今回はトランセイザーの出番は少ないです。
ロード団の侵略、及び魔幻獣の襲撃が終結した街では…
「ゴーレムさんたち、その建材はこちらですよ~!」
「白猫、道路の修復が終わったっチ。」
「え!?もう…ってチーポさん!?完治してないのであまり無理をなさらないでくださいよ!」
「うるせぇ!さっさと魔幻獣の監視に集中したいんだっチ。次は…このビル建て直してくるっチ…いくっチよトランセイザー。」
「はいはい…」
「じゃあ、私もご一緒しますねトランセイザー様!」
「アズール、ありがとう。」
トレスマジアとトランセイザーたちにより復旧作業が行われていた。
「なんっで、ヤツらの後始末をウチらがせなあかんのや…!」イライラ
「サルファさん、足!?…仕方ないですよ。民間に手伝ってもらうのは申し訳ないですし…」
「まぁ、ウチらだけでやった方が早いしな。トランセイザーもおる訳やし…」
「それにしてもあれからエノルミータの姿がみえないね…」
「せやな…」
ーーー
一方のナハトベースでは、エノルミータのメンバーたちが集まっていた。
「揃ったようだね…新生エノルミータの面々が。」
「わざわざ呼び出して何の用だよ?」
「てかさぁ…真珠らの役職名おかしくない?」
「はぁ?アタシがせっかく付けてやったのに気に入らねぇ~っての~?」
「Zzz…」
因みにキウィに付けられた役職名はというと…
ルベルブルーメ…コソコソ潜伏工作員
ロコムジカ…アイドル志望宣伝部員
レオパルト…ベーゼちゃん親衛隊隊長
ネロアリス…おねむ本部長
という、ちょっとアレな名前だった。そして、エノルミータの総帥になったうてなはというと…
「…」ずーん
死んだ目で椅子にもたれて、魂が抜けていた。
「覇気が無いわね!」
「やる気出せよ総帥!!」
「うてなちゃん、大丈夫?おっぱいならあるけど?」
「…」じっ
うてなは一瞬、顔を上げたかと思えば…
「………」ボソボソッ
「声ちっちぇ!」
「いえ、ちょっと…脳が疲れてて…」
「の、脳が…?」
「とりあえず、おっぱい揉む?」
「この前…ロードさんを脳内変換したの…アレがかなり…来てまして…」
「そんなに負担がかかるもんだったのかよアレ…」
「勝つためには…仕方なかったんですけど…ロードさんを倒しても…狩られた魔法少女たちは…帰ってこない。復讐は虚しい…」
「お前、本当に悪の組織の総帥か?」
喋る毎にどんどん落ち込んでいくうてな…寝ぼけたこりすがうてなの膝の上へと移動する。
「というか総帥って…ヴェナさんだったのでは?」
「いや、ボクはマスコットだから…ふむ。今日は今後の戦いについて話し合いをと思っていたのだけど…うてながこの調子では難しいね。」
「Zzz…」
「こりす、どこに座ってんだ!…そういえば最近トレスマジアを見てないな…それでうてなちゃんはそんな感じに…」
「トランチアーとしてはトレスマジアには接触できたのですよ。何ならアズールの手を握った訳ですし…でも戦闘中だったから…こりすちゃんとトランセイザー様がいなかったら危なかったな。それでアズールさんに嫌われていたらどうしよう…」
「いやいやいや。アズールって前にうてなちゃんがボコボコにしたやつでしょう?それなら今のアタシらでも余裕プップ~だろ~」
「そうでもないわよ。トレスマジア全員…特にアズールには気をつけた方がいいわ。」
余裕そうな顔をするキウィに待ったをかけたのは真珠だった。
「どういうことですか?」
「どうもこうもアンタが手を握った時のアズールの姿…パワーアップしていたでしょ?」
「あ!言われてみればそうでした!…それで、気をつけろというのはどういう意味ですか?」
「真珠、1回彼女を狩るためにタイマンで戦ったことがあるの。キウィとこりすとの後だったのもあるだろうけど…真珠の『ヴォア・フォルテ』を防がれて…完敗だった。それでこの前の戦いではロードたちのバトルではさらにパワーアップして現れた。新しい能力で…」
