初心者粉眠くんのデュエル日誌   作:XX

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 中学生編が終わったら原作に突入するため、前々から考えていたことのアンケートを出させていただきます。
 参考にしますので、もしよければ後書きのところのアンケートに協力していただけると幸いです。


全国大会に向けて

 

 放課後、誰もいない空き教室で僕は昼休みに逃げた件のお叱りを三沢君から受けていた。

 

「はぁー。何度も言うがむやみやたらにデュエルをするな。お前のデュエルを楽しむ学生がいるのは確かだが、学業に専念したい学生にとっては迷惑なのだ」

「悪いとは思ってるし反省もしているよ。だから昔ほどデュエルはしてないでしょ? それに1年の頃は三沢君も僕と一緒になって散々デュエルを挑みまくってたじゃないか………」

 

 1年の頃、入学したばかりの僕たちは学校中でデュエルを挑みまくった。

 その結果学校内ではデュエルの腕は指折りの実力者と見られるようになったけど、同時に問題児として敬遠もされるようになった。

 

 その点三沢君はすごいよ。

 先生にも生徒にも問題児として一時期見られていたのに、成績と行動で次期生徒会長として見られるほどに信用を手に入れたんだから。 

 

「それを言うな。俺も若かったんだ。それに俺は今、生徒会副会長だ。皆の迷惑になっているなら諫めなくてはいかん。というかコナミ。お前いつも愛理君のお弁当を食べていただろう。今日はどうした?」

「今日は愛理ちゃんは体調不良でお休みだったんだよ。だから購買部でパンを食べようと思ってさ」

 

 残念ながら愛理ちゃんは今日お休みでお弁当はなしだったのだ。

 

 去年、愛理ちゃんは精霊の件もあってか普段から近くにいた方がいいと言って近くのマンションに引っ越してきてミナガキ中学に編入してきたのだ。

 

 いくら近くにいた方がいいからって引っ越しに編入までしてくるあたりお金持ちはやることが違うなあと思ったものだ。

 お弁当に関しては僕が普段購買でパンばかり食べていると知った愛理ちゃんがそれではダメだと自分のついでに作ってきてくれるようになったのだ。

 

「そうだったのか。まあだからと言って食堂でデュエルをしていい理由にはならんがな」

「あらら。まあ今後もうちょっと配慮するよ。それで……僕をここに呼んだのってその件を話すためだけに呼んだの?」

 

「いや、もちろんそれだけではない。秋に行われる全国大会。それについて話しておきたくてな。お前は出場者だし、一応この学校の代表という形になる。友人としても生徒会副会長としてもサポートしてやりたくてな」

「そういうことか。ありがとう三沢君」

 

 今年の秋に行われるデュエルモンスターズの全国大会。少し前に行われた地区大会で優勝した僕は全国大会の出場権を手にしていた。

 

「コナミ、お前はそこで結果を残さなければならん。できれば優勝。そうでなくとも準優勝は手にしておきたい」

「いや、もちろん優勝は目指すけどなんで準優勝? それに結果を残すって?」

 

 三沢君。やけに真剣だし、学校の代表だから優勝してほしいってわけではなさそうなんだけど………。

 

「以前お前に話していただろう? デュエルアカデミアへの推薦の話だ。先生方と話してな、デュエルアカデミアにも確認をとってくれて、もしお前が大会で結果を残せたならば推薦枠を貰えるようにしてくれたんだ」

「それ本当!? ぃよっし! 受験は筆記だけが心配だったけど推薦がもらえるなら…………!」

 

「おい! 別に学業を怠っていいという話ではないからな! それにまだ推薦を貰えたわけではないんだ。これまで通り俺と愛理君でお前の勉強を見るんだから、サボったら許さんぞ!」

「えへへ。それでもだよ! ありがとう三沢君! 心の友だよ君は!」

 

 僕は三沢君の肩を組んで精一杯の感謝と喜びを伝える。

 

 デュエルアカデミアの受験には実技と一般科目の筆記があり、僕はデュエルの実技はともかく筆記がダメダメで、普段から成績優秀な三沢君と愛理ちゃんに勉強を見てもらっていた。

 それでも平均に届くかどうかだったので、三沢君からは受験が上手くいくか心配されていたのだ。

 

「やれやれ、お前の友人をやるのは疲れる。まあそれはいい。それで全国大会についてだが、一応確認しておくが大会ルールは知っているよな?」

「そりゃあまあ。自分が出るわけだし確認はしっかりしてるよ」

 

 全国大会は全48人。各県から一人ずつと、今回の大会では全国のデュエルアカデミアから代表者が選出され勝ち残った一人が出場する。

 

 つまり一人当たりの試合数は6試合。

 全国から集められた強敵6人に勝たないと優勝はできないってわけだ。

 

 く~~~ワクワクする!

