魔法少女なヒロインにあこがれて   作:アマノジャック

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エピソード34 『チーパオの下にインナーを履くのはルール違反』

「お疲れ様です…マジアサルファ。」

「ほれ、アンタはんの大好きなトランセイザーやで。魔幻獣戦後でろくに動けんさかい…好きにしいや。」

「ありがとうございます!はぁん…昨日ぶりですねぇ、トランセイザー様ぁ♡」チュッ

「マジア…ベーゼ…」

 

トランセイザーを捕らえたマジアサルファはマジアベーゼの元へと着く。辺りは既に真っ暗、マジアベーゼの目はハートへと変わり…渡されたトランセイザーへと抱き付き、そのままフルフェイスへとキスをする。動けないトランセイザーは…されるがままだ。

 

「ほな、ウチのお願いを聞いてもらいましょか…総帥はん。」

「えぇ、えぇ!何でしょうか?何でしょうか?」

「エルノミータの総帥の座を…よこせ!」ブンッ

「おっと!?」サッ

「なっ…!?」

「チッ…外したか。」

 

マジアサルファはナックルをマジアベーゼへと向けた。マジアベーゼはトランセイザーを抱えたまま距離を取って回避し、第2形態へと変化する。

 

「早速、わたしに牙を向けてくるとは…血気盛んな新入りさんですねぇ。」

「せやな…トレスマジアやと上下関係とかあらへんかったから、そんなん出来ひんかったし…やっと暴れられるわ!」

「……いつまでそのノリを続けるおつもりで?エノルミータを乗っ取る気などハナから無いのでしょ?」

「はぁ…バレバレかいな。」

「前にも言ったでしょう…アナタがわたしの元に付くなどありえない、と。トレスマジアが羨ましいですよ。アナタのような仲間想いな人がいるのですから…」つー

「…この状況で…嘘でしょ?」

「チッ!その口を閉じんかい!」

「いいえ、閉じません。」

 

マジアベーゼの目から一筋の涙が流れる…その様子にトランセイザーはドン引きした。しかし、それはマジアサルファを怒らせるだけだった。ナックルで攻撃するもマジアベーゼはトランセイザーを抱えたまま回避し続ける。

 

「仲間に止めをさす魔法少女がどこにおんねん!」

「わたしに勝てないと判断し、裏切るフリをした…全員疲弊していましたからねぇ。そして、このまま隙をみてトランセイザー様の回収…もしくは1人でわたしを倒そうとしたのでしょ?完璧な作戦でしたよ…不可能だということに目を瞑ればですが。」

 

『メナスヴァルナー』

 

「がっ…!?」ギゴンッ

「サルファ!」

 

マジアベーゼは片手で鞭を振るい…紫色の斬撃を飛ばす。マジアサルファは左腕で庇ったもののナックルは破壊され、衣装も破れ…露になった肩から胸にかけて切られたような傷を負う。

 

「どうされました…もうお仕舞いですか?」

「アホ…抜かせ…」

「そうこなくては♡」

 

パンッ

 

マジアベーゼは黒い空間を作り出すと…中からタコの魔物を召還した。

 

「…」

「これって海でみた…タコ!?サルファ!」

「ッ!」ダッ

 

マジアサルファは一瞬でその場から離れた。しかし…

 

「遅い。」

「…」ビュン

 

ボコッ

 

「……ッ!!」

 

タコの魔物の3本の触手が合わさり1本の槍となり、マジアサルファへの腹へと当たる。動きが止まったところで2本の触手がマジアサルファの腕と足を捕らえ…そのまま、自身の元まで運んだ。

 

「…」ギチッ、ギチッ…

「ひっ…!!あぁああっ!!来んな…来んなあぁーー!!」

「サ…ル…ファ…」

「トランセイザー様の前でそんなに怯えて可哀想に…どうしてそこまでタコが嫌いなのかお聞かせていただけますか?」

 

タコの魔物はトランセイザーを捕らえており…マジアベーゼが不敵な笑みで高みの見物を決めていた。

 

「はぁ…拍子抜けですね。これならアズールひとりの方が楽しめました。」

「…!!あ"ぁあ"あ"ぁっ!!」

「…」ブチブチブチッ

 

