今年からまた続きを書いていこうと思います。
今までのように2日に1話はちょっとしんどかったので、更新頻度が少し落ちることになると思います。
よかったら今後も読んでいただけるとありがたいです。
春、吹雪さんとデュエルしてから3年。僕たちは6年生になった。
「はあ〜。今日もいい天気だなあ〜」
放課後、教室の窓から外を見ればグラウンドでサッカーをしているコウキがいる。
「コウキはクラブか〜。三沢君は児童会で仕事。僕は…今日は特に用事もないし、どうしようかなあ」
僕も委員会には入っているけど今日は用事はないんだよなあ。
ーコナミくーん!!!
あ〜遠くから僕を呼ぶ声がする。
声がする方向を見ると小柄な男の子が僕の方へ駆けてきている。
これは~あれか。いつものやつかなあ。
「なんだい。そんな大声を出して、こんないい天気なのにのんびりできないじゃないか」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ! ヒロシ君がまた賭けデュエルでみんなからカードを盗ってるんだよ!」
あ〜やっぱりヒロシ君かあ。毎度のことながらしつこいなあ、あいつも。これで何度目だ?
「で、また僕を連れて来いって言ってるわけ?」
「そうだよ! 三沢君はこれないし。だから早く来て! 皆んなのカード取り返してほしいんだ!」
はあ。仕方ない…。取り返しに行くかあ。
ちょうど昨日作ってみたデッキもあるし。それでデュエルするのもいいだろう。
僕がクラスメイトに連れられ学校の校庭まで行くと恰幅のいい少年が仁王立ちで待っていた。
「待ってたぞコナミ! 今日こそお前を倒してやる!!」
「ヒロシ君。あのさあ、こんな回りくどい方法取らなくても普通にデュエル申し込んでくれたら受けるよ?」
毎度毎度クラスメイトや下級生からアンティルールでデュエルして、カードを奪っては僕や三沢君に勝負を挑ませにくる。
言ってくれれば普通にデュエルすると言っているにだ。
「うるせえ! 俺とアンティルールでデュエルするのかしないのか! どっちだ!」
「う~ん、わかったよ。じゃあいつも通り……デュエルしようか」
「へへっ。今日こそ俺が勝ってやる!」
僕とヒロシ君は持ってきていたデュエルディスクを用意しデュエル開始の宣言をした。
「「デュエル!!」」
僕のデュエルディスクが後攻の点灯をしている。先攻はヒロシ君か。
さて、もう何度もデュエルしてきた相手だ、手札にあるなら出してくるのは……。
「俺のターン、ドロー!」
「俺は手札から鉄の騎士 ギア・フリードを召喚!」
《鉄の騎士 ギア・フリード》 攻撃力1800 守備力1600
「俺はこれでターンエンド!」
ギア・フリードか。あのカードを使ってこない辺りまだ手札はそろってない感じかな。
僕の手札は……う~ん悪くはないがキーカードが足りないなあ。
まともに殴り合って勝てるデッキではないし、仕方ない。時間を稼ぐ方向で行こう。
「僕のターンドロー!」
「モンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンド」
「なんだあ? 珍しく事故ったかあ!?」
いつもの僕を知っているからだろう。1ターン目にしてはあまりに消極的な行動にヒロシ君が驚きながらも嬉しそうに笑っている。
「俺のターンドロー! ……はっ! 俺の勝ちだなコナミ! 俺は鉄の騎士 ギア・フリードに拘束解除を発動!」
「来るかっ!」
「その身に纏いし鎧、今こそ解き放て! 剣聖ーネイキッド・ギアフリードを召喚!」
《剣聖ーネイキッド・ギアフリード》 攻撃力2600 守備力2200
ヒロシ君の場にギア・フリードが鎧を脱いだ姿となって現れた。
