「ルビーは食いしん坊さんでちゅね〜」
アイに抱っこされて、ルビーがんくんくと勢いよくアイの母乳を飲んでいる。
紅葉みたいな手で必死にしがみついて、ほっぺたを膨らませてる姿は可愛すぎて悶えそうになる。
あぁ、そういや俺が
あの頃は同じ双子の赤ん坊且つ同じ転生者同士という戸惑いもあって可愛いとかはあまり思わなかったが、自分の娘として見ると凶悪な可愛さだ。
俺はこのルビーが、
特にしようとも思わない。
本来流産になる予定だった双子の赤ん坊に、彷徨っていた魂が入れられたのが星野アクアマリンであり、星野ルビーだった。
雨宮ルビーとエメラルドも同じなのか、そうではないのか、もしそうなら俺が入り込まなかった代わりにここにいるエメラルドは一体何なんだろうか。
確かめるのが怖くないかと言われれば嘘だ。
しかし、それはこの子達が転生者だとしたら、普通の赤ん坊じゃなかったとしたら怖いのではない。
普通の赤ん坊だった時、この世界でルビーになるはずだった子、俺のルビーが魂のまま彷徨い続けている可能性が恐ろしいのだ。
もちろん、この世界と俺がいたあの世界は違う。
あの世界ではルビーに生まれ変わっていた女の子が、こちらの世界では普通に生きているのかもしれないし、他の家の子に生まれている可能性もある。
そもそも、俺が尋ねたところで、ハイ転生者です、と答えるとも思えない。
結局、転生して来た子ならそれはそれで、そうではないならそれもまたそれで、雨宮吾郎の子であることには変わらないから愛せばいいだけの話だという結論に達した。
ルビーはたらふく飲んだのか、トントンとアイに背を叩いてもらうと、ケプッと小さくゲップをしていた。
ケプッて、可愛い〜。
「むー」
「おっと、ごめんなーエメ〜」
腕の中のエメラルドが不満な声を上げる。
哺乳瓶がおざなりになってたようだ。
ルビーと違ってこの子はあまり母乳を飲まない。
アイによれば、仕事で俺がいない時は仕方なく、本当に渋々といった感じで飲むらしいのだが、こうして俺が在宅時には哺乳瓶でミルクを飲むことを好んだ。
母乳の味がおかしい時、赤ん坊が好む味じゃない時に飲まないケースがある。
しかし、アイの食生活には気を付けているし、現にルビーは美味しそうに飲んでいるからその可能性は薄そうだ。
ニップルコンフュージョンだろうか。
哺乳瓶の方が楽なのは俺にも覚えがある。
そういや、よくルビーに母乳マウント取られてたっけ。
そんなことを思ってると、ルビーが意味ありげにエメラルドを見ている。
あ、今鼻で笑った。
しかし、ルビーに母乳を与えてるアイの穏やかな表情に、俺は心が温かくなる。
前の世界ではとうに殺されていたアイが、幸せそうに子供を抱いている。
ルビーもエメラルドも、母を失うことなくすくすく育っている。
ルビーは積極的に俺にくっついてきては、よく笑いよく泣く。
ペタペタと顔に触ってきて、頬擦りしてやると声を上げて喜ぶ。
感情豊かで元気で可愛い娘だ。
エメラルドは妹に比べるとシャイなのか、比較的大人しく手が掛からない。
けれど俺の服を掴んで離さなかったり、抱き上げると嬉しそうに目を閉じるのがとてもいじらしくて可愛い。
性格は異なる2人の娘と、それを嘗ては愛を知らなかった、自分の愛に自信を持てなかったアイが愛情をもって育てている光景を見るだけで、自然と笑みが浮かぶ。
「アイ、エメのミルクやり終わったぞ」
「ありがとうゴロー。ホントにエメラルドは飲まないねーママのおっぱい。ゴローにばっかりミルクもらって。ママだってエメラルドのこと愛してるのに」
子供っぽく頬を膨らませて、不貞腐れるアイについ笑ってしまう。
アイは立派に「母親」の顔になっている。
