ある日曜の早朝…心愛はチーポに起こされていた。
「何よ…チーポ…日曜の朝っぱらから…」
「休み!何を甘ったれたことをぬかしとるっチ、このダラケ小娘!!正義の味方トランセイザーに休日などないっチ!」
ブスッ
「寝る。」
「あのっ…ボクちょっと言い過ぎました!毎日皆のため頑張る心優しき心愛様!貴方様の大切なお時間を少々お貸しいただけますでしょうか!!…ついでにボクの頭へ突き刺した転神ステッキを抜いてくださいな!」ドバドバ
「んもー、しつこいなー。そんなに大切な用事なの?」スポッ
「もちろんだっチ!学校が休みの間に幻獣界のことをくわしく教えたいんだっチ!」
「えっ…?そういえば私、魔幻獣が出てくるからって警戒していたけど…そもそも生態とか知らないわね。今のところエノルミータとトレスマジアの戦いに乱入してるだけで…詳しいこととか聞いてなかったわ。」
「でしょでしょう!さっ、分かったら起きた起きたっチ!」
「よしっ!目が覚めた!チーポたちの世界のことや魔幻獣が地球を狙うワケを教えてちょうだい!」
「じゃあまずは幻獣…聖幻獣と魔幻獣の説明から!まず、ボクの変身が身体の好きな部分だけとかも出来るということは知ってると思うっチが…」
「うわぁ!今知った!」ゾゾゾッ
心愛はベッドから出て、カーペットへと座り話を聞き始める。するとチーポが喋りながら自身と腕と足を人型まで伸ばした。顔と胴体はそのままなのでウサギというよりはコガネグモのような見た目に代わり、心愛に鳥肌が走る。
「このように我が身を変身させられる能力を持つ我々聖幻獣の住む世界と闇を好んで生きる攻撃的な性質の魔幻獣が住む世界。この2つの世界は隣あっていて…魔幻獣たちの暴走を聖幻獣が変身能力を使っておさえる。そうすることにより表面上は平和が保たれていたっチね。ところがここで世界のバランスを崩すある事件が起こった!!」
「わかったからひとまず元の身体に戻れ!!」
「はーい。」シュルル
「ったく、そうやって本当の姿でいればかわいいのに…」
「ふふふ…甘いわ。実は尻だけ変身しているのだ!!」プリンッ
「意味ねえフェイントをかけるな!!」
ビッターン
腕と足が縮めたチーポだったが…変形した尻だけを向ける。心愛は容赦なく転神ステッキでその尻を叩き、チーポの尻が赤く腫れる。
「心愛…マジアベーゼの影響受けてないっチ?」ヒリヒリ
「違うわよ!あんな痴女と一緒にしないでよ!あ!そういえばエノルミータの気配も分かるのは何で?」
「魔幻獣は闇を好む…つまり、負の感情が溜まる所が印になるってことっチ。そこはエノルミータの奴らも共通みたいで…実際に現場にいくまでどっちか分からないっチ。」
「それで、事件っていうのは?」
「心愛が…君たちが住むこの星…『地球』の発見!!『聖幻獣界』と『魔幻獣界』はお互いが干渉しあってバランスを取っているため…もし力差が崩れもようならば消滅する。…しかし!生命活動が可能な『地球』の発見により目をつけた奴らがいた。魔幻獣の中でも知性の高い集団『ヴォラード』の大首領『ゲ=オ』とその部下である四天王たちだっチ。奴らは自分の支配下におくつもりだっチ!」
「そんなことされたら…」
「いずれ地球の民は奴らの家畜のような存在に!」
「いやー!」
「聖幻獣界も制圧され、バランスを崩した2つの世界が周りも巻き込んでボーン!!」
「うわーー!」
「というワケでボクが聖幻獣代表として地球人にボクらの英知の結晶、対魔幻獣用