「ああああぁぁぁ!!」
「ひっ!何よ急に!?」びくっ
自身の体験を語る真珠だったが…今度はうてながそれに待ったをかける。
「ネタバレやめてもらえますか?」
「ネタバレじゃなくて報連相でしょうが!!」
「嫌です。ダメです。わたしは何も知らない状態で戦いたいのです。」
「組織としてどーなのよ!?」
「やめとけ、コイツ聞かねえって分かんだろ。」
「分かってるわよ…」
「アズールと早く戦いたい。というより、もっとアズールと触れ合いたい……はっ!これはトランセイザー様への浮気じゃありませんよ!どっちもわたしは大好きですので!」
「知らねえよ。」
「そういえばだけど…トレスマジアとトランセイザーが今、キミらが壊した町の修繕に出てるみたいだよ。」
「なんでそれを早く言わないんですか!?…すいません、わたし用事ができました。」
「今の精神状態を回復させるのにいいかもしれないしね…いいよ。」
「うてなちゃんが行くならアタシも行く。」
「キウィ、君はケガ人だからダメだよ。あと、変身アイテムはバレないように置いていってね。」
「はい♪それでは皆さんお疲れ様です!アハハハ~♪」
「何の時間だったのよ…」
ステップをしながらうてなはナハトベースを去り…そのまま復旧現場へと直行した。
ーーー
「(ああ、また目の当たりにすると考えると…怖いなぁ。悲惨なのは分かってるけど…わたしたちがしたことだから…さすがに心が痛むな…次から戦う場所は気をつけよ…う?)」
うてなの目には信じられない光景が映る。
「ほとんど直ってる!?え?いや、トレスマジアやトランセイザー様たちがいればここまで早く直せるものなの!?というかもう誰もいないのか……な?」
周囲を見渡すとレンガを積み重ねている小さなゴーレムたちの姿が目が入る。うてなは近くにあるレンガに手を取り…声をかけた。
「あの手伝ってもいいですか?(…罪滅ぼしにはならないけど…何もしないのもちょっと。それに…もしかしたら、誰かに会えるかもしれないし。)」
少し邪念はあったものの…うてなも復旧作業を手伝い始めた。すると数分も経たないうちにマジアアズールが現れる。
「あなた、何しているの?」
「え……マジアアズールさん!?」
「(うてなさん!?)あなたの名前…教えてもらってもいい?」
「(推しに名前を覚えてもらえる!?)柊うてなです…」
「…じゃあ、うてなさんって呼ぶわね。うてなさん…この間はありがとう。」
「…はい?」
突然にお礼を言われて混乱するうてな…マジアアズールは言葉を続けた。
「魔物…じゃなかったわね。魔幻獣が出てきた時に赤のトランチアーとして、トランセイザー様と一緒に戦ってくれたでしょ?」
「(バ…バレてるの!?)えーと、それはその…」
「…私はあまりトランセイザー様の役に立てなかったから…本当にありがとう。」
「…それは違いますよ。」
「え?」
「マスコットのチーポさんから聞いて知ったことですけど…アズールさん、トランセイザー様のピンチを助けてくれたのですよね?それに町に出た大量の魔物もアズールさんが全て凍らせたから魔幻獣に集中出来たとも聞きました!…今は転神に必要な石はチーポに返していて…トランチアーになれないですけど…何か出来ないかなって…」
「…なるほど、それでここに来たのね。けれどトランセイザー様の関係者だとしても…現場である以上、事前の説明無しでは立ち入りは禁止よ。」
「ごめんなさい…」
「…もうすぐ終わるから、安全なところにならいてもいいわ。」
「本当ですか!ありがとうございます…ちなみにトランセイザー様はどこに?」
「えーと、その…余分な物の解体を…」
「余分な物?」
………
「どうしてボクの巨大像を壊さないといけないっチか!」
「当たり前だろ!なにその無駄に8頭身のデカイ像は!建てるにしてもいつもの姿の3頭身でよかっただろ!てか、どーやってそんなのを建てたのよ!?」