今際の際にようやく子供に本当の愛を告げることが出来て幸福を覚えた悲しいアイではない。
当たり前のように、心からの「愛してる」を口にするアイに、自分の中の満たされることがなかった空洞が、温かなもので満たされていくのがわかる。
(初めて会った時はまだ子供だったのにな)
12歳の、親から愛をもらえず、愛を知らず、ただ傷付けられてきた、あの笑顔の下に警戒心と猜疑心を抱いていた女の子と過ごす時間は、赤子の頃の朧げな記憶の中にある母親としてのアイより色濃く焼き付き、いつしか前世で母親だったこの子を年の離れた妹のように思うようになっていた。
2度目の人生でも何もしてあげられなかったさりなちゃんの分まで力になりたい、
前世で夢に辿り着く姿を見届けることができなかったルビーの分まで見守りたい、
そんな代償行為がなかったとは言わないが、それ以上に臆病で愛に飢えた傷だらけの女の子を守りたいと思っていた。
あんなサイコパスなんかじゃない、もっと相応しい男と幸せになって欲しいと。
まぁ、俺なんかの奥さんになってしまったのは、本当に、どうしてなんだろうか。いや、だって、ドームライブは何とか堪えたんだよ?のし掛かられて、強引に舌入れたキスされて、こっちはまぁまぁ酔っ払ってるし寝込みを襲われた30過ぎのオッサンで、向こうはライブ後のアドレナリンドバドバの18歳なわけよ。色々と頑張って最後の一線を守ったことを褒めてほしいくらいだ。
結局、泣き落としで翌日に致した訳なんだが。
普段自立して依存的じゃない子の涙って卑怯だよな?
あかねとか、有馬とか…
いや、やめておこう。
「ゴローどうしたの?」
「ん?いや、アイに見惚れてた」
思わず脊髄反射で答えてしまってから、思わずしまったと後悔した。
なんてキザなセリフだ。
アイはぽぽぽと頬を染めると、視線を彷徨わせる。
それから、何か納得したように頷く。
「ゴロー、いいよ?」
ルビーをベッドに寝かすと、アイはもじもじと服の裾を指先でいじる。可愛いなオイ。
幼い仕草に、今し方思いを馳せていた出会ったばかりの頃のアイが重なる。
アイは熱を吐き出すように、やけに色っぽく吐息を吐くと、俺を見上げるように見つめる。
「おっぱい飲む?」
凄いこと言われた。
ゴローの熱い視線を感じる。
ゴローは私にベタ惚れなので、私に向ける視線はいつも熱いんだけどね。
子供を生んだら妻を女として見なくなる、なんて話をたまに聞く。
妻の妊娠中に浮気する夫とか、そういう動画も散々見て、私はゴローが浮気したらどうしようかと妊娠当時は不安でいっぱいだった。
ゴローは私一筋だけど、割と抜けてて押しに弱い。
最後の思い出に、とか泣き落としされたら情に絆されるタイプだろう。
だから、ゴローに捨てられる未来を想像しては度々泣いてた。
振り返ってみれば妊娠時期に妊婦がメンタル不安定になるやつだったんだけどね。
けど、ゴローはそんな私の不安を受け止めて、いつもそばにいてくれた。
キスだっていっぱいしてくれた。
頭も撫でてくれたし、膝枕もしてくれた。
マッサージもしてくれたし、添い寝もしてくれた。
エッチが出来ないことが申し訳なくてお口でしようか?と言ったら流石にはたかれたけど。
そして、子供を生んでから、ゴローの私を見る目が変わったのかというと、変わった。
私の不安とは裏腹に、良い意味で。
エメラルドを抱っこしてる時、
ルビーにおっぱいをあげてる時、
ゴローからの温かくて、どこまでも愛情たっぷりの熱い眼差しを感じる。
その視線の意味を考えて、そして私は気付く。
「ゴロー、いいよ?」
ゴローの熱い視線の意味。
困っちゃうな〜ゴローったら。
ホントどんだけ私が好きなのよ。
可愛いだけじゃない、色気のある人妻になった私の魅力に更に夢中になっちゃったのかな?無理も無いけど。
