初心者粉眠くんのデュエル日誌   作:XX

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アメリカ舞台だけど行ったことないんだよなあ。


レッツゴー! アメリカ!!

 突然だけど、僕は今アメリカに来ていた。正確にはアメリカ行きの飛行機に乗っていた。飛行機から見える風景は青一色。時たま真っ白で淡く溶けていく雲が通り過ぎるけれど、遥か上空を飛ぶ飛行機はその世界を単色に染めていた。

 風を切り裂いて飛んでいる飛行機の機内は驚くほど静かで、人の話し声こそすれど気になるほどではなかった。少し首を伸ばして機内の様子を見ると僕と同じアメリカ行きの人たちが数十人ほど行儀よく椅子に座っていた。

 出張なのかスーツを着た男性や小さな子供を連れた両親が窓際に興味深そうに外を見ている子供にジュースを飲ませてあげたりしていた。

 

 久々に乗る飛行機はそれが飛び立つ瞬間のお尻が浮くようなフワッとする感覚には思わずビクッと反応してしまったが、以後は快適に過ごすことができていた。たまに上下に墜ちていく感覚や昇る感覚には思わず身を震わせずにはいられなかった。

 

 ところで、僕が唐突にアカデミアを飛び出してアメリカ行きの飛行機に乗っているのにはもちろん理由がある。それは決して学校が嫌になったからとか、思春期特有の冒険心からくる自分探しの旅でもなかった。

 僕はこれから将来デュエリストのプロになるための資格取得の試験を受けに行くのだ。学校を休学して、何とアメリカくんだりまでわざわざ行ってだ。

 

 意味が分からないと、試験は日本では行われないのかと疑問に思うことだろうが、勿論日本でも行われている。なのにどうしてアメリカまで行く必要があるのか。それは………正直なところ僕にもよくわかっていない。

 

 原因はわかっている。隣の席でアイマスクをつけて眠っている愛理ちゃんのお父さんである藤次郎さんが僕を誘ったからだ。

 藤次郎さんがどうして僕をアメリカに誘ったのか、それは教えてもらっていないので分かってはいない。だけど、藤次郎さんには多大な恩がある。恩だけではなく、将来的に僕がプロになる際にスポンサーとなってもらう契約でお金も借りているため、理由がなんであれ断ることはできなかっただろう。

 と、言うわけで、僕は誘われるがままに母国を飛び出したというわけなのだった。

 

「うーん、飛行機は滅多に乗れないから割と楽しかったけど、こう何時間も乗っていたら流石に飽きてきたなあ。外を眺めていても変わり映えしない景色だし、あとどれくらいで着くんだろう」

「日本からアメリカまでは約半日だ。だから、まだまだ時間がかかる。時差もあるし、私のように眠っているのがいいよ」

 

 起きてほしくて話しかけたわけではなかったが、頬杖をつきながらぼやいた僕の言葉が聞こえたようで、或いはそれによって起きたのか、藤次郎さんがアイマスクを片指で持ち上げて隙間からこちらを見ていた。

 

「あ、起きたんですか。すみません起こしてしまいましたか?」

「いや、謝らなくていいよ。大して深くは眠っていなかったからね」

 

 僕は起こしてしまったかと機嫌が悪くなってないか危惧したが、特別気にしてもいない風で藤次郎さんは欠伸をしながら伸びをしていた。

 アメリカまでの到着にはまだまだ時間がかかる。なら、到着までに藤次郎さんの目的を聞くのもいいかもしれない。ちょうど、起きてくれたようだし。僕はそう思い、目を擦っている藤次郎さんの方を見て聞いた。

 

「ところで、まだ聞いていなかったんですけどどうしてわざわざアメリカまで行ってプロ資格の試験を受けに行くんですか。それも藤次郎さんも同行して……」

「理由はいくつかあるが、一つは君の見聞を広げるためだな」

「はあ、見聞ですか?」

 

 僕はを首を傾げて聞き返した。藤次郎さんはこちらを見ずに機内の横を通りかかったキャビンアテンダントにドリンクを頼みながら言った。

 

