初心者粉眠くんのデュエル日誌   作:XX

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最近、ジュースやお茶よりも純粋に水の方がいいなあと感じるようになってきました。


華の女子寮

 太陽が真上に差し掛かった昼頃、アカデミアでは、島の外からやってきた新入生が波止場に止められた船から降りてきていた。それを私──浜口ももえは友人である水無月愛理さんと共に遠くから大量の食材をが入った箱を手に学園への通い際に見ていた。

 

「懐かしいですわー。私も去年はあのように初々しくこの学園に入学したものです」

「あら、ももえさんはアカデミアの中等部からの進学ではなかったの?」

「愛理さん、中等部は流石に都心部に建てられておりますわ。このような島に来れば誰でも初々しくなるものですわ。そうでなくても、中等部から高等部へと進学するとなれば、余程肝が据わった方でもなければ緊張するものだと思いますわよ?」

「それもそうね。私もあの時は結構こんな島で過ごしていけるのか不安だったわ」

 

 不安と期待とそれから興奮が入り混じった感情と共に降りてくる新入生たちは波止場で待っていた案内役の先生に付いて学園の方へと並んで歩いて行っている。きっとこれから学園の制服を渡されて、カリキュラムや自らの寮へと案内されることだろう。

 

 私もそうだった。中等部から進学してきたとはいえ、こんな海に囲まれた孤島でうら若き乙女が3年間もの期間を過ごすことになるのだ。いくら尊敬する明日香さんが一緒だったとしても、不安を取り除くことなどできるはずがなかったものです。

 

 実際、何度か家に帰りたいと、いつでもショッピングや暖かな家族が待つ家で過ごしていたいとホームシックに罹ることがありました。

 

 それでもやっていけたのは明日香さんやジュンコさん。そして入学してから友人になれた愛理さんがいたからでしょう。もしあたし一人、頼る人も支えになる友人もいなければきっと今頃、折れていたかもしれません。それほど、私と言う人間は強くはないことを私は知っていますから。

 

 私は学園の方へと歩いていく彼らを見て懐かしいという感情に浸っていました。

 

「毎年のことだけど、あの中から何人かは自主退学する人は出るでしょうね。聞けば毎年数人はいるみたいだし」

 

 学園へと歩いて行った新入生の後姿を見ながら愛理さんは心配そうに言いました。

 

「仕方ありませんわ。誰だって、慣れない環境に身を置けば、心と体のバランスが崩れてしまうものですから。それでも、共に支え合える友人が見つかれば、或いはデュエリストとして確固たる信念を持っていれば、きっと乗り越えられますわ」

 

 私は突き放すような少々冷たい口調で言いました。この特殊な学園で親から離れて過ごすのは大体の生徒にとって初めての経験になることは確実。それに耐えられず退学する生徒も数人は毎年のごとく出てくる。だから、心の支えとなるナニカが必要となる。

 

 逆に言えば、それがなければこの学園でやっていくことはできないと、私は暗に潜ませて言った。この学園はデュエリスト育成のために建てられた特別な学園。

 

 より強く、より逞しく、そう願われてこの学園はこんな過酷ともいえる環境の場所に建てられたのだろうと私は考えていた。

 それに耐えられない軟弱な精神の学生はデュエリストとして大成などできるはずがない。そんな建設者の意思を感じられますわ。

 

 私はそんな厳しくも、ある種の優しさも感じられるこの学園を建設したもののことを考え、少しばかり可笑しくて笑ってしまった。

 そして急にクスリと笑った私を愛理さんは不思議そうに見ながら、急かす様に「私たちも学園に向かいましょう」と言った。

 

「そうですわね。いつまでもこんなところに突っ立っていてもしょうがありませんわ。これも持って行かないといけませんしね」

 

 私は手に持った多種多様な食材が入った箱を見ながら言いました。そして私たちは新入生の遥か後方から追うような形で学園へと歩いて行った。その中にはもしかしたら中学からの知り合いがいるかもしれない。そんな会話を挟みながら、オベリスクブルーに来た新入生が困っていたら助けてあげましょうと言い合うのでした──。