ヒロシ君の切り札ネイキッド・ギアフリード。
上級モンスターらしく高い攻撃力を持っている。
2ターン目にして出してくるとは。いい引きしてるよ。
「バトルだ! ネイキッド・ギアフリードで守備モンスターを攻撃!」
「ネイキッド・ソード!」
僕の守備表示モンスターがネイキッド・ギアフリードによって両断され破壊される。
「破壊されたのは暗黒のミミック LV3だ。その効果により僕はカードを1枚ドローする」
「へっ雑魚モンスターじゃねえか。いつものガガギゴはお留守番かあ?」
「……」
今回の僕のデッキにガガギゴは入っていない。
今はひたすら耐え凌ぐのみだ。
「俺はこれでターンエンド!」
「僕のターンドロー!」
「僕はきつね火を召喚! さらにカードを1枚伏せてターンエンド!」
《きつね火》 攻撃力300 守備力200
「また雑魚モンスターか。しかも攻撃表示で召喚とは舐めやがって……」
「後悔させてやる! 俺のターンドロー! 俺はキングス・ナイトを召喚! さらにネイキッド・ギアフリードに伝説の剣を装備!」
《キングス・ナイト》 攻撃力1600 守備力1400
《剣聖ーネイキッド・ギアフリード》 攻撃力2900 守備力2500
「伝説の剣によりネイキッド・ギアフリードの攻撃力と守備力が300ポイントアップ! さらにネイキッド・ギアフリードの効果発動。このモンスターに装備カードが装備されたとき相手モンスター1体を破壊!」
「その雑魚モンスターを破壊しろ! ネイキッド・ギアスラッシュ!」
伝説の剣を装備したネイキッド・ギアフリードが二つの剣を交差させて斬撃を飛ばしてきたことできつね火が破壊された。
「くっ、きつね火が」
「あっけない終わりだったな……。まあいい。勝ちは勝ちだ。キングス・ナイトでダイレクトアタック!」
「いや! 戦闘を行う前に僕はリバーカードオープン 一族の掟を発動! このカードの発動時種族を一つ宣言する。宣言した種族のモンスターは攻撃できない!」
「ちぃっ。仕方ねえ。俺はこれでターンエンドだ。だが所詮その場しのぎだ。次のターンで終わりだ!」
(一族の掟はモンスターを生贄に捧げなければ維持できねえ。これまでのデュエルでコナミが使っているデッキがいつものデッキではないことも分かった。所詮雑魚モンスターの寄せ集めデッキ。ついに俺が勝利する日が来たってわけだ!)
「僕のターン……ドロー!」
「一族の掟は効果によりこのターン維持はできない。よって墓地へ送られる」
「へへっ。とうとう年貢の納め時だなあコナミ! お前をぶっ倒したら次は三沢だ! この学校で1番強いのはお前たちじゃねえ! この俺だ!!」
「……それはどうかなあ」
「ああ? もうてめえのデッキの傾向はわかってるんだよ。弱小モンスターの寄せ集めデッキ。何を考えてるのかわからねえが、そんな雑魚デッキで俺のモンスターたちを倒せるわけがねえ! そんなデッキで挑んだことを後悔するんだな!」
はっはつはっ!と勝ち誇ったように笑うヒロシ君を見ながら僕は手札を見る。
傍から見ても状況は悪いだろう。
周りで見守っている子供たちも不安そうに僕のことを見ている。
たしかに僕の手札にはネイキッド・ギアフリードを倒すカードはない。
普通に考えれば勝つことは難しい。
だが……。
「ヒロシ君。君は何か勘違いをしているようだけど僕たちがやっているのはデュエルモンスターズだ。モンスターを破壊しあうゲームじゃない。先にライフを0にしたものが勝つゲームだ」
「知ってるよ!! 馬鹿にしてんのか!?」
「つまりこういう勝ち方もあるってことさ! 僕は手札からギゴバイトを召喚!」
《ギゴバイト》 攻撃力350 守備力300
キーカードはすべて揃った!
さあ、反撃開始だ!!
