初心者粉眠くんのデュエル日誌   作:XX

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 サブタイトルは難しい。


コウキ! 強さの証明

 

 運動会で行われたコナミと三沢のデュエル。その激闘より少し経ち、俺はクラブのサッカーで他校との試合をしていた。

 

「コウキ! パス!」

「……おらよっ!」

 

 チームメイトからのパスの要請に答えながら思いだす。二人のデュエルを……。

 

 

『バイトロンを召喚! ウォーターワールドの効果……攻撃力は500ポイントアップ!』

 

『僕はワタポンをリリースして手札からギガ・ガガギゴを召喚!!』

 

 

 カードを組み合わせ僅かなターンで上級モンスターを繰り出し接戦を繰り返す二人。

 

 

『現れろ!! ウォーター・ドラゴン!!!』

 

『ギルフォード・ザ・レジェンドを召喚!』

 

 

 今の俺では到底真似できないであろうデュエル。

 それをコナミと三沢は当たり前のようにしてやがる。

 

「イラつくぜっ! どうして俺はっ!」

 

 以前からそうだったが学校ではもう三沢とコナミが最強で誰もかなわないと諦めている。

 

 そしてその話の中に俺はいない……。

 

「コウキ! シュートだ!!」

「!? くっ、入れてやるよおおおお!!!」

 

 俺は送られてきたボールを思いっきり蹴りだし、ゴールへと叩き込んだ。

 

 ピッピー! と笛が鳴り俺が蹴ったボールがゴールへと入った瞬間、試合終了の合図が鳴った。

 

「いよっしゃああ!! 俺たちの勝ちだああ!」

 

 チームメイトたちが試合に勝てたことで大喜びで抱き着いてくる。

 

「やったなコウキ! お前は俺たちのエースだぜ!!」

「ああ……俺たちの勝ちだ」

 

 仲間たちからの賞賛を聞きながら、嬉しく感じながらもどこかむなしくも感じる俺がいる。

 今俺がもてはやされたいのはサッカーじゃなくデュエルなんだがなあ……。

 

「イラつくぜ……」

 

「ん? なんか言ったか?」

「いや…何でもない」

 

 小声でつい口から洩れた言葉を仲間たちに否定して俺は対戦相手への挨拶もそこそこにベンチへと戻った。

 

「はい、コウキ。これドリンク。疲れたでしょ?」

「……ああ。ありがとうマネージャー」

 

 俺はマネージャーからドリンクをもらい、勢いよく飲む。

 

「ふうっ。疲れたなあ……」

 

 俺は空を見上げながらつぶやく。

 

「あんなデュエルがしてぇ……」

「……デュエル?……あー!! コナミ君と三沢君のデュエル時のことね?」

 

 チームのみんなにドリンクを配っていたマネージャーが分かったと言わんばかりに声を上げる。

 

「すごかったもんねえあのデュエル。私見てて感動しちゃったわ! 三沢君なんて勝った瞬間大声上げて喜んでたんだもの。あの冷静な三沢君らしくなくて驚いちゃったわ……」

 

「おう俺も俺も! すごかったよなあ。勝った三沢はもちろんだけどコナミも最後まで競り合ってさ。俺はデュエルはしないからよくわかんないけど、あれはすごかったぁ。俺の弟たちも大興奮でさ。しばらくその話でもちきりだったぜ」

 

 試合で勝ったということもあってか気分が明るいみんなは運動会で見たデュエルの話で盛り上がっている。

 

「それでコウキもコナミ君たちみたいなデュエルがしたいって思ったのね」

「あ~いや、それは……」

 

 あまり突っ込まれたくないようだったから俺はつい言い淀んでしまう。

 2人のデュエル。あれが俺にもできれば俺もみんなの話題の的、ヒーローになれる。

 

 みんなに賞賛されて尊敬されて、それで……。

 

「あ~無理無理、マネージャーそりゃ無理だぜ。俺と一緒に見てた親父が言ってたけどありゃ小学生のレベルじゃねえってさ。いわゆる天才同士のデュエルだってよ」

「へぇ~やっぱりすごいのねえ、あの二人は……」

 

 天才たちのデュエル……か。

 俺は……。

 

「お前たち、いつまでも話してないで荷物をまとめて帰るぞ! バスを待たせているんだから急げ!」

 

 コーチが声を上げて話を強引に切り上げさせて帰宅の準備を急がせてくれた。

 

