私は雨宮ルビー。
赤ちゃんなんだけど、実は前世の記憶がある。
前世の私は天童寺さりな。
たいけいせいせいせいさいぼうしゅっていう病気で12歳で死んじゃった。
苦しくて、寂しくて、耐えるばかりの辛い人生だった。
きっと不幸な人生だったんだろうなって思う。
でも、光もあった。
一人はアイドルの「アイ」。
完璧で究極の眩しいアイドル。
もう一人は雨宮ゴローせんせ。
私にいつも寄り添ってくれた優しくて格好良くて、少し女の人にだらしのない、だけどとっても素敵な人。
いつかアイみたいなアイドルになって、せんせと結婚する。
そんな夢を、叶わないって思いながらもずっと抱き続けていた。
最後の時、せんせは泣きながら私の手を握っていた。
せんせは「俺は…また…君に何も…」って私の手を握って涙を流していた。
手に触れるせんせの涙の温かさを覚えてる。
泣かないでと言いたかった。
優しいせんせに泣いてほしくなかった。
せんせのおかげで私すごく幸せなんだよ。
でも、泣いてくれて嬉しかった。
そんなに私を思ってくれてることを喜んでた。
大好きなせんせが私のために心を砕いてくれることに報われた気がした。
最後の最後で、何よりも大好きな光を目に収めてこの世を去れる私は不幸ながらも幸せだったんだと思う。
そして、目が覚めたらそこは ────
「ルビーはいい子だね〜」
そこは天国だった。
思わず嬉し過ぎておしっこ漏れるところだった。
危ない危ない。
おむつ替えたばかりだったのに。
流石にそれはね、お漏らしルビーちゃんという汚名を背負う訳にはいかないんだからね、1人の大人の女として。
「ただいま〜」
自分の幼い膀胱の頑張りに心の内でエールを送っていると、私がこの世で最も好きな声その2が聞こえてきた。
落ち着く間もなく、テンションが上がる。
「ゴロー!おかえり〜」
ママは嬉しそうに私を抱っこしたまま、声の方に駆け寄る。
まるでご主人様を見つけた子犬のようで、非常にけしからん可愛さだ。
この姿を拝めない全国の豚野ろ⋯ファン達は可哀そうだ。
でも、これを拝めるのは家族の特権だから。
ママは声の主こと、ゴローせんせに近づくと「ん」と目を閉じて背伸びをする。
いわゆる「キス待ち顔」というやつだ。
ひょっほほほほほほ〜〜〜かんわいいいぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜この可愛さは全国に晒さなくて正解だよ。
視聴者が次々と尊死しちゃう。
ママが大量殺人犯にならなかったことに、ママの腕に抱かれながらひと安心していると、せんせは優しく微笑んでママにキスをした。
つんと可愛く尖った唇 ーーー ではなく、そのシミ一つ無い綺麗なおでこに。
「むぅ〜〜ゴロー、なんでなんで?」
「ルビーが見てるだろ」
「ええ?見てないよ。わかんないって、まだ赤ちゃんなんだから」
ごめんなさい、めちゃくちゃ見てました。
心の中に焼き付けようとしていました。
だって、せんせとママのキスシーンだよ?
推しと推しがキスするんだよ?尊くないはずがないよ。
そう、私は前世の頃、哀れで惨めで悲嘆に暮れていた天童寺さりなだった頃、唯一寄り添ってくれた世界で一番大好きな人、せんせこと雨宮吾郎と、病に苦しむだけの人生に光を見せてくれた世界で一番大好きな最強で完全無欠のアイドルことアイの間に産まれた子供、雨宮ルビーとして生まれ変わっていた。
目が覚めたら推しと推しが夫婦になってその子供になれたなんて素晴らし過ぎる天国で、初恋の男が推しの女に奪われていたとか地獄すぎるんだが?