「ああ、将来的に君には異国を飛び回ってもらうことになる。特にデュエルモンスターズの本場アメリカは一番多く来ることになるだろう。だから、この機会に少しでも慣れておいてもらおうと思ってね」

 

 僕は藤次郎さんの説明に「あ~そういうことですか」と納得するように頷いた。プロ活動で最も活動するのに多くなるであろう舞台はアメリカだ。プロリーグで活動している丸藤さんや最年少プロとして一躍有名になったエド・フェニックスという少年も皆基本的にアメリカで活動している。

 

 だから、僕も日本で過ごしながらもアメリカでも長いこと活動するようになるだろう。藤次郎さんは時差や風土と言った日本とは違うアメリカと言う土地に早いうちから触れさせようと言うことなんだろう。

 

 僕は国内旅行はともかく外国旅行には行ったことがない。だから、今回の目的であるプロ試験はべつとして、踏んだことのない外国と言う土地には内心ワクワクしていた。

 そして、藤次郎さんの目的を考えると、試験を受けて即帰国ということにはなりそうにないので観光も多くできそうだなあと期待を胸に膨らませた。

 僕は予め買ってきておいたアメリカの観光地が書かれている雑誌がトランクの中に入れているのを思い起こし後で改めて見ておこうと決めた。観光するなら事前リサーチは必須だからね!

 

「そうだったんですね。愛理ちゃんも来れたらよかったんですけど、どうして許可しなかったんですか?」

 

 今回の旅は僕と藤次郎さんの二人旅だ。愛理ちゃんも行きたがっていたんだけど、藤次郎さんが許可しなかった。プロ試験を受けるという目的があり、仮ではあれどスポンサー契約を交わしている藤次郎さんの勧めと言うこともあり休学と言う形で学園は休めたが、愛理ちゃんはそういう目的がないため休めなかったのだ。

 許可してくれなかった時の愛理ちゃんは相当機嫌が悪く、宥めるのには苦労させられた。僕自身一緒に行きたかったから残念ではあったのだ。

 

「愛理は私の仕事の関係で子供の頃から外国には連れて行っていたからあまり意味がないんだよ。君と違い休学してまでアメリカまで行く必要はない。だから、二人一緒のアメリカは卒業してから来るといい。楽しみにしながらね」

「わかりました」

 

 当然のように意味がないと語る藤次郎さんに僕は内心でかなり気落ちしながら答えた。アメリカに誘われた時は愛理ちゃんも一緒だと自然思っていたからだ。だから愛理ちゃんは行けないと知った時は残念でならなかった。二人で異国デートとかしてみたかった。

 愛理ちゃんとの観光は2年後までお預けかあ。プロになったら飛び回るわけだし、まあいいか、と強引にだが僕は自分を納得させて気持ちを切り替えた。『まあいいいか』は魔法の言葉、すべての不都合を流せる不思議な言葉だ。

 

「この旅行は試験のほかに僕に外国という土地にも慣れさせることが目的と言うわけですね」

「うん、それだけではないけどね。実はアメリカで君に会わせたい少年がいるんだ。彼がいるのがアメリカで君と同じプロ試験を今年受けるとのことだからちょうどいいと思ったんだ。それも君がアメリカで試験を受ける目的の一つだよ」

「会わせたい少年ですか?」

「そう、会わせたい少年だよ。まあ、それは会ってからのお楽しみと言うことにしておこう。今はとにかく、ゆっくり空の旅を楽しむといい」

 

 その言葉を言い終える前に、藤次郎さんは上げていたアイマスクを再び瞼の上に落として眠りの準備を継続した。

 僕は詳細について聞きたい欲に駆られたけれど藤次郎さんは寝つきがよいのか、すぐにすーすーと夢の中へと意識を飛ばしてしまっていた。

 

 僕は仕方がないかと窓の外へと意識を戻して、藤次郎さんの言ったこの旅の目的について思いを馳せた。プロ試験や外国に慣れることはともかくとして、会わせたい少年って誰のことなんだろうか。

