人類黙神録   作:Maius

6 / 6
平穏とは、薄氷の上の存在。風前の灯火。風の前の塵。
「今」を当たり前だと思うな?


第六話

こうして、俺らはたくさんの訓練をこなし、ここに来て4ヶ月が過ぎた。

ここの暮らしや訓練にも慣れたものだ。人ってのは面白いもので、ずっと続けてるとどんなものでもある程度練度が上がってくんだ。反復横跳び100回もみんなが達成できた。座学も必要なものは全て履修し終え、テストも悪くない結果だと言われた。いやぁ、俺もそこまで運動得意ってわけじゃなかったけど、なんだかやれば出来るって気になるよな。

そーいや、日記書いてたのを忘れてたな。どこ置いたっけ。

 

「よし、全員出席してるな。今日からは、前軽く説明した『黙神史』と『奇跡学』をやるぞ。」

 

あぁ、そーいや新しい座学が始まるんだった。何やら厨二臭い名前だな。

 

「よし、黙神史から行くぞ。まずは、この話からだ。人類は神によって....」

 

黙神史。

 

遠い遠いのこと、人類は『神』という存在によって作られた生き物だった。

 

なぜ人間を作ろうとしたのは未だに明確にされていない。ただ1つ言えるのは、それが神にとっての大きな誤算だったこと。

 

神は人間に力を与えた。「科学」と「奇跡学」だ。

これを人間に与えることにより、神は第3次元、地球にて人間を繁栄させようとした。

「科学」は元あった法則、原理を人の力で解明し、いろいろなものへと昇華させる学問。

「奇跡学」はこの次元に存在するあらゆる「偶然」「不測」「たまたま 」を人為的に起こすものである。

人はこの力を駆使し、数の力で知識を積み上げ、この2つの学問を修め、よく知られているであろう技術や常識を覆し力を手に入れた。

そう、それが誤算だった。

███年、人はついに3次元を脱することに成功した。

そして新たな次元へと踏み出そうとした、その時だった。

元いた3次元に巨大な邪悪が現れた。大地は割れ、津波が起こり、火山が噴き、天変地異が起きた。世界人口はこの時半分になったという。

そして人間は異次元の全容を知った。そこには?

 

神が、全てをマリオネットのように操っていた。

 

そこには感情があった。

 

軽薄、侮蔑、卑下、嘲笑、もうなんと言い表せばよいか。

 

 

 

 

神は人間で遊んでいたのだ。

 

 

 

私たちとは違う次元で。

 

 

 

神は人間をただのおもちゃのように弄んでいた。

 

 

 

数多くの人が死に、それを見て笑った。

 

 

 

大事件を1人の英雄が守るたびに、顔を顰めた。

 

 

 

自分に気に入らないことを人間がすれば、すぐ滅ぼした。

 

 

 

 

そう、黙神史とは、神が人を弄び、血と悪意に塗れた、最悪の歴史である。

 

ではなぜ人は今日まで存在し続けるのか?

何度でも言おう、それが神の誤算であったのだ。

 

 

奇跡学。

 

偶然を人為的に引き起こすための知識。

人は科学とともにこれを解明し、俄には信じ難いことをすることが可能になった。例えを出すと、奇跡学の知識を用いた錬金術を編み出し、無制限の資源を得られるようになった。奇跡学を用いての人間の治療も可能。

奇跡を用いた儀式を行うことも出来る。適合した人間は人間の領分を超えた頑丈さ、敏捷さ、その他戦闘力を宿す。

 

昔の偉人たちが奇跡学を絶やさなかったおかげで、今、私たちは生きている。

 

だが、人間はそこまで器用ではなかった。今日に至るまで、忌々しい神の力により、溺れるほどの血がこれまで流れた。昔々は、神を崇拝し、畏敬し、謙るのが通説とされた。しかし、声を上げる者もいた。

あの年の天変地異以降、人々は組織を作った。もう逃げ隠れする場所はどこにもない。守ってくれる存在もない。ただ、自分で自分自身を守らないといけないと気づいた。

人々が神の存在を知ることになれば、世界は混乱の渦になる。そこに神は必ず災厄をもたらす。

もう二度と血が流れないように。神さまの言うとおりになんかならないように。

 

 

 

 

 

 

 

ヒトが、ヒトの力だけで生きるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人々は立ち上がった。

それが、今のC of Gであった。

 

 

*********************************

 

 

「な、なんだよそれ....」

 

「度々起きていた災害も、全部操られていたってのか?」

 

「俺の、」

 

「私の、」

 

 

「「平穏を奪ったのは。」」

 

 

「そう、その神だ。お前らは神と戦うためにここに来た。」

「こんな話あるけど、実際はもっと酷い。任務で部隊メンバーが死ぬなんてザラにある。部隊壊滅だっておかしな話じゃない。全員が怪我なく帰ってくるなんてことは相当無い。」

「じゃあ、お前らがここに呼ばれた理由はなんだ?恭介からの推薦で来た?ただの一般人を恭介は戦いに巻き込んだりしない。そう。お前らは他のエージェントより特殊な部隊員、liten agencyとして育成する。」

 

「「「「「え?」」」」」

 

まあそりゃそんな反応するわ。こいつらが世界を救う秘訣になるとか、俺も信じられねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、一般人が1年かかるカリキュラムをたった4月で履修だと?

恭介、面白いガキンチョ共を連れてきたようだな。

今は6月か.....ざっとあと5年くらい、激動の時代になる予感がするぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少年少女達は、私や読者の皆様とは違い、なにか特別な事柄と結びついてるようです。おそらく「天才」と世間が騒ぐような存在なのでしょう。
その力が上手く働き、良い結末になることを祈っています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。