「こりすちゃん、目隠し…まだ取ったらダメ?」
「…」グイッ
篠原心愛は杜乃こりすに目隠しをされた状態で手を引かれ何処か…そう、ナハトベース内のホテルへと連れられていた。
「ん…」
「着いた?取るよ?」
「ん!」バッ
「取ってくれるのね…うわぁ。周りは真っ暗…もう夜か。」
「♡」グイッ
「もう…1人で歩けるって…」
心愛の目隠しを取るこりす。そのまま心愛の手を握り、一緒にホテルの中へと入った。
ーーー
「まさか…こりすちゃんが最初に使うことになるなんてね…」
「そういえば、こりすって海の時もほとんど心愛にくっついていたわね。」
「あの2人ってどんな関係なんだ?」
そんな2人の様子を見る、柊うてなと阿古屋真珠と姉母ネモの3人…ちなみに阿良河キウィは別件で、ここにはいない。
「わたしとキウィちゃんが知り合うよりも前から一緒に遊んでいたみたい。こりすちゃんのお母さんの仕事が遅いから面倒みてるとか聞いたけど…」
「心愛はこりすの気持ち…ちゃんと分かっているのかしら?」
「どうだろな…」
ーーー
フロントへと直行する心愛とこりす…するとスタッフであろう女性が顔の下半分が見える状態で挨拶をしてきた。
「いらっしゃいませ。おひかえなすって。」
「…キウィちゃん?」
「ん!?」
「…え!?あ、あぁ…よく分かったな心愛。これがこの前言ってたホテル何だわ…」
現在、受付にいるのは正確にはキウィでは無い。レオパルトに変身した姿…つまり、認識阻害の魔法がかかっている筈である。本来であればスルーしておくべきだったのだが…トランセイザーに転神していない心愛はフロントから見える口輪から無意識に変身前の名前を呼んでしまったのだ。それにより、こりすとレオパルトに焦りが生まれる。
「とりあえず、これ!部屋のカギ!今日はお前たちだけだから明日までゆっくりしていけ!まだ建てたばっかで経営はしてない状態だから金は要らねえけど…正直な感想教えろよな!」
「ありがとう。こりすちゃん、行こっか。」
「♡」こく
心愛は部屋のカギを受け取り、こりすと共に部屋へと入った。
「へー、結構広いのね。」
「…」もじもじ
「こりすちゃん?」
部屋に入ると同時に落ち着かないのかその場から動かなくなるこりす…心愛はこりすの頭に手を置いた。
「大丈夫よこりすちゃん、私もこういうところは初めて来たから。」
「ん…♡」
顔がさらに赤くなるこりす…心愛はカバンからあるものを取り出した。
「テレビとプレイヤーがあるわね。とりあえず、コレの最終回まで一緒にみようか!」
「ん?」かくん
それは『ひろがるスカイ!プリキ○アのDVD(心愛が録画編集したもの)』だった。こりすは心愛の膝の上へと座り…一緒にアニメを見始める。
………
「こりすちゃん、楽しめた?」
「…」こくっ
「フフフ…良かった。ダイヤの7か…あれ?スペードの7がどこかにあったような…これかな?ダイヤのKだ…」
「ん!」ぴらっ
「あぁ、そこか!取られたちゃったな…」
アニメが見終わり、トランプで遊び始める2人…内容は神経衰弱である。勝負の行方はというと…こりすの圧勝だった。
「こりすちゃん強いね…さて、罰ゲームは何かしら?」
「ん…」とてとて
こりすは部屋の中にあるロッカーへと向かうと…中からあるものを取り出した。
「バニーガール?その衣装を着たらいいの?」
「ふんふんっ!」こくこく
激しく首を縦に振るこりす…心愛はこりすに凝視されながら、それへと着替えた。
「どう?可愛い?」
「ん!!」グッ
パシャパシャパシャ…
持っていたスマホで連写を始める興奮気味のこりす…心愛はノリノリでそれっぽいポーズを取ると、こりすのテンションがさらに上がる。
