訳あり転生陰陽師は巻き込まれたくないのに巻き込まれる宿命 作:トウフグラタン
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし たけき者を遂にはほろびぬ ひとへに風の前の塵に同じ
平家物語の冒頭ー
1333年ー鎌倉
「そういえば、鎌倉幕府足利尊氏に倒される日っていつだ?まだこの時は高氏だよな?」
この時代には珍しい短めの黒髪の七歳ぐらいの少年は呑気に鎌倉の町を歩いていると人々が集まっていた
「何だ?」
少年はその方向に行こうとすると
「静世(しずよ)様。」
付き添いと来ていた青年に止まられた
「伸成(のぶなり)何かあるのか?」
「・・・後醍醐天皇の乱を鎮圧しに足利高氏が行くそうです」
「・・・・・(た、確かそれ本当は六波羅探題を落として鎌倉幕府滅ぼしに来るんだよな)」
少年には令和時代を生きた記憶があり、歴史好きな社会人だったが読みたい歴史小説の新刊を買いに後輩の手柄を横取りするクソ先輩から仕事を押し付けれて何とかギリギリ本屋に行ったら運悪くその本屋に恨みがあるらしい男による立て籠もり事件に巻き込まれた挙句、殺された
で、気が付くと鎌倉時代に産まれ変わっていたが産まれた家は、四歳の時に滅ぼされ、陰陽師の名門土御門家の猶子として引き取れた
つまり幼いながらも陰陽師だ。京に住んでいるが鎌倉に来たのはー生き別れになった二番目の兄が鎌倉で目撃されたと情報を得たからだ
(まぁ、管狐のくだ介はちょとドジな所あるからな)
妖怪など神が信じられた最後の時代でもある
静世という名前も土御門家に入ってから名付けれた名前で本当の名はー
「静世様?聞いていますか?」
「うん、聞いているぞ。どうぞの眉毛が特徴的な武将が帝の乱を鎮圧しに行くんだろう?」
「静世様。お疲れなのでしょう?今休める場所を探して参ります」
伸成はそう言うと静世から離れた
「今の内だな・・・うん?」
子犬と逃げている同年代の子供の姿が見えた
(あれはー)
「静世様。休める場所をー
静世様?」
「あ、ごめん」
燃える寺ー自害した北条氏の一族と殺されてゆく武士
思い出されるのは、この様に燃える部屋で毬を持って立っている自分
『ーあにうえ?』
ーだけになった長兄と同じように惨殺された一族の人々
『大丈夫だ!!俺は戻って来る!!だからーはここに隠れていろ!!
いいか!?誰が来てもーするまで出るな』
そう言って自分を隠した二番目の兄を信じてどのくらい隠されただろう
『ー様ですね。・・・ー様は生死不明となりーが御身を預けされて頂きます』
もう大丈夫だと戸を開けてくれたのは今の猶父である土御門家の当主
二番目の兄は行方知らずとなった時を思い浮かべていると
「おや、貴方は?」
声を掛けて来た男
「何故ここに居るんですか?貴方は」
「ま、迷子です(うん、逸れたんだよなまぁ、伸成もは術の使い手だし)」
何か胡散臭い男にその寺を連れ出された足利高氏が鎌倉幕府を滅ぼす瞬間を見てしまったのだった
(と、取り敢えずここはこの胡散臭い男に着いていくか)
幼いながらも陰陽師の才を持つ土御門静世(つちみかどしずよ)七歳と諏訪頼重、そして北条家の遺児北条時行との出会いだった