 藤次郎さんが少年と言う以上、歳は僕と同じか下かもしれない。それもきっと外国人だな。アメリカで会うと考えると、欧米人と言う可能性が高いのかな。

 

 欧米人なら、金髪で青い瞳の男の子だろうか。いや、必ずそうとは限らないか、などと、頭の中でその少年とやらについてあれこれと考えていた。

 プロ試験を受けると言うのならデュエリストだろうと言ったことや、もしかしたら今話題のエド・フェニックスと言うこともあるのかあ、いやすでにプロだから試験云々はあり得ないかなどなど、取り留めもないことをつらつらと考え、そうして考えている間に気が付けば深い眠りについていた──。

 

 

 

 

「美味しい! と言うかデカイ!! 流石アメリカはスケールがおっきいですね!!」

 

 半日にも及ぶ長いフライトを超えた先、僕はアメリカと言う広大な大地に足を降ろしていた。燦燦と照り付ける太陽は大地と僕たちの肌を刺すような熱を与えていた。

 その中で時間帯が朝と言うこともあり、僕と藤次郎さんは朝食をとることにした。そして、アメリカと言えばという僕の希望で近くのバーガーショップで食事をとっていたんだ。

 

 両手で持ったハンバーガーのサイズは食べなれた日本のそれとは大きくサイズ感が違って優に2倍以上はあるだろうボリュームを持っていた。僕は優雅にコーヒーを飲んでいる藤次郎さんとは違って、大口を開けてかぶりついていた。

 

「日本とは違って、食いでがあるだろう。美味しいものはハンバーガーだけではないぞ。そうだな、夜は予約しているレストランでステーキが待っているよ。昼は…………特に予約とかは入れていないけれど何か食べたいものはあるかい?」

「食べたいもの…………」

 

 口をもぐもぐをさせながら考える。アメリカと言えばハンバーガー以外だとピザやホットドッグ。それ以外だとフライドチキンとかだろうか。いいものだとロブスターとかもお願いすれば食べれるかもしれない。僕の乏しい知識と想像ではとにかく濃い味の食事が多くなりそうだ。

 

 試験は2日後だし、今日のところは藤次郎さんお勧めの観光地を回る予定だ。アメリカには1週間ほど留まる予定だし、結構余裕がある。1週間もあれば急がなくても色々な食べれるだろう。

 なら、急いで目当てのものを食べなくてもいいか。それよりも、昼食は軽くすまして観光地を回るのがいい。雑誌に載っている観光地にも美味しいものは沢山あるだろうしね。

 

「うーんこれから観光することを考えて、昼食は軽いものがいいです。どこかお勧めの喫茶店とかで食べませんか?」

「そうしよう。食事を終えたら出発だな。観光地でも日本では感じられない土地柄と言うものがある。私からはぐれるなよ。攫われたら一大事だ」

 

 そうして、口いっぱいに頬張りながらの食事を終えた僕は藤次郎さんの案内の元、アメリカと言う土地を、そのごく一部を見て回り始めた。

 

 

 

 

「──ここがニューヨークでも有名なタイムズスクエアだ。世界の交差点とも呼ばれるここはプロとして活動するようになったら何度も来ることになると思うから、色々と見ておいて損はないぞ」

 

 そこは大きな交差点、巨大なビルが、多くの人が行き交うザ・ニューヨークという感じの場所だった。

 そこで僕は迷子にならないようにキョロキョロと観光客さながらに周囲を見渡しながら、その色々と巨大すぎる光景に圧倒されていた。

 

「さて、正直ここで1日を過ごすこともできるし、一つ一つ見ていったらきりがない。だから──」

 

 藤次郎さんが今後の予定を言っているのを横で聞こえながら、僕はその内容に集中することができずにいた。なぜなら、見渡していた周囲の中に、ひときわ目立つ女の子がいたからだ。

 いや、この言い方は語弊があるか。あくまで僕にとって目を離せない女の子と呼ぶのが正しいだろう。なぜなら、喫茶店のテラスで美味しそうに大きなホットドッグを頬張っているその子に僕は見覚えがあったからだ。