そんなにジロジロ見られたら、もうわかるよ。
「おっぱい飲む?」
飲みたいならそう言えばいいのに。
「お乳はルビー達のものだけど、私のおっぱいはゴローのだし。なんならテイスティングする?」
ゴローに思いっきりおっぱいを吸われる想像をすると、それだけでおっぱいの先が熱くなる。
なんなら、最近ご無沙汰だったし、そのまましてもいいかな。
今度は男の子が良い。
名前はアクアマリンとかどうだろう。
本当はエメラルドに付けようと思ったけど、ゴローが反対してきたのだ。
なんか拘りでもあるのかな。
「…ちなみに、どうしてそういう結論に至った?」
「だって、いつも私のおっぱいに熱い眼差しを向けてるし。子供産んでから私もっと大きくなったし」
「好きだが」
「ゴローおっぱい大好きだもんね。大きいおっぱい大好きだもんね。ミヤコさんのおっぱいも見てるよね?」
「何でバレ…ハッ」
口を押さえてももう遅い。
まだ中学生の頃の私が、ゴローとミヤコさんが不倫してる想像をしては不安で泣いてたことをゴローは知らない。
だって、ゴローのミヤコさんを見つめる目って、妙に優しいというか、大切に思ってるのが伝わってくるんだもん。
それは今も同じで、奥さんとしては非常にヤキモキする。
面白くない。
ゴローの馬鹿。女好き。タラシ!でも好き。
「いやいや、誤解だが」
「おっぱい嫌い?」
「大好きです。そうじゃなくて、俺が見てたのは、アイがすっかり一端の母親になってることに感動してだな」
「あははは、私をママにした本人が何言ってんだか」
「人を押し倒した奴が言うことじゃないだろ…」
ゴローが腕の中のエメラルドに「エメ〜ママがいじめるんだよ」なんて頬擦りしてる。
あぁ!ズルい。
ゴローもズルいけどエメラルドもズルい!
ゴローはルビーとエメラルドにメロメロだ。
そりゃ子煩悩な方がいいけどさー。
子供好きで子育てをサポートしてくれる素敵な旦那様だけどさ、ゴローは。
けど、スキンシップが過ぎる。
ルビーもエメラルドも当然の顔してゴローに頬擦りされたり、チュッチュッてされてる。
ルビーなんて自分からゴローに顔くっ付けて甘えまくりだし、エメラルドは大人しいけど、こう、ゴローの顎とか首筋あたりを撫でる手つきがやけにいやらしい。
ズルい!
私だってゴローにチュッチュしまくりたいし、鎖骨舐めたいし、首筋の匂い嗅ぎたい。
せっかくイチャイチャしようと思ったのにな〜
「でも、ホントにいいの?」
「全然そんな気はないよ」
「ゴローにならいくらでも飲ませてあげるのに。ホントのホントにいいの?」
「…そんな気は…」
「おっぱい吸いながらよしよしもしてあげるのに」
「……」
「ホントにいいの?」
「…」
「……」
「………」
「…………」
長い、長い、とても長い沈黙に、ゴローの腕の中のエメラルドまでもどこか心配そうにゴローを見上げる時になって、
「ア…」
ゆっくりと、重々しくゴローが口を開いた。
「アイが…どうしてもって…「じゃあやめておこうか〜」え?」
ちょっとイジワルしたつもりだったけど、
そんな絶望した顔、私初めて見たよゴロー。
「嘘。いいよ、ゴロー。おいでおいで〜」
目の前でご飯を取り上げられた犬みたいな顔するんだもの。
「人を弄びやがって!」
「きゃんッ♪」
だって、ゴローが可愛いんだもん。
そう言いかけた唇はゴローに塞がれて言葉に出来なかった。
この後、めちゃくちゃおっぱい吸われた⭐︎
私は雨宮エメラルド。
かつては国民的スーパーアイドルであり、国民的大女優と呼ばれた星野ルビー。
妄想じゃない、本当のことだ。
兄を失った悲しみを紛らわせようと周囲の制止にも耳を貸さずに、働き突っ走り続けた結果、そのまま燃え尽きてしまった。