「次はこりすちゃんもね。」
「…?」かくん
首をかしげるこりす…心愛も同じ衣装を取り出し、こりすをその場で着替えさせる。
「お揃いだね、こりすちゃん!」
「…」もじもじ
顔を赤くしながらも心愛と並び、ツーショットを撮るこりす。チアガール、メイド、チャイナドレス、ナース…などなど、色んな衣装に着替えて、たくさん写真を撮った。ちなみに巫女だけはアズールを連想するとのことで、こりすに却下された。
「お…これもあるのか…じゃーん!キ○アワンダフル!」
心愛は今放送されているプリキ○アの衣装を取り出し…それを見たこりすもキ○アフレンディの衣装を手に取った。
「そうだ!キウィちゃんも呼ぶ?」
「…」うーん
顎に手を当て、悩むこりす…それを見た心愛は1度部屋を出…
「あ痛っ!!」ゴチン
扉を開くと何故かキウィがそこにいた。レオパルトから変身を解除していたようだ。
「キウィちゃん!?ごめんね!でも、何でここに…ってちょうど良かったわ。今、呼びに行こうとしてたの。」
「痛て…へ?アタシに用?」
「とりあえず、部屋に来てよ!」
「ちょっ…いきなり3○は…それに初めてはうてなちゃんと…」
「ほらほら!」グイッ
心愛は強引にキウィの手を引っ張り、部屋の中へと入れる。中にはキ○アニャミーの衣装を持ったこりすが座っていて、死んだ目でキウィを睨む。
「…えーと、どういう状況?」
「可愛い衣装がいっぱいあったから着替えて写真撮ってたの!そしたら、プリキ○アのもあったから…キウィとも一緒に写真を撮りたくて!ほら、今日のお客さんって私とこりすちゃんだけでしょ?」
「そ、そうだけど…」
「レッツ!お着替えタイム!」ガシッ
「ん!」グググ…
「せ、せめてキ○アマジェスティ…ぎゃあぁぁぁ!!」スポンッ
キウィは心愛に羽交締めにされた後、こりすにより脱がされ、キ○アニャミーへと着せ替えられ…3人でポーズを決めて写真を撮り始める。撮られた写真は全て、うてなも入っているグループLINEへと送られた。
ーーー
「…あれ?写真が送られてきた…わぁ。プリキ○アだ。」
「…アイツら、何してんだよ。しれっとキウィも部屋の中にいるし…あのホテルの用途分かっているのか?」
「…多分だけど…心愛ちゃんが全然分かってないと思う。何というか、普通のお泊まり会感覚で楽しんでて…こりすちゃんもキウィちゃんも何も言えない状況かなって。」
「鈍感以前の問題ね…」
「…何々?『うてなちゃんはキ○アリリアンね。』だ?人見知りなところとかうてなに合ってるんじゃねえか?」
「そうかな…あれ?ネモちゃんってプリキ○アみてるの?」
「いや…違っ!心愛に言われて…その…」
「何よネモ~。可愛いところあるじゃないの~。」ニヤニヤ
「ぐ、ぐぅ…」
ーーー
「泡々だね、こりすちゃん。」
「…♪」こく
一通り、衣装を楽しんだ心愛たち…キウィはそのままフロントへと戻り、心愛とこりすはお風呂へと入っていた。広く浅い浴槽に泡の出る入浴剤を使い、泡まみれになる2人。こりすは心愛に前から抱きついた。
「♡」ギュッ
「お?泡々攻撃かな?じゃあ、私も…」ギュッ
裸のまま、抱き合う2人。少しして心愛は腕を離すものの…こりすが離れる様子はない。心愛はこりすの頭を撫でて、離すように促した。
「こりすちゃん、のぼせちゃうから…そろそろ上がろうか。コーヒー牛乳を飲むわよ。」
「…」ふるふる
「ダメよ…せっかくのお泊まり会だから…離れないならこのまま上がるわよ?」
「…」ぷいっ
「はぁ…」
ツンッ
「んん!?」ビクッ
「はい確保!」ダキッ
