「さぁ!入って入って!他にも見せたいものがあるの!」
「あはは!トリエルさんって良い人だね!フリスクちゃん!」
「当然だろう?」
「どうしてキャラが自慢してるの?」
私には分かるけど、あんまりそうゆう感じの様子を見せてたら不審がられるよね〜注意しないと。
「ここがあなたたちのお部屋よ、気に入ってもらえると良いのだけれど」
トリエルさんが後ろに回って私たちを撫でながら言う…ちょっとくすぐったいかも。
「あら?焦げ臭いわね…大変!ゆっくりしていってね!」
チャンネル登録しとく?トリエルさん。
そんなしょうもないことを思ってるとフリスクが小さく欠伸する。
「眠いなら先に寝てて良いよ〜?私はまだ平気だからね!」
「…ありがとう…おやすみ、サツキ、キャラ」
「「おやすみ、おチビちゃん/相棒」」
ベッドに潜るフリスクに布団を掛ける。後は私とキャラだけだ。
「……それで?キャラ、さっきから私に「聞きたいことがある」って言わんばかりの視線を送ってきてるけど何かな?」
「…サツキ、お前さっきの分かれ道で何か拾っただろ?」
「……なんのこと?あそこは行き止まりで何もなかったよ〜?」
バレて〜ら、どこでバレたんだろう。
「さっきお前が何もなかったって言った時、腕を後ろに組んでたろ?お前、気付いてないのかもしれないけど嘘を付くときにずっと同じ行動を取ってたぞ。だから初対面の私でもすぐに分かった」
…あちゃ〜キャラって確か人間嫌いで観察力も優れてたっけか。癖は盲点だったなぁ。
「…拾ったよ。でもフリスクちゃんには内緒ね?あの子はまだ幼いからさ、危ないものを持たせるわけにはいかないよ」
「何を拾った?」
「おもちゃのナイフ……あ、たかがおもちゃのナイフって思わないでよ?あれってゴムで出来てるけど目に入ったら最悪失明したりするんだから」
今度から癖には気をつけないとな〜キャラってば鋭すぎだよ。
「そうか、私の知りたいことは知れたから、お前も一つ質問して良いぞ」
「ん…キャラさ…キミ昔ここで暮らしてたことある?答えずらいなら答えなくても良いよ?トリエルさんを見た時のキミの反応が気になってさ」
これはほんと、いつからキャラがここで漂ってたのかは知らないけど数十年か、数百年か、そのくらいの時間ここに居たはずだからその間の地下世界も知ってるはずだ。
「……そうだね。私はここで住んでいたことがある」
「そっか」
「…聞かないのか?イビト山に登って、私はここに落ちたんだぞ?」
「聞いて欲しいの?だったら聞くけど?…私は基本的に人が立ち入って欲しくないところには立ち入らない主義なんだ。踏み入って元気にできる人なら良いけど、私はそうじゃないからね、ただ傍に寄り添って聞いて欲しくなったら聞く、それだけだよ」
聞いて欲しくない顔をしてる人に事情を話して?なんて無責任なことを言えるはずないじゃない。
「…お前、生きづらそうな生き方をしてるな。好きな相手が出来ても、その相手が別のやつが好きだったら身を引くし、アドバイスを贈るタイプの人間だろ」
「あは♪そうだね、無理に振り向いてもらうより相手が幸せなのが一番じゃないか?キミもそうじゃないの?」
そう聞くとキャラは難しい顔のまま黙ってしまった。今日はこれでお開きかな?
「…あら?まだ起きていたの?」
「あはは、ちょっと色々と整理したいことがあったから、眠れなくて」
トリエルさんがパイのお皿を持って部屋に来ちゃった。そんなに話してたんだ私たち。
「そうよね…突然襲われたり、ここが家だなんて言われても戸惑うわよね…でも安心して頂戴、ここは安全だからきっと気にいるわ!」
「モンスターもみんな良い人たちだしね!」
「うふふ!えぇ!明日はカタツムリのお話をしましょうか?」
トリエルさんが私を抱き上げてベッドに運ぶ。この歳で抱っこは少し恥ずかしいな〜
「だから今日はもうおやすみ、我が子よ、良い夢を見てちょうだいね」
一定の間隔で撫でられて、瞼が重くなってきた。
−−−おやすみなさ〜い