 

 

*

 

 

 今日から通うことになるデュエルアカデミアの入学式が終わり、アタシー永元春香は案内されたオベリスクブルー寮の専用の個室で寛いでいた。

 

 この学園を見た時はこんなところで過ごしていけるだろうかと不安だったけれど、この案内されたオベリスクブルー寮を見てそんな不安は一蹴された。ブルー寮は噂通り、いやそれ以上に圧巻であり、とても学生寮とは思えない華やかで豪華な内装であった。ここに案内された時はアタシを含めた新入生女子は全員がぽかんと口を開けて本当にこんな寮で3年間も寝泊まりを許されるのかと見ていたほどだ。

 

 内装や家具も立派なもので、外観のみを取り繕った見掛け倒しではないことを教えてくれていた。通路には絵画や彫像が飾られており、ホールの天井には金色に輝くシャンデリアぶら下がっていた。それは一流ホテルと言っても遜色ないのではないだろうかと言う感想を抱かせた。一流ホテルに泊まったことなんてないから実際はわからないけれど、一種のお金持ちになったような気分に浸ることができたのだ。

 

 アタシは案内された個室に入るなりすぐに旅行で泊まった時でもなければありえないふかふかのベットに寝転がった。

 そしてすぐに当初こんな外界から閉ざされた孤島で住んでいけるだろうかという不安は完全に飛んでいった。

 

 この島にくる前は豪華とは聞いていてもこれほど手厚い生活ができるとは思っていなかった。せいぜいがちょっとしたホテル程度の暮らしになるのだろうと、しかしそんなものではなかった。

 

 ざっと場所だけ案内されたがお風呂も相当に広く、高級旅館さながらの豪華な作りであり、まだ食べてはいないがこの分なら毎日の食事も相当美味しいであろうことが期待できた。これだけ外観や内装に凝っておきながら食事だけ釣り合わないみすぼらしいものになるとは思えないからだ。

 

 寝転がりながらアタシはこんな生活ができるなら3年間どころか一生住んでもいい。そう思っていた。

 

 そうしてベットに寝転がっていると、ふと、道長はどうしているだろうと脳裏に彼の顔を思い浮かべながら考えた。中学からの同級生で数年の付き合いがある異性の友人であるあの男は、理解できない変わった趣味を持っている。それは様々な紋様を施された仮面を集めるのが好きという趣味であった。

 

 そんな気味の悪い、共感できそうにない趣味を持つ異性と友人関係を持つことになったのは奇妙な巡りあわせとしか言いようがない。

 

 憧れに近い感情を向けている愛理先輩経由でコナミ先輩と知り合い、そしてコナミ先輩からデュエルを教わっていた道長と知り合う。そういう経路で知り合いになったアタシとあいつは、仲がいいとは言わないまでも嫌いではないと言う距離感で友人関係を築いていった。お互いに尊敬する先輩は違うけど、その先輩同士が恋仲であったので喧嘩するようなことにはならなかったのだ。

 

 アタシは愛理先輩が好きだった。デュエルは特別好きと言うわけではなかったが、先輩がやっているから教わって覚えた。愛理先輩はアタシから見て、いやほとんどの人から見て完璧に近い女性のようにアタシは感じていた。

 

 賢く、優しく、そして何より美しい。好きな人のために料理をメインに花嫁修業を始めたと言うのだから、それを聞いたときは脱帽して女としては敵わないと感じたものだ。

 

 だから憧れた、そして近づきたいと思った。アタシがデュエリストを育成するこのアカデミアに受験することを決めたのはもっとあの人の美しさや女らしさを学びたいと、あの人に近づきたいと思ったからだった。

 それゆえに、純粋にデュエリストとしてコナミ先輩に尊敬の念を向けている道長とは、この学園でのスタンス、もっというと思いの方向性が違った。

 

