魔法少女なヒロインにあこがれて   作:アマノジャック

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本来は次は滝行回で、投稿が来年に始まるアニメ2期に合わせる予定だったのですが…何となく書きました。オリジナル回です。


エピソード45 『キャラの女装や男装、英雄や戦艦や馬の擬人化とかは好きだけど…性転換だけは何か嫌』

篠原心愛はプレイヤー"ココア"として乙女ゲー『ときめきリアル』の世界へと飛ばされていた。

 

「何!?この始まり方!?」

 

ココアの通う私立まヒあこ学園(共学)は海の見える丘の上にある。

 

「…まヒあこ学園?ひらがなの中にカタカナ混ぜるって凄い名前の学校ね。」

 

学園の名所『屋上』…ここで愛を語り合ったカップルは幸せになれるという。

 

「何かありきたりな設定…」

 

その屋上から海を眺めるココア…そこへチーポ(*人間態)が姿を見せた。

 

「どうしたっチかココア。1人で突っ込んで…頭でも沸いてるっチか?」

「チーポ!?てか、プレイヤーへと語るセリフじゃないわよね!?」

「またサボり?大魔法少女先生に魔法をかけられるっチよ。」

「え?もしかしてこの世界ってファンタジーとかそういうジャンル?」

「まさか。大魔法少女先生は中二病を拗らせて未だに魔法が使えると信じ込んでいる20歳のロリババアっチ。」

「何その可哀想な設定!?」

 

何やかんやでココアは教室へと戻った。

 

 

Now Lording ……

 

「はーい☆授業を始めるの☆」

「イミタシオかよ…」げんなり

 

イミタシオは顔の左半分を仮面で覆い、下半身がエグい角度のハイレグという教師とは程遠い格好をしたまま大剣を足場に黒板へと授業内容を書いていた。

 

「えーと、教科書の57Pに書いてある…」カキカキ

 

「(ただ淡々と授業が進むだけね…ここがゲームの世界だというのならそろそろイベントが…)」

 

「あ…消しゴムが…」ポロッ

 

「来たわね!」

 

近くで聞こえる異性の声と転がってくる消しゴム。定番とも言えるこのイベントによりココアのテンションが少しあがり…

 

「消しゴムが…」

「ん…」

「消しゴムが…」

「消しゴムが…」

「消しゴムが…」

「消しゴムが…」

「消しゴムが…」

 

「ゲームイベントで手を抜くんじゃないわよ!?」

 

まさかの同時イベントだったのだ。

 

「とは言え男子たちとのイベントか…」くるっ

 

ココアがワクワクした顔で後ろを振り返る。すると…見覚えのある友人たち8人が男子の制服を着て並んでいた。ちゃんと胸も男の胸へとなっている。

 

「…正直、誰とも恋愛したくないわ。」げんなり

「どのキャラを選ぶかでストーリーはガラリと変わるっチ!」

 

誰の消しゴムを拾いますか?

 

柊 ウテツ

阿良河 キュウリ

杜乃 こぐま

花菱 ハル ←

水神 ショウ

天川 カオル

阿古屋 マコト

姉母 ネロ

 

 

ココアは拾った消しゴムをハルへと渡した。

 

「えーと、あんまり気が進まないけど……幼なじみであろうハルくんで…はい、どうぞ。」

「ありがとうハニー♡あぁ、君の美しい手が触れたこの消しゴム…僕の永遠の宝物にしようとも。」

「普通に使いなさいよ…うぅ、元がはるかちゃんって分かってるのに…すごい胸がキュンキュンする…」

 

 

Now Loading ……

 

ココアがハルに話しかけた日の夜、地球は魔界に飲み込まれた。

 

「ガラリと変わるにも程がある!?てか、ここはどこよ!?」

 

そして、ココアは知らない場所にいた。

 

「何だいこの世界は!?あぁ、僕とハニーでアダムとイヴになろうじゃないか♡さぁ、まずは甘い口づけから…」

「待ってはるか…じゃなかった!ハルくん!適応が早すぎるわよ!それでいきなり口づけは……。ん…!」

 

ココアは目を瞑り、口先をすぼめ、キス待ちの体勢に入る。そこにハルの舌が近づいていき…

 

「って、いきなりキスしようとするなっチ!ここでした所で学校の屋上で告白イベントをこなさない限りは終わらないっチよ。」

「…はっ!先ずは学園に戻らないと……そうだ!大魔法少女先生なら魔法で…」

「20の女が魔法何て使えるわけ無いの★」

「本当は気づいてた!?」

 

一行は学園のあった場所を目指して進むことにした。すると、道の途中にあるものを発見することになる…岩に刺さったライトセイバーだ。

 