恋愛なんてしないって言ってたのに男なんて作りやがってアイのアバズレクソビッチビッチビッチビチビチビッチせんせが好きで好きでしかたがないアイってばマジで可愛すぎてこの世の全ての女神が嫉妬するレベルだし、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いそんなアイに愛されているせんせが憎くて仕方がない大体16歳になったら結婚して長女、長男、次男、次女の順番で最低4人は子供を作ろうって言ってくれてたのに裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き裏切り者嘘吐き、さりなのこと未だに待ち受け画面にして思いっきり引きずりまくってる幼な妻に先立たれた男寡みたいなところ重くて最高に大好き大
好きやっぱり大好き大好き大好きせんせぇ大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好きほんとに大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き死ぬほどていうか死んでも大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き好好き⋯
脳が破壊されて、そして再生されちゃぅぅぅ。
「ダメだ。そういうのは子供の見てないところで。ルビーがヤキモチ焼いちゃうだろ?」
「えぇ〜」
「えぇじゃない。ほら、ルビー貸して。ん〜ただいまルビー〜今日も君はほんっっとうに可愛いなぁ〜〜〜ちゅっ。パパちゅうせずにはいられないぞ!ちゅっちゅっ」
おっほぉ!!
刺激的過ぎますぞ。
「あぁ〜!!キスした!!ゴローがルビーに!!浮気だ浮気!!ずるいずるい。私おでこだったのに、ルビーほっぺだ!!」
「あぁ〜〜赤ちゃんの頬っぺたって何でこんなに気持ちいいんだろうな。すべすべしてて
餅みたいで⋯」
「ちょ、キスしすぎ!!」
ツああああーーーーー〜〜〜〜〜〜ツツツツツツッッッッッッッッッ
脳が破壊されてりゅりゅりりゅゅゅゅぁぁあぁぁ脳が再生されていくのをかんじりゅりゅるりゅりりゅるりゅりゅるりゅりゅりゅるりゅりゅりゅるりゅりるりぃぃぃゅりりゅるりゅりゅりゅるりゅりるりゅりりゅるりゅりぃぃぃ脳、破壊りゅりゅりりゅゅゅゅぁぁあぁぁ脳うぃぃるりぅぃぃ再生かんじりゅりゅるりゅりりゅるりゅりゅるりゅりゅりゅるりゅりゅりゅるりゅりるりぃぃぃゅりりゅるりゅりゅりゅるりゅりるりゅりりゅるりゅりぃぃぃ
うっ……
フゥ……
人間て嬉ションするんだね⋯
「あ〜もう、食べちゃいたい」
ペロッと行っちゃってください。
是非是非。もぎたてフレッシュなので。
「ゴローってば、本当にもう!!ほったらかしにしてない?」
「ほったらかし?ああ、悪い悪い」
「んふふふ、ようやく気付いたか。さぁ!!」
きっとママはスキンシップが足りなかったのだろう。
ハグの体勢を取る。
「ん!」なんて可愛い、計算され尽くした可愛すぎる程に凶悪な可愛い角度で表情まで付けて。でも、気のせいか可愛いはずのハグ待ちが、私には口を開けた女豹に見えた。
完全に発情してやがるなこの女。可愛いメス可愛い。
「ただいまぁ〜エメちゃ〜〜ん」
けれど、せんせはそんなママのハグの体勢にすら気づかず、スヤスヤと眠る私の双子の姉エメラルドに顔を近づけて、私と同じようにデレデレした顔でキスの雨を降らす。
エメラルドに顔を近づけて、私と同じようにデレデレした顔でキスの雨を降らす。
エメは寝起きのぽやんとした顔から、せんせのキスを浴びてくすぐったがっているように無邪気に笑い声を上げる。
そのTHE無垢!!って反応に、せんせは更にデレデ ──── というかデロデロになって更にキスをする。
キスをするせんせ。
嬉しそうに笑うエメラルド。
更に嬉しくなってキスをするせんせ。
更に嬉しそうに笑うエメラルド。
永久機関の完成だ。
せんせ、だまされないで!!!