「廃材をいい感じに組み立てたっチ!白猫~、ビルとかいっぱい建て直したから~、これくらいはいいっチよね~?」
「え?えーと…その…」
「ダメに決まってんだろ…がっ!」ガシッ
「ちょっ、トランセイザーさん!?」
「痛い痛い!トランセイザー、ボクがケガ人ってこと忘れてないっチか?」ギチギチッ
「いいからさっさと壊せ!」
………
「それにしてもご立派ですね…街の修繕をされてて…」
「…そうでもないわ。悪の組織と戦い…この街や人を守るのが私たちの役目。なのにこの前の魔物と魔幻獣の襲撃では出遅れて…ここまでの被害を出してしまって…その責任は私たちにもあるわ!だから、こんなことは二度と起こさせない!エノルミータの好きにはさせないわ!…あっ、何だか語りすぎちゃったわね。」
照れながらも復旧作業を進めていくマジアアズールの力説に…うてなから涙が溢れた。その姿に慌てるマジアアズール。
「ちょっと、大丈夫?」
「はい…大丈夫です!」
うてなは笑顔で返事を返した。
「(わたしは何て愚かな考えを…魔法少女は折れない…だって魔法少女だから!だから…わたしは…安心して悪役が出来るっ!)」
…マジアアズールがその笑顔の意味を知ることはない。
ーーー
辺りはすっかり暗くなる。
「すごい!街が…もう元通りに…」
「ゴーレムさんたちが頑張ってくれたものね。それに…あなたのおかげよ。ありがとう!」
「えっ!?そんな、わたしはお礼を言われるようなことは…」
「さてと…そろそろ撤収しないとね。んんっ…流石に今日は疲れたわ。」ぐぐっ
マジアアズールが背筋を伸ばす。結果、彼女の胸が強調されて…
「…」ごくり
うてなに凝視されていた。
「あ…あの…よよよよ、よかったら…」
………
ベンチの上でマジアアズールは横になる。
「本当にいいの?うてなさんも疲れているじゃ…」
「いえ!吹き飛びました!」
「そ、そう?それじゃあ、お言葉に甘えて…」
「はい♡」
うてなは興奮気味にマジアアズールの背中へと手を触れた。
「(はぁ…、やわらかい♡)」ぐいっ
「んっ!」ピクッ
「あっ…痛かったですか?」
「いいえ、とっても気持ちいいわ。」
「ありがとうございます…腰も疲れているでしょうから…揉みますね。」ぐっ
「…っ!」ピクッ
小さな声が漏れるマジアアズール…それはうてなの興奮をさらにヒートアップさせる。
「それじゃあ…次は…」ファサッ
「うてなさん!?そこは…!?」
マジアアズールのスカートをめくり、お尻へと触れた。
「こっ…ここ…こういう所もこってますよね?全体的にしっかりとほぐしておかないと…疲れが残っちゃいますよ…♡」むにっむにっ
「ひゃん!」ビクッ
「し…しっかりマッサージしてあげますからね♡」むにむにむにっ
「うてなさん…もう大丈夫だか…らっ!それ、以上は…ら、らめ……あ!ああんっ♡」ビクンッ
「ー!?」
マジアアズールの身体が大きく跳ね…冷静になったうてなが慌てて距離を取る。うてなもマジアアズールも息が荒くなっていた。
「あっ…これは…その…わたし…あの…すみません。失礼しま…!」ダッ
「はぁ…はぁ…待ちなさい!」ガシッ
「…え?」
その場からうてなは走りだそうとする…が、マジアアズールに腕を掴まれ阻止された。
「えーと、その…あの…あうぅ。」
「…私のために…してくれたから…お礼くらいは言わせて…欲しいわ。ありがとう…うてなさん…」
「…どうしましょう。わたしの心臓が動き出しそうです…」
「…止まっているの?…とにかく、次はうてなさん…お返ししたいから横になってくれる?」
「…へ?」
「は・や・く。」ゴゴゴ
「ひゃっ!?」
マジアアズールは横にしたうてなの足裏、足、腰、背中、肩、頭と全身のツボを圧し始めた。その間、うてなから喘ぐ声が漏れ続けたが…マジアアズールはそれを気にせず、無言でツボを圧し続ける。後にうてなはマジアアズールの背後から千手観音のイメージが見えた、と語った。
………
