魔法少女なヒロインにあこがれて   作:アマノジャック

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エピソード43 『シオちゃんズ登場!爆誕、銀色の魔法少女!』

目が覚めた水神小夜と篠原心愛の前には1人の小さな少女と2人の高校生がいた。

 

『変身☆』

 

そして、3人同時に魔法少女へと変身した。

 

「あなたたちは…?」

 

「新しい魔法少女…ってことらしいわ…」

 

「薫子!はるか!ヴァーツ!」

 

「あなたたちが…助けてくれたの?」

 

近くには天川薫子と花菱はるかもおり、疲労のためか背を岩へと預けていた。

 

「そうなの!私は『イミタシオ』の忌田(いみた)シオン♡」

「『パンタノペスカ』桃森(もももり)百花(もも)ですわ。」

「『ベルゼルガ』多田(ただ)蘭朶(らんだ)…」

 

自己紹介をする3人。そして、イミタシオは小夜と心愛の目の前へと来る。

 

「アブないところだったの~、もう少しであなたたちはマジアベーゼに取り込まれていたの☆」

「そんな訳ないわ!彼女は…レオパルトが…」

「黙れ。」

「「──!?」」ぞくッ

「いっけなーい♡怖がらせてしまったの☆まぁ、エノルミータのメンバーは全員ヴェナに回収されちゃったのだけどね~」

 

小夜の言葉を遮り、ドスを効かせた声を出すイミタシオ。小夜と心愛の額に汗が走る。

 

「でもアズール様とベーゼ様の戦いはとっても良かったですわ!まさか生で見られるとは思いませんでしたの!!」

「へ?」

「特に追い込まれている時に口から氷の牙を伸ばして反撃したところからが最高で…」

「も~!お話の邪魔したらダメよパンちゃん!」

「あら、私としたことが…」

 

テンション高めにパンタノペスカが小夜へと語り始めるが、イミタシオにより止められた。ここで、岩にもたれた薫子が声をかける。

 

「アンタらがマジアベーゼに捕まってたその娘を…心愛を回収したんやろ?そない強いくせに…今までどこで何してたん?」

「そうですよ。力ある魔法少女たちは『ロード団』に倒されてしまったはず。それに…ベルゼルガ!彼女は以前にボクがスカウトした魔法少女です!」

「そうなの?」

「はい…名前も変わり、真化まで会得しているみたいです。」

 

ヴァーツの説明を聞き、小夜がパッと顔を明るくさせた。

 

「何が何だが今は情報が捌ききれないけど…同じ魔法少女なら協力できるってことですよね!そうでしょうイミタシオさん!」

「ん~?それは無理なの。だってあなたたち…弱すぎるの☆」

『─!?』

「エノルミータは私が潰すの♡だからトレスマジアは魔法少女をやめてもいーよ♡」

「なんやて…!?」ギリッ

「どういう意味か分かんなかった?それなら力ずくでも…」

 

『変身』

 

トレスマジアを見下しながら宣言するイミタシオ。それを薫子が睨むと…イミタシオは巨大な剣を向ける。次の瞬間、小夜がマジアアズールへと変身した…がその姿は衣装は完全に回復しておらず全身が纏えないほどボロボロである。しかし、それを気にすることはなくマジアアズールは口を開く。

 

「…撤回しなさい。今の言葉。」

「ん~?」

「撤回しなさい!私たちは決して弱くない!」

「…チッ。ドイツもコイツも…私が怒らないうちに従うのが身のためなのに。衣装すらろくに纏えないの状態で…私に歯向かうつもり?」

「…撤回させるだけよ。だいたい、力ずくでって言ったのそっちで…」

「アズール!上!」

 

ゴシャ

 

心愛が警告を出すも遅く…ベルゼルガがマジアアズールが地面へと押さえつける。

 

『アズール!!』

 

慌てて助けに行こうとする心愛、はるか、薫子の3人だったが…立ち上がれずにその場で倒れる。

 

「パンタノペスカ。」

「ごめんあそばせアズール様。」

 

ズヌヌヌ…

 

「なっ…!これは!?」

 

パンタノペスカが杖で地面を叩くとドロドロした土がマジアアズールの腕と足を埋めて拘束した。そして、イミタシオはそんなマジアアズールへと歩み寄る。

 

