心愛は今日も1人で登校していたのだが…お昼ごはんであるお弁当を家に忘れてしまい、母に電話で謝った後、コンビニへと寄っていた。すると薫子がちょうど出てきたのだ。
「あ!薫子おはよう…」
「はぁ…スッキリせぇへんわ。」
「薫子?」
「…心愛か、おはようさん。今日もチーポはん、おらへんの?」
「…うん。タマゴがまだ見つからなくて…」
「あんまり寝れてへんのか酷いクマやねぇ…大丈夫かいな?」
「…」
「チーポはんへの心配、マジアベーゼへの恐怖、プリキ◯ア、それらが平等にってところやろ。」
「お見通し!?…凄いを越えて怖いよ。」
「いっそのことタマゴが孵化してくれたらええのになぁ。」ボソッ
「………え?」
「…笑えん冗談やな、忘れて。」
ーーー
時間はお昼休み…教室内で心愛、はるか、小夜、薫子、といつものメンバーが1つの机へと集まってくる。
「おひるおひる~♪おなか減ったね!」
「薫子と心愛はコンビニ?」
「んー…」
「うん…家に忘れてしま…」
「…考えられへん。」
「「「へ?/え?/どしたの?」」」
「うどんにフォーク付けるか?何やのあの店員…」イラッ
「まぁ…まぁ…」
不機嫌になった薫子がそこにいた。それを小夜が宥める。
「小夜、あんたの箸貸してぇな。」
「何でよ!?」
「うどんは箸で食うもんやろ?」
「そうだけど…」
「私の割りばし使う?サンドイッチと唐揚げだから割りばしに付いてる楊枝で十分だし。」
「…おおきにな……チッ。」ボキッ
「薫子!?」
心愛から割りばしを受け取り割るも失敗して…箸が途中で折れてしまい、さらに不機嫌になってしまった。
「ごはん…」
「うてなちゃん、今日もお昼ひとりなのかな…?」
「誰かと食べてはるんと違うん?」
「屋上の階段のとこでひとりで食べてるよ?」
「人前で食べるのが恥ずかしいんだって。」
「何で2人はそないなこと知ってんねん…」
「私がセーラーム◯ンとかぴちぴちピ◯チとかパワパフガー◯ズをスマホで視聴したら後ろから反応があって…そこから、プリキ◯アとかの話するようになった感じだよ。それにほら、うてなって少女革命っぽい名前で親近感あったし。」
「心愛…あなたいくつなの?」
オタの顔になる心愛。そして、はるかがうてなへと声をかける。
「ねぇ、うてなちゃん!良かったらおひる一緒に食べない?」
「あ…えっ?」
「イヤじゃなければだけど…」
「い…いや、その、そんなことは…」
「うーてなちゃんは~、アタシと一緒に~、ご飯するの~!」ダキッ
「ぐえっ!?」
どこから現れたキウィによりうてなは抱きつかれる。
「この泥棒猫2号!うてなちゃんを盗ろうとしたでしょ!」
「えぇ!?そんなことしてないよ…って2号!?」
「ばーか、ばーか!!あんたらは4人でねこまんまんでも食ってろっつーの!!」
「あたしのお弁当はなめ茸だよ!」
キウィの発言に薫子の不機嫌ボルテージがさらに上がった。
「はるか、先約あるんやったらええやないの。」ピクッ
「あ、そうだね薫子ちゃん。」
「よろしおすなぁ、うてなはん。優しい友達がおって…でも、その娘が息苦しゅうなったら…いつでも言ってくれたらええよ?気疲れしたらかわいそうやからなぁ。」
「あ?何アンタ?」
「んー?別に何でも?」
「か…薫子?」
「キウィちゃん…?」
薫子とキウィが互いに睨みあう。
「貧乳ばか。」
「あんたはんみたく頭にも胸にも団子ぶら下げとるよりマシやわ。」
「あぁ!?」
「ん!?」
一触即発、そんな状況で…心愛は自身のスクールバッグからあるものを取り出した。
「ほ、ほら、キウィちゃん!キ◯アマジェスティの缶バッチだよ~!」
「キ◯アマジェスティ!?」キラーン
キウィの目が輝き、目線が缶バッチへと移る。心愛は自身の昼食をもち、教室の出口へと向かった。
「こっちこようね~、ほらほら~。うてなちゃん、今日はそこに座って。」
「あ…はい…」
「こっち、こっち~」
「マジェスティ…マジェスティ…」てくてく
キウィはそのまま心愛の後を付いていき…教室を後にした。
「心愛ちゃん、凄いね…」
「缶バッチごときに釣られるのアイツもどうかと思うで…」
「心愛ちゃん…キウィちゃんをあの世界の沼に…はめちゃったんだ…。わたしはそういうのを話せる相手が増えて嬉しいけど…ちょっと寂しくも思ってしまうなぁ。」
「まぁ、確かに心愛はプリキ◯アを私たちもかなり薦めてくるけど…」
「話半分で聞いとるで。」
「あ!あたしは普通に妹たちとみてるよ。」
「あの…この前のお話ってみた?」
「うん!みたみた!まさか主人公が闇堕ちしちゃってさ、妹たちが泣いちゃって…」
「わたしは次の話までそれが続くと思ったのだけど…」