 バスでの帰り、流れていく風景を見ながらいつかの時、カードショップで話した店長の言葉を思い出す。

 

 

『あの子は早熟なんだ。……きっと勝てるさ。頑張っていけば』

 

 

「頑張っていけば勝てる……か。……俺、本当に勝てるのかなあ……店長」

 

 

 

 それから数日、授業も終わり放課後。

 

 教科書を机の中に詰め込んだ俺はクラブへ行く準備をしていた。

 

「コナミ君はいる!!」

 

 すると教室の入り口に他クラスの男子だろう背の小さい男子が立っており、どうやらそいつがコナミを探しているみたいだ。

 

「誰だあいつ?」

「あ~確かだいぶ前にも一度コナミを呼んでたな、確かヒロシの奴がどうとかで……」

「ふ~ん。なるほどな」

 

 得心のいった俺はとりあえずその男子に話を聞いてみることにした。

 

「……いや。コナミは今日用事があるからってさっさと帰ったぞ」

「えぇええ! そんなぁ。……三沢君も今日はいないんだよね?」

 

「おう、二人とも用事で帰ってるな。なんだ……ヒロシの奴がま~た懲りずにアンティで奪ってるのか?」

「そうなんだよ。それでどっちか呼んで来いって……」

 

 ヒロシか……よくもまあ懲りずにやるもんだ。

 他の奴らからカードを獲っている。つまり悪者ってことだよなあ。

 

 そいつからカードを取り戻せば俺もヒーローなれるってことか……?

 

「……よし! 俺が行ってぶっ倒してやるよ!」

「うえ!? 君が? 確かコウキ君だよね?」

 

「おう。俺に任せとけ。さくっと倒してカード取り返してやるからよ」

「う~ん。確か……コウキ君はコナミ君と三沢君といるところを見かけるし、もしかしたら強いのかも……」

 

 なんか小声で言ってて聞こえないが、コナミも三沢もいない今がチャンスだ。

 俺は決してあの二人に劣ってるわけじゃねえってことを証明してやる!

 

 今はちょっと成長が遅いだけだってな!

 

「おいっ! いつまで待たせるんだよ。俺が行くって言ってるんだ。さっさとあのバカのところに連れてけ!」

「う、うん。わかった。君に任せるよ。付いてきて!」

 

 そうして走り出した男子の後をついていった先にヒロシはいた。

 

「待たせたな! ヒロシ!」

「おう! ようやく来たか! ……ってお前コウキじゃねえか。コナミや三沢はどうした!?」

 

「それが二人とも今日は用事があるって早くに帰っちゃってて」

「な~にぃ!? 帰ったぁあ!!」

 

 ヒロシは二人が帰ったことを知って大口開けて驚いている。

 

「それで俺が来たってわけだ。俺とカードを賭けてデュエルだ!」

「……いやいいよ。二人がいねえんじゃ仕方ねえ。カードは返して今日は帰るぜ」

「あん!?」

 

 ヒロシのやつコナミと三沢がいないと知った途端掌を返したように奪ったはずのカードを返し始めた。

 周囲でカードを奪われてたはずのやつらもデュエルが行われないことを知って残念そうにしている。

 

 あいつらカードを奪われることを口実にデュエルを観戦しに来てたな!?

 

「ちょっと待てや! お前デュエルがしたいんじゃなかったのかよ!?」

「……俺がデュエルしたかったのはコナミと三沢だよ。お前じゃねえ……」

 

 ぐっ、どいつもこいつもコナミと三沢の話ばかりしやがってえ!

 俺だってやれるってこと示してやる!!

 

「…怖いのか?」

「あん?」

 

「そうだよなあ。三沢に負けて、コナミに負けて、その上俺にまで負けたんじゃあ情けなくて、もうデュエルしたくなくなっちまうかもしれねぇもんなあ」

「……言ってくれるじゃねぇか。サッカーならともかくデュエルでお前に負ける気はしねえんだよ!」

 

 よしっ! 乗ってきた!

 これで俺が勝って、強さを証明できればコナミたちみてえに俺も賞賛の的になれるかもしれねえ!

 

「じゃあやるか!」

「やってやるよ! お前こそ、負けて後悔するんじゃねえぞ!」

 

 俺とヒロシはお互い用意していたデュエルディスクを展開させ、デュエル開始の宣言をした。

 

「「デュエル!!」」

 

 





 小学生男児って大体こんなもんじゃないかな!

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