「そんな単純な拘束も解けず…君たちは真化状態を保てないどころか…変身も出来ず無様に地へと伏している。」

「アンタらは…最初から戦いにいなかったでしょ…」

「篠原心愛…あなたも途中からの参戦だったよね?でもそんなにボロボロ…まぁ、弱いからこうなったのだけど☆」

「くっ…!」

「この際だから思い知らせてあげるの…どれだけ無様なのかをね♡」

 

動けないマジアアズールの上へとイミタシオは座り…尻を叩いた。

 

パァン

 

「あぁ!?」

「言うこと、聞かない、子供は、おしり、ペンペンなの♡」

「あっ!ひぎっ…!」

「や、やめてよ!!」

 

はるかの言葉を無視し、マジアアズールの尻をイミタシオは叩き続ける。マジアアズールの尻は真っ赤に腫れる。

 

「だったら動いて止めてみせろなの~。君たちは今、それさえも出来ないほどに無力なの♡その惨めさを………思い知るの☆」ゲシッ

 

最後に蹴りを入れるイミタシオ…しかし、その頭上で形成される魔法陣に気づく様子はない。イミタシオの動きが止まったところでマジアアズールが大声を出した。

 

『愛のクレバス』

 

「あらあら?」

「危ない!シオちゃん!」どんっ

 

「…へ?」

 

ドシャンッ

 

イミタシオには失敗したものの、召還された小さな氷山がパンタノペスカとベルゼルガを封じ込めた。それにより手足の拘束が解け、マジアアズールは立ち上がる。

 

「はぁ…はぁ…あなたの仲間を無力化させたわ。」

「ふーん……で?」

「私たちの力を見せた…これでも弱いと言うつもり?」

「弱いね☆」

 

ブンッ

 

イミタシオは召還した巨大な剣をマジアアズールへと振るう。

 

「──!?」

「何その顔?私があの2人を助けにいくとでも思った?そう思っている内は弱いままなの♡」

 

間一髪でイミタシオの攻撃を避け続けるマジアアズール…しかし、ボロボロの身体では思うように動けず…徐々に追い込まれる。そして、ついには変身が解け…小夜はその場から動けなくなった。そんな小夜へとイミタシオは無慈悲に剣を向け…

 

「やめてよ!」

 

「心愛…」

「心愛ちゃん…」

「心愛!」

 

「…チッ。篠原心愛ぁ!」ゲシッ

「──があっ!」

 

イミタシオの足を後ろから掴む心愛。それにイミタシオが激昂し、蹴り飛ばす。

 

「篠原心愛ぁ!トレスマジアでもない貴様が…なぜ私の邪魔をする!トランセイザーになれない貴様に…何が出来るっ!!」

「魔法少女だとかトランセイザーだとか関係ない!友達をいたぶるアンタが気に入らない!」

「そうか。なら…貴様から殺してやる!」

 

「ヴァーちゃん!ごめんね!」

「わ…はるかさん!?それは…」

「心愛ちゃん!これを使って!」

 

遠くからはるかが何かを投げてきた…それはハートの形をした無色の変身アイテム。心愛が受けとると同時にそれは銀色へと染まった。そして、心愛は迷わずに呪文を唱える。

 

変身(トランスマジア)

 

次の瞬間…心愛の姿が変わる。トレスマジアの3人の色がピンク、水色、黄色とするなら心愛の色はトランセイザーと同じ銀色。心愛のピンクの髪も銀へと染まり、銀色の魔法少女となったのだ。そして、手元に現れたステッキから光の刀身が伸びる。

 

「…は?」

 

予想外の展開にイミタシオの動きが止まった。その隙に銀色の魔法少女はライトセイバーで大剣を弾き、イミタシオを遠ざける。そして、小夜を担ぎ、はるかと薫子のそばまで運んだのだ。

 

「大丈夫、小夜?」

「ありがとう…心愛よね?」

「そうよ…この姿の名前は後で考えるわ。今は…」

「イミタシオね。…戦える?」

「任せて!」

 

銀色の魔法少女はライトセイバーを手に持ち、イミタシオへと迫る。

 

「アハ…♡」

 

イミタシオは何かを取り出し…自身の左腕へと装着した。

 

「心愛さん、気をつけて!何かしてきます!」

「待って!あれって…!?」

「トランチアーになるためのブレスレットや!」

「何故彼女がそれを…!?」

 

そして、そのまま腕を上へと向けた。

 

