心愛、うてな、キウィ、こりすはオモチャ屋へと遊びに来ていた。
「来たぜ!オモチャ屋さ~ん!!」
「ん!」キラキラ
「オラッ、こりす!約束だからんな…めいっぱい選べよ?」
「ん!」
「走っちゃだめだよ、キウィちゃん!」
「まぁまぁ…私たちはゆっくり行こっか。懐かしいな…小さい頃はママに言ってよく連れてきてもらったから…」
「…そうなんだ。実はわたしも…」
心愛とうてなは周りのオモチャを見つつ…ゆっくりとキウィとこりすを追いかけた。すると、こりすがドールハウスや小さな人形を眺める姿が目に入る。
「あ、こりすちゃん…気になるものあった?」
「ん!」にぎっ
両手に人形を握り…笑顔になるこりす。それにつられて心愛とうてなも笑顔になる。
「はわぁぁ…」
「か、可愛いねぇ!」
「そうね…」
「小さいころ、わたしも遊んだな。このおうちに家族とか小さい家具を並べて可愛くして…」
「ー!?」ぐいんっ
「うぇ!?」
こりすは首をうてなに向けて…
「ん!」ぐっ
過去一番の笑顔とサムズアップを向けたのだ。そのそばには他の人形をみていく心愛。
「今の人形ってこんな感じか…私はアニメばっかり見てたから…あんまり遊ぶことはなかったな…」
「…」ポンッ
「ん?こりすちゃん?」
こりすは心愛の肩に手を置き、人形を1体渡す。
「ん!んん!」くいっ
「お人形遊びしたいの?こんにちは、私は狐のフォッちゃん!あなたのお姉さんよ!」くいっ
「ん!」くいっ
「心愛ちゃん、遊び方は分かってるんだね。」
「まぁね。昔にちょっと…」
その場でお人形遊びを始める心愛とこりす…それを微笑ましく見守るうてな…そんな3人に声をかける少女がいた。
「あれ?心愛ちゃんとうてなちゃんとこりすちゃん?」
「え?」
「偶然だね♪」
「こりすちゃんってはるかちゃんと知り合いだったの?」
「ん…」こく
心愛とうてなのクラスメイトである花菱はるかだった。
「はるかちゃん…と?」
「この子たち私の妹なんだよ。心愛ちゃん、覚えてる?」
「覚えてる覚えてる…ここまで大きくなったのね。えーと、なつなちゃん!」
「ぶぶー!外れ!」
「みふゆちゃん!」
「ぶぶー!!」
「あきほちゃん!」
「せいか…ううん。ぶぶー…」
「いや、全員正解だよ!?…心愛ちゃん、よく分かったね?」
「まぁね!私の目は誤魔化せないわよ。」
「ちぇ…バレたか!」
「バレたね…」
「バレたバレた!!」
「ん…」
「ん?1人?」
「一緒に見よ!」
「ん!」こくっ
そして、こりすとはるかの妹たちは遊び始めた。
「はるかちゃんって妹さんがいたんだね。」
「うん、3つ子なんだ。なつな、あきほ、みふゆ、って言うんだよ。」
「私が前に会ったのは赤ちゃんの時だったけど…子供の成長って早いわね…」
「心愛ちゃん…わたしたちもまだまだ子供だよ?そういえば、心愛ちゃんとはるかちゃんって小学校が一緒だったの?」
「うん!6年連続で同じクラスだったよ!」
「まぁ、まともに話すようになったのは中学に入学してからだけど…」
「えっ?はるかッピ子供いたの?ヤバ~!」
ここでキウィが戻ってきた。
「妹だよぉ!?」
「キウィちゃん、どこに行ってたの?」
「そりゃあ…こりすが喜ぶオモチャを見繕ってたのよ~!」カチッ
『変!身!ウルトラマム!!』
「こりすちゃん…どう?」
「…」ぷいっ
「…」
「なんでそんな顔するの!?」
幼女向けではない変身のオモチャに微妙な顔をみせるこりすとうてな。
「いかす!」
「いかす…」
「いかす!!」
「…!?」くるっ
「ほら見ろ!! 」