マジアベーゼの言葉に反応してか…マジアサルファは魔物の触手から力ずくで抜け出した。再びナックルを召還し、マジアベーゼへと向かう。

 

「まだや!!負けて…負けてたまるかぁぁぁ!」

「…なによりです。」

 

『メナスヴァルナー』

 

「!!」ギゴンッ

「サ…ル…ファ…!」

 

マジアベーゼの斬撃が当たり…マジアサルファは地へと落ちた。

 

───

 

「見つけました…大変です!サルファさん…こんなにボロボロになって!」

「トランセイザー様もいるわ!」

「…マジアサルファはマジアベーゼのところに連れていってたっチね。おい、白猫。ことと次第によったら…分かってるよな?」

「ですから、サルファさんには何か考えがあったんですってば!」

「…(アタシは何でトレスマジアと一緒にいるんだろ?)」

「ヴァーツ、チーポさん、グリーンさんはここで待っていて!行くわよマゼンタ!」

「待ってアズール!」

「どうしたのマゼンタ?サルファが裏切ってなかったのが分かったでしょ?…怖いなら、私1人で行ってくるけど…」

「違うのアズール。今行ったら…きっと…サルファは…あー!何て言ったらいいのか分からない!でも、今行ったらいけないと思うの!!」

「…っ!サルファ…」

 

───

 

衣装は完全に消失し、顔は黒いアザで覆われ、身体は鞭による傷でボロボロの状態…だが、それでもマジアサルファは足を震わせながら何とか立ち上がった。しかし、目の前には自身へと鞭を向けるマジアベーゼ。

 

「もうすぐ、あなたの意思は無くなり…わたしの使役する魔物となります。しかし…負けを認めれば魔物化の呪いを解き、帰して差し上げますが。」

「悪の組織の…総帥が…敵を目の前にして…帰ってええとか……どんだけ、ナメくされば気が済むんや!正義のヒロインやぞ!!誰に何言うてくれてんねん!ベーゼ()名乗るなら!分を弁えたらどないやの!」

「敬服しますよ…では、さようなら。アナタのことは一生大事に使いますので。」

 

マジアベーゼは止めの鞭をマジアサルファへ叩こうとした次の瞬間、マジアサルファから大量の四芒星が溢れ出していた。

 

「──何や!?いや、これって…アズールがなってた…!?」

「…やっと来ましたか。嗚呼、何度みても美しい。」

 

マジアサルファは首のハートへと手を添えた。

 

真化(ラ・ヴェリタ)

 

マジアサルファの全身が輝きだし…顔に付いた黒いアザが弾かれるように消えた。そして足にはハイヒールが履かされ、両腕にはそれぞれ3つのリング、頭は2つの団子が出来たかと思うとシニヨンキャップが被らされ、服装はヘソが丸出しのチーパオを纏い、最後に背中から翼が生えた。マジアサルファの真化形態…その名は…

 

『マジアサルファ 電撃天使(ブリッツエンゼル)

 

 

「終わりましたか?」

「何や待っててくれたんや…トランセイザーはええの?」

「気絶したみたいでして…何の反応も無いのですよ。それに…新フォームの初お披露目を邪魔するなど以ての外でしょう?」

 

距離を取っていたマジアベーゼはタコの魔物にトランセイザーを任せるとそのまま鞭を振るった。

 

『メナスヴァルナー』

 

マジアサルファに大ダメージを与えた斬撃を大量に飛ばすマジアベーゼ。対してマジアサルファは腕に付いたリングを飛ばし…

 

バチッ

 

「な…!?(わたしの攻撃がはじかれ…!?)」ボコッ

「チッ…全部は当てられへんかったか。」

「複数あるリングの遠隔操作…ですか?初めてなのにずいぶんと使いこなせているようですねぇ。」

風とクナイ(似たようなの)を使ったことあるからかもなぁ。」

 

リングから拳が現れる、3つの拳が攻撃を相殺すると同時に残りの3つがマジアベーゼへと当たり電撃が走らせる。

 

「似たような物?わたしの知らないサルファの秘密が?しかし、これは…全力でいかなければですねぇ!」

 

『メナスロンド』

 