数分後、蕩けた顔のうてなを余所にマジアアズールは再び背筋を伸ばしていた。するとトランセイザーが合流してきた。
「アズール、もう全部終わっ…何してるの?」
「…はっ!トランセイザー様!」
「…何で一般人がここにいるのかな…」
「彼女…トランチアーですよね?」
「…え?分かるの?」
「はい♪当然ですよ!」
マジアアズールの答えにトランセイザーは内心焦り始める。トランチアーの正体を他の誰かが…ましてや、マジアアズールが知っていたからだ。
「(チーポ!魔力による認識阻害はどうなってるのよ!?)」
「(トランチアーには全員発動してるはずっチよ!…まさか、トレスマジアやエノルミータには効かないとか?)」
「(大丈夫なのコレ?うてなちゃんがエノルミータってこともバレないよね?)」
「(と、とりあえず…すぐに見直すしか無いっチね!)」
「トランセイザー様?」
「何でもない何でもない。ただ…認識阻害の魔法が上手くかけれてなかったみたいだから…」
「はっ!申し訳ございません…私の友達でしたので…」
「…自分の正体を特定されるようなことを言わないの。(私は知ってるけど…)」
「あなたになら別に私は…」
「トレスマジアとしてはダメだよ…」
渋々であるもののマジアアズールは納得し、それ以上を語ることはなかった。
「とりあえず、ボクがその娘を連れていくっチから…2人はもう家に帰って休むっチ。」
「分かったわ…ふぅ、疲れた疲れた…」
「あの…トランセイザー様…よろしいければマッサージを…」
「アズールもゆっくり休んで。」
「…はい。」
何はともあれ、街の復旧作業は完了した。
ーーー
数日後のナハトベース…
「何よ、また呼び出しって~」
「どーせお前、ヒマしてんだからいいだろ。」
「アンタもでしょ!?」
「また、やってんなケンカップルが。」
「ん…」
変身前のエノルミータのメンバー4人が集まっていた。
「皆さん…本日はお集まりいただきありがとうございます。」
総帥の席から声が聞こえる。マジアベーゼへと変身したうてなだった。
「うてなちゃん…いや、ベーゼちゃん!」
「これより…我々の行く先を示します。」
「(この感じ…!)」
「(前とは雰囲気が違ぇ…!)」
「(本気なんだね…ベーゼちゃん!)」
「(ん…)」
「先達て、トレスマジアの1人とコンタクトを取る機会がありました…えへへへ。それはもう激しく気持ちのいいコンタクトを…」
「おい、もうだらしない顔になってるぞ?」
「…失礼。それで彼女らの意志を確認しました。『
マジアベーゼの言葉にゾクリと緊張が走る4人。
「そう、我々は…全力で魔法少女と戦い、いい感じで苦しめつつ、良きところで撤退とかして悪役ブームをかまそうと思います。」
『ハァ?』
そして方針を聞き、一気に緊張が抜けた。
「何言ってるのアンタ?」
「お前の好きにしてーだけじゃねぇか…」
「さすがベーゼちゃん。 」ダキッ
「ん…」ダキッ
キウィと寝ぼけたこりすがマジアベーゼへと抱きついた。
「…あ、そういえばもう1つ。」
「まだ、あんのかよ…」
「魔幻獣が現れた時はトランチアーとして全力でトランセイザー様に協力しましょう。ただし…エノルミータとしての正体をバレないように。」
「この組織のほぼ全員が敵のサポーターってどうなんだ?キウィもアタシたちと同じブレスレットもらったみたいだし…」
「コレのことか?なかなかいーよなコレ!」
「キウィちゃんもトランチアーになる日が来るかもしれないですね。なので同時にトランセイザー様の正体を探りましょう…あわよくば、わたしたちの仲間に…うへへへ。」
「ん!」ぐっ
「ベーゼもこすりもノリノリな所悪いけど…」
「どう考えても仲間になる訳が無いのよね…」
「正体なぁ……っ!」ズキッ
「ん?」
「キウィ?どうした?」
「ごめん、急に頭が痛くなって…片頭痛かな?」
「ケガが完全に治ってねぇんだろ?無理すんなよ。」
「そうだよ。」
「う、うん…そうだよな。」