 

 彼女の新緑を思わせる緑色の髪。その長い髪をまとめて後ろに垂らし、愛理ちゃんやアウスを思わせる奇麗な美少女と表現して不足ない容姿。服装こそ現代風なラフな格好をしているようで違うけれど、僕はその姿に酷い既視感を感じていた。

 主に、デュエルモンスターズのカードでその姿を見たことがあった。

 

「あそこにいるのって…………」

『ああ、あの間の抜けた表情でホットドッグを食ってんのはウィンだな。他人の空似じゃねえ』

『うん、間違いなくそうだね。まさかこんなところで会えるとは、運がいいと言っていいのかな。まあ、彼女にとっては悪いと言っていいだろうけどね』

 

 僕が見ている方向にヒータとアウスが肯定するように僕に言った。姿は見えないが、僕の左右にいるのだろう。

 そして、突然、テラスの椅子で美味しそうに食べていたウィンらしき人物はなにやら慌てた様に自分の左右を見て、そしてこちらを見るなり驚愕したように目を見開きながら立ち上がり、外へ向かって逃げるように走り始めた。

 その姿はさながら悪いことをして警察から逃げる犯人のようであったと心なしか感じていた。

 

『おい! 追いかけるぞ!!』

「えっ!?」

『あの野郎、アタシたちを見て逃げやがった!』

『コナミ、急いだほうがいい。ウィンは逃げ足が速いうえに、僕たちは土地勘がない。ここで逃がしたら次いつ会えるかわからないよ』

 

 突如として走り逃げたウィンを呆然と見ていた僕を 咤するように左右からいきり立つ声が急かした。逃げ去ったウィンに続く形でヒータとアウスから追うように指示され、僕は気が動転しながらウィンらしき少女が去った方向へわけもわからず走り始めた。

 

 状況から推測するに、どうやら僕がウィンらしき少女を見つけると同時に、ウィンも自分を見つめる存在に感づいたのか僕を、ではなくその隣にいたのであろうヒータとアウスを見つけて、走り出しと言うことのようだ。

 突然走り出した僕を呼び止める藤次郎さんの声が後ろ髪を引いたが、この機会を逃せばいつ会えるかわからないというアウスの言葉に従い、僕は全速力で人混みを縫うように走った。

 

 そうして、人にあふれたタイムズスクエアでも見失わないように上空から探してくれているヒータとアウスの指示に従って走り続けること、しばらく。

 観念したのか、それとも道を間違えたのか。人通りの少ない路地裏の突き当りで緑の髪を揺らしたウィンはオロオロと落ち着かない様子でこちらを見ていた。

 その様子から、この状況からどうやって僕から逃げるかを考えているのが丸わかりだった。

 

「はぁ………はぁ…………。君はウィン………であっているよね。霊使いのさ」

「う~~~ッ! そう…………だけど。君は………?」

「僕はコナミ。君たちが勇者と呼ぶ存在だよ」

 

 今にも泣きだしそうでこちらを怖がっている様子のウィン。それは嫌がる少女を強引に追い詰めている悪漢みたいであり気が引けたが、だからと言ってここまで来て引くわけにもいかないと思いまずは自己紹介からと話しかけた。

 彼女は僕の言葉におずおずと僕の質問に返事をして、そして僕の勇者と言う言葉を聞いて観念したように項垂れた。

 

 どうやら、余程僕とは会いたくなかったらしい。いや、まあ逃げた時点でそれはわかっていたんだけど、ちょっとその反応は凹む。

 特にかわいい女の子にそんな反応をされるのは辛い。それはもう辛い。心にナイフを刺されるように辛い。

 

