスランは、政治問題に口出しできる立場では無かったし、しようという気がここ数年の間で失せ始めている。そんな自分に驚いていたが、それと同時に驚いたのは、カガリという女性の哀しいまでの愚直さだった。

 父、ウズミ・ナラ・アスハの後を追おうとしている。

 アスランですらわかるのだ、目の前で柔和な笑みを崩さないデュランダルにとってみれば、それを読み取る事も造作ない筈である。当のカガリが、それに気づいていない。

 

(わからないな、普通であれば門前払いする程度の話だ。なぜ会見を受け入れた?)

 

 彼は、デュランダルという男の考えが読めなかった。

 もし仮に自分が国家元首という立場であれば、こんな子供の駄々じみた言葉は無視するなり、反論をたてる等してそこで手打ちの場所を探るだろう。技術の使っている程度はこうだ、それは言いがかりだと、押し問答をして線引きをする場所を決め、最終的には返還だの有償で譲渡するだのと決めていけば良い。

 

 しかし、それはカガリ自身が許すまい。

 

 永世中立国としてのオーブ首長国連邦を愛していると言っても良い。それは否定しないし、その気持ちは尊重されるべきだ。しかし彼女はわかっているのかと疑問に思う時がある。中立というのは、相手が保証してくれて初めて成立するのだという事を。我々は中立を貫きます、と宣言するだけでは誰も聞いてもくれないし、守ってもくれないのだ。

 

 <中立宣言した我々の権利・領土を侵害さる時は、全力をもって抵抗する>

 

 これが、アスランの目眩の原因その二である。彼女の"幼さ"が未だ抜けきらないという点が、悩ましかったのだ。自分も彼女も、言ってしまえば二十になっていない若造であり、幼さが残るのは致し方ないが、こうして強権を振るう立場になった以上は許されない。

 わからないのが、デュランダルがその幼さを許容した、という事にある。

 アスランの前で、周囲を見回したカガリは、デュランダル議長へ向き直ると、

 

「この工廠には、オーブ出身者はどれほどいるのかお聞きしたい」

「それは、新型戦艦とMSに、オーブの技術が使われている、と?」

「そう受け取って貰ってもかまわないが、少し違う。我が国の出身者がいる以上は、国家元首として彼らを護る方策を貴方と話していきたいだけだ。

 "プラント"と共同で、ですが。実のところ、問題は山積みなんです、議長。

 我が国は、地球圏国家とは"大気圏を隔てて離れている訳では無い"から」

 

 そう言い切った。それを口にするか、とアスランは内心冷や汗をかく。それは、直接的すぎる表現だ。周囲に他国の人間ばかりという状況下で口にする事ではない。どういうつもりなのか、アスランは量ろうと思った。

 しかし、カガリの推測も間違ってはいないらしい。彼女の姿を見て、目を見開く軍属の姿が散見されたからだ。それも含めて、ここで切り出したのだろうか。

 

「それでは、先日の"アレ"は」

「"愚かな小娘"で無ければ、貴方は会ってくれないと思ってしまった。

 賢しい子供の浅知恵をどうか許して欲しい」

 

 カガリが、目を伏せる。意外だ、とその場に居た男二人が、固まった。

 片方は、今まで見たことが無かった彼女の内面を見たからであり、もう片方は、想像の斜め上を来たために、対応を改めるべきかと思案したからだった。

 アスランは、思わずカガリの手を軽く引き、耳元でささやいた。ただの護衛以上ではないため、大声では言えない。

 

「カガリ、君は本気か? オーブ上層の連中は通してないだろ」

「あぁ、独断だ。今のオーブを変えようと思えば、こうする他無いだろう」

「不味い、不味いぞ。刺激を減らすための会見だろう、これでは火にガソリンをかけるようなものだ」

 

 馬鹿正直に、オーブの技術を使うなと言ってのけるものだと思っていた。

 オーブ首長国連邦は、先の大戦終結の後、曲がりなりにも独立だけは保っていられている。しかしそれがうわべだけのものである事は誰の目にも明らかだった。

 地球連合軍による侵攻で国が焼かれた後、復興の兆しを見せる今日まで、当の地球連合に所属する国家群との貿易収支で国を立て直したのであり、実質的には属国化しているのだ。そしてオーブは今、その連合を構成する一国である『大西洋連邦』から、外交上の圧迫を受けている。プラントへ移住したオーブ国民という、特定しようにも少なくない人数を標的にした脅しは、下卑たものを感じざるをえない。

 しかし、関係悪化が国家経済を左右しかねない以上、言いがかりに近い『プラントとの癒着』疑惑は晴らしておきたい。

 

 置かれている現実に、()()()()()()()()()()

 

 そう思っていた事が、アスランと、デュランダルにとって誤算だった。

 

 『男子三日会わざれば~』という言葉があるが、それが女性に当てはまらない訳が無いというのに、見落としていた。カガリも変化している。彼女は、この疑惑を利用する気でいるらしい。ソレを感じ取った時、アスランは戦慄を覚えた。