そいつずっと起きてたから。寝起きからずっと演技だから。
きっと心の中では「おほぉ、たまりませんぞこれはヌフカポォwww」って思ってるよ。
「ゴロー!!!」
ああ、それと、ハグ待ち体勢を華麗にスルーされたママがブチ切れていた。
まったりとしたお昼時。
アイはお仕事、せんせはキッチンで洗い物。
いや、せんせ…てかパパがヒモとかそういう訳じゃなくてお休みなんだよ、念の為。
苺プロのかかりつけ医になって病院勤めの昔より時間に融通が利くようになったパパは、極力家にいて私達と過ごしてくれてる。
お風呂に入れてくれるのは専らパパだし、母乳から離乳食に移った頃からは、ご飯食べさせてくれるのもパパの割合の方が多い。
『え?推しにオムツを替えてもらって、お風呂に入れてもらって、ご飯をあーんして食べさせてもらえるサービスをタダで受けるなんて許されていいんですか?良かったら小切手切りますからいつでも遠慮なくおっしゃって下さい』と私の脳内に住むイマジナリールビー(35歳・女盛り)も興奮冷めやらない様子だ。
『あの、小切手別に切りますから、お兄ちゃんと呼んでもいいですか?お兄ちゃんに夜一人じゃ怖くてトイレに行けないから着いてきてもらってドア開けっ放しでおしっこし終えるの見守っていてもらうオプションも追加でお願いしたいのですが』
…ちょっとイマジナリールビー(35歳・女盛り)うるさい。
『…ちなみに、お尻をお兄ちゃんに拭いてもらうオプションには追加料金発生しますか?』
ホント少し黙って。
水を流す音と食器を片付ける音を聞きながら、私は絵本を読むともなく読む。
内容はとっくに覚えているけれど、絵柄が好みでついつい眺めてしまう。
静かな午後のひとときを穏やかに過ごす大人な私と違い、ルビーはアイのLIVEを見ている。
この世界のアイは私たち双子を出産した時点でB小町を引退して、女優へと仕事を移行させているただ中で、リアルタイムでママのアイドル活動を見ることが出来なかった妹に私は微かな同情と、大いなる優越感を抱いている。
ふと、視線を感じて絵本から顔を上げると、アイのLIVEを見ていたルビーが不服そうに私を見ていた。
「おば…エメちゃんはさ」
「今おばさんって言い掛けたでしょ」
双子の姉への敬意もなければ、年上への敬意も欠片もない。
一体親からどんな教育を受けたらこうも世の中舐め腐ったクソガキになるんだろう。
って、教育どころか会いにも来なかったよね。
存在すらなかったことにされちゃったもんね。
うっかりうっかり。
不思議だよね、天童寺家には戸籍を取ると存在しない長女の名前が出てくるんだから、ジャパニーズミステリーにありそうだね。
ジャブ代わりの前々世ジョークは置いておいて、私は視線で妹の言葉の続きを促す。
「エメちゃんさ、ママのファンだって言ってたよね」
「一番の推しだよ」
「本当はアンチなんじゃない?」
「ハァ?」
「怖」
思わずドスの効いた声が出てしまう。
だって、言うに事欠いて、この私に向かってアイのアンチだろ?と来たものだ。
殴らなかったことを褒められてもいいくらいの圧倒的侮辱に声くらい低くもなろう。
妹であるところのクソガキは若干怯えているが。
「だってさ、全然ママのLIVEとか見ないよね」
「そんなことないでしょ。今も一緒に見てるじゃん」
「適当に流し見してるだけじゃん。私は一緒に合いの手入れたりサイリウムを振ったりしながら見たいの!!」
どこかで映像が流れたらバズりそうな絵面だなと思いながら妹のテンションの高さに引く。
前世の年齢を合わせるともう13歳になるとは思えない。
もう少し乙女としての慎みをもてないものだろうか。
やっぱり前世の親の教育がなってないなぁコイツはよぉ(軽い前々世ジャブ)。
「エメちゃんってママの歌は完コピしてるし、ママの良いところはわかってるから、ただのアンチではないと推理する訳よ。けど、その割には温度低いっていうか、冷めた目で見るよね」
今見ているLIVE ──── 東京ドームLIVEの一番可愛い瞬間のアイの笑顔で画面を停止させる。
「だから、私確信したんだ。ああ、きっとこの人はママに憧れて…これは全人類当然のことなんだけど、ママの可愛さと素晴らしさに心を奪われて推していたけれど、いつだって輝き続けるママと、仕事に追われて心がすり減って、お肌も荒れていく一方な自分と比較して、憧れが嫉妬になってしまった可哀想なアラフォーの反転アンチだったんじゃないのかって」
一歳そこそこの幼児でも心底人を憐れんだ表情って出来るだなとぶっ飛ばしてやろうかという殺意よりも先に感心してしまった。
「アラフォーなのは置いておいて、私とアンタに温度差があることは認めるわ。けど、それはファン度の問題じゃなくて、ファン歴の問題」
