「…あふ、おはよ〜」
ここは地下だから朝かどうかは分かんないけどね。
「おはよう、サツキ、キャラ」
「おはよう二人とも」
あ、早速二人ともパイを食べてるし。私も食べよ。
「いっただきま〜す!…モグモグ……おいっっしいいいいい!」
こんなパイ今まで食べたことない!何これ何これ!そりゃ原作最強の回復アイテムになるよ!こんだけ美味しいんだもん!私の夢が一つ叶っちゃったよ!
「まるで子供だな、サツキは」
「人は美味しいものを食べると誰でも叫びたくなるもんなんです〜!」
さて!おふざけもここまでにしようかな、さっきからフリスクがソワソワしてるし。
「はい!ここでこれからの目標を決めていきたいと思います!」
「…目標?」
「そそ、私たちが取れる行動は二つ、ここでトリエルさんやモンスターと一緒に過ごすか、それともここを出て地上を目指すか」
フリスクはきっとこれを聞きたかったんだろうし。
「…サツキは?」
「ん?」
「サツキはどっちなの?」
私の答えはもちろん決まっている。
「私はどっちでも良いよ?ここだったら何不自由なく暮らせるだろうしね。それに地上に出ても良いね〜家に帰れるし」
嘘だ。私の家はこの世界にはない。本当ならこの地下世界にずっと住んでいたいくらいだ。でもフリスクやモンスターたちは違うでしょ?
「私はフリスクちゃんの意思を尊重するよ!帰りたいって言うなら私はキミを責任持って地上に出て家の帰す努力をする!ここで過ごすって言うなら、うん、それも良いね!」
だから私はフリスクに判断を委ねることにした。自分よりも年下であるこの子に。無責任に問題を押し付けたんだ。
「……サツキ、お前」
「なぁに?キャラ」
「いや、なんでもない」
何か言いたげだったキャラはそう言うと昨日みたいに難しい顔をして黙り込んだ。
「…私は、地上に出たい」
「…うんうん、そっかそっか!それじゃあトリエルさんに伝えようか?ここから出してくださいって、彼女は優しいから、きっと出口に案内してくれるよ!」
これも嘘、彼女は優しいが故に、ここに閉じ込めようとするだろうね。でもフリスクなら乗り越えることができるさ。だって誰よりも“決意“が固いんだからね!
「…ありがとうサツキ…それと…ごめん」
「なんで謝るのさ?地上に出たら家に帰れるんだよ?どっちに転んでも良いこと尽くしじゃないか!」
もしかして巻き込むことに対して謝ってるのかな?他のみんなにも会えるから別に良いのに。
「あら?もう起きたの?」
「うん!ぐっすり寝れたよ!」
「そう、良かったわ!…新しい家族が出来てとても嬉しいわ!」
ごめんね、トリエルさん、私たちは今日出ていくんだ。
「あなた達に読ませてあげたい古い本がたくさんあるの!それととっておきの虫取りスポットにも」
「トリエルさん」
「何かしら?」
「……トリエルさん、私たちを、出口に案内してくれませんか?」
私は残酷な答えを、彼女に突き付ける。
「…えっと、そうだわ!昨日お話ししたカタツムリのことについて話しましょうか!カタツムリはね?成長するとお尻の位置が180度変わるらしいの!面白いでしょう?」
何それすっごい気になる。じゃなくて。
「トリエルさん、お願い」
「…その、私は少し用事があるから、ここで待ってなさい」
「………トリエルさん」
胸が締めつられるように痛いな。でも、これが成功すればみんな地上に出れるからね。
「さ!トリエルさんを追いかけよっか!」
「……うん」
−−−私はフリスクの手を引いてトリエルさんを追いかける