「ん?んん…!」ジタバタ
「暴れないの…」
心愛に脇腹をつつかれて力が抜けたこりす…その隙を突かれ、心愛にお姫様だっこをされて、そのまま椅子へと運ばれる。2人はシャワーで身体に付いた泡を流し…そのまま風呂場を後にした。
ーーー
「こりすちゃんのパジャマ…大人っぽいわね…」
「ん!」ふんっ
髪も乾かし終わり寝間着へと着替える2人。桃色で無地のパジャマを着た心愛に対して、ドヤ顔で黒い大人なベビードールを纏うこりす(*小学生)。2人はそのままベッドへと入り…
「お休み、こりすちゃん…」
カチッ
「んんっ!?」
カチッ
そのまま、心愛は電気を消した。慌てて、こりすが電気を付け直す。
「んー?どうしたの…こりすちゃん…」
「ん!?んん!ん、んん!!」
「へ…?これからが本番…?ごめんね…今日はもう…眠いの…」
「ん!んんー!」
「寝る前に電気…消しといてね…Zzz…」
「…」ぷくー
心愛にとってはただのお泊まり会…しかし、こりすにとっては一線を超えるべく勇気を出して誘ったホテルデート。これで終わるのは満足出来る筈が無い。
「ー!」ピコンッ
ここでこりすに電流が走る。こりすは眠った心愛の着ているパジャマのボタンに手を掛けて脱がし、下もパンツごと脱がし…全裸に引ん剥いた。
「♡」
「Zzz…」
しかし、起きる気配は無い心愛。こりすも自身のベビードールとパンツを脱いで全裸になり…心愛のお腹の上へと腰かける。その右手には四芒星の変身アイテムを持っていた。
『
「う、うーん…」グルッ
ネロアリスへと変身しようとしたこりす。しかし、心愛が寝返りを打ったため…こりすも一緒に横へと倒れ変身アイテムが手から落ちる。慌てて探そうとするこりす。しかし…
「さ、寒っ…Zzz…」ダキッ
「ー!?」
全裸の心愛に抱きつかれ、こりすの顔が心愛のまな板へと密着し…そのまま湯タンポとなった。感覚、視覚、嗅覚、聴覚、味覚…その五感は全て心愛で支配されてしまい…こりすは考えるのを止めて目を閉じる。数分後、2つの寝息が聞こえ始め…部屋の扉が開き誰かが入ってくる…キウィだった。
「あーあ。結局こうなんのかよ…ったく、心愛に風邪でも引かれたら後味が悪いつーの。」
ーーー
「…ん?もう朝かな…って、こりすちゃん!?」
朝になり、心愛が目を覚ます…裸のこりすが眠ったまま自身へと抱きついていたのだ。心愛は慌てて自分の着ていたパジャマを羽織らせ、布団を被せる。そして、私服に着替え…昨日散らかした衣装を片付けようと動き出す。
「…あれ?ないわね?」
ピンポーン
部屋のチャイムが鳴り、心愛は扉を開ける…キウィがサービスワゴンと共に入ってきた。
「おはよう心愛…よく眠れたか?」
「えぇ、とってもいいホテルだったわ…今度はちゃんとおこづかい貯めてから来るわね。」
「気にしなくてもいいって~。これ、ルームサービスのサンドイッチと紅茶だ。」
「ありがとう~、もしかして部屋も片付けてくれたのってキウィちゃん?遊んだ衣装、どうすれば分からなかったから…」
「あー、クリーニングに出しただけだから気にすんな。」
「じゃあ…こりすちゃんが起きたら帰るわね。」
「おう!…心愛、家に帰ったら『ラブホ』ってワードをちゃんと調べとけよ。」
「え?うん?」
数時間後、眼を擦るこりすと共にフロントへカギを返しにきた心愛は…再び目隠しをされた状態でホテルを後にした。そして後日、キウィに言われた『ラブホ』を調べて顔から火が出たのは別のお話。
ちなみにホテルは数日後、怒り狂ったキウィにより爆破され…跡形も無くなった。
また、不定期に投稿しようと思いますのでよろしくお願いします。