『ウィン、もう逃げ場はないんだから諦めて役目を果たしなよ。私とヒータはもうクリスタルを渡しているんだから』

「嫌だよ! 私はもっともっと美味しいものを食べて、楽しいことをして遊んで色んな所へ行くんだもん! 役目なんてもので終わるなんて嫌だよ!!」

『ちっ、何が遊びたいだ。里の奴らはアタシたちを物見遊山させるためにこの世界に送ったわけじゃねえってのに。仕方ねえ、その気がねえなら逃げられねえようにするだけだ。おいコナミ、そのクリスタルに力を注ぎな』

 

 アウスの嗜めるような説得に耳を貸さないように頭を振ってこちらを睨んでいるウィン。傍から見ると完全にこちらが悪者のようだなあと感じながら、隣で舌打ちをしたヒータは僕の胸元にあるクリスタルの力を使うようにと言ってきた。

 

「え、いや、力を注ぐって、どうやって」

『んなもんお前が考えろ。力を注いだらあとはアタシが何とかしてやっからよ。さっさとしな、ウィンを逃がしたくねえだろ』

 

 投げやりなヒータに僕は(カミューラの時にやったみたいにすればいいのかな)と思いながらクリスタルを握りしめてそこに力が入るよう念じた。

 すると、クリスタルが赤い輝きを放ち始め、ヒータのシッという声とともに赤い紐状の何かが嫌だいやだと駄々をこねているウィンの胸元を貫いた。

 

「きゃぁああ!?」

「うぇぇっ!? 何あれ!! 大丈夫なの!?」

 

 胸を赤く光る紐に貫かれたウィンの様子の瞠目しながらヒータに聞く。

 

『あれは鎖だ。あんたから逃げられないようにするためのな。これでウィンはデュエルで勝たないと逃げられねえってことさ。そして、それも拒否しても、時間が経つごとにウィンの持つクリスタルから力を吸い取って使命を果たせるって寸法さ。ぶっつけ本番だが、上手くいったようだな』

「そ、そんなことできるんだ!?」

 

 どうやらあの赤く光っている紐はヒータが僕のクリスタルを操作して生み出したものらしい。グッジョブだが、説明通りなら中々えげつない効果をしている。

 

『僕とヒータで話し合ってね。いまだに君の前に現れない子たちはたぶん実体化が解けるのを嫌がっている可能性があるから、その時に備えて置こうって。クリスタルには僕たちの力が入っているから、君の意思で僕たちが干渉すれば色々とできるのさ。ああ、一応忠告しておくけどいろいろできるからって君が使おうとするのは緊急時以外はやめた方がいい。十中八九失敗して痛い目に合うから』

「そ、そうなんだね。うん、ありがとうアウス、ヒータ」

 

 どうやっているのかはわからないけれど、ともかくクリスタルの力を使ってウィンが逃げられないようにしてくれたのだけはわかった。

 このクリスタルって霊使いの子たちの力が入っているらしいけど、それを彼女たちが使えば色々できるようだ。僕が使用すると失敗するのが目に見えているというらしいのが残念だけど。

 

「ごほん、ウィン、君がこの世界で遊びたいと言う気持ちは分かったけれど、僕がクリスタルの力を集めているのは世界を救うためなんだ。ここであったのはきっとそういう運命だったんだと諦めて、僕とデュエルしてくれないかい」

 

 僕はできる限り穏当に、優しくを心がけてウィンに話しかけた。何だか彼女はアウスやヒータと比べて、精神が幼いと言うか子供の様に感じられたため、厳しくしかりつけるように声をかけるのは躊躇われたのだ。

 それに対して、ウィンは涙目を浮かべながら、紐をちぎろうとしても千切れず、やがて僕とデュエルするしかないと悟ったように項垂れてカバンから取り出したデュエルディスクを構えた。

 

「私が勝ったら諦めてよね」

「うん、まあ、君のことは諦めるよ」

 

 とりあえず今は、という言葉を発さずに僕もデュエルディスクを構えてデュエルの準備をした。そして、僕とウィン以外いない路地裏でひっそりと僕たちのデュエルが始まった。

 

「「デュエル!!」」

 

 




飛行機の離陸時と着陸時の感覚が苦手です。あのフワッと浮く感覚とか怖いんですよねえ。
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