()()変真(トランス)

 

次の瞬間…灰色の髪が薄いピンクへと染まり、巨大な籠手を左手に装着したイミタシオの姿が現れた。

 

「な…!」

「さっさと終わらせてあげるの☆」

 

イミタシオは籠手から1本の短剣を取り出したかと思うと…それは長い蛇腹剣へと形態が変わる。そして、それをそのまま振るい…弾こうとしてきたライトセイバーごと銀色の魔法少女を拘束したのだ。

 

「くっ…!」ギチギチッ

「アハハハ…終わりだ!篠原心愛あぁぁ!!」

 

 

『Falling † Rebellion』

 

ドシンッ

 

「がっ…!!」

 

蛇腹剣は輝きながらさらに伸び、銀色の魔法少女を空中へと持ち上げ…そのまま地面へと叩きつけた。結果、激しい砂煙が舞いあがる。煙が晴れるとそこには変身が解け、倒れた心愛の姿があった。

 

『心愛(ちゃん)!?』

「はぁ…はぁ…アハハハ!ハッハッハッ…」

「シオちゃん…楽しそうだね?そんなやつを相手して楽しかったの?嬉しかったの?」

 

はるか、小夜、薫子の心配を他所にイミタシオは大きな笑い声をあげながら元の灰色の魔法少女へと戻る。それに不機嫌な様子でベルゼルガが迫りよる。

 

「んーん☆どーでもよかったけど…なんか、熱くなっちゃった☆じゃあ、そろそろ帰ろっか☆その前に…」

 

イミタシオは倒れた心愛の元へと行き…すぐそばに落ちていた銀色のハートを回収した。

 

「返しなさい!それは心愛のよ!」

「じゃあね、トレスマジアと篠原心愛!エノルミータはシオちゃんズにまかせるの!」

 

イミタシオたちは小夜の言葉を無視してそのまま白い空間へと姿を消した。残されたのは心愛、はるか、小夜、薫子、ヴァーツの5人。小夜は倒れたままの心愛を抱える。

 

「…」

「小夜…」

「勝手に現れて…勝手な事ばっかり言って…!このままじゃ終われないわ!もっと強くなってみせる!」

 

小夜の言葉にはるかと薫子は力強く頷いた。

 

 

───

 

一方のナハトベースでは…

 

「以上が君たちの身に起こった出来事だよ。」

 

ヴェナリータが一部始終の映像をエノルミータのメンバーへとみせていた。

 

『…』

 

トランセイザーの正体発覚、レオパルトとマジアアズールのトランチアー化、黒いマジアベーゼの腹へと刺さる剣、衝撃的な出来事の連続で一同が沈黙する中でヴェナリータはさらに言葉を続けた。

 

「レオパルト…いや、トランチアーと言うべきか。その一撃がベーゼを救ったことになる訳だが…その時に大量の魔力が溢れてしまい…そこからは映像が乱れたため残念ながら観測は出来なかったよ。」

 

最初に口を開いたのはネモだった。

 

「トランセイザーの正体が心愛だってのは…間違いじゃないんだな?」

「あぁ…柊うてな、君のお陰で分かったことだ。誇っていい。」

「…」

 

うてなの表情は暗いままである。

 

「…真珠たち、今までトランセイザーに…心愛にいいように利用されてた…ってことよね。」

「…いや、違ぇだろ。あのマスコットに言われてトランチアーになっただけで心愛本人は…」

「それは…分かってるけど…」

「心愛ちゃんが…トランセイザー様で…でも…わたしの友達で…う、うぅ…わたしは!なんてことをっ!!」

「ん!?」

 

全員が暗くなる中でうてなから涙が溢れ始め…その場で大声を出し、膝をついた。

 

「みんなも…ボロボロになって…戦ってくれたのに!ひぐっ!わたし…うぅ!あそこで…倒されるべきで…!み、みんな…ごめ…ごめんねぇ!!ゔぅうううう!!」

「ん!んん!!」

 

泣きながら全員に謝罪するうてな。こりすはそんなうてな頭を撫でられながら慰め始める。

 

「いや、倒されて困るのよこっちは…」

「謝んのはそこじゃねぇんだが…とりあえず、うてなが人のままで良かったぜ。」

「そうね…それより、キウィ。」

 

「…」

 

そんな中で終始、キウィは無言でいたのだ。

 