過労死なんだろうな。
さりなだった頃にはあれほど焦がれていた健康な肉体を手に入れて、憧れていた夢を実現させておきながら、なんてお粗末な結末だろうと自分に呆れてしまう。
そんな私は今、再び推しの子に生まれ変わっている。
大好きでもう一度会いたかったアイの子として。
そして、もう一人。
「エメ〜ねんねはもういいのか?」
私の記憶よりも少し老けてるけれど、見間違えるはずのない人。
私の初恋にして、ただ一人愛した男性。
そして、私のたった一人の兄で、誰よりも信頼していた男性。
彼が今生での私の父親だったのだ。
「あ〜う」
「エメは本当に可愛いなぁ〜」
せんせが私のおでこに自分の額を優しくあてる。
あぁぁ〜癒しの波動が流れ込む…
なるほど、せんせの面倒見の良さ、アクアの過保護さ、それが父親になるとこうなるわけか。
絵に描いたような親バカ。
ぎゅっと痛くならない程度に抱きしめられる。
おっほぅ
やば、これヤッバいわ。
せんせの温もりに、せんせの匂いに包まれる。
アクアの温もりに、アクアの匂いに包まれる。
ルビーは今頃夢の中。
私だけがこうしてパパを独占しているというわけだ。
馬鹿め。
はしゃぎ過ぎるから無様に今寝ることになるんだ。
大人は先を見通すのだ。まったく、目先の欲望に目がくらむガキはこれだから。
ちなみに、ママも育児疲れからの現在は睡眠中。
いや、嘘だ。
原因は、パパとの
詳細は伏せるが、ルビーは脳を破壊され、そして再生をすることを繰り返していた。
私は、アクアとあかねちゃんもああだったのだろうか、とかつての世界に思いを馳せていた。
どうやら今日はお客さんが来るらしい。
「いらっしゃい」
「おじゃましまーす♪」
「!?」
思わず悲鳴を上げそうになった。
そこにいたのは、かつてママと同じB小町にいた、芽依ちゃん。
愛称はめいめい。可愛くてB小町で一番ダンスが上手い子。
どうやら、この世界ではママとの仲は悪くないらしい。
少なくとも、私がかつてアクアと双子だった世界では、ママと他のB小町のメンバーとの交流は無かったはずだ。
めいめいは私の知ってるB小町のメンバーだった頃よりもあか抜けて、可愛い女の子から綺麗な女性へと変わっていた。
パパはめいめいの荷物をさりげなく受け取って、リビングに案内する。
さりげなく座るときに椅子を引いてあげるところに、女を誑かす時のアクアと重なって少し胸が苦しくなる。
「ごめんな芽依ちゃん。せっかく遊びに来てくれたのに、アイまだ寝てるんだ。ちょっと、寝不足でね」
「いいんですよ、気にしないでください。突然遊びに来た私が悪いし。アイもお母さんだもんね。双子ちゃんたちの育児で疲れちゃってるんだもんね」
「お、おお」
大人のオギャバブランドのせいであるとは言えないよね。
パパの腕のなかで私は動揺を押し殺しているスカしたパパの顔を見上げる。
「それに…ゴロー先生に会いに来ただけだし」
ぼそっと呟くめいめいの顔に、私は嫌な予感を覚えた。
コーヒーを飲みながら、パパとめいめいは楽しそうに談笑する。
私は時々うとうとしながら、二人の会話をBGM代わりにしている。
久しぶりだからなのか、話題は尽きない様子だ。
「この前のミュージカル見たけど、最高だったな」
「見に来てくれたんだ!」
「ダンスは前から上手かったもんな。でも、歌も頑張ったんだな。芽依ちゃんが努力してたのずっと見てたからな。ようやく実を結んだようで嬉しかったよ」
「先生…ずっと見ててくれてるんだ。昔言ってたもんね」
「当然。俺はB小町の箱推しだからな」
「せんせい…」
最早予感は確信に変わった。
めいめいのパパを見る目は、ママと同じ。
つまりは、オスを見つめるメスの眼差しだ。
これはもしかして良くないのでは?