はるかの妹たちの好評により、変身のオモチャに興味を持ったこりすはそれを手に取り、はるかの妹たちと遊び始めた。
「んだよ…結局気に入ってんじゃん~」
「よかったじゃん…こりすちゃんたち楽しそうだよ。」
「えへへ…そうだね…」
「今日は何だか平和だね…あたしね、毎日が今日みたいに楽しくって…穏やかだといいなと思うんだ。」
「わかるわ~」
「うん…そうだね。」
「平和が一番だよ…」
そして、こりすへのオモチャを購入し…オモチャ屋を後にした。
「じゃあ…またねぇ、みんな~! 」
「バイバイ~!」
「まったな~!」
「ん!」
「じゃあ、こりすのママに写真を……あれ?あれれ…?」
「心愛?」
「ごめん、さっきのお店にスマホ忘れちゃったかも。ちょっと見てくる。」
「あいよ~、ここで待ってるかんな~」
心愛は慌ててオモチャ屋へと向かった。
「じゃあ、こりすちゃん。心愛ちゃんが戻るまでここで大人しく待っ…」
「わぁ…」
そこには怪獣の人形を手に持つネロアリスがいた。
「アリスちゃん!?変身には気をつけないと…」
ネロアリスの笑顔と同時に怪獣の人形は輝きだし…
「ギャオォオォオッ!!」
街中に巨大な怪獣として現れた。
「あ、普通にポッケに入って……えぇ!?」
「ネロアリスの能力っチね。ほれ、転神ステッキ。」
「…何でチーポはここにいるのよ?」
「いいから転神だっチ。」
「…分かったわよ。」
心愛は転神ステッキを受け取り…呪文を唱えた。
「リリカルマジカル、トランスマジカル…チェンジ!」
ピカーン
「転神!超空転神トランセイザー!!」
超空転神トランセイザー!
篠原心愛は転神のかけ声とともに空気中の聖幻エネルギーを物質化して身にまといトランセイザーへと変形変身する!
その間わずか0.021ミリ秒!!
ーーー
街のド真ん中を歩く怪獣…そこにトレスマジアが待ったをかけた。
「またあなたたちね、エノルミータ!」
「「ー!!」」
「大きな怪獣でみんなを怖がらせて…今すぐやめなさい!!」
「(あー、これこれ。魔法少女ってこういうの!)」ニコッ
「マジアベーゼ!なんやねん、その顔は!?…まぁ、ええ。一気にけりを着け…」
ピコピコピコピコ…
「「「え?」」」
トレスマジアの3人が背後から聞こえた音に反応して振り向くと…ネロアリスがいた。
「…」カチッ
『変!身!ウルトラマム!!』
そして、ネロアリスは変身のオモチャのスイッチを入れて…
「…」ポイッ
「へぇ!?」
マジアマゼンタに向けて投げたのだ。結果…
「…」ドシンッ
『は?』
「な…何なの、これぇ!?」
マジアマゼンタが巨大化した状態で怪獣の前へと現れた。周りの人間は巨大化したマジアマゼンタの写真を撮り始める。
パシャパシャパシャ
「みんな、写真撮らないで逃げてよ!」
「アンギャー!!」
「うわぁ!!」
ガシッ
怪獣とマジアマゼンタが互いの手を掴み合い、力比べとなる。マジアマゼンタは自身のスカートを気にしつつも、怪獣に蹴りを入れて後退させた。
「やるやんけマゼンタ!」
「その調子よ!」
「まずいねベーゼちゃん」
「えぇ、このままじゃ…アリスちゃ…!?」
マジアベーゼの目に怪獣の背中からネロアリスに近づく銀色のヒーローが映った。マジアベーゼは自身の口をニヤリとさせる。
「レオちゃん、マゼンタの妨害をお願いできますか?わたしはアリスちゃんを守ります。」
「オッケー、任せてよ。」
ーーー
「やだっ!?服の中で何してるの!!」びくっ
「ん!」ビッ
「ギャオ!」ガブッ
「あいたー!!」
「ネロアリス~?」ゴゴゴ
「ん!?」ビクッ
「おいたが過ぎるわよ?覚悟しなさい…」
「んっ!」ビッ
悶え、噛みつかれ、混乱して、妹たちに応援されるマジアマゼンタを余所に怪獣の上ではトランセイザーがネロアリスへと迫っていた。ネロアリスは慌ててぬいぐるみを召還して応戦する。
「…ふーん、まだ続けるつもりなんだ。」
ブンッ
「ん!?」
しかし、それはライトセイバーの一振によって全て切られたのだ。
「さて…後は…」
「させませんよ!」
「っ!?マジアベーゼ!」
ネロアリスに向けてジリジリと近づいていたトランセイザーだったが…間へと入ってきたマジアベーゼにより歩みが止まる。
「お久しぶりですねぇ…トランセイザー様♡」
目をハートに変えたマジアベーゼが鞭を構えてネロアリスを守るように立ち塞がった…と思いきや次の瞬間、自らコルセットを外して…自身の尻をトランセイザーへと向けたのだ。
「ごめんなさい!この娘は悪くないんですよ!ちょっとテンションが上がっちゃってて…全部、上司のわたしが悪いんですよ!さぁ、トランセイザー様♡罰としてわたしのお尻を叩いてください♡そうすればすぐに撤退させますので♡」
「………はぁ?」
「ん…」ぷくー
マジアベーゼの予想外の行動に思考が止まるトランセイザーと頬を膨らませるネロアリス…そこにマジアアズールが現れた。
「援護に来ましたトランセイザー様………どのような状況で?」
「私が聞きたいわよ…」
「さぁ、早く!」ふりふりっ
「…アズール、私の代わりにマジアベーゼのお尻叩いてくれる?」
「承知しました。では、その後は私のお尻を叩いてくださいね。」
「……もう好きにして。ネロアリス…覚悟はいいわね?」
「んんっ!?」
邪魔が無くなったことでトランセイザーは再びネロアリスへと歩み寄り…ついにネロアリスを捕まえた。そのまま自身の膝へと乗せて…
『トランスマジカル…お尻ペンペン』
ペンペンペンペンペンペンペンペンッ!
「ん"ん"!!ん"ん"ん"ん"ん"ん"♡」ビククッ
「はぅ…素晴らしいお手前です♡」ヒリヒリッ
「羨ましいわ…♡」
ネロアリスから悲鳴が上がる。それをうっとりとした顔で眺めるマジアアズールと尻が赤くなったマジアベーゼ…この光景にツッコミを入れる者は誰もいなかった。
ーーー
「おらっ!捕まえたで!」
「離せテメー!」
「おもろいモン付けとるなぁ。
「あん?テメーに飼われるなんざ死んでもごめんに決まってんだろ…バカ!バーカ!」
「これは言葉使いから躾んといけませんなぁ…」
「バーカ、バーカ!貧乳!」
「このXXXXがっ!!」
トランセイザーがネロアリスの尻を叩いている同時刻…マジアマゼンタの服の中で暴れるマジアサルファとレオパルトの姿があった。
「ひぁ!?そこ、やめて…」
「ぷはっ…あちぃ!」
「ここはマゼンタのどこやねん…」
暴れに暴れて互いに息苦しくなり、布を頼りに外に顔を出す2人…その場所はマジアマゼンタのパンツの中で…
ブチッ
マジアマゼンタのパンツが千切れた。
「いいかげんにしなさーーい!!」
マジアマゼンタの渾身のアッパーにより、怪獣、ネロアリス、マジアベーゼ、レオパルト…さらにはマジアアズール、マジアサルファ、トランセイザーも飛ばされ星になった。
「…あ!戻った。」
それと同時にマジアマゼンタの身体が元のサイズへと戻る。唯一残ったチーポはマジアマゼンタの元へと移動した。
「お疲れ様っチ、マジアマゼンタ。さて…後処理をするっチね…」
「チーポさん……って後処理?みんなの回収?」
「それもあるっチけど…これっチよ。」