 あいつはデュエリストとして強くなるために、あたしは女性として憧れに近づくためにこの学園を選んだのだ。つまり、あたしにとってデュエルとは目的のために仕方なくしている手段に過ぎないのだ。だからこそ、喧嘩はしないが特別仲良くもならない。そういう立ち位置に収まった。

 

「あいつ、きっと今頃は先輩を探して回っているでしょうね。アタシも、愛理先輩を探しましょかね」

 

 アタシは天井を見ながら呟いた。顔を横に向けて窓を見れば、まだ日は明るく、先輩を探す時間はたっぷりあった。

 

 夜まで待てば、新入生歓迎会がある。それまで待てば自然と会える。だから探さなくてもよいのでは? そうも思ったが、早いうちに挨拶に行った方が心証もいいだろう。

 そう決めたアタシはベットから勢いよく立ち上がり、新品同然な部屋のドアから愛理先輩を探すべく出ていった。

 

 それからしばらくアタシは寮内を散策しながら先輩の姿を探した。ロビー、食堂、ラウンジと寮内の主要な場所をいくつか回ってみたが、どこにも先輩の影はどこにも見当たらなかった。

 

(うーん、ここまで探して見当たらないなんてもしかして寮の外にいるのかなあ。もしかしたらコナミ先輩の所にいるのかも)

 

 アタシは脳裏によぎった考えに自分であり得るとすぐさま答えた。愛理先輩はコナミ先輩に浅からぬ恋慕の感情を抱いている。

 それ故に中学の頃は基本的にいつも一緒に行動していたし、ちょくちょくお弁当も作ってきていた。

 

 その時のことを思えば、歓迎会が始まるまではコナミ先輩の元にいる可能性は十分にある。なにせ先輩のコナミ先輩へと向ける感情の重さには正直時折り引いてしまう時さえ合ったほどだ。

 あの思慕の重さが1年も見ないうちに軽くなっているなんて到底考えられない。

 

「となると、愛理先輩と会うのは夜まで待つべきかなあ?」

「…………あら? あなた、愛理さんを探してまして?」

 

 両耳につけている花柄のピアスの片方を弄りながら玄関ロビーへと続く通路を歩いていたアタシの後ろから掛けられた声にアタシは振り向いた。

 そこには上級生であろう、2学年を示すボタンをつけた黒髪の女性がアタシを見ながら立っていた。

 

「えっと………」

「ああ、私は浜口ももえ。2年生ですわ。見たところあなたは……新入生ですわね。どうにも、先ほどから寮内をうろうろとして迷子なのかしらと感じておりましたので気になっておりましたの。それで、声をかけようかと思っておりましたら愛理さんの名前を呟いたをお聞きになりましたのでお声を差し上げた次第ですわ」

 

 そのちょっとばかり畏まったような変わった口調の先輩はどうやら新入生であるアタシがうろうろとまるで迷子のように寮内を彷徨っていたことを見かねていたらしい。

 アタシは迷子のように見られていた自分が恥ずかしくなり、顔を赤くしたが、しかしだからと言ってムキになって反抗するのはより子供っぽいと思い、自然にふるまうように自分に言い聞かせながら話した。

 

「は、初めまして永元春香です。今年から入学した1年生です。愛理先輩とは中学からの先輩でして、挨拶したいなと思って探していたんです」

 

 アタシは包み隠さずに言った。このももえと言う先輩はもしかしたら愛理先輩の居場所を知っているかもしれないと思ったからだった。

 

「あらまあ、愛理さんの後輩さんでしたのね。愛理さんは今、新入生歓迎パーティの準備をしていましてよ。よかったら案内いたしますけど、どうします?」

 

 愛理さんの場所を教えてくれるかもしれない。そんなアタシの推測通り、この先輩は愛理さんの居場所を知っているようだった。しかし、コナミ先輩のところにいるかもと思っていたアタシの予測は外れだったようだ。

 

 準備をしてくれているなら邪魔しても悪いかと思い、アタシは夜まで待とうかと考えたがそれはやめた。なぜなら夜までまだ何時間かある。それを無為に待ち続けると言うのは退屈極まる行為だったからだ。それに歓迎会ではこの学園で新しい同年代の友人を見つけることもしたいので、先輩への挨拶は早いに越したことはない。