めいめいのメスの目の中に、どろりと溶けた鉛のような熱く鈍い光が強くなっていくのを感じる。
徐々に危機感を募らせていく私。
獲物を狙う瞳を光らせるめいめい。
そして、楽しそうに笑う一向に危機感の無いパパ。
「そうだ、忘れてた。先生、これよかったら」
そういって、めいめいはお土産らしき箱を取り出した。
そんなかさばるものをしゃあしゃあと今の今まで忘れていたとのたまうめいめい。
パパは嬉しそうに笑って受け取る。おい、危機感持て危機感。
「ありがとうな。ロールケーキか。せっかくだから切ってくる。芽依ちゃんも食べるだろ?」
「はーい、もっちろん」
「ははは、じゃあ少し待っててくれな」
キッチンへと消えていくパパを見送ると、めいめいはおもむろにバッグに手を突っ込む。
すーっ(何かの包み紙を取り出す)
さらさら(何か粉末をパパのコーヒーに落とす)
からからから(スプーンで粉末をコーヒーによく溶かす)
「ほわたぁ!!!」
めいめいがコーヒーカップをパパのところに置くや否や、私は赤子の力の全てを使ってパパのカップをたたき落とした。
「きゃあっ!?」
きゃあっじゃねぇ。
っぶねー!!
この女、今混入しやがった。
収録の打ち上げで何度も目にしたよ。お持ち帰り目当ての女優のグラスに芸人や俳優が今みたいなのを混入するのを。
ロリ先輩が飲みそうになるのを、あかねちゃんが防いで、逆に相手の男に上手く飲ませていたのをたびたび目にした。
「おっと、どうしたどうした!?エメラルド!?」
カップの落ちる音に、パパが慌てて戻ってくる。
パパは割れたカップよりもまず私を抱き上げて、火傷をしていないか確認する。
そして、次にめいめいを見て、その手に火傷が無いか、服にコーヒーのシミが無いかを確認していく。
パパ、その心配している女が今さっき貴方に一服盛ろうとしていたやつだから。
おい、めいめい。パパに手を握られて何赤くなってやがる。パパは火傷が無いか確認してるだけなんだよ!!!
「どうしたんだいったい」
「えっと…エメラルドちゃんが突然カップを」
「マジか。もしかして、パパがいなくて寂しかったのか?」
パパは私を抱き上げて小首を傾げる。
30代半ばのくせして、あざてぇ仕草しやがって。
好き!!
「エメラルドちゃん、お父さん子なんだね可愛い」
チッ
舌打ちが聞こえた。
この女、ママが寝てる間にパパに何かしようとしてただろ。
眠気はすっかり無くなっていた。
めいめいが帰るまで、私は注意深く目を光らせていた。
帰り際のめいめいの私に一瞬寄越した仇を見るような目を私は忘れない。
私が
「おばさんさぁ、ちょっとパパになれなれしくない?まぁ、娘だから甘える権利があることは認めるよ。
それに、おばさんきっとお仕事が恋人だったんでしょ?
お仕事に全力投球しすぎて、気付いたら男っ気が無いままきちゃって。
お友達の結婚式に出席して、バームクーヘンとカタログギフトもらってばっかりだったんだよね?
うん、そういう人生だったなら、せんせみたいな人に抱きしめられたら舞い上がっちゃうよね。はしゃいじゃうよね。
うんうん、仕方ない。でも、せんせはフレッシュでわかわかしくて、みずみずしい女の子が好きなの。
だから、弁えよ?」
マジ、殺してやろうかと思った。
一体このかわいげのないガキはどこのどいつだ。
天童寺さりな?知らない名前ですねぇ。
絶妙に当たっているのがまた腹が立つ。
別に男っ気が無かったからってモテなかったわけじゃないのよ。
ただ、せんせとかアクアが比較対象になったら……ねぇ?
守護らねば…