魔法少女なヒロインにあこがれて   作:アマノジャック

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やりたいことやったもん勝ち…私の好きな歌です。


エピソード7

ーーー数分前のフォトスタジオ。チーポはタマゴが孵化した現場を目撃していた。

 

「…エノルミータの闇に反応して…タマゴが孵化してしまったっチ。これは…不味いっチ…」

「チーポ!!やっと見つけた!」

「心愛!?家で大人しくしろって…」

「…その様子…魔幻獣が孵化したのでしょ。トランセイザー無しでどう回収するつもり?」

「それは…」

 

言葉に詰まるチーポ…心愛は転神ステッキを取り出した。

 

「なっ!何でそれを持ってるっチ!?ボクが持ってて…あれ?間違えてる!?」

 

チーポが持っていたのはカレイ◯ステッキだった。ちなみに心愛の私物である。

 

「いっぱい休ませてもらったから…ここからは私も戦うわ。」

「…こうなったらトランセイザーしか手段が無いのも事実…お願いするっチ。」

「すぅ…」

 

心愛は一息つき…

 

「リリカ…ッ!!」

 

『中身を引きずり出してあげますからねぇ?』

 

「ぐっ…!う、うぅ…何で…何でよ?何で…変身出来ないのよぉ…」

 

変身の呪文を唱えようとするも、マジアベーゼへの恐怖に阻まれ、心愛は膝をつく。

 

「…心愛。君には悪いけど、今は何としてでも変身して欲しいっチ。」

「ごめんねチーポ。マジアベーゼが怖くて…私、トランセイザーに大事な強い心…持ってな…」

「強い心と恐怖は関係ないっチよ。だから…心愛、ボクこそごめんっチ。」

「へ?」

「光のパワー!」かぱっ

 

ーーー

 

時は戻って現在、魔幻獣ヘドゲルガーを警戒するトランセイザーたち。

 

「…これが魔幻獣、なのね。」

「ふー、固めるテンプルで何とか元の姿に戻ったっチ。」

 

そこにいたの白い聖幻獣状態で腕、胴、足を伸ばして、さらに胸をものすごく盛っていたチーポ。

 

「戻ってねぇ!何、その無駄なモデル体型!お前男だろっ!?」

「それより、今はヘドゲルガーだっチ…スピードは特別速いって訳じゃ無いけど…赤い部分がかなり硬いから武器はダメ。黒い部分を直接殴るのがいいっチ。」

「ゲルー!」

 

プシャァァ!

 

「これに素手で近づけと?」サッ

「厄介な溶解液っチね。まぁ、面倒なら必殺技のビームを当てたら楽勝だっチ。」

「急に投げやりだな…、とにかく!動きを止めて、必殺技でいくわ!」

「まぁ、待てっチ。まずは…ふんっ!」

 

ボンッ

 

「モデル体型からムキムキになった!気持ち悪っ!」

 

全身白いままのチーポが急に筋骨隆々な姿になり、走り出す。

 

「どこ行くのチーポ?」

「ゲル?」

「え?待って?こっちに来てない?」

 

「チーポタックル!!」

 

ドンッ

 

「あーん!まだ、トランセイザーの復活見届けてないのにーー!?」

 

「ベーゼちゃん!?待ってよー!」

「ゲルッ!?」

「えぇーー!?」

 

そのまま、マジアベーゼに身体をぶつけて遠くまで突き飛ばしたのだ。それにレオパルトはもちろん、トレスマジア、トランセイザー、さらには魔幻獣のヘドゲルガーまで驚いた。

 

「コホン、とりあえず…あんたを倒すわ!」

「ゲルガー!」

 

トランセイザーはヘドゲルガーにライトセイバーを向けた。魔幻獣とヒーローの対決が始まる。

 

………

 

レオパルトが慌ててマジアベーゼを追いかける中、チーポはマジアマゼンタ、マジアアズール、マジアサルファのそばへと移動する。

 

「マジアマゼンタ、マジアアズール…後は君たちに退いて欲しいっチ。」

「え…そんなこと…」

「出来るわけないでしょ!」

「何や妖精はん、ウチだけに残って欲しいんか。そのまま、あんたが戦った方が良くない?」

「これは見た目だけだから…それより、時間が無いっチ。あの娘がトランセイザーに変身していられるのは後10分くらいが限界だっチ。」

「何でそんなに短いの?」

「もしかして、マジアベーゼへの恐怖…まだ克服出来てへんのか?」

「恐怖!?トランセイザー様に何があったの!?」

「休日の公園での戦闘であんたが捕まっとるんを助けようとして、マジアベーゼに捕まえられたんや。それで、一方的に攻撃されたあげく…『中身引きずり出す』って言われたんがトラウマになったんやと。」

「そんな…!?私が…私が捕まったばかりに…」

「でも、何でサルファだけ…」

「…全員魔力はほぼ限界、唯一残ってんのはウチの右手のナックル(コレ)くらい。理由はこんなところやろ。」

「私のせいで…トランセイザー様が…トランセイザー様が…トランセイザー様がががが…」

「ついでにアズールもあかんようなった。…マゼンタ、これ以上の理由が必要?」

「う、うぅ…」

「てなわけで…チーポタックル!!」

 

ドンッ

 

「「ーーっ!」」

 

チーポはマジアベーゼ同様にマジアマゼンタとマジアアズールを遠くへ突き飛ばした。それと同時に魔力の限界を迎えたマジアサルファの変身が解ける。

 

「…で、チーポはん。魔力が()うなったウチに何が出来るんや?」

「…」

 

チーポは無言であるものを薫子に渡した。

 

「これは?」

「転神石をセットしたブレスレット…これを右手首に装着するっチ。」

 

ガチャ

 