 

「それでしたらお言葉に甘えて、お願いします」

「ええ、そうと決まりましたら行きましょうか。えーと、春香さんでしたわね。愛理さんの場所まで案内致しますわ」

 

 そうしてアタシはももえ先輩の案内の元に愛理先輩のいるであろう場所まで連れて行ってもらうことになった。アタシは案内してもらいながらももえ先輩は中学時代の愛理先輩がどのうように過ごしていたのか気になるのかアタシに道中の雑談がてら聞いてきた。

 

「愛理先輩は基本的にコナミ先輩にべったりでしたね。勿論同性の友達といる時もありましたけど、どちらかと言うと他の女性に対して牽制するようにコナミ先輩に対して好意を抱いていることを周囲にアピールしてましたよ」

「あらまあ、愛理さんったら中学の頃からそうでしたのね」

「アカデミアでもそうなんですか?」

「ええ、といっても流石に寮が離れていたりしますので常にって言うわけではありませんけど、授業などではいつも隣にいますわよ」

 

 驚いたように目を見開くももえ先輩とは反対に、アタシはやっぱりと感じていた。どうやら、予想通り愛理先輩は今でもコナミ先輩と仲がよろしいらしい。聞く限り、この学園でもべったりとしているようでその様子は変わってはいないようだ。

 

「コナミ先輩かあ。中学でもそうでしたけどデュエルは相当強かったからやっぱりオベリスクブルーにいるんですか?」

 

 アタシはコナミ先輩の動向にはそれほど興味はなかったが、まったく気にしないというのも悪いかと聞いた。流石に中学から知り合いなのはももえ先輩も察しているだろうからだった。

 

「コナミさんですか? ふふ、いいえ。今あの人はオシリスレッドにいますわよ。2学年に上がる際些か悪い成績を取ってしまったようで落とされてしまいましたの」

「えー、あの先輩何をやってるんですか」

 

 コナミ先輩が落ちこぼれが入ると言われるオシリスレッドに入ったことが面白いと言うように少しだけ笑いながら言うももえ先輩に対して、アタシはそれに呆れていた。元からデュエルの腕は別としてもそれ以外で特別尊敬できるほど優れたところはない先輩であったためにオシリスレッドに降格になったと聞いてもそこまで驚きはしなかったが、愛理先輩と恋仲にありながら醜態を晒している現状に呆れたのだ。

 

「コナミさんはアカデミアでもデュエルは相当お強いのですけど、筆記の方がなかなかよろしくないようでして、愛理さんも苦心しているみたいですわ」

「はあ、今でも直ってないんですね。まあ、アタシも勉強は好きではありませんけど」

 

 アタシはそう付け加えて言葉を切った。そして愛理先輩とコナミ先輩を思い、やはりあまり吊り合ってないなあと感じた。

 確かにコナミ先輩はデュエルは強い。それで愛理先輩に言いよる男やデュエルで解決できる問題が発生した時に人助けなどもしていたのを聞いている。

 

 アタシも一応、何度かお世話になっている。そのためあまり強く非難できる立場ではないが、それしか取り柄がないようにも感じるため、才色兼備を形にしたような愛理先輩とはどうにも吊り合っていないように感じていたのだ。

 

 とはいえ、言って聞くようならあの2人とうの昔に別れている。そしてオシリスレッドに降格になっても未だコナミ先輩と一緒なら容易には離れないだろう。或いは愛理先輩なら欠点すら愛おしいと言うのかもしれない。アタシは少しばかり暗い気持ちになって息を吐いた。

 

「それはそうと、春香さん、この学園はどう? やっていけそうかしら」

「はい! 最初はこんな島でやっていけるのか不安でしたが、この寮を見て安心しました。玄関の天上に吊り下がっているシャンデリア、大きなお風呂、広い個室。何から何まで豪華で、もう最っ高だと思いました!」