そのまま、うてなははるかたちと昼食を食べたのだ。そして、心愛とキウィはというと…
「なるほど~。個人技は先代と一緒の感じか…」もぐもぐ
「5人での浄化技しかないと思っていたからそこは嬉しいところだよね。で、クライマックスが近いからこの回も神回で…」もぐもぐ
「…うてなちゃんと1話から見てみようかな。」もぐもぐ
普通に昼休みを満喫していた。
ーーー
放課後になり、今日も1人帰宅していた心愛だったが…電話が鳴る。相手はチーポだった。
『心愛!』
「チーポ、どうしたの?」
『タマゴがある場所が分かったっチ。もうすぐ終わるっチ。』
「良かった…それでどこにあるの?」
『タマゴがあるのは…フォトスタジオだっチ!』
「そこって…トレスマジアがいる所じゃない!?」
『もうサルファたちが気づいて回収しにいったってことっチか!?』
「違う!撮影会よ!」
『そうなのっチか?とりあえず、早いところ回収してくる…!!エノルミータの気配だっチ。不味い…孵化が早まってしまうっチ。とにかく、心愛は家で大人しくしてるっチよ。』
「チーポ!?…フォトスタジオか。」
心愛は走り出す。
ーーー
一方のフォトスタジオでは…トレスマジアとエノルミータがすでに戦闘を始めていた。マジアベーゼとレオパルトの2人分の魔力が乗った爆撃をマジアサルファがシールドを張り、耐えていたものの…ついに破られる。それと同時にマジアサルファがナックルへと切り替え、マジアベーゼとレオパルトに一撃を入れたのだ。それにより、マジアベーゼにもスイッチが入る。
「そないニヤニヤしてまぁ…ベーゼはんも愉しそうやねぇ!!」
「愉しい…?いえ、愉しみですねぇ!あなたのその顔を…歪ませるのが!!」
「アホぬかせ。」
戦いを楽しむマジアサルファとマジアベーゼの2人。マジアベーゼは木の根を魔物化させ、それをマジアサルファが殴る。レオパルト、マジアマゼンタも自身の武器を使い攻撃してき、マジアアズールがいつも通りに根に捕まる。戦闘が激しくなる中…突然にその瞬間は訪れた。
ピカーン
「「ー!?」」
「ゲールゲールガー!!」
謎の光と共に新たな魔物が現れた。全身黒いものの、頭と背中、腕のハサミの部分が赤く…触角と尻尾は無いもののザリガニのような2足歩行の魔物が大声をあげる。
「あらまぁ…随分と禍々しい魔物を造ったようで…」
「…知らない。」
「は?」
「こんな魔物…知らない!」
魔物はマジアサルファに狙いを定め…
「ゲッゲッゲッ…」
プシャァァァ!
口から液体を吐き出した。マジアサルファはシールドを出す。
「ダメッ!避けてマジアサルファ!!」
「ーー!ぐっ…!」
「ゲルルル…」
「ー!ナックルが…!」
マジアベーゼの声に反応して回避を優先する。結果、シールドを貫通し、左のナックルに魔物の液体が当たって…溶け出したのだ。その隙にマジアアズールが魔物の背後へと回る。
「アズールソード!!」
ボキッ
「硬いっ!?」
氷の剣を魔物へと振るうが…逆に剣の方が折れる。
「ベーゼちゃん!」
「うん!」
パンッ
ドドドドドドドドドドドドォン
「ゲル?」
「そんな…」
「効いてない…」
続いてマジアベーゼとレオパルトが2人分の魔力を込めた手榴弾の爆撃を大量に魔物へと浴びせた。しかし、魔物は少し焦げただけだった。ここでマジアサルファがあることを思い出す。
「ー!まさか、あれがチーポはんが探していたタマゴの中身…!」
「ゲルルル…」
「ベーゼちゃんの所に…こっちに来るなぁ!!ファイヤー!!」
「マゼンタスピ…」
「ゲルッ!」
プシャァァァ!
「スピアが!?」
エノルミータの方へと向いた魔物にレオパルトが大量の弾幕を放つも魔物は何事もなく、背後から来るマジアマゼンタに向けて液体を吐き出す。そして、武器である槍が溶けてしまった。
「何だよ…何なんだよアイツは!?」
「この…舐めん…!?」
「ゲルッ。」
プシャァァァ!
「しまっ…!?」
マジアサルファは残った右のナックルで魔物へと殴りにかかる。しかし、魔物は当然のように反応してマジアサルファへと液体を吐き出していた。すでに前へと突っ込んでいったマジアサルファに回避の術は無い。
「危ないっチ。」グイッ
無かったはずだった…彼女たちが来なかったら。腕だけを人型化したチーポにより、マジアサルファは引っ張られ魔物の液体攻撃から逃れたのだ。
「チーポはん…」
「やっぱり、生まれてたっチか…小型魔幻獣ヘルゲドラー。やつの溶解液は何でも溶かす…大丈夫っチかマジアサルファ。」ドロドロ
「チーポ!お前が溶けてる!溶けてる!」
『トランセイザー(様)!!』
銀色のヒーローの登場だ。