目が覚めたらそこは地下世界だったとさ   作:CoCoチキ

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十二話 それぞれの正しさ

 

 「ん〜きっとトリエルさんは地下に下りてったね!地底の下にさらに地下、なんか変なの!」

 

 あ、トリエルさんみっけ。

 

 「…お家に帰る方法が知りたいのね?……この先に遺跡の出口があります。その向こうは地底の世界…一度出たらもう中へは戻れません」

 

 うん、そうだね。

 

 「これから私は、その出口を壊します」

 「…そっかぁ、それはちょっと困るかも」

 

 トリエルさんの方が少しビクッとした。

 

 「もう二度と、誰もここからいなくならないように、良い子だからお部屋に戻っていなさい」

 「…トリエルさん、私たちにその気がないのはもう分かってるよね?」

 

 トリエルさんは答えてくれない。そのまま先に進んで行った。

 

 「…ねぇ、サツキ…これは正しいことなのかな?」

 「…正しいか、正しくないか、そんなの誰にも分かんないよ。自分の相手も納得出来るなら正しい、そうじゃないなら正しくない。正しさなんて人それぞれ。本当の意味での正しさなんてどこにもないさ」

 

 少なくとも、私はこれを正しいことだと思ってる。良いか悪いかを抜きにね。

 

 「要するに、自分が納得できるか出来ないかだよ。分かるかな?」

 「…なんとなく」

 

 私は前に進んでいく。

 

 「…ここに落ちた人間は皆同じ運命をたどる…私は、この目で何度も見てきました。…ここへ来て…ここから出ていって…そして死んでしまう。あなた達は何も知らないの。この遺跡から出たら、あなた達は彼らに…アズゴアに…殺されてしまうわ」

 「……それでも私たちは出るよ」

 

 例え帰る場所がなくてもね。

 

 「これはあなた達を守るためなの…分かって頂戴…お部屋に戻るのよ」

 

 ほんとトリエルさんってば優しいよね〜愛情深いって言うかなんと言うか。そんな感じ!

 

 「止めても無駄よ。これが最後の警告です」

 

 最後の最後まで私たちを気に掛けてくれてる。

 

 「フリスクちゃん、きっと私たちは戦わないといけない、最悪…トリエルさんが傷付くかも…どうする?戻るのなら今のうちだよ?」

 「……ううん、進む。そして、ママも説得して納得してもらう!」

 

 うん、良い決意だね。それでこそ主人公だ。

 

 「じゃあ行こうか!」

 

 私たちはトリエルさんを追いかけて扉の前に辿り着く。

 

 「…どうしても……出ていくと言うのね」

 「…えぇ、約束をしたので」

 

 トリエルさんの声が少し震えている。感情を押し殺しているんだろう。

 

 「そう…あなた達も他の人間たちと同じなのね。なら残る手段は一つしかない」

 

 目を閉じて深呼吸をする。大丈夫、いつものようにやれば良いのさ!

 

 「私を納得させてごらんなさい、あなた達の強さを証明するのよ」

 

 −−−トリエル・ドリーマー…この世界の、優しいボスモンスターだ

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