「そしてリバースカードオープン 同性同名同盟を発動!」
「同性同名同盟は自分フィールドのレベル2以下の通常モンスターを選択し、手札・デッキから同じカードを可能な限り召喚できる!」
「僕はデッキからギゴバイトを2体召喚! これでギゴバイトが3体揃った!」
「そんな雑魚を並べてどうしようってんだ! 俺の有利は変わらねえ!!!」
「だからこうするのさ! 僕は手札からデルタ・アタックを発動! 自分フィールド上に同名通常モンスターが3体以上揃っているときに発動できる。このターンそのモンスターは相手に直接攻撃できる!」
「なにぃ! だが……攻撃力350がいくら直接攻撃したところで!」
「さらにトライアングルパワーを発動! 自分フィールドのレベル1通常モンスターの元々の攻撃力と守備力は2000ポイントアップする!」
「んなバカな!? ってことはその雑魚モンスターたちは……っ」
「そう。ギゴバイトたちの攻撃力は今、2350! さらにデルタ・アタックの効果により直接攻撃ができる!」
「バトルだ! 僕は3体のギゴバイトたちでヒロシ君にダイレクトアタック!!」
「そんな、こんな結果が……ぐああああ!!!」
《ヒロシ》 残 LP 0
ギゴバイトたちがヒロシ君の場にいるモンスターを無視して口からビームを放ったことで僕の勝利は決まった。
ええ~。君たち殴るとかじゃないんだ……。
僕はてっきり……ていうかビーム撃てたんだギゴバイトって。
「やったあー!! コナミの勝ちだあ!」
「くっ、くっそおおおお! また敗けたぁあああ!」
僕が勝利した瞬間、周りで観戦していた子たちから歓声が上がる。
「よし、じゃあヒロシ君。これに懲りたら普通に誘ってよね、デュエル」
ヒロシ君が悔しがりながらもアンティルールで奪ったカードをみんなに返していってる。
「随分と……変わったデッキを使っていたな。イメチェンでもするのか?」
「……三沢君。見てたんだね」
僕が振り向くと生徒会室で仕事をしていたはずの三沢君がいた。
「書類を職員室に届ける途中に窓から見えたのでな。しかしデッキがいつもとは違ったな……」
「うん。3年前に吹雪さんに言われた自由にデッキを組むといいって言葉を思い出してね。なんとなくこのカードたちが使ってほしいって言っている感じがしたから試しに作ってみたんだ」
3年前、吹雪さんに言われた自由の意味。当初は色々と試してみたが、いまいちしっくりこなかったため、いつの間にか忘れていたこと。
それをふと家で思い出した僕は試しに何も考えずに手に取ったカードたちで組み上げたデッキ。
「それが……」
「低レベルモンスターたちのデッキというわけか。よく勝てたな?」
「いやあほんと、勝ててよかったよ。試運転もなしのぶっつけ本番だったから正直終始不安だった」
正直かなりギリギリだった。デッキが答えてくれなかったら敗けてたかもしれない。
「ふむ、面白い試みだが、いつものデッキはどうするんだ?」
「もちろんあるよ。なんだか思った以上に楽しくデュエルできたから、そのうちこの2つを混ぜたデッキを作ろうと思ってる」
「……まったく異なる2つのデッキ。それを混ぜたデッキか……面白いな。いや、あるいはそれこそ俺が……」
「?」
三沢君が僕の言葉に何か思うところがあるのか書類を持ったまま考え込んでしまった。
「ところでその書類、届けなくていいの?」
「ん? ああ、忘れていた。悪いなコナミ、それじゃあ行くよ。……ヒロシ!! 児童会長として次こんなことをやったらトイレ掃除1週間の罰を与えるからな!」
ガーン!! と聞こえてきそうな顔をしているヒロシ君を見ながら僕も帰宅の準備をするために教室に戻ることにした。
「デュエルも終わったし、みんな! 僕も今日は帰るよ! ヒロシ君、楽しいデュエルだったよ!!」
ーコナミくーん! ありがとうー!!
ーてめえコナミ!! 次はぜってえ俺が勝つからなあ!!
後ろから聞こえてくるみんなの声に返事をしながら僕は新たなデッキの改良案を考えながら教室へ向かう。
ヒロシ君は普通にデュエル挑んできてほしいんだけどなあ……。
「まあいいや。さてと……帰るか!」
桜舞う季節、いつものように日が落ちていく中、僕は家路への道を歩いていくのだった。
タッグフォース1クリアしました~。パートナーAIに苦しめられたプレイだった。
相手もひどいせいで助けられたこともありましたが、厳しい戦いだったぜ。
現在2をプレイ中です。十代のデッキが強くなっててうれしいぜ!