「…もし、現れた魔幻獣に私やトレスマジアが負けたら…地球と幻獣界が滅びると…」
「そゆこと♡」
「『そゆこと♡』…じゃねぇよオイ!無茶苦茶大事じゃねぇーか!適当にその日に会った女子中学生を任せていいアイテムじゃねぇー!うわーん!」ガシッ
「うーん、いまさら怒られても…」
涙目でチーポの耳を掴み持ち上げる心愛。気にせずチーポは涼しい顔で人型へと姿を代えた。
「まぁ、そう悲観することはないっチ。トランセイザーに転神すれば変身前の多少の力の弱さなんて関係ないっチ!正義の味方に必要なのは…皆を守りたいという強い心!!」
「強い…心…!」
「チーポ君はピンと来たんだっチよ。最初に心愛をみた時に…この娘は…いい年こいて変身ヒロインに憧れて、それ系のアニメをみて遅刻する…」
「うるさいわよ!ほじくり返すな!別に私以外にもそういう娘いっぱいいるんだから!」
「いや、だからそういう純粋で清い精神が変身ヒーローに必要だって話で…」
「あっ!そういえば私がなりたかったのはあんなゴツいのじゃないわよ!…せめて声だけでも女の子に替えてくれない?」
「身バレ防止だっチ。諦める……!?」
「……チーポ?」
「魔幻獣かエノルミータの気配…心愛!ステッキだっチ!」
「えぇ!いくわよ!リリカルマジカル、トランスマジカル…チェンジ!」
ピカーン
「転神!超空転神トランセイザー!!」
超空転神トランセイザー!
篠原心愛は転神のかけ声とともに空気中の聖幻エネルギーを物質化して身にまといトランセイザーへと変形変身する!
その間わずか0.021ミリ秒!!
ーーー
「ここね。到着…マジアアズールさん!?」
「むー!むむー!」じたばた
「たわわぁ…♡」もみもみ
「おのれ!マジアベーゼ!」
トランセイザーが公園へと着くと、トレスマジアとエノルミータの戦闘が始まっていた。マジアマゼンタとマジアサルファは上半身に軍服を着た少女と戦っており、マジアベーゼと戦っていたマジアアズールは花の怪人に拘束され…恍惚な顔をしたマジアベーゼにより胸を揉まれていたのだ。
「…どうも、トランセイザーさん。今のわたしはとっても機嫌がいいのですよぉ~。どうしてだと思いますぅ?」
「知らな……え?」シュルッ
トランセイザーが足の感触に気が付いた瞬間に別の花の怪人により拘束されたのだ。きつく縛られており、力ずくで抵抗するも解ける気配はない。
「これからアナタを~、好きにできるから…フフフ♪」
「ぐっ…来るな!!」ギチギチ
「トランセイザー!?」
「相手に何もさせない、シンプルですが奥深い作戦ですよね。…んー、スーツ越しの感覚ですけど…あんまり胸は無いようですねぇ。」さわさわ
「……ひぃ!」ビクッ
「あらあら…このお尻は…どうやら、本当に中身は女の子のようですね……それじゃあ、スーツが壊れるまで叩いてみましょう。」さわさわ
ぺち、ぺち…バシバシバシバシッ!!
スーツの感触を確かめるかのようにトランセイザーの全身へと触れるマジアベーゼ…その手の感覚は伝わらないことを理解しつつも愛を込めて撫で続ける。そして…花の怪人の蔦と共に鞭でトランセイザーを叩き始めた。
「ぐぐぐっ!?逃げれない!いやー!!」
「トランセイザー!…マジかよ、あの女…トランセイザーも守備範囲内だというのかっチ!おっさん声なのに…おっさん声なのに!?」
「んん~?女の子だけど中身が分からない…これって立派な『萌え』ですよ。」
バシバシバシバシバシッ!!