マジアベーゼは立ち上がると…自身の鞭を長く伸ばして振るった。すると『メナスヴァルナー』よりも長い斬撃が生まれ、それがマジアサルファへと向かう。マジアサルファはリングを自身の足へと装備すると…空中を高速で移動し、斬撃をすり抜けて、マジアベーゼへと距離を詰めた。

 

「(シルバー・ストームの風を操ってる時よりも速いし…使いやすい!)何やこれ!?攻撃が止まって見える!自分の身体とちゃうみたいで…めっちゃ、楽しい!」

「っ!!」

「せやねん!ウチ、こういうの…やりたかってん!」

「いいないいな…いいなぁ!!ズルいですよ1人だけ!わたしだって…愉しみたいのに!」

「やっぱしアンタ…おもろいわ!」

 

鞭を使い斬撃を飛ばすマジアベーゼとリングを操り電撃の拳を当てるマジアサルファ。真化の差によりマジアサルファがマジアベーゼを圧倒していた。マジアサルファは地面を蹴り、一気にマジアベーゼへと近づき…

 

「そういえばですけど…わたしも目で高速な動きを追えたりするのですよね。」

 

『メナスシュート』

 

ゲシッ

 

「うおっ!?」

 

マジアベーゼは足に魔力をため…自身の目の前に高速で迫ったマジアサルファを蹴り返す。反応されたことにマジアサルファは驚いたものの大きなダメージは無い…そして、蹴りにより隙の出来たマジアベーゼを見るとニヤリと口を歪め、6つの拳を飛ばした。

 

雷霆掌(らいていしょう)(つらね)

 

「あがっ…かっ…!」

 

マジアベーゼは素早い反撃に対応出来ず大量のロケットパンチをモロにくらい…そのまま地面へと叩き落とされた。そして、全ての拳がリングへ代わり、マジアサルファの腕へと戻る。

 

「これで仕舞いや…マジアベーゼ!」

 

マジアサルファは倒れたマジアベーゼに拳を落とすと…黒い空間が現れ、地面に溶けるように消えた。

 

「!?」ザッ

 

慌てて距離を取るマジアサルファ…崖の上にはマジアベーゼを抱えたレオパルト、ネロアリス、ロコムジカ、とエノルミータたちの姿があったのだ。

 

『ヴォア・フォルテ』

 

マジアサルファへとロコムジカの音波攻撃が放たれる。リングを構えてマジアサルファは迎え撃とうとすると…

 

竜の息吹(ドラゴンブレス)

 

ボーーン

 

どこからか緑のエネルギー弾が飛んできて、マジアサルファを音波攻撃から守ったのだ。そして、煙が晴れると既にエノルミータの姿は無かった。次の瞬間、マジアサルファは真化が解け…その場で倒れた。

 

「サルファ!」

「無事ね!」

「…」

 

「マゼンタ…サルファ……グリーンはん。」

 

マジアマゼンタを筆頭にマジアアズール、グリーン・ドラゴンが合流する。さらにマジアアズールの肩にはトランセイザーの姿もあった。

 

「もー!サルファってば!!あたしたちいっぱい心配したんだから!」

「マゼンタ…そ、そないに…泣かんでも…」

「…」

「グリーンはん、先ほどは攻撃してすんまへん。そんで…そんなウチを…助けてくれて…ほんまにありがとうな。」

「…たまたまだ。」

「サルファ、さっきまで『真化』していたのよね?」

「せやでアズール。けどこれ…めっちゃ疲れるなぁ…アンタにぎょうさん無理させとったかもな…」

「まったく…もう。トランセイザー様も助けれたことだし…今日は帰りましょう。」

 

マジアサルファによる単独行動は…今、終わった。

 

───

 

「うん、いいね。これでサルファも真化に導けたよ。」

「でもいいんですかぁ、ヴェナさぁん?マジアベーゼぇ…卸しにくくなってるんじゃぁ、ないですかぁ?いざとなれば私がぁ…」

「頼もしくなってる証拠だよ。今は総帥らしく振る舞って貰うとしよう。」

「そぉですかぁ。」

「…さて、ベーゼの真化のカギは…やはり、トランセイザーだろう。シスタ、キミには少しだけ動いて貰うとしよう。」

「分かりましたぁ。」

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