 早くデュエルしたいなあ!!

 

「それだけではないだろう。大会が始まったらデッキの変更はできない。つまり相手のデッキタイプによって対応札を入れることはできないということだ。それに出場者は知れても、対戦相手は当日まで発表されない徹底ぶりだ。事前のデッキ構築は最重要項目だぞ!」

 

「対応札かあ。それだけど、別にデッキを無理にいじる必要はないと思うんだよねえ。そりゃあどんな人が出場するかは知っておきたいけど、全員に対応したデッキなんて作りようがないし、それならいつも通り自分が信じるカードで作り上げたデッキを使った方がいいと思うんだ」

 

 三沢君の言うこともわかる。

 対戦相手はわからずとも出場者はわかっているなら、出場者のデッキ傾向を調べて対応札を考えておくべきだってことは…………。

 

 でもなあ、メタカードというか、そういう戦略を事前に立ててデュエルするのは自分には合わないと思うんだ。

 なんて言うか自由なデュエルではなくなるっていうか、そういうのは三沢君の領分であって僕の領分ではないんだよなあ。

 

「ふむ、自由なデッキか。まあお前は俺とはタイプが違うからな。相手に合わせた結果、自分のデュエルが崩れては本末転倒だ。だが、優勝候補のことぐらいは知っておいて損はない。調べておいたから見るといい」

 

 そういって三沢君が持ってきた資料を見てみる。

 

 うわっ。文字がいっぱい。

 ちょっと読むのが億劫になる量だ。

 

 とりあえず一番見出しとして目立っているところから見てみるか…………。

 

「え~と? 今大会の最有力候補はっと、丸藤………亮?」

「ああ。俺たちが目指しているデュエルアカデミアの1年生だ。今大会では彼がアカデミア代表して出場するらしい」

 

 ふ~ん、丸藤亮さんか。

 何々~。デュエルアカデミア1年。サイバー流を若くして修めた天才。その才能はデュエルキングにも届きうると言われるほどで戦績は無敗記録を更新中…………!?

 

「うそでしょ! 無敗!? 今まで敗けたことないの!?」

「どうやらそうらしい。事実なら驚くべき戦績だ。お前の実力を知っている俺でも、勝つのは厳しいと言わざるを得ん」

 

 僕が書かれていることが真実か三沢君に確認すると、どうやら事実らしいと返事が返ってきた。

 

 無敗。無敗かあ……。

 僕もそれなりに才能はある方って自覚はあるけれど、無敗は無理だ。これまで何度も敗けている。

 

 それを可能にしたのが丸藤亮さんか………。

 すっっっごいなあ!! どんだけ強いんだこの人。デュエルしてみたい。できれば勝ちたい!

 

「怖気づいたか?」

「まさか! 今からワクワクしてるよ。こんな強い人と戦えるのかもって思うとさ!」

 

「それでこそだ。それから彼はリスペクトデュエルというものを流儀にしているらしい」

「リスペクトデュエル?」

 

 三沢君が言うには自分が信じる勝ち方を貫き、同じように勝利を目指す相手を尊敬したうえで全力でぶつかることを旨としたデュエルらしい。

 

「へー。そんな考えがあるんだね。僕にはちょっと耳が痛い話だ………」

 

 どんな相手でも敬意を忘れず全力でデュエルするか。

 簡単なように見えて意外と守るのは難しい考えだ。

 

 全力でデュエルするというのは大抵みんなそうだろうけど、敬意を忘れないというのがなあ。

 デュエリストの中にはろくでもない奴や性格の悪い人もいるから、煽られたりして怒った結果、敬意なんて微塵も感じずに叩き潰すこともある。

 

 だからどんな相手でもそれが貫けるというのは、本当に高潔ですごい人だということだろう。

 