「はめたで。」

「手を上げて『転神』と叫ぶっチ!」

「転神。」

 

ピカーン

 

薫子が光った後に…髪が銀色へと変色し、薄い藍色の忍装束を着た暗殺者ような姿へと変えた。そして、その周囲に風が舞い、5本のクナイが浮かび上がる。

 

「……へぇ、まさかの変身ねぇ。何や…えらい物騒なモンがあるやん。それに…風が喧しい…ん?何かこの風、思い通りに操れるなぁ…この武器の軌道に合わせれたら…」

「『トランチアー』…トランセイザーの後方サポートに特化した姿だっチ。空気中の聖幻エネルギーというものを使っているからキミたちのいう魔力とは関係ないんだっチ。ついで言うと…どんなサポートになるかは変身者個人に合わせるため、ボクにも予想できないっチ。だけど、その姿で風を操れるならスピードを活かした戦いをするのがいいと思うっチ。」

「上等や!!トランセイザー、今いくで!」

 

………

 

トランセイザーのライトセイバーとヘドゲルガーのハサミがぶつかり合う…互いに拮抗している様子である。

 

「ゲルゲル!」グググ

「力…結構強いわね…」ぐぐぐ

「ゲ…」

「まずい!また溶解液が…」

 

ヘドゲルガーが口を開いた瞬間だった。

 

「汚いモン出すなや。」

 

「……え?」

 

ブスリ

 

「ゲルガ~~!!」ゴロゴロゴロッ

「何か閉じたっ!?…クナイ?」

 

口を閉じられたため自身の溶解液が逆流し、ヘドゲルガーがその場でのたうち回る。トランセイザーが驚いていると目の前にトランチアーが現れた。

 

「トランセイザー、戦闘中に呆けるのはあかんで。攻撃は最大の防御や。」

「薫子?…え?何その姿?」

「『トランチアー』って言うトランセイザーのサポート役らしいで…それより今はアイツを!」

「そうだね!じゃあ、必殺技を出すから…そのまま足止めをお願い。」

「任せとき!なぁ魔幻獣はん、昔の番組で大量のパチンコ玉を高いところからフライパンに落とす実験があったらしいわ…結果はどないなったと思う?」

「ゲルゲルガッ!」

「答えはその身で体験しいや!」

 

嵐苦無沈(ランクマッチ)

 

「ゲ!ゲゲッ!」ブスブスブスブスブスッ

「追撃や!」

 

嵐押蓋(ストームプレッシャー)

 

「ゲッ…ゲッ…」ズシンッ

 

トランスチアーの5本のクナイがヘドゲルガーの腕、足、頭へと刺さり、針刺し標本みたく地面へと固定する。さらに、その上から激しく風を当て…完全にヘドゲルガーを地面へと押さえこんだのだ。

 

「トランセイザー、今だっチ!」

 

『マジカル☆プリフィア☆スターライト』

 

ドシャァァァ

 

「ゲ…ゲルゲルガーーッ!!」

 

極太いレーザーがヘドゲルガーを捕らえ…そのまま断末魔の叫びをあげる。レーザーが終わり、そこに残っていたのは1つのタマゴだけだった。そして、トランセイザーとトランチアーは変身を解き…互いにハイタッチをする。

 

「やった、倒せたっチ!タマゴを回収するっチ。」

「ありがとう薫子!」

「…こちらこそ、ありがとうな心愛。何か…スッキリしたわ。」

「いや、むしろ私は助けて貰った側で…」

「これ、チーポはんに返しといてや。魔法少女とトランチアーの二足のわらじは履けんし…ウチが直接、殴れんのはなぁ。」

「そういう問題なの!?そういえば…あの溶かされたナックルって戻るの?」

「魔力があれば戻るさかい…心配せんでええよ。」

 

薫子は改めて心愛へと顔を向ける。

 

「…心愛。また暫くは…トランセイザーを休むんか?」

「そうなると思う。今はチーポの光のパワー(精神汚染)でマジアベーゼに捕まった記憶のところを抑えてる状態だから…」

「…まぁ、ウチらもあんたにばっか、甘えられへんからな。心愛の復帰前にマジアベーゼ、倒してええんやろ?」

「それはフラグ立ってない?でも…期待してるよ。」

「あー、せや心愛。」

「ん?」

「もう…ウチ、動かれへんねん。おんぶしてくれへん?」

「わかった…帰ろっか。」

 

心愛は薫子を背負い…その場を後にした。

 

ーーー

 

「私のせいでトランセイザー様が…トランセイザー様が!!マジアベーゼ…絶対に許さない!私が絶対に倒す倒す倒す倒すすすすす!」

 

ーーー

 

「おい、黒猫。ちょっと聞きたいとこがあるっチが…」

「おやおや、キミはトランセイザーに付いてるマスコットじゃないか。ちなみにボクの名前は『ヴェナリータ』だよ。」

「あのタマゴ、どこで手に入れたっチか?」

「タマゴ?何のことだい?」

「惚けるなっチ。お前…こっち側(幻獣界)に干渉しただろ。そっちがそう来るなら…ボクにも考えがあるっチ。」

「へー、どんなことをするつもりだい?」

「今は…お前を一発ブン殴るだけっチ。」ブンッ

「おっと、危ない。痛いのはごめ……んぐっ!?」

 

バキッ

 

「魔力って凄いっチね。まぁ、精々今は『悪の組織ごっこ』を楽しむといいっチ。…じゃあね。」

 

 

「…ハハハ。初めてだよ…ボクを殴った生き物は。これが痛いっていう感情なのかな?」




薫子のトランチアーの姿はヴァロラントの『ジェット』というキャラをモチーフにしています…中の人つながりで。私は遊んだこと無いのですが。
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