自称ヒーラーの男 作:呪いの石仮面
設定とかもザッパりとしか考えてないから許して。
「……帳が降りてる。マジか」
里桜高校へ駆けつけた青年。
そこは既に校舎を覆い隠す帳が降りていた。
最悪破壊してでも入る。そう思っていたが、
「おろ?」
すんなりと中へと入れた。
だが、外に出ようとすると今度は阻まれる。
侵入を許す代わりに誰も出さない縛りを設けた帳。
だが今はそれは青年に関係は無い。
すぐさま校舎の、呪いを強く感じる場所へ駆け込む。
足に呪力を溜め跳躍。
壁を破壊しながら中へと飛び込んだ。
「………ッ!」
「……!先輩!」
虎杖とツギハギ男。そして別の呪霊がいる廊下。
「ユウジ、説明」
「……順平が、順平が呪霊に変えられた…!何とかできないっスか!?」
「あー、無理無理。魂の形を根本から変えたんだ、反転術式でもまず戻らないよ」
目尻を拭うツギハギ男。
虎杖の頬辺りにも浮き出た口。
虎杖が嘲笑われていた。すぐにそれを理解。
青年は吉野順平だったものへ歩み寄り、手のひらを押し当てる。
すると塵と化した吉野順平。
「……な!?」
「殺した!マジか!判断早すぎでしょ!」
驚く虎杖と笑うツギハギ男。
そんな中、虎杖の体に浮きでた口は閉じ、新たに浮かび上がった目は青年を睨んでいた。
「ユウジ、大丈夫。順平くんは俺が治しておく。ツギハギはお前に頼んだ」
「……っ。了解ッス…!」
「無駄って言ってるのに──!?」
呆れた声を出すツギハギ男は……次の瞬間に殴り飛ばされた。
呪力を纏った虎杖が額に血管を浮かび上がらせ悠々とツギハギ男の元へ歩み寄る。
「ブッ殺してやる…!」
「祓うの間違いだろ、呪術師!」
青年が来てから時間が経った。
校舎前のグラウンドには黒い球体のような結界。それを叩く虎杖がいた。
「──クソ!ざけんな!」
「何してんのユウジ」
「……!」
背後からかかる声に虎杖はすぐさま振り向いた。
そこに立つのはげっそりとした顔の青年。
肩で息をしていて一目で疲れているのが分かる。
「先輩!順平は!?」
「大丈夫だ。脈も呼吸も正常。ちゃんと人の形にも戻したよ」
「そ、そか……良かった……」
そうは言うが吉野順平の治療は困難だった。
なんせ"中"……ツギハギ男が言うところの魂の形まで変わっており、なおかつ絶命していたからだ。
映画館の学生は魂の形が変わってもまだ微かに息があったから何とかなった。
吉野凪は絶命していたが魂の形が変わっていなかったため何とかなった。
しかし、吉野順平の治療はこの2つの難題をクリアする必要があった。その集中力や術式の酷使は、術師達の奥の手である領域展開……いや、それ以上の技術を必要とした。
故に反動もそれ相応に大きく、この瞬間において青年の術式は一時的に焼き切れていた。
「てか、ナナミンがやばいんスよ!領域展開ってのに巻き込まれちまって!このままじゃ…!」
「落ち着け。領域展開に巻き込まれた時の対処法は知ってるか?」
「え?……呪力で受けるか、外に逃げるか………あと領域を展開!まさか先輩!」
「残念、今の俺の術式は焼き切れてるから領域展開は出来ません」
「じ、じゃあどうすんスか!」
「領域展開っていうのは術師、及び呪霊達にとって奥の手だ。その効果は術式にもよるが、主に相手を逃がさないことに重きを置いている。つまりどういうことか。中から外に出ることを封じるのに特化している代わりに外から中へと侵入は意外と容易いってことだ。なんたって中に入りゃ必中必殺の術式が飛んでくる。入るメリットがないもんな。だから普通は入ろうなんて考えない」
そうして青年は虎杖の肩に手を置いて目を見て話を続けた。
「ツギハギ男の術式は手で触れた対象の魂の形を変える……というより改造するものだ。つまりユウジに触れれば中の宿儺まで術式対象になる。さて、問題だ。そんなユウジくんがあの領域に侵入したらどうなる?」
「……分かりません!」
「正直でよろしい。宿儺は自分の魂に触れられる事をよしとしないだろうから宿儺がツギハギ男をどうにかしてくれる可能性がある。……まあそれが出来なかったら俺が多少無茶してでも領域展開するからドシッと構えて飛び込んでこい」
