今回は愛理ちゃんのお話です。オリキャラが2人追加されますが、今後出てくるかは不明。
女の子って書くの難しい。
桜が散って春の終わりを告げる時期。
私、水無月愛理は学校の教室であることに悩まされていた。
「愛理、あんたどうしたのよ。そんな顰めっ面してさー」
「
私はこの学校に編入してから親しくなった彩音に学校に着いてから下駄箱や机の中に入っていたものを見せる。
「わっ! すごい数の手紙。……え、これラブレター?」
「そう、迷惑なことにね。いーぱいあるのよ」
彩音は私が取り出した山ほどある手紙に驚きながら1枚1枚見ていく。
そしてあることに気づいたようで、疑問の声を上げた。
「この手紙、もしかして全部同じ人から送られてるの?」
「そうなの、結構前からね」
私の最近の悩み。
それはある1人の人物からしつこくラブレターを送られていることだった。
「はぁー。まあ、あんた可愛いものねえ。モテるのも辛いってやつ?」
「やめてよ。興味ない人にこんなの送られても迷惑なだけなんだから」
実際迷惑だ。
大して親しくもない異性から好意を向けられても対応に困るし、できるだけ穏便に済ませようとするのにも気を使わないといけない。世の中には告白を振っただけで事件に発展したというニュースさえある。
可愛いと持て囃されるのが嫌というわけではないのだけど、その結果こういう事態になるのなら私は普通の方が気が楽で生きやすいと思うわ。
「まあ、そうよねー。あたしならこんな熱烈なラブレターを送られたら、まあ相手次第だけど大はしゃぎしちゃうんだけど、愛理からすれば迷惑なだけかー」
「そうなの。こんなの私はいらないのよ。だからどうしたものかと思ってて」
「コナミ君は? 彼なら……」
「ダメよ。彼は今、大事な全国大会を控えてるもの。こんなくだらないことに手を煩わせたくないわ」
全国大会。
開催は秋だからまだ先の話だけど、今コナミ君はコウキ君の件もあって不調気味。
そんな状態の彼に負担を強いたくはない。
「あーそうだったね。だったら普通に断ったらってのは……駄目か。それで済むならもうやってるわよね」
「ええ。以前私が断って、私とコナミ君との仲を知った上でこれだもの。言って聞くようなタイプじゃないわ」
「……誰なの? その迷惑男子」
「……照月君よ」
「やあ! 水無月さん。僕の愛のラブレター。読んでくれたかい?」
彩音と私が話しているとバンッ! とドアを勢いよく開けながら渦中の人物が教室に入ってきた。
「はぁー。鬱陶しいのが来たわ」
「おお! その手にあるのはまさしく僕の想いを綴ったラブ・レター! 受け取ってくれたんだね。嬉しいよ」
このミナガキ中学ではナルシストとして有名な男子であり、私に群がってきた他の男子と共にコナミ君に追い払ってもらった一人でもある。
「あのねぇ照月君、前にも言ったけど私はー」
「君に! 相応しいのはこの僕! 照月学こそが相応しい。断じてあのコナミなどという凡庸な男ではない!」
「すごいわね照月君。愛理から表情が消えるところなんて見たの初めてよ」
「私、人の話を聞かない人は嫌いだわ」
私は彼が苦手だ。
苦手な理由はいくつかあるが、最たる理由は当たり前のように他を見下し世界が自分を中心に回っていると本気で思ってそうなほどに自意識過剰なところだ。
あと会話が通じないところ。
「つまり! この眉目秀麗、成績優秀。そして照月財閥の御曹司でもあるこの僕だけが! 君に釣り合う男というわけさ。わかってくれたかい?」
「……いいえ、わからないわ。私にはあなたの言っていることがさっぱりわからない」
「ふふふ。まあ結論は急いでいない。見たところまだラブレターを見ることもできていないみたいだし、またくるよ! 修学旅行で共に行動できることを楽しみにしている」
言いたいことだけ言って照月君は教室を去って行った。
相変わらずというか、結局私の話を聞かずに去って行ったわ。
「愛理、修学旅行で照月君と行動するの?」
「そんなわけないでしょ! 勝手に言ってるだけよ!」
私は彩音の疑問に強く否定して考える。
修学旅行。
一応別クラスだし班行動になるから基本的には自由時間でも一緒に行動することはないはずなんだけど、あの様子だと自分の班を抜け出して寄ってくるのは目に見えるわ。
そうなるとコナミ君にも面倒ごとが起きてるのが気づかれる。
だから、早いうちに話はつけておかないといけないわね。
「うわー。あたし、愛理のこんなに怒ってるところ初めて見たわ。でも実際どうするの? 照月君、行って聞くようなタイプじゃないし。コナミ君には頼らないわけでしょ?」
「……こうなったら、彼を頼ることにするわ」
「彼……?」
そして場所は移り、内緒の話ということもあり生徒会室で私と彩音は三沢君を交えて照月君の対応について話し合っていた。
「ーということなの。三沢君、力を貸してくれない?」
「それは構わないが……コナミはどうした? 君に言い寄る男はコナミがデュエルで蹴散らしていたはずだが……」
デュエルは世界的に絶大な効力を持つゲームだ。
それは精霊の世界でも人間の世界でも同じ。
特に何かを賭けたデュエルというものは当人たちが認めなければ絶対に守られるべきものだし、敗けたうえで反故にすれば一瞬で周囲からの信用を失う。
それ故、誰もがデュエルの結果には従うし納得もする。
だから今回もコナミ君に力を借りて解決する問題ならよかったんだけど…………。
「コナミ君はダメなの。全国大会に向けて特訓中なのに、こんなくだらない事で時間を取らせたくないわ。それに照月君は以前コナミ君に追い払って貰った人なの」
デュエルは強い力を持つが、その結果を無視できる厚顔無恥な人物には役に立たない場合がある。
今回などがそうだ。
「なるほど、つまりデュエルで負けたにも関わらずしつこく付き纏ってくるのか。厄介な男だな。それでは俺が代わりにデュエルしても同じか…………」
「そうなの。それでちょっと考えてることがあって照月君への対応は私がやるから三沢君には立会人になって欲しいの」
「立会人?」
「彼、プライドが高くてナルシストが極まってそうだし。副会長である三沢君がいる前でフラれたら流石の彼も納得してくれるんじゃないかなって」
正直それでも望み薄な感じがするのだけど、やらないよりはマシだろう。
これでダメならもう私にはどうすればいいのかわからない。
「ねえ愛理。なんで三沢君? 生徒会長じゃダメなの?」
「彩音。だって私、生徒会長と面識ないし。頼むなら友達の三沢君の方が頼みやすいもの。それで三沢君、頼まれてくれる?」
「ああ。そういう事情なら仕方ない。自分が立会人になろう。それで、君が振るところを見届けるだけでいいのか?」
「うーん。それだけでもいいと思うんだけど、どうせならもっと確実な方法が欲しいわ」
もちろん普通に振るだけで済むのがベスト。
だけどそれ以外でより良い方法があるのなら、それを教えてほしいのも本音だ。
「それならデュエルで決着をつければいい」
「デュエルで? でもコナミ君が倒しても納得しなかったわよ?」
「それはコナミが代わりにデュエルをしたからだ。君自身のデュエルで君の想いを伝えてやれば、さしもの照月とやらも納得しよう」
私がデュエルで倒す。まあ普通に振るよりはずっと効果がありそうだけど、これ勝つのが前提なのよね。
もちろん敗けるつもりはないのだけど、敗けたら何を要求されるか分かったものじゃない。
「無論、あまり無茶な要求を向こうがしてくるのであれば、デュエルそのものをやめて振ればいい。それで納得しないのであれば俺が代わりに対処しよう」
私の不安な表情を見て何を考えているかは分かったのだろう。
三沢君が万が一の時は代わりに対処してくれると言ってくれてるし…………。
「私自身でデュエルか。………そうね、女の私に負けたとあれば彼も引き下がるか」
「彩音、照月君に伝えて来てくれない? 放課後、校舎裏に来てもらえるように」
「あたしが? 愛理が言えば……あっ、嫌なのね。いいわ、伝えて来てあげる。だから、絶対勝ちなさいよ」
「ありがとう彩音。それと三沢君、放課後よろしくね?」
「任せてくれ。副会長として頼まれた役目を果たそう」
そうして生徒会室での話し合いが終わり、放課後。
校舎裏で私たちは照月君が来るのを待っていた。
「遅いわ。そろそろ来てもいいと思うんだけど……」
「愛理、そんなイライラしないで待ちましょ? ちょっと遅れてるだけかもしれないし、待ってたら来るわよ」
「ふむ、しかし愛理君の言う通り確かに少し遅いな。そう言えば詳しくは聞いていなかったが照月という男。何がキッカケで君に言い寄るようになったんだ?」
「キッカケ? 別に何かした覚えはないけれど…………」
「彼がナルシストだとは聞いているが、いくら愛理君の容姿が優れているとは言え、自己愛の強い男が他者に強い執着を抱くとなると相応の理由があると思うのだが……」
照月君が私に執着する理由か。
本当に何かした覚えはないんだけど、最初の時もアクセサリー感覚で私を彼女にしようとしてコナミ君にキレられてデュエルでボッコボコにされてたし。
それ以前だと知り合いですらなかったはずなんだけどなあ。
「普通に愛理が好きになったからじゃないの? いくらナルシストだからって異性に興味がないわけではないでしょ」
「うん。その可能性は否定できないが、コナミにデュエルで負けて尚、愛理君と恋仲になろうというのがな。そのような恥知らずな真似、ナルシストだからこそ尚更許せない行為だと思うのだ」
「照月君が私に執着する理由ねえ。う〜〜〜ん、特別なにかしたって覚えはないんだけどなあ」
「その質問には! この僕が答えよう!!」
そうやって照月君の好意のわけを話していると、校舎裏に彼の声が響いた。
「照月君……。ようやく来たのね。遅かったじゃない」
私はにこやかに笑いながらも不満を滲ませた声色で彼に答えた。
「やあ愛理君。待たせてしまったようだね。それで…………あ~君たちは何故ここにいるのかな? 三沢副会長と、すまない。愛理君のご友人かな?」
「あたしは彩音、今回は愛理の付き添いと未届け人としてきたわ。三沢君は立会人として来てもらったの。これから行われることのね」
「…………それは……持ってきてほしいと言っていたデッキに関することかな?」
彼は彩音が伝えたようにちゃんと持ってきたのだろうデッキを手に持って見せてきた。
「照月君。あなたにはこれから私とデュエルしてもらうわ」
「デュエル? 君と? 何のために…………?」
「理由は3つ! 1つはコナミ君に敗けておきながら恥知らずにも私に近づいてくるから! 2つ目はあなたが諦めない以上、私自身の手で引導を渡すべきと考えたから! 3つ目は………鬱陶しいからよ!」
「うわぁ。愛理、これは相当キテルね」
「うむ。これほど彼女が怒ったところを見るのはコナミが他の女の子にやらかした時以来だな。あの時の愛理君は恐ろしかった」
「その面白そうな話、今度聞かせてね! 三沢君!」
横で彩音と三沢君が怒っている私を見て、昔のことを話している。
あれはコナミ君が悪いのよ。
私とのデートを忘れてすっぽかして、学校の女の子にデュエルを教えてあげてたんだから。
怒って当たり前でしょう!!!
「そうか。つまり君にデュエルで勝てば、僕のものになるということだね? いいよ。やろうか、デュエル。その代わり僕が負けるようなことがあれば潔く君からは手を引こう」
「………その条件でいいわ。やりましょう」
「ちょ、ちょっと! 愛理いいの!? 万が一敗けたらあなた照月君の彼女よ! コナミ君になんて説明する気よ!」
「ノンッ! 彼女には僕のフィアンセになってもらう。彼氏彼女などといった浅い関係ではなくね。年齢の関係で結婚にできないのが残念だよ」
こいつ、結婚を条件にできてたら私と夫婦になることを条件にしてたってことかしら。
怖気が走るわね。
私はますます眉間に皺が寄るのを自覚しながら、表に出さないよう我慢することに徹した。
この鬱憤はデュエルでぶつけてあげるわ。照月君…………!
「あなたと結婚なんて御免被るわ。彩音、大丈夫。私は勝つわ」
「うーむ。俺としては正直ここに来たことを若干後悔し始めているのだが。まあいい、照月が愛理君に懸想した理由も気になるが、それはデュエルが終わった後にしよう。…………万が一愛理君が敗けたらコナミになんて説明しようか。全国大会どころではなくなるのだけは確かだが…………」
照月君が想像以上に面倒そうな相手だと思ったのか三沢君が立会人としてこの場に来たことを空を見上げながら憂いていた。
「君にふさわしいのはこの僕だ。容姿、才能、家柄。すべてが揃ったね。それをこのデュエルで証明してあげるよ」
「お生憎様。私のパートナーはもう決めてるの。そうでなくても、外面しか自慢することができないあなたを選ぶことはないわ」
私はデュエルディスクを展開してデュエルの準備をした。
「くくく。辛辣だね。だけどいいさ。僕は欲しいものは全て手に入れてきた。これまでもそうだし、これからもそうだ! 君の愛を手に入れるのはこの僕だ!」
「…………」
照月君は特注のデュエルディスクだろう。金色のデュエルディスクにデッキをセットした。
私は照月君の言葉に返事を返す気にもなれず、これから始まるデュエルに集中する。
全力で叩き潰してあげるわ…………。
二度と私に近づこうと思えないほどにね…………!
「「デュエル!!」」
オリキャラメインの話ってどこまでしていいか悩みますね。
多すぎても読者の皆さんがついてこれない感じがしますし、書かなかったら出した意味が薄れるし、原作に入れば色んな原作キャラと絡ませてやれるんだけどなあ。