スマホに映るのは巨大化したマジアマゼンタについてSNSに投稿された画像たち。
「…あたしのエッチな画像が…うぅ。悔しいけどこれはもう止められないよぉ…」
「まぁ…とりあえずスマホでも見てろっチ!とうっ!」ぴょん
チーポが空へと飛び…口から大量の触手を雨のように伸ばし…それを街中にいる人間たちへと刺した。
ブスブスブスブスブスブスブスブスブスブスッ…
「ぎゃあぁぁぁぁ!!」
「助けてててててて…」
「エノノノルミミミ…!」
「マゼマゼンタマタマタマ…」
再び街は悲鳴に覆われた。
「えぇぇぇ!?チーポさん、何やってるのぉ!?」
全力でツッコミをいれるマジアマゼンタ…チーポは触手の1本をマジアマゼンタの持つスマホへと向けた。
「…え?何これ?あたしの画像がネコがチピチピチャパチャパって踊ってる画像に変わってる!?」
悲鳴の音は段々と静まっていき…
「光のパワー、完了っチ!いやー、1373人の人間への洗脳とスマホへの干渉、480台の監視カメラのハッキングだったっチから結構時間がかかったっチ!」
「洗脳!ハッキング!そんなことしてたの!?」
「マジアマゼンタ、君の恥ずかしい姿を覚えてる一般人は
「うぅ…みんなには悪いけど…ありがとうございます……ほぼ?」
「スマホを持っていない人間…例えば小さい子供とかにはしてないっチ。そこはボクのセンサーが反応できなかったってことで許して欲しいっチ。」
「(つまり、妹たちにはアレをしてないってことか。)拡散が止めれただけでも十分だよ。ありがとうチーポさん。」
「これ…あげるっチ。キミ自身に困ったことがあればいつでもトランセイザーが駆けつけるっチよ。」
「これって…ブレスレット?」
「じゃあ、ボクはトランセイザーのところに行くっチね!バイバイ!」
チーポはその場から姿を消した。
ーーー
飛ばれたエノルミータの3人は隣街の公園のベンチへと並んでいた。
「あ~、やられた~」
「久しぶりに星になったね…心愛ちゃん、また心配させちゃったな…」
「ん…」
「アタシのスマホ見てみ?心愛からの通知が100件超えてるぞ?とりあえず、ここの場所は教えたから向かってきてる感じだわ。」
「キウィちゃんは前にケガしたからそれの心配もあるのかな…両手一杯に包帯とか持ってくるかも。」
「まぁ、実際に内容は『ケガしてないか?』ばっかりなんだけどさ~…うてなちゃん。」
キウィの声色が突然に真剣なものへと変わる。
「ん?どうしたの?」
「心愛をさ…エノルミータに誘わね?」
「ん!?」びくっ
キウィの提案にこりすの目が丸くなる。そして、うてなは数秒も経たずに返事をした。
「…ごめんねキウィちゃん、わたしは反対かな。心愛ちゃん、わたしと違って純粋にトレスマジアが好きだから…」
「ん!」こくこくっ
「…そりゃそうか。こりすも反対してるみたいだし…アタシこそごめん、今の話は無しで。にしてもこりす~、急に変身はねぇだろ?もし心愛にみられたら…」
「…z」かくん
「あ!おねむみたいだね…」
「都合のいい睡魔だな!?…みてよ、うてなちゃん…こりすのこの顔…」
「…ふふっ。楽しかったよね、こりすちゃん。」
「あっ!いたいたっ!」
「もうちょっとだけ、楽しい時間を続けよっか。」
「…だね。」
「ん!」
「あ、起きちゃった。」
「というか、ずっと起きてただろ?」
「3人とも私がいない間に何を話していたの?」
心愛が合流する。そして、4人はそのまま夕方になるまで他愛もない会話を続けたのだ。
次回、最終回…2回に分けるかもですが。