こてんとルビーは首を傾げる。
くそう、流石アイの遺伝子でなおかつかつての私、あざと過ぎる程に可愛い。
お兄ちゃんが私を甘やかしていたのはこういうところにやられたからだろうか。
同性だし、自分自身でもあるから私はそこまでやられたりはしないけど。
「私の見立てだけど、アンタ前世って言ってもせいぜい10歳かそこらでしょ?行ってても12歳くらいじゃない?中学生の知識も無さそうだし」
「ち、違うもん。大人だもん」
「私嘘は嫌いなんだけど?あなたもそうじゃないの?」
「う…」
なんてね、知ってることをすっとぼけて聞いてるんだからとんだインチキだ。生憎嘘吐き歴では年季が違うからおくびにも出さないけど。
「熱に浮かされてキャーキャー言ってる小娘と違って、静かに、味わうように推しの活動を見守るものなのよ」
「ふーん…そういうものなの?」
「そういうものなの。あなたももう少し大人になればわかるわ」
「…お姉ちゃんがちょっとカッコよく見えた」
「ふふん、もっと尊敬してもいいのよ?」
「うわ〜調子に乗ってる〜」
そう言いながらも、ルビーは楽しそうに笑う。
そうそう、子供は素直が一番。
素直に大人の嘘に騙されてなさい。
この子が、ルビーが言ったように、私のアイドルとしてのアイを見る目はルビー、かつての私と明らかに温度差がある。
けど、それは年季とかそんなことじゃない。
ただ、私の気持ちの問題だ。
ルビーが再生を再開したLIVE映像の中のアイを見る。
私の知ってるアイよりも若い18歳のアイ。
ドームでスポットライトを浴びて、ファンの歓声に包まれながら歌い、踊り、
そして、笑う。
それは私の知ってるアイであって、私の知らないアイの笑顔。
いつか心から誰かを愛せることを願って、誰かに愛されることを祈ってる、愛という『嘘』で飾られた笑顔じゃない。
心から愛していて、自分のことを愛してくれていると確信している「誰かさん」に向けられた『ホンモノ』の愛で出来た笑顔が、光を浴びてキラキラ輝いていた。
眩しい、余りにも眩しい。
その笑顔は眩し過ぎて、見る者の心の醜さすら曝け出してしまう程に無慈悲なまでに輝きを放っている。
【私はもうアクアの事を家族だなんて思わないから】
二度と取り消せない言葉。
あれだけ求めていた愛はとっくに側にあった。
誰よりも深く愛してくれて、誰よりも長く見守ってくれていた人を、兄を、せんせを私は自分の手で放り出してしまった。
全てを知ったのは全てが終わってしまってから。
手の中にあるかけがえの無い宝石を、ただの石ころ程度に思って川に投げ捨てた馬鹿な子供が私だ。
アクアはどれほど辛かったんだろう。
重荷を背負って、ママの復讐と私を守る事を自分に課して、あの人は20年にも満たない第二の人生のどれだけを自分のために使うことが出来たのだろう。
私なら、私だけはわかってあげられたはずなのに。
同じアイの子として生まれ変わった私なら、彼の誰にも言えない彼の重荷を分かち合えた筈だったのに。
さりなだと名乗れていれば、せんせだと気付けていれば、もっと違ったはずなのに。
眩しいアイと、そんなアイを夢見るように見つめるルビーの眩しい横顔から目を逸らす。
愛を投げ捨てた私の目には、愛を掴んで放さないアイの姿は眩し過ぎた。
「エメ〜?どうした?」
「わっ」
おもむろに、私は大きな腕に抱え上げられた。
「パパ!」
ルビーが嬉しそうに声を上げるが、笑顔は即座に不満げなものになる。
明らかな嫉妬が抱っこされている私に向けられる。
「パパ…」
「元気無いぞ?どうした?ママがいなくて寂しかったかな?」
パパの、せんせの優しい瞳が私を真っ直ぐに見つめてくる。
ああ、これだけで私のさっきまでの鬱々とした気持ちが晴れてしまうんだから、我ながら現金だ。
愛されている。
その確信が私の心に温かな火を灯す。
凍えた身体を温めるように、パパの首に腕を回すと頬擦りする。
「パパぁ…」
「んん〜?今日のエメちゃんはルビーみたいに甘えん坊さんだな〜かわいいな〜よしよし」
「うー!!パパ!!エメちゃんばっかりズルい!!ルビーも!!」
「よしきた」
「きゃ〜♪」
片腕で抱き上げられたルビーが嬉しい悲鳴を上げる。
パパは私にも甘いけど、心なしかルビーにはもっと甘い気がする。
気がするというかほとんど確信だ。
扱いに差があるとかじゃなくて、見つめる目が少しばかり違う。
何というか、親として子を見るパパとしてだけじゃなくて、慈しむような目。
私はその目を知っていた。
私はその目を向けられていた。
私にその目を向ける人を知っていた。
「……アクア…」
ぽしょりと、口の中で呟いたのは懐かしさすら込み上げてくるかけがえの無い名前。
「ん?」
「どうしたのパパ?」
「いや、何か呼ばれた気が…気のせいかな」
え…?