 デュランダルの眼の色に、怜悧なモノが混じったのがアスランにはわかった。今の今までは、保父さんのような色しか無かったからだ。実際、子供をあしらう程度の感覚だったのだろうが、今のカガリの一言にスイッチが一つ入ってしまったようである。

 

「賢しい、ですか。謙遜しすぎというものですよ、代表」

「謙遜では無い。未熟者が経験を積んだ狐狸の間で生きるには正直さが必要だ」

「ほぅ、ご自身を正直と仰れるとは。思った以上に玄い方だ」

「貴方にそう言われると褒め言葉に聞こえるな。議長、話を元に戻すが、ここの機体について話を聞きたい」

「これらの何処にオーブの技術が、ですかな?」

「いや、純然たる興味だ。何処がというのは問題じゃ無い。"互いに協議の上"でどこまで話を進められるか知りたいだけだ」

 

 アスランは、自分が置いてけぼりになっているような、そんな錯覚に陥った。いや、これは錯覚などでは無いのだ。二年近くにわたって、国家元首という椅子の上で揺られた彼女の内面も、変化したという事だ。

 自分が、この二年もの間で内面に巣くう感情を精査して理解し始めたのと同じように。

 それを、彼女もやっていただけなのだ。そして、答えを出して、その結果がどうなるかを確かめようとしている。この時になって、彼は頭の中をよぎった考えを、どう処理するか必死になった。

 もし彼女が政治家として自立した感情を持ち始めているというのなら、自分は必要なのだろうか、と。

 

(俺はどうやら・・・・・・銃を捨てたかった訳ではないらしい)

 

 彼女の隣に、自分がしっくりとはまれる場所は無い。

 

 それが、アスラン・ザラの現実だ。

 

 遠方で、銃声が鳴り響いたのが、わかってしまったから。

 

 頭がどうやって身をかわすか、どうやってその元を絶つかという考えに支配される。それがわかるのだ。胸中にたゆたう海がマグマに替わるようだ。

 周囲は、式典の準備に追われる者達の喧噪に包まれていて、顔立ちや立ち振る舞いから、実践慣れしていない者達が多くいる事がアスランにはわかった。彼とて若いが、先の大戦を生き残った者としてのカンが働いたのである。MSの足音や輸送車両の行き交う轟音の中で、銃声を聞き分けられるかどうかと問われれば、慣れと言う他は無い。

 訓練だけではわからない事がある。今回に限っては、そうと言えた。

 彼はカガリに近づいて、今度は護衛であるアレックスとして進言した。デュランダル議長にも、聞こえるように。

 

「代表、8時の方向で銃声です」

「「 ・・・・・・何? 」」

 

 要人二人が、反応した時の事である。

 耳をつんざかんばかりのサイレンが、工廠区画全体に響き渡った。何が起こったのか、とその場に居る誰もが思う中、彼はいたって冷静だった。新型MSのお披露目が直前となっている事や、こうして人間が混雑している状況下で、発生しうる事が一つだけ思い当たるから。

 "経験者は悟る"と言うべきであろう。

 かつて、開発されたばかりのテストMSを強奪する部隊のメンバーだった事もある。二の轍を、母国が踏んだだけの話だ。間も置かず、格納庫の一つから天高く、幾束もの光の帯が立ち上る。それを、アスランはよく知っている。ビーム兵器の光であった。天板を焼き尽くし、コロニーの外壁へ直撃した事で、全体を地震が襲った。

 

 全身の血液が、加速するのを感じる。高揚しているのだと、理解した。

 

 爆風から身を守るため、走行車両の影に隠れた要人一行であったが、何が起こったかを理解するのにほんの僅かながら時間を要した。

 議長の随員の一人が「事故か!?」と口にしていた。しかしそれは違うと、カガリとデュランダルは察したようであった。先ほどの、アスランの一言が効いたのだ。

 

「事故であのような爆発はせん! MS隊を緊急出動させろ、代表をシェルターへ!」

 

 速い。アスランは内心舌を巻く。

 シェルターへ案内しようとする数名のザフト兵と、そこを離れようとするカガリの姿を見、そして同時に、爆発が起こった方向へと再び目をやった。

 

 緑と、青と、黒。三色のMSが、天板から飛び出して外周にいたMS郡へ襲いかかっている光景だ。練度不足の兵が多いというアスランの危惧は当たっていたようだ。不意の襲撃に対応できず、武装の安全装置を解除する間も与えられなかった者が多かったのである。式典という事で油断していたというのは、理由にならない。

 軍属というのは、そういう仕事だ。訓練も真面に出来ないうちなら、実戦の時真っ先に死ぬもので、そうならないために日頃から身体を研ぎ澄ますのだ。

 ましてや、火力の総量で言えばまだまだ基地の兵士側が上回っている。判断を誤らなければ鎮圧も出来る。少なくともアスランの基準では。だが見ていれば、後手に回っている。

 

「こちらの叩くべき場所を知っている?」

 

