「お!吊り橋だね!……いや長いな」
動画で見るよりも長いんだけどこの橋。奥の方にうっすらパピルスが見えるくらいで結構遠いぞ。
橋をある程度まで進むとパピルスが私たちを見つけてビシっと指を指してきた。
「いいか、人間!最後のゲームだ!こいつはこれまでで一番危険だぞ!』
「…お、おぉう」
「見ろ!「恐怖の死刑執行マシーン!」」
下からは槍、大砲そして火炎放射器、上にはどこから出てるの分からない鉄球、槍、そしてイヌ……製作者の方だったりします?
「…な、なんか、いつもと違う」
「あの骨、罠が本気過ぎないか?」
「確かに、あれが動いたら絶対危ない気がする」
スイッチを押す気がないとは言えやっぱりこの瞬間は心臓に悪いよ。今にも動き出しそうでさ〜。
「俺様が「やれ!と、一言合図すればたちまち動き出すのだッ!大砲が発射され!槍が突き刺し!ナイフが斬り刻む!全ての凶器が、容赦なく攻撃を始めるぞ!」
この武装だけパピルスが作ったとは思えないんだけど。ほんと誰が作ったんだろうね?あとイヌの攻撃はないの?イヌだけノーコメントだよ?
「この仕掛けを生きて突破するのはまず不可能!覚悟は良いか!…良いならいくぞ!いっ…せーの…ほんとにやっちゃうからな!」
シーン、トラップは動き出す様子がないようだ。
「…動かないぜ?故障かな?」
「失敬な!いま合図するところだ!」
そう言っている間にも私はフリスクを連れてジリジリと橋を進みますよ〜!念には念を入れてね!
「…まだ?全然動いてる様に見えないぜ?」
「いや!やはりこのゲームは…なんというか…その…あっという間に決着が着きすぎる。そうとも!」
パピルスが続きの言葉を言おうとすると突然突風が吹いてきた。
「俺様は誇り高き…す…す!…すぅえっくしょん!……“やれやれ“今日は風が強いな」
「「「…え」」」
ちょっっと待って、いま。パピルス。
「…パピルス…いま、合図したか?」
「む!俺様はまだ一言も“やれ!“なんて言ってないぞ!………あ」
パピルスが自分の失言に気付いた瞬間に私はフリスクを抱き抱えて橋を駆け出した。それと同時にトラップが作動する。
「ギャー!?大砲が後ろで!うわぁ!?槍が足元と上から!あばばば!?どこからともなくナイフが出てきた!?いやぁあああ!?橋が燃えてるぅうう!!」
大砲を飛んで避けて槍の間をすり抜けてナイフを躱して燃えてるところは慌てて超える。どうにか橋を越えれそう!
「に、人間!あと少しだ!俺様が受け止めてやるから頑張れ!!」
「さ、サツキ!頑張って!」
「後ちょっと!でもその後ちょっとが長くよぉ!助けてトリエルさーー!!」
ひぃいい!槍の音がすぐ後ろから迫ってきてるよ!ん?イヌ!?
「っぶ!?」
吊り下げられたイヌが真っ直ぐと向かってきて顔に当たる。
「……あ」
イヌを剥がして下を見ると既に橋は無くなっていた。
「スゥ……これは笑ってられないかも」
「言ってる場合か!?」
思わず真顔になってボソっと呟くとキャラから激しいツッコミを受けたけどしょうがないじゃん!こうなるなって思ってなかったんだもん!
「落ちるぅ!」
「きゃああああ!!」
ギリギリ向こうまで届かなくて崖を落ちている間にとんでもなく馬鹿げたことを思いついて一か八か試してみることにした。
「フリスクちゃん!絶対に手を離さないでね!良い!?」
返事は待たずにリュックに仕舞っていたおもちゃのナイフを取り出してこのナイフは刃物だ!明確な武器なんだ!と念じて思いっきり崖に刺した。
−ガリガリガリガリガリ!
今にも離してしまいそうな振動と共にナイフが突き刺さって崖を削りながら減速して、どうにか耐えることが出来た。
いや、ほんと危なかった!死ぬかと思ったよ〜。
「……い、生きて…るの?」
「…サツキ、お前…今のどうやって」
「説明するとちょっとややこしいんだけど。なんてゆうか…思いっきり攻撃してやるぞ!私はナイフを持ってるんだ!って強く念じたら刺さった」
モンスターは戦う意思によって攻撃力や防御力が変わるって言ってた気がするからそれなら忍耐と不屈の力を持った私ならおもちゃを本物みたいに硬くすることが出来るんじゃないかな?って思ったら出来ました!
「ニンゲーン!大丈夫か〜!?」
「大丈夫ー!」
「いまからそっちにいくから待っていろよーー!」
やっぱり彼は優しいな〜…でもあのトラップは危ないね、ほんの少しのだけでもそれっぽいこと言うと発動するなんて。
「うわ〜ここから見る景色ってすっごい。一面が森だらけ」
「…死に掛けてた割には余裕だなサツキ」
「死んでないからセーフセーフ!」
お!パピルスが来た!
「良し!こっちに来い!人間!」
「先にフリスクちゃんを助けてあげてよ。私だけならロープを掴めれば登れるし」
「分かった!さぁ小さい方の人間!俺様の胸に飛び込んでくるのだ!」
「う、うん……っえい!」
フリスクが飛び移るのを確認してから私もロープを掴むと上に影が出来上がった。
「…?」
確認しようと上を見ると壊れた橋の支柱が落ちてきていた。
「……あ〜これは」
「おい!大きい方の人間も早くこっちに!」
「サツキ!急いで!」
「……間に合わないね〜これ」
フリスクたちを巻き込まない様にロープを離すと頭に木片が当たってナイフから手が離れた。
−−−誰かに呼ばれる声を聞きながら私は意識を失った