どうして、パパが、せんせが反応するの?
もしかしてそうなの?
そんな奇跡があるの?
だったら今度こそ私は…
ばぁ〜〜〜か
お姉ちゃんも欲張りだよね。
あれだけの愛情に包まれてても、まだ欲しがりなんだから。
馬鹿だよね〜
自分で捨てておいて、またちゃっかり手に入れようなんて。
そんな虫の良い話があるわけないのに。
⭐︎雨宮ルビー
おばさんと呼んだりして時々エメラルドに締められるが、嫌いではない。
転生者仲間でもあり、なんだかんだで頼れるエメラルドを姉として慕うようになっている。
精神年齢差的には親子くらい違う。
アイのLIVEではドームLIVEが最高のパフォーマンスだと思っているが、お気に入りは前々年の横浜アリーナでのLIVE。
アイの引き立て役Bなどと陰口を叩かれていたアイ以外のB小町のメンバーがそれぞれ輝きを放ち始めたLIVEであり、ファンの間ではアイという一番星が輝くだけのワンマングループから、それぞれが独自の輝きを放つ星で形作られたB小町という星座になるターニングポイントとも評されている。
★雨宮エメラルド
自分自身でもあるルビーに対して、同族嫌悪を抱くには積み重ねた精神年齢差が大き過ぎるため、心境的には歳の離れた妹というより娘として見ている。
個人的なアイのベストLIVEは日本武道館。
この時のアイの笑顔はガチ恋勢を大量に生み出したと言われ、東京ドームLIVEとは別にアイドル・アイ個人としては伝説のLIVEにこちらを挙げるファンも多い。
その笑顔の真相を知るエメラルドはガチ恋勢の滑稽さに憐みを抱き、そして爆笑した。
パパこと雨宮吾郎が自分がさりなだった頃の雨宮吾郎ではなく、自分の兄アクアの生まれ変わりなのではないかという願望混じりの疑惑を抱くが、それを明らかにすべきかは判断が付きかねている。
⭐︎雨宮アイ⭐︎
元B(ビッチ)小町のメンバーの毒牙にかけられるのを防ぐため、自分の撮影にゴローが同行出来ない時は出来るだけ在宅の仕事をまわすように社長に根回ししている。
17歳の頃、ゴロー宅に押しかけて泊まった(何も無かった…)翌朝、盗み見たゴローのスマホの待ち受けがさりなちゃんではなく自分の写真だったことにより、アイドル・アイの限界を超えたアイドル・アイ2になり、日本武道館で弾ける様な恋する乙女の笑顔を振り撒き、多くのファンをガチ恋に堕とす。
ゴローの待ち受け画面はアイとさりなちゃんが週替わりで変わることをアイは知らない。
なお、アイが目にした待ち受けはB小町全員のプライベート集合写真なのだが、アイの目には映ってなかった模様。
⭐︎B小町
13歳頃から、箱推しを自称するゴローに各々がアイには無い輝きを持っていることを信じて、と言われ続けてきた彼女達が横浜アリーナLIVE直前に結婚可能年齢に達したことにより生じたシンクロニシティ。
女豹は獲物を狙う時に最も輝くとお釈迦様も仰っていた。
この時のB小町をB(ビューティフル)小町とネタで呼ぶファンとB(バーニング)小町と呼ぶファンが度々激論を交わす。
恋する乙女は美しくなるし、恋心が燃え上がっているのだからいずれも的を射ているのだが、いずれにせよガチ恋勢は報われない話である。
余談だが、「バーニングかぁ…報われない恋なら早めに燃え尽きた方がいいかもね★」とまたもやいらんことを言ってしまった空気の読めないセンター・アイに向けて繰り出された高峯の鋭い右ストレートは、身を挺して庇った斉藤社長の左頬に突き刺さった。
⬛ツクヨミ
やたら同性に手厳しくて、異性(イケメン)に甘い神様っているじゃない?
私な訳よ。