「アンタなら真っ先にうてなを慰めにいくと思ったけど…何かあったの?」

「…ケガが痛むとかか?」

 

「…」

 

キウィは無言のまま、四芒星の変身アイテムを取り出し…

 

『変身』

 

レオパルトへと姿を変えた。

 

「…は?アンタ、何のつもりで…」

「いや!みてみろ…口輪が無くなってるぞ!」

 

ある日を境に付けられたレオパルトの口輪が無くなっていたのだ。そして、すぐに変身を解きキウィへと戻る。

 

「あーあ、思い出してしまったわ…」

 

「おや、トランセイザーに敗れた時のことでも思い出したのかな?」

 

ヴェナリータの発言に全員の視線がキウィへと集まる。

 

「…え?トランセイザー様に…敗れた?」

「ん!?」

「アンタ…いつの間にそんなことを?」

「まさか、あの口輪って…」

 

「あー、後でゆっくり話してやんよ。で、ヴェナちゃん?他に何か無いの?」

 

キウィが睨むようにヴェナリータへと顔を向けた。それに対して、ヴェナリータは別の映像を映し出す。

 

「あぁ、あるとも。新しい魔法少女の出現だ。」

 

そこに映ったのは蛇腹剣を右手に持ち、左手には心愛を抱えた灰色…否、ピンクの魔法少女…イミタシオだった。

 

「なるほどなぁ…コイツが心愛を回収してたんだぁ。」

「今頃はあのクソウサギと一緒にいるんじゃないかな。」

「新しい魔法少女…心愛ちゃん…トランセイザー様……」アワワワ…

「うてな!アンタ、脳がキャパオーバーして泡吹いてるわよ!」

「ハンッ、すぐに取り返してやるよ!あのクソガキが…心愛はアタシの物だ!!」

「キウィ、お前はお前で何があったんだよ!?」

「…キウィちゃん?心愛ちゃんはわたしの物だよ?」ガシッ

「あん?アタシの物に決まってんだろ?」ガシッ

「ん!んん!んーー!!」

 

互いの胸ぐらを掴み合い睨むうてなとキウィ…そこにこりすがジャンプをしながら抗議をし始める。

 

「ちょっと!?こりすも加わって三つ巴の喧嘩が始まったのだけど!?」

「おいヴェナ!今日は帰らせろ!アンタにも色々聞きたいが、これ以上は組織が崩壊しかけねぇ!」

「そうだね。今日の所はこれにて解散としよう…まぁ、ゆっくりと話し合うことだ。」

 

ヴェナリータは黒い空間を作り出し…エノルミータ全員を返す。それと同時にシスタギガントが現れ、ヴェナリータへと声をかけた。

 

「大変なことになりましたねぇ…ヴェナさぁん。それにしてもマジアベーゼからトランセイザーの変身者を奪還したイミタシオ…何者なのでしょうかぁ?」

「欲望のままに捕らえていたとはいえ、あの時のベーゼはただの無防備な魔力の塊だ。だが篠原心愛をベーゼが取り込む前に回収されたのはかなり痛い。」

「ヴェナさん、もしかしてぇ…珍しく怒ってますかぁ?」

「…あぁ。だが使える駒が増えた。それはボクの計画をより良いものしてくれる…そう考えることにしよう。ゲームがどう動くのか楽しみだよ…これ以上邪魔をするなよクソウサギ!」

 

───

 

「お帰りっチ…XXX。」

「あはは☆何でここにいるのかな♡てか、その名で呼ぶななの☆虫酸が走るの♡」

「じゃあ、『ブレインピンク』って呼ぶっチ。」

「忌田シオン!…次、それ以外で呼んだら殺すの♡」

「ブレインピンク、バイトの時間っチ。さっさと行ってこいっチ。ボクは心愛を回収してくるっチ。」

「チッ。次に会ったら殺すの☆」

 

 

「…やれやれ。まさか転神石そのものを生成する人間が出てくるとは。地球…面白い星っチね。」




()()変真(トランス)…魔法少女でありながら、トランチアーの力をも使える謎の形態。使用条件不明。現在の使用者はイミタシオのみ。


イミタシオが『転・変真』で使用した籠手や必殺技のモチーフはシンフォギアシリーズの『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』です。勿論、アガートラームの方です。これも中の人つながり…だといいな。次回の投稿で最後です。アニメが放送されるまでお待ちください。
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