「あ!これは…」

「いやいやチーポ…今回のテーマは乙女ゲーだから。」

「ちょっとだけっチ!ちょっと伝説っぽい剣を抜きながら乙女ゲーしよっ!」

「無茶言うなーー!!」

「抜いたらコッチのモンだっチ!」スポッ

「あぁ!?」

 

チーポによって抜かれたライトセイバーは…剣身を2つに割り、それが足のように地面に触れて、自立した。

 

「………新キャラっチね。」

「どうしろと!?」

「ちょっと!?私を探すのに何時間かかってるの!?待ってる間、寂しかった……って何でも無いわよ!」

「ツンデレ!?てか、喋るのかよ!?」

「さぁ、早く私を手に取りなさいよ!」

「あー、もう!分かったわよ!」

 

ココアは喋るライトセイバーに手を伸ばすと…その手はハルにより握られる。

 

「待つんだハニー!君の剣は僕だけだ!」

「ハ…ハル君!?いや、私は…その…」

「そんなに剣を手に取りたいのかい?なら、僕の股間の剣を取りたまえ。」

「股間って…完全にアレじゃないの!?でも…ハルくんのなら…♡」

「ハニー♡少し待ち…」カチャカチャ…

 

バキッ!ボコッ!

 

「お前もボケに走るななの☆」

 

「「すみません…」」

 

*このゲームは全年齢対象です。ちょっと、アレな雰囲気になったので大魔法少女先生が2人を魔法(物理)で制裁しました。

 

 

Now Loading ……

 

ここで状況のおさらいをしよう…ただいまの舞台は?

 

「魔界に飲み込まれた地球。」

 

パーティーメンバーは?

 

「私ことプレイヤーのココア。」

(ひじり)・チーポ・(あきら)。」

「アンタ、そんな名前だったの?」

「花菱ハル、17才。」

「20才女性、自称大魔法少女先生。」

「ツンデレライトセイバー。」

 

結論は?

 

「乙女ゲーじゃない!?」

 

正解。

 

「チーポどうしよう…流れが乙女ゲーに戻らないわ。」

「仕方ないっチね…ボクが一肌脱ぐっチ。チーポ君必殺…脱皮!」ズポッ

「乙女ゲーだって言ってんだろ!?てか、普通に変身しろよ!?」

 

チーポ(人型)の背中が破れ、中からチーポ(妖精)が羽化した蝉の如く身体中をベトベトさせた状態で出てきた。

 

「これは乙女ゲーによく出てくる妖精っチよ。」

「よく出てくるの!?こんなじっとり湿った妖精は嫌よ!?」

「私と不思議系キャラが被ってるの☆」

「アンタはただの中二病でしょうが!」

「この話は僕とハニーがイチャイチャするルートの筈なのに…お預けばっかりじゃないか!」

「それは……うん。本当にね。」

「ちょっと何私を置いて話を進めているのよ!アンタら、この私を何だと思ってるの!?」

「こっちが聞きたいわ、2足歩行ライトセイバー!」

 

ココアのツッコミが響きつつも一行は学園を目指した。

 

 

Now Loading ……

 

一行はようやく学園の屋上へとたどり着いた。

 

「やっと着いたわね…まヒあこ学園。ここで私たちが愛を誓い合えば世界は元に戻る!」

「ゴムは用意してあるよハニー♡」

「…え?まぁ…いっか。好きだよハルくん♡」

「僕もだよハニー♡」

 

チュッ

 

告白と同時に唇を重ねる2人。というわけで世界に平和が戻った。

 

「愛の力すごいわね!?とはいえ…何とか乙女ゲーとしての体裁を保てたわ。」

「2人の愛で世界を救ったっチよ。これはどっからどう見ても乙女ゲーだっチ。」

 

*『魔法少女にあこがれて』の原作に男キャラがいない為、乙女ゲームの認識が非常にいい加減なものになっています。

 

「それにしても…あんな世界があるとは思わなかったよハニー…」

「今までバカにしていた大魔法少女先生に謝らないといけないっチね。」

「も…もう!この話はやめるの☆」

 

「非現実的な話なんてもう懲り懲りなのー☆」

 

───

 

「何でイミタシオが締めるのよ!?」ガバッ

 

時は丑三つ時、篠原心愛は自身のツッコミにより目が覚める。辺りを見ると…電源の付いたパソコンっぽいデバイスの前に、大量の資料を散らかしたまま、爆睡してるチーポの姿。

 

「…こうはなりたくないわね。…水でも飲むか。」

 

心愛は階段を降り、コップに入れた水を飲む。そのまま部屋へと戻ると…既にチーポの姿は無く、部屋は綺麗になっていた。

 

「…」

 

心愛が思い出すのは先程の夢でみた花菱ハルとのキスと現実での花菱はるかからのキスによる唇の感触。

 

「はるかちゃん…」

 

心愛は自分の唇を軽く撫でるとベッドに入り…そのまま目を閉じた。

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