目が覚めたらそこは地下世界だったとさ   作:CoCoチキ

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四十一話 ゆめ…

 

 「父さん!母さん!ただいま!」

 

 私はドタドタと音を立てて2人の居るリビングの入る。

 

 「父さん!母さん!聞いて聞いて!今日偶然さ!UNDERTALEのグッズを友達から貰ったんだ〜!…あれ?…父さんだけ?母さんは?」

 

 いつもそこに居るはずの仲の良い両親が、今は片方だけになっていた。父さんの顔色は良くなく。何かを言い辛そうな顔をしている。

 

 「…母さんは………事故に遭ったらしい」

 「…っえ?……じ、こ?」

 

 眩暈がした。今まであった日常があっという間に消えてしまう、そんな予感が体中に纏わりつくような感覚があった。

 

 「母さんは……母さんは無事なの!?」

 「…皐月」

 「ねぇ!教えてよ!母さんは大丈夫なんだよね!?生きてるんだよね!?」

 「……落ち着いて聞いてくれ。皐月…聞いた話によると母さんは道路に出てしまった子供を庇って大怪我を負ったらしい。処置はしたけど、まだ予断は許さない状況だとか」

 

 そんな……

 

 「出来る限りのことをしてくれると医者は言っていたが、最後は母さんの体力と意思次第らしい」

 「じゃあ、助からないかも知れないってこと?」

 

 正義感の強い母さんのことだから。有り得ることだった。でも、それでもこんな突然訪れるだなんて思いもしなかった。家族を失ってしまうかも知れないと言う恐怖と悲しさで涙が溢れて視界がブレる。そんな時、私の頭に手が置かれた。

 

 「そんな顔するなって、皐月、いつもの笑顔はどうした?」

 「…兄さん、帰ってたの?」

 「おう!お前のお兄様だぞ!」

 

 どうして兄さんがいつもと同じ調子でいられるのか分からなかった。そしてそれに対する苛立ちも。

 

 「なんで、なんでそんな普通でいられるんだよ!母さんが死ぬかも知れないんだよ!?良いの!?」

 「…よかない、が…俺らに出来ることが何もないことも確かだ」

 「だからってさ!……何これ?」

 

 兄さん思わず掴み掛かろうとした私に兄さんは不敵な笑みで6色の糸を突き付けてきた。

 

 「じゃじゃ〜ん!お守り買ってきました〜!」

 「……ただの糸じゃん」

 「チッチッチ、そうだけどこれはな、糸じゃなくてその色に意味があるんだ」

 「…色?」

 

 どうして色が関係あるの?

 

 「まず、糸には人と人の糸を紡ぐと言う凄い力があるんだ!よく聞くだろ?縁結びの糸とか運命の赤い糸とか。そして俺は色が持つ意味にも着目した!まずはこの赤い糸!赤は情熱や生命力など命の力があると言われ魔除けに使われてきた!これに願掛けをして母さんの体力を補う!」

 「……どこかで頭打った?」

 「弟が辛辣でお兄様悲しい!」

 

 ほんとにどうしたの?急にお祈りなんて。

 

 「まぁ、話は最後まで聞け、続いて青だ。青は信頼や平和の意味を持つ色で俺たちが慌ててもしょうがないかだ冷静に行動しようと言う願掛けをしてきた!」

 「…それで?」

 

 なんだか今の兄さんを見てると別の意味で落ち着いてくる。

 

 「次は金だ!これは自信と言う意味を持つ色で昔のお偉いさんが使ってた特別な色だ!これでこの願掛けに自信を持つと言う願掛けをした!」

 「…それ、意味あるの?」

 

 でも、なんだろうね。兄さんのこの自信を見てるとさ、安心できるのは。

 

 「次は緑だー!これには安心感と言う意味があり、更に生命力の象徴といわれている。これで更に体力を補えると言う算段だ!そして俺たちに安心感をくれる」

 「…んふ……」

 

 真面目なのかふざけるのかどっちかにしてよ!もう!

 

 「その次!白は純粋や希望の意味を持つ神聖な色だ!これで俺たちは希望を持つことが出来る!完璧だろう?」

 「はいはい、兄さんにはいつも敵わないよ〜」

 

 涙の引っ込んじゃった。

 

 「最後はこの黒の糸だ。黒はマイナス面のイメージが強いがその反面プラスなイメージもあるんだ。黒は強さと言う意味がある。そしてよく魔除けにも使われているんだ。おせちにもよく黒豆があるだろう?あれは魔除けを意味してるんだ……これでしっかりとした強い意志を持って母さんに忍び寄る悪いモノを退けることが出来る!更に、糸にすると言うことで遠くに離れていても俺たちの縁が繋がっていると言う呪いも掛けた!隙のない7段構えだーー!」

 

 ほんと、馬鹿みたい。こんなことで安心してしまう私も十分な馬鹿だ。

 

 「…母さんは絶対に帰ってくる。知ってるだろ?母さんの強さを。それに皐月は母さんになんて言われてたっけ?」

 「…あは♪「いつでも優しく、人のことを笑顔に出来る子でいてね」でしょ?分かってるよ!」

 「それでこそ俺の弟!よく言った!俺たちは笑顔で母さんを出迎えてやろうじゃないか!」

 「うん、父さんも居るし。帰ってきたら派手なパーティーでもしよっか!ね!」

 

 そこで私は目を覚ました。

 

 「………夢?…………とっても懐かしい夢を見たな。あはは、ここに来たからかな?どうして忘れてたんだろう。こんな大事なこと」

 

 フリスクは、まだ気を失ってる。

 

 「起きたか、サツキ、どうしたんだ?急に魘されたと思ったら穏やかになったが」

 「…とても懐かしい夢を見たんだ。とっても大事で、忘れたくない思い出」

 

 ねぇ、みんな、私はこっちで元気にしてるよ。だから心配しないでね!みんな元気にしてると良いな〜。

 

 −−−届くの良いな。私のこの想い

 

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