魔法少女なヒロインにあこがれて   作:アマノジャック

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最終回です…とりあえずは。


エピソード25

マジアサルファはタコが大の苦手である。

 

「やっ…いやや!触らんといて…」グチョグチョ

 

そんな彼女は…タコの魔物に捕らわれてしまった。

 

「きしょい…やめっ…あっ…んぐ!?」ズボッ

「サルファさん。」

「ん!?」ギチギチッ

「どうしました?いつもの威勢はどちらですか?こんなに怯えてしまって……何か怖いものでも見ましたか?」レロリ

「んぐ…!!んんっ!」ビクッ

「あはっ…」

「サルファ!!」

 

笑顔のマジアベーゼが涙目のマジアサルファへと近づき…その涙を舐めた。マジアサルファに抵抗の術はない…その筈だった。

 

『アズールブレス』

 

コチコチコチ…

 

突然、吹いてきた冷気の風がタコの魔物を凍結させ…粉々に砕いたのだ。そして、そこにはマジアマゼンタとマジアサルファを支えるマジアアズールの姿があった。

 

「アズール!」

「ごめんなさい…肺いっぱいに溜めた空気と魔力を混ぜるのに時間がかかってしまったわ…」

「ううん…ありがとう…」

「あなたたちはここで休んでいて…後は私がやるわ!」

 

マジアアズールはそのまま、マジアベーゼの前へと立ちふさがる。

 

「おや?貴女ひとりですか…マジアアズール。」

「えぇ…今度は以前のようにはいかないわ。」

 

「待って!魔幻獣がいるの!」

 

「「…はい?」」

 

マジアマゼンタの声に反応した2人が辺りを見ると…タコの魔幻獣へと戦闘態勢を取るトランセイザーとパープル・ウィッチの姿があった。

 

「ゲルガー!!」

「先制攻撃!ライトセイバーで切ってあげるわ!!」

 

スパッ

 

「ん!」

「いいぞトランセイザー!」

 

「ゲ…ゲルゲルガー!!」

 

ニョキッ

 

しかし、タコの魔幻獣の触手が切った場所からすぐに生える。

 

「再生した!?」

「それだけじゃねぇ…トランセイザー、後ろだ!」

「え?」

「ん!」

 

ゲシッ

 

トランセイザーの背後から迫る何かにパープル・ウィッチが蹴りを入れる…それは、さっき切った触手だった。

 

「切れた触手も操れる…これはかなり厄介ね。」

 

ーーー

 

「…アズールさん、わたしから2つ提案があるのですが聞いていただけますか?」

「何かしら。」

「魔幻獣はわたしたちエノルミータにとっても邪魔な存在です。ここで貴女に2つの選択肢を…1つ目は戦いを中断して、トランセイザー様たちと一緒に魔幻獣と戦う。2つ目は…魔幻獣はトランセイザー様たちに任せて、わたしたちは別の場所で戦う…どうされますか?」

「あら…無粋な質問ね。そんなの…」

 

『アズールロケットパンチ』

 

「これが答えよ。」

「アハハ…ですよねですよね!同じ答えで嬉しく思いますよ。では…場所を移しましょうか。」

 

マジアアズールとマジアベーゼは離れた場所へと移動した。

 

ーーー

 

「(切るのはダメか…なら、動きを止めて必殺技…ダメね。この後のマジアベーゼ戦も考えると使う訳にはいかないわ。)2人とも、遠距離攻撃で私に迫る触手の対処をお願い!私は頭を狙うから!」

 

「ん!」

「分かった!」

 

不動積雪(Refusal of Train)』』

竜の息吹(ドラゴンブレス)

 

「ゲルッ!!」さっ

 

パープル・ウィッチとグリーン・ドラゴンが遠距離技を放つも…タコの魔幻獣は触手を上手く扱い、それらを避ける。それにより、トランセイザーからも距離を取られる。

 

「なかなか器用な魔幻獣ね…グリーン、さっきパープル助けた技を頭に当てれない?」

「動きが完全に止まってたならいけるが…今の動きをみるとな。広範囲な技があればな…」

「ん…」

「(出し惜しみはしてられないか…)分かった。パープル、一緒に凍らせようか。」

「ん!」こく

「その前に…完全に動きを止めないとね。」

「ん!んん!」

「そうね…パープルはそれをお願い。グリーン、触手を切らないように魔幻獣を攻撃できる?後、私が合図したらすぐに魔幻獣から離れて欲しい。」

「はんっ!面倒な注文だが…任せろ!」

 