 少なくとも僕のように、選択を誤った結果、友達を失くすような真似はしないのだろうな。

 

 僕は失くした友を思い、リスペクトデュエルを貫いているらしい丸藤さんに無敗とは別の羨望と憧れの目を向けてしまう。

 

「………コナミ、あの時のことは今は忘れろ。それより全国大会の方に意識を向けるんだ。最後に彼はサイバー・ドラゴンという強力なモンスターを主力とした機械族融合デッキを使う。どんなデッキかは書いてある。読んでみろ」

「うん、ごめん。今は関係ない話だったね。それよりサイバー・ドラゴンか…………」

 

 サイバー・ドラゴン。

 機械族のモンスターでサイバー流を修めた次期師範に渡される珍しいモンスター。

 先行が有利になりやすいデュエルモンスターズにおいて、後攻にて力を発揮する極めて希少な特徴を持つモンスター。

 

「後攻が得意って、どんな効果が……うぉ! 高レベルでステータスも悪くないのになんて召喚しやすい効果なんだ!」

「ああ、相手の場にモンスターがいるだけで特殊召喚ができる。強力なモンスターだ。それにサイバー・ドラゴンの真価は出しやすさではなく、その先の融合にある」

 

 サイバー・ドラゴンの進化先、いくつかあるけれど特に目を引くのは攻撃力2800に加えて連続攻撃を可能とするサイバー・ツイン・ドラゴンと攻撃力4000という破格のステータスに貫通効果まで備わったサイバー・エンド・ドラゴンだろう。

 

「すごいモンスターたちだ。これを使いこなせているのなら、丸藤さんという人が無敗なのも納得できる気がするよ」

 

 強力なカードというのはただ使うだけで勝たせてくれるものではない。

 デュエリストがカードを選ぶようにカードもまたデュエリストを選ぶと言う。

 

 いくら強力なカードを持っていてもデュエリストが未熟なら勝つことはできない。

 少なくとも無敗なんて馬鹿げた記録を打ち立てることなんてできるわけがない。

 

 だからこれほどのモンスターたちを使いこなしているであろう丸藤さんが、どれだけすごいデュエリストかは漠然としたイメージだけど窺い知ることができる。

 

「それに加えて注意すべきは機械族サポートの鬼札たるリミッター解除と機械族専用融合魔法のパワー・ボンドだ。どちらもリスクはあるが機械族モンスターの攻撃力を倍にすることができる」

「リミッター解除にパワー・ボンドか………」

 

 パワー・ボンドはともかくリミッター解除はこれまでに何度か使われたことがある。

 あんなにお手軽に必殺級のモンスター強化を行えるカードもそうそうないだろう。

 

「このカードをサイバー・エンド・ドラゴンやツイン・ドラゴンに使われたら………うーん考えたくもないパワーだ」

「まさしく一撃必殺の威力がとんでくるな」

 

 ちょっと~。サイバー流、殺意高すぎやしませんかねえ。

 相手の全力を引き出したうえで勝つっていうスタンスのリスペクトデュエル故なのかもしれないけど、ちょっと怖すぎるわあ。

 

「コナミ、そこでだ。サイバー・ドラゴンを手に入れることはできないが、丸藤亮をイメージした機械族を主体としたデッキを作ってきた。これで特訓をしようと思う」

「特訓?」

 

「ああ、丸藤亮だけではないぞ。主要な選手で作れそうなデッキは作ってきた。これで大会に向けて特訓をすれば、より勝率は高くなるだろう」

「特訓か~。いいね! 流石三沢君だ。僕にはできないことをしてくれるよ!」

 

 メタカードを入れるとかならともかく、対戦相手をイメージしたデッキを想定して慣らしておくというのはグットアイデアだ!

 

「じゃあ早速やろうか!」

「ああ。デッキは持っているな。先生方の許可ももらっているからこの空き教室でする分には問題もない。大会までに仕上げるぞ。お前の完璧なデッキを!」

 

「うん! 特訓相手、頼むよ三沢君!」

 

 空き教室で向かい合い、デュエルディスクを展開した僕たちは秋に行われる全国大会に向けた特訓を開始した。

 

「「デュエル!!」」

 

 

十代VSクロノスのようなアニメで既に行われたデュエル描写は必要か否か参考にしますので返答していただけたら有難いです。

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