自称ヒーラーの男 作:呪いの石仮面
こんなに見られることになるならちゃんと設定まとめてから書けばよかったと後悔。
──姉妹校交流会
特別に親しい関係にある2つの学校が、親睦を深めるための行事。
呪術高専にもそのようなものが恒例行事として存在する。
2日間の戦いの中で仲間を知り、己を知るための呪術合戦。
普段は学校が億劫と感じ任務に奔走する青年、ハルアキも今回ばかりはこの行事に参加していた。
"していた"というより"する"の方が正しいか。
「なんで私達が東京に行かなきゃいけないのかしら」
移動の電車でハルアキの後輩である禪院真依がそんなことを呟いた。
「交流会は前回の交流戦で勝った方の学校で行う決まりだからだ」
真依の愚痴に答えたのは加茂憲紀。
腕を組み、冷静にただ事実のみを端的に伝える。
「はぁー、去年安倍先輩が出てたら勝ってたんじゃないんですか?」
「去年はあっちには乙骨も出ていタ。安倍が出てても勝負は分からなかったろうナ」
「そうそう、それに安倍君はどうせまたバックアップでサポートに回るーとか言いそうだし、どっちにしても勝ちはあっちだったと思うよ」
ロボの体のメカ丸、箒を手にした西宮桃もそう言って、ハルアキへジト目を向けた。
「それにしても晴明先輩がこうして参加に前向きなのって珍しいですね」
「そもそも何でもかんでも任務を引き受けてぜんぜん学校に来ないのがおかしいのよ。今日だってサボるための任務が無かったからしかなく来ただけなんじゃないんですか?」
三輪霞の言葉に呆れた様子の真依。
そんな様子にハルアキはとぼけたように反応した。
「ん?あー、まああっちに気になる後輩がいるもんでね」
「……珍しいナ。自分から興味を持つとハ」
「その後輩に心底同情するわね」
ハルアキに特訓をお願いしたことのある真依や三輪はゲンナリとした表情。まだ見ぬ後輩に心の中で十字を切っていた。
「そういや葵は?」
「後ろの席でいつものようにアイドルのライブ映像を動画サイトで熱心に見てますよ」
「……呆れた人ね」
「む?呼んだか?」
「呼んでません…!」
後ろから東堂葵の声が聞こえる。いつもの京都校の面々の日常のやり取り。こんな雰囲気をハルアキもまた楽しんでいた。
「どうだブラザー。共に高田ちゃんのライブを見ないか」
「おー、大丈夫だ。高田成分なら電車に乗る前に摂取しといた」
「フッ、流石だなブラザー」
「……そろそろ着くわよアンタ達。降りる準備しなさい」
引率の庵歌姫の声がかかる。
それに反応して彼等は荷物をまとめ始めた。
電車を降りて幾ばくか。
来たる呪術高専東京校。
早速敷地に入る京都校の面々。階段の差を登ると目の前には東京校の生徒が一同に会していた。
「おい、来たぜ」
眼鏡をかけた女子生徒、禪院真希が気づいた。
「あらお出迎え?気持ち悪い」
「乙骨いねえじゃん。ブラザー、今日は東京校として交流会に参加する気は無いか?」
「無いなー。てかルール的にダメでしょ」
「うるせぇ、早く菓子折り寄越せや。八つ橋、くずきり、そばぼうろ」
「しゃけ」
「ん?あー、じゃあはい」
「……え?あ、どうも」
ヤンキーのような第一印象を受ける釘崎野薔薇に袋を渡すハルアキ。
任務帰りにお土産を買う習慣が付いてしまった彼はちゃんとこうして東京校にお土産を買ってきたのである。
「……乙骨がいないのはいいとしテ。1年2人はハンデが過ぎないカ?」
「呪術師に歳は関係ないよ。特に伏黒君。彼は禪院家の血筋だが宗家より余程出来が良い」
「チッ!」
「何か?」
「別に」
加茂の言葉に思わず舌打ちが出た真依。
そんなやり取りを横で見ていた三輪は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「はーい、内輪で喧嘩しない。全くこの子らは……で?あの馬鹿は?」
階段を登ってくる歌姫。
あの馬鹿……彼女と犬猿の仲であるとある最強のことだ。
「悟は遅刻だ」
「馬鹿が時間通りに来るわけねえだろ」
「誰も馬鹿が五条先生のことだとは言ってません」
パンダと真希の言葉に答える伏黒恵。
そんなことを言ってはいるが伏黒自身も少しばかり呆れている様子。
そんな時だった。
「おまたー!」
そう言って元気に登場してきた最強の呪術師、五条悟。
中身はなにか知らないが、1つの箱を乗せた台車を押して来た。
「やあやあみなさんお揃いで、私出張で海外に行ってましてね!京都校のみんなにとある部族のお守りをお土産に!……あ、歌姫のは無いよ」
「いらねえよ」
「そして!東京校の皆にはコチラ!」
その合図とともに開かれる代車に乗せた箱。
そこから飛び出してきたのは──
「故人の虎杖悠仁君でーす!!」
「はい!おっぱっぴー!」
「「…………」」
虎杖だった。が、愕然とした表情の伏黒と釘崎。
まさにダダ滑りである。
京都校はと言うと貰ったお守りに夢中。虎杖など眼中にすら入っていない。
そんな中、ハルアキはと言うと
──ああ、そっか。ユウジって死んだことになってたんだっけ?
そんなことを思っていた。
これには京都校の学長、楽巌寺嘉伸もびっくり。
五条と何やら話をしていたが額に青筋が浮かんでいた。
「あ、あとそれから編入生もいるよ」
「「「「え?」」」」
「吉野順平君でーす!」
「あ、ど、どうも…」
そうしておずおずと出てきた順平。
それを見てハルアキは五条先生に任せてよかったと満足気にうなづいていた。
「2年に編入だから、よろしくねー」
「真希、仲良くしろよ」
「なんで名指しだよ…!」
「乙骨が来た時は凄かったからな」
「しゃけしゃけ」
「うぐっ…!」
そんな会話をする東京校2年ズ。
そんな中、順平はハルアキを見つけるとぺこりと頭を下げた。
それに対して手を振るハルアキ。
やがて虎杖もハルアキに気づき、指を差しながら声を上げた。
「あ!あん時の先輩!」
「よっす」
「今日もよろしくおなしゃす!」
「うん、交流戦楽しもうね」
そんな挨拶を最後に彼等は別れ、各々の控え室へと向けて足を進めた。
三輪、真依:主人公に稽古をお願いしたことがある。スパルタすぎて地獄を見た。
東堂:ブラザー
加茂、西宮:頼りにはしてる。頼りには。
メカ丸:相談したいことがあるけどなかなか言い出せない。
歌姫:お金使いが荒い主人公を見て主人公の通帳等を管理している。お金は有り余ってるのに決まったお小遣いしか渡してくれないため、特級なのに金欠気味なのは彼女のせい(主人公のせい)