パープル・ウィッチはその場から猛スピードで離れ…トランセイザーはライトセイバーを、グリーン・ドラゴンは短剣を抜き、タコの魔幻獣へと迫る。

 

「ゲルゲルガー!!」ギュン

 

「切れねぇなら…刺すっ!」ブスブスッ

「そう……ねっ!」ブスッ

 

「ゲルッ!?」

 

タコの魔幻獣が伸ばしてきた触手に対して…トランセイザーとグリーン・ドラゴンは自身の武器を突き刺し…抜いた。

 

「…そろそろね。グリーン、下がるよ!」

「了解っと!」

 

「ゲル?……ゲッ!?」ピタッ

 

不動遅延(Refusal of Gate)

 

突然にタコの魔幻獣の動きが止まる…パープル・ウィッチが時間停止の結界を発動したのだ。そして、トランセイザーはステッキからライトセイバーを引っ込めた。

 

『トランスマジカル…ブリザード』

 

「ゲゲゲッ!?」コチコチコチ

 

不動積雪(Refusal of Train)』』

 

「…」カチン

 

トランセイザーはステッキから猛吹雪を放ち…タコの魔幻獣の動きが鈍ったところにパープル・ウィッチが動きだし氷のビームで追撃する。結果、タコの魔幻獣が完全に凍ったのだ。

 

「おおっ!上手く行ったなぁ!んじゃあ、止めだな止め!合体技だ!」

「そう………合体技?」

「ん?」

「しっかり、決めてくれよ!」ガシガシッ

「ちょっと!?」

「ん!?」

 

竜の鎚打(ドラゴンテール)

 

グリーン・ドラゴンは両脇にトランセイザーとパープル・ウィッチを抱えて、肥大化させた自身の尻尾を砂浜へと叩きつけ…その反動で空中へと飛ぶ。

 

「あー…もう!やってやるわよ!!パープル、いくわよ!」

「ん!」

 

そして、トランセイザーとパープル・ウィッチはグリーン・ドラゴンの腕を足場に飛び蹴りの構えをとる。それと同時にグリーン・ドラゴンは息を大きく吸い…エネルギー弾を2発吐き出した。

 

「すうぅぅぅ…はあっ!」ボンボンッ

 

「はあぁぁぁ!!」

「んんんっ!!」

 

そのエネルギー弾はトランセイザーとパープル・ウィッチの背中を捕らえ…2人は緑のエネルギーを纏いオクトゲルガーへと足を向けて迫る。

 

『トランスマジカル…竜の押印(ドラゴンキック)

魔女の竜脚(Dragon Kick)

 

「……ゲルッ!」

 

そして、2つの蹴りがオクトゲルガーへと命中した。結果…

 

「ゲルゲルガー!!」

 

ドカーン

 

大きな爆発が起きる。煙が晴れると…そこには小さなタマゴが1つ、残っていた。

 

ーーー

 

一方のマジアアズールとマジアベーゼの戦いはというと…

 

「…」

「どうしましょう…困ってしまいました!」

 

真化したマジアアズールにより、マジアベーゼは追い込まれていた。右半身が凍ったマジアベーゼに対して…無傷のマジアアズール。

 

「どうしたの?もうお仕舞いかしら…マジアベーゼ?」

「ご冗談を…ここからが本番でしょう!」

「…そう。」

 

しかし、マジアベーゼが怯むことはない。

 

「ベーゼちゃん!」

「ー!?」

「アイツ…1人じゃヤベーでしょ?」

「だから言ったじゃない…人の話を聞きなさいって。」

「皆さん…!持つべきものは仲間ですね…それではいきましょうか!」

 

レオパルトとロコムジカが合流してきたのだ。マジアベーゼは総帥として、指示を出す。

 

「総攻撃です!!」

 

「おらおらおらっ!!」ドドドドッ

『ヴォア・フォルテ』

『メナスヴァルナー』

 

「…」

 

ボゴォォォン

 

レオパルトの弾幕が…ロコムジカの音波攻撃が…マジアベーゼの鞭からの斬撃が…マジアアズールに命中し、大きなダメージを与えた。しかし、マジアアズールはボロボロになりながらも…マジアベーゼたちへ狙いを定め…光の砲弾を放った。

 