「うぷっ!全身が揺れて…気持ち悪い…」
「痛みはない、と。へ~、頑丈なスーツですね~。じゃあ、変身が解けるまでこのまま攻撃を続けてあげましょう。アナタの意識が失くなるのが先か…スーツが壊れるのが先……!?」
「…かはっ!」
「レオちゃん!?」
トランセイザーを攻撃していたマジアベーゼだったが…仲間の『レオパルト』が自身のそばへと転がってきたのだ。
「バカみたいに魔力使い過ぎや。楽勝やったで~」
「大丈夫トランセイザー?」
「マジアサルファ……マジアマゼンタさん…」
「…どうやらここまでのようですね。トランセイザーさん…次はそのスーツを壊して…中身を引きずり出してあげますからねぇ?」
「ひぃ!」ビクッ
「このまま逃がすと思とん?」
合流してきたマジアマゼンタとマジアサルファに余裕の笑みをマジアベーゼが向ける。
「…これを見てもですか?」
バシッ
「ー!」
「アズール!?」
ボンッ
「小さくなった!?」
「…フィギュアやな。また身代わり…芸がありまへんなぁ。けれど…」
「上手く逃げられたっチね。」
マジアベーゼが鞭を叩くと拘束されているはずのマジアアズールが現れ、マジアマゼンタたちの動きが止まる。そして、一瞬で魔物化は解けるも…その跡には…マジアアズールのフィギュアのみが残っていた。
「…じゃあ、早くアズールとトランセイザーを助けないと。」
「マゼンタ、
「分かった。」
………
数分後、マジアサルファは花の怪人を倒しトランセイザーを解放した。
「…情けないところを見せたわ。」
「それを言うたら…ウチらは何度見せたと思てんねん。はぁ…顔が隠れとんのが羨ましいわぁ。」
「そういえばマジアサルファは何でトランセイザーの正体が分かったっチか?」
「いや、普通にチーポはんといたからやけど?それに学校に入ってきた時点で怪しさ満点やで。まぁ、安心しいや…トレスマジアでそのこと知っとるのは今のところウチだけやろし。」
「…マ?」
「チーポ…お前が原因じゃねーか!?」ギチギチ
「んんん!?苦しい…トランスナックル…やめるっチ。なら、今からでも光のパワーで…」
「あっ!先に言うとくけど、ウチにはそういうの効かんと思うで。魔法少女の加護ってやつやな。」
「…内緒にして欲しいっチ。もしバレたら…ボクのボーナスが!ボクのボーナスが!!」
「土下座までしてボーナス!?私の心配をしてよ!!かお…じゃなかった!マジアサルファ、助けてくれてありがとう。」
「お互い様やで。そっちの事情もそのうち教えてや。それに…気ぃ付けや。マジアベーゼ、どんどん強うなってきとるさかいに。」
「うん…」
今回、トランセイザーは強くなったマジアベーゼに敗北を経験することなった。ならばもっと強くなれトランセイザー!ボクのボーナスのために…あ!」
「地の文っぽくシメてんじゃねぇ!」
「バレちった…でも次こそはあのクソヤバ女にお灸を据えてやるっチよ。」
「当たりま…!?」
『中身を引きずり出してあげますからねぇ?』
「ーーーっ!?はっ…!はぁ…はぁ…」ガクッ
「心愛!?大丈夫っチか?」
「ヤだ…ヤだヤだヤだヤだヤだヤだ…!」ガクガクガクッ
「…
ーーー
「はぁ…はぁ…大丈夫?」
「い~っ!むかつく~!あいつら戦い方を覚えてきてる~!…助けてくれてありがと、うてなちゃん。でもごめん、フィギュアが…」
「いいの。キウィちゃんが無事でよかったし………トランセイザーに勝てたから。」
「…は?あの銀色?クソ弱かったじゃん。あんなオッサンのどこがいいの?」
「あれはボイチェンによるものだよ…実際に中身は女の子だった。はぁ、心が折れたと思うし…復活が楽しみだなぁ。」
「復活が楽しみ?何で何で?」
「変身ヒロインのお約束だからだよ。それでまたわたしが折ってあげて…復活して、また折ってあげて…ふふふ。」じゅるり
「ぶー!ぶー!アイツはトレスマジア側でしょ!でも~、うてなちゃんが望むなら…キウィちゃんも折るの手伝うよ~!だからうてなちゃん…ちゅーしよ♡ちゅーしてホテル行こ♪」
「ホッ!?」
「ちょうど目の前にあるよ!!行こ行こ♡」ぐぐぐぐぐ
「ダメ!キウィちゃん、ダメ…力強っ!!」