 

 オベリスクブルーは噂に違わない、いっやそれ以上の豪華絢爛っぷり。まさしくお姫様の如くおもてなしされている気分だった。

 

「なにより女子は全員がこの寮で過ごせるってことがいいですね! どんなに成績が悪くても女子ってだけでこんな暮らしができるんですから、この学園を選んでよかったって思いました!」

「そう、ところで春香さんはどうしてこの学園に進学することに決められましたの? やはり、デュエリストとして強くなるためですか?」

「まっさかー! デュエルなんてそこそこやれれば構いませんよ。アタシがこの学園を選んだのは憧れの先輩である愛理先輩がいるからと女子は無条件で豪華な暮らしができるからって聞いたからです。そうでなければ、こんな孤島で3年間っていう貴重な青春を送ろうなんて思いませんって」

「………」

 

 アタシは意気揚々とももえ先輩に答えた。それを聞く先輩の表情は変わらず笑顔は消えていなかったが、どこか、迫力が増したように感じた。

 

「そうですか。あなたはそのような動機でこの学園に進学されたのですね」

「はい! いやー受験は難しいって聞いて受かるか不安でしたけど、普通に受かりましたし、これから毎日こんな贅沢な暮らしができるって考えたらもう!」

 

 アタシはこれから訪れるであろう暮らしを夢想して顔が緩んだ。美味しい食事、豪華な部屋。最低限留年しない程度の成績を収めておけばこんな贅沢な暮らしが許される。立地の問題で不満がないと言えば嘘になるが、それを補って余りある暮らしだ。

 

 それを思うと、成績で生活環境のレベルが上下する男子が哀れでならなかった。しかし、成績がどうであれ、貧相な寮に暮らす男子を見下ろすというのもそれはそれで優越感に浸れそうだとアタシは思った。

 

 そうして話していると寮の北側の奥まったところにある長い通路を抜けたところにある少しばかり広い部屋にたどり着いた。

 

「ここは………あの……愛理さんはいないようですけど」

「ここはデュエル場ですわ。オベリスクブルー女子寮に特別に作られた。春香さん、あなたにデュエルを申し込みますわ」

「──え!?」

 

 ももえ先輩の言葉と共に背後の扉が勢いよく閉められた。ドアの傍には数人の女子がいて、どの人も上級生だった。ドアは彼女たちが閉めたようだ。ご丁寧に鍵までかけたようで出さないと言う意思が感じられた。周囲には僅かながらアタシと同じ新入生と思われる生徒がいて皆一様に項垂れていた。

 

「ど、どういうことですか先輩!?」

「最初は素直に愛理さんの元へと案内するつもりでしたのよ。でも気が変わりました。春香さん、どうやらあなたは矯正する必要があるようですので、歓迎会まで時間もありますし今ここでそれをして差し上げますわ」

 

 そう告げると横から歩いてきた上級生であろう女性からデュエルディスクを受け取って先輩は腕にはめた。その上級生はあたしの方にもやってきてデュエルディスクを渡してきた。

 

「矯正って、意味がわからないんですけど!」

「一応言っておきますが、このデュエルを受けるかどうかはあなた次第ですわ。しかし、受けなければ、あなたは大変苦労なさると思いますわよ」

「受けるかどうかはアタシ次第って、ドアは閉められているし、受けない選択なんて選べないじゃないですか!」

「どうしますか。受けますか、それとも断りますか?」

 

 アタシの疑問を無視して語る有無を言わせぬその言葉にはどこか不吉な予感を与えてくるものだった。アタシはその雰囲気に押されるようにデュエルディスクを構えた。

 

「やるしかないみたいですね」

「受けると言うことでよろしいですわね。それでは…………」

 

「「デュエル!!」」

 

 目的も意図も不明だが、入学して早々、アタシは先輩とデュエルすることになったのだった──。

 

 




アカデミアの女子ってどんなに成績が悪くてもブルー寮なのは防犯対策もあるんだろうけど、明確な優遇ですよね。
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