 相手は、そうとしか思えない狙い方をしていた。

 最も火力に特化していると見える蒼い機体が、ハンガーを重点的に狙い撃ちにしている。黒い高機動型が周囲をかき回し、緑の機体が管制塔と基地の首脳施設を狙撃するのが見えた。あらかじめ、内情が漏れていたとしか考えられない。

 そして、最も忙しくなる時期を狙ってやってきた。成る程、とアスランは関心していた。

 加えて、進水式という軍の威信がかかった式典の直前ともなれば、メンツに泥を塗られたに等しい。

 

 ―― ザフトは、全力で応戦・排除しなければならなくなった。

 

 相手の指揮官は、随分と意地悪な性格をしている。彼はそう思った。

 その時、彼の横顔に視線が注がれているのを感じ、その元をたどる。すると、デュランダル議長が、こちらを見やっているのだと気づいた。カガリも、議長の反応に気づき足を止める。彼女と兵士達が向かおうとした先に、瓦礫が飛んできて、道を塞いだのが聞こえた。音でわかる。

 

「さて、君はどうするね」

「議長、彼は私の随員ですが?」

 

 常識外の事であった。国家の要人が、一随員に過ぎない者に声をかけるという事は通常あり得ない話である。周囲も、話が読めないようで首をかしげ始めているのがわかった。しかし、二人ほど別の反応をしなければならなかった。カガリと、アスランだ。

 

「あぁ知っているとも。アレックス・ディノ、入国名簿にはそうあるが、いやはや、アスハ代表も意地悪な真似をなさる」

 

 デュランダルは、アスランの眼を真っ直ぐとみて、言った。

 

「私は、()()()()のつもりでいたのですがね」

 

 あぁそうか。サングラスをかけただけ(こんな変装)では流石にばれてしまうか。周囲の兵士達の視線が、彼に注がれ始める。

 

「そろそろ、サングラスを取っていただけまいか。前々議長、パトリック・ザラが一子」

 

 議長の口から出てくる言葉が、呪文の如く周囲に伝播していく。パトリック・ザラの名前を知らぬプラント人民はいない。その子は、一人しかいない。

 

「―― アスラン・ザラ」

 

 やってくれる。

 アスランは目の前の狸に唾を吐きかけてやろうかと思った。最初からわかっていて、そう接しなかった理由がわかったからだ。どこかで、見抜く演出をしてやろうという思惑だったのが、丁度良いタイミングで巡ってきたという訳である。

 自国の危機さえ利用してみせた。個人的な思惑とは言え、恐れ入る男だ。周囲の兵士達の眼に喜色が宿っていくのが目に見える。何とローコストな士気高揚であろう。

 ただ、それを口に出して言ってしまえば、この場で最も昂ぶっているのが自分だという事がわかってしまう。

 乗せられるのは嫌いだが、ここは仕方が無いと諦めて、サングラスを外した。どよめきが周囲を駆け巡る。自分は、自身が思っている以上に有名人であるようだ。なんともこそばゆい。

 

「国を棄てた裏切り者に、国家元首からお言葉を賜るとは、思ってもみませんでした」

「棄てた? これは異な事を言う。私は、君が謀反人だと思った事は一度も無い。

 こんな場で言う事では無いが、君が棄てたのは『君自身』だと考えている」

 

 どういう意味だ、と勘ぐった。先の大戦の折、自分は国と父を棄てた。過激思想へとひた走っていく父について行けなくなったというのは、内情を知る友以外には話していない。自分ですら、自分の事を謀反人に墜ちたと思ってしまうのだ。端から見ればどう見えるかくらいわかるものなのだが。

 

「どういう意味でしょう。私は、父を見捨てた男です」

「そうだな。その手段は肯定できないのは認めよう。しかし、目標までも否定する程、私も鬼では無いつもりだ」

「・・・・・・?」

 

 デュランダルの意図を推し量ることが、まだ叶わない。この場で自分がアスラン・ザラである事を公にして、何をしようというのか。それを頭の中で反芻するのを余所に、デュランダルは二人と、兵士達を伴って格納庫の中へ避難する。

 音が遠くなっていくのがわかったからだ。応戦するMSの攻撃音からみて、この格納庫の反対側の方向へ戦闘範囲が移っていったようである。

 内部には、新型のMSが数機、整備直後の出撃体制のままで佇んでいた。パイロットの姿は無い。それを見上げる中で、ざわめきのような何かがこみ上げてくる。あの巨大な鉄塊を見上げて思うのは何なのか、当てはまる言葉を探した。

 

「ZGMF-1000【ザク】。ジンとゲイツの正統な後継機だよ」

 

 その言葉の羅列を耳にしたアスランは、その言葉がなんなのかをようやく解した。

 

 ―― 乗りたい

 

「・・・・・・アスラン?」

 

 小声で、カガリが彼に声をかけるも、彼女の言葉はアスランには届かなかった。

 

 永く止まっていたエンジンに、灯が付いたのである。

 

 

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