『愛のアヴァランチ』

 

「これはこれは…ああああああぁぁ!!」

 

ドーーーン

 

光の砲弾はそのままマジアベーゼたちを捕らえ、その衝撃により大きな水柱が出来る。

 

「こんな…アズールにこんな力があるなんて!つぎ…次はこうはいきませんよ!!首を洗ってまっていることですね……あああぁぁ!!」

 

飛ばされたマジアベーゼたちはそう言うと…星になった。マジアアズールの完勝だ。

 

「あっちも終わったようね…」

「ん!」

「おっ?マジアアズールの変身が解…!?」グイッ

「ん!?」グイッ

「私たちが正体を知るわけにはいかないわ。すぐに離れるわよ!」

「えぇ…」

 

トランセイザーはパープル・ウィッチとグリーン・ドラゴンを両脇に抱え…その場を離れた。

 

ーーー

 

適当な海岸に着き、トランセイザーは2人を下ろす。

 

「2人ともお疲れ様。」

「♡」ダキッ

「…」むすっ

 

自身に抱きついてくるパープル・ウィッチとは対称的にグリーン・ドラゴンの機嫌は悪そうだ。

 

「…私はトレスマジアに…いや、トランチアー全員にも正体を明かしてないの。だから…彼女たちが自ら明かさない限りは知るわけにはいかなかったの…ごめんねグリーン。」

「…別にいい。アンタは…トレスマジアが好きなのか?」

「…えぇ。最初は彼女たちの仲間になれると思ったわ。けど…トランセイザーになってしまった以上、魔幻獣を優先しないといけないから。」

「…そうかよ。」

「それじゃあ、私はもう行くね…バイバイ!」

「ん!」

 

トランセイザーはその場から飛ぶように去った。そして、グリーン・ドラゴンがニヤリと笑う。

 

「パープル、後をつけるぞ。アイツの正体を探る。」

「ん!?」

「成り行きだったとはいえ…チャンスだ。逃す手はねぇ!お前の超スピードで…」

 

「あの…」

 

「「!?」」

 

何処からか声が聞こえてきた。それに反応して、辺りを見渡す…すると、茂みから心愛が顔を出したのだ。

 

「(心愛!?)どうかしたか?」

「えーと、あなたたちは?」

「…トランチアー。アタシはグリーン、こっちはパープルって呼んでくれ。」

「グリーンさんですね?実は…ちょっとお願いごとが…」

「お願いごとだ?」

「タコみたいな魔物に水着を取られてしまいまして…水着でも服でもいいので…代わりになる物を持ってきて貰ってもいいですか?」

「…嘘だろ?じゃあ、今のお前…」

「恥ずかしながら全裸です…」もじもじ

「ん!」ドピュ

「大丈夫ですか!?」

「お前が……いや、なんでもない。ちょっと待っててくれ。」

 

「(チーポがいないから水着に再構成出来ないよぉ…)」もじもじ

 

鼻血を出すパープル・ウィッチを余所にグリーン・ドラゴンはロッカーからキウィがうてなに着せようとしていた水着(スリングショット)を持ってきた。心愛は顔を真っ赤にしつつも…それを着た。

 

ーーー

 

日が沈み…9人は再び、砂浜へと集まっていた。

 

「心愛ちゃん、大変だったね…」

「うん…でも親切なトランチアーさん2人が助けてくれたから…」

「あれは助けた、というのかしら…」

 

全員、すでに水着から服に着替えおり…それぞれが交流を深めあっていた。そこにハイテンションのキウィが何かが入った袋を背負って現れた。

 

「おらっ!アタシの叔母がくれた特性ヘビ花火セットを持ってきてやったぞ!」

「ヘビ花火…って普通のもあるのじゃん。まずは手持ち花火から…」

「いいね!じゃあ、誰のが一番長く持っていられるか勝負しない?」

「オッケー!」

 

周りに9人が集まり…同時に火をつけた。

 

もりもりもり…

 

「…何これ?」

「ん…」

「火花が出てないんだけど?」

 

なぜか花火は本物の線香のように炎を出さずに燃えたのだ…燃えカスを作りながら。とりあえずは着いた火種を頼りに誰が最後かを見ていく。最後まで残ったのははるかの花火…それぞれの足元には花火の燃えカスが散らばっていた。

 

「お?はるかッピ、快便じゃん。」

「ちょっ!その言い方は止めてよ!」

「初めてよ…こんな手持ち花火…」

「いや、手持ち花火じゃねぇだろコレ…」

「んじゃ、次は…コレにするか!」

 

キウィが噴出花火をセットして…点火した。

 

もりもりもりもりもり…

 

火花が噴出せずに…燃えカスが上へと伸びる。

 

「私が知ってる噴出花火じゃない!?」

「いや、そうはならねえだろ!?」

「どんな技術で出来てるのよ!」

「風情無さすぎやろ!」

「後は…打ち上げ花火だな!点火!」

 

ひゅぅぅーーー…パンッ

 

打ち上った花火は空中で弾け…燃えカスが飛び散った。

 

「キウィちゃん!さっきからこの花火は何なの!?」

「言ったろ…特性"ヘビ花火“セットだって。」

「だとしてもこれはねぇわ!さっきからウン○を大量に作ってるだけじゃねぇか!」

「おい…ウン○はねぇだろ。ウン○は…」

「ご、ごめんね…キウィちゃんの叔母さんが一生懸命に用意してくれたものだよね。」

「叔母さんは言ってたんだわ。『ヘビ花火はウン○じゃない。あんなに長くないし…触ったらカッスカスだし…というか、ウン○って言う奴がウン○…』」

「めっちゃ気にしてる!?」

「…そんな叔母が極めたヘビ花火が…これだ!」

 

キウィがひときわ大きいヘビ玉へと点火した。

 

もりもりもり…

 

点火されて出来る燃えカスはあまり伸びず膨らみ…1つの大きな塊となる。バナナのような花林糖のような…

 

「ウン○…否!これこそが…最強の一本○ソだ!!」

「いやーーー!!」

「何でそっちの方向に極めてんねん!!」

「んー!んんー!」

「…ひどい絵面ね。」

 

点火したことで出来たウン……もとい、燃えカスを片付けた後、キウィは再び普通の花火を持ってきた。そして…今度こそ、普通に花火を楽しみだしたのだ。ちなみにはるかとこりすは気に入ったのか…ヘビ花火に夢中になっていて、心愛はネズミ花火で喧嘩を始めた薫子とキウィの仲裁に入り、真珠とネモは普通に手持ち花火で遊んでいた。そんな様子をうてなと小夜は線香花火で遊びながら眺めていた。

 

「~♪」

「なんだか嬉しそうね、うてなさん。」

「そんなふうに…みえますか?」

「…えぇ、とっても。」

「これからはもっともっと…面白くなりそうな気がして…」

「ふふっ…そうね。」

 

夏の夜空に星が輝いた。

 

ーーー

 

「…え?魔幻獣と戦ったっチか?」

「そうよ…チーポいないから水着に戻せなかったから…戻しておきなさいよ。」

「どうせ、もう着ないのに…」

「何か言った?」

「すぐに戻すっチ!」

「…後はこれ、魔幻獣のタマゴ。」

「おぉ!ありがとうっチ……あ!」

「どうしたの?」

「街中にエノルミータの気配っチ!今回は…5人全員いるみたいっチよ。」

「じゃあ、ちょっとお仕置きしてきますか。チーポ!」

「あいよ!転神ステッキっチ!」

 

心愛は転神ステッキを受け取り…呪文を唱えた。

 

「リリカルマジカル、トランスマジカル…チェンジ!」

 

ピカーン

 

「転神!超空転神トランセイザー!!」

 

超空転神トランセイザー!

篠原心愛は転神のかけ声とともに空気中の聖幻エネルギーを物質化して身にまといトランセイザーへと変形変身する!

その間わずか0.021ミリ秒!!

 

 

「出たわねエノルミータ!」

 

「トランセイザー様!」

「おぅ、手助け頼むで!」

「一緒に戦おう!」

 

「げっ…トランセイザーが来たぞ!」

「ルベル、ちゃんと作戦通りにいくわよ!」

「おらおら!今日こそはお前の命日じゃコラぁ!」

「ん♡」

「トランセイザー様ぁ♡今日こそはアナタ様の正体をあばいてみせますね♡」

 

 

篠原心愛の戦いは…これからも続く!




ひとまずはこれで完結とさせていただきます。ここまで読んでいただきありがとうございました。ただ2期があれば、また書くと思います。

…何時の火曜になるか分かりませんが、まヒあこトークのトランチアー編を投稿予定ですので、その時はよろしくお願いします。
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