「……!……ッス!」
そうして拳に呪力を込める虎杖。
足を前後に開き、大きく振りかぶる。
そして、力を目一杯込めた虎杖の一撃が領域へと打ち込まれた。
直後、ガラスのように割れ、中へと飛び込む虎杖。
「……!?しまっ…!」
『……あの小僧にいいように使われるのは癪だが、言ったはずだ。……2度は無いと』
そんな声が聞こえ、瞬間、ツギハギ男の肩から腰にかけて袈裟斬りのような斬撃が入った。
血が吹き出し、領域が霧散する。
膝を着くツギハギ男。それに向かって虎杖は間髪入れずに走り出した。
それに対してツギハギ男も最後の呪力を絞り出し体を膨らませた。
的をデカくし、呪力も凪いでいる。カウンターは無い。そんな隙だらけの形態で何を狙っているのか。
そこへぶち当たる虎杖の拳。
拳の一撃とその後に遅れて当たる呪力。1度の拳に2度のインパクトが生まれる"勁庭拳"。
それが直撃し……ツギハギ男は破裂した。
正しくそれは風船のように。とうぜん虎杖に手応えは無い。
「……!ユウジ!デコイだ!本体じゃない!」
「なっ…!」
「………!」
青年の言葉に走り出す七海。
排水溝。そこから逃げようとするツギハギ男。
それに向けて手にした鉈を振り下ろすが……、
「バイバイ〜、楽しかったよ〜」
「待て!」
奇しくも間一髪で逃げ切るツギハギ男。
「追いかけますか?」
「……俺、今術式焼き切れちゃってまして」
「……猪野君に連絡を取ります。虱潰しで探すしかありませんね。私達も追いましょう。虎杖君」
そう声をかける七海だったが、限界が来ていたのか虎杖はその場に倒れた。
それを支える青年。
「……肉体も呪力も限界ですね、これは。しゃーなしでしょう。誰も死なずにいれたのはまだいい方です。ここは一旦引いた方がいいです」
「……仕方、ないですね」
そうしていると、そこに近づいてくる人物が1人。
「……あの」
「……彼は」
「順平君か。体の調子はどう?」
「あ、大丈夫です。助けてくれたんですよね。ありがとうございます」
頭を下げる吉野順平。そんな彼に青年は手を振り応えた。
「俺は呪術師だが、人命を優先するタイプだ。俺は俺の仕事をしたまでだよ。贅沢言えばあの呪霊も祓いたかったけどな」
「………この後僕はどうなりますか?」
「さあ?……まあ、建人さん。順平くんのことは五条先生に引き渡してくれません?あの人なら無理やりにでも高専にねじ込んでくれるでしょ」
「……え?」
「そうですね。それがいいでしょう」
「あの、僕は──」
「お前は誰も殺してない。それに上からしたらただの術式持ったチンピラモドキだ。そんなやつにいちいち構う奴らでもないよ。それにこれでも俺特級術師でそれなりに権限もある。てな訳で順平くんのことは不問にする。オーケー?」
「……いいんですか?」
「いいも何も、お前の母親も俺が治しておいた。今も家ですやすや寝てるよ。術式の使い方しっかり覚えてユウジ達と切磋琢磨しな。……今度は母ちゃん守ってやれよ?」
「……!あ、ありがとうございます…!」
一件落着……とは言い難いが、しかし、話はまとまった。
虎杖を七海へ預け、青年は学校へと帰ろうと歩き出した。
「あ、そういえば名前を聞いてなかったですけど…」
「ん?あれ?自己紹介してなかった?……あー、してなかったな。すまん」
吉野順平に呼び止められる青年。頭をポリポリとかき照れくさそうに自己紹介をした。
「呪術高専京都校の3年、"
そう言って青年……ハルアキはニヘラと笑った。
名前が出ました。やったね。ここまで引っ張ったから何か意味ありげな名前にしようとしたらこうなった。
ちなみに夏油の先輩ムーブしときながら七海の後輩ムーブしてるみたいなこと言われたけど、ざっくり紹介すると、
七海:人として尊敬してる
五条:師匠
夏油:友人
ってな感じになってます。
人間関係の深堀は話が進んでいくと出てくると思うからそれまで待っててください。