疲れたので次の話書いたら1週間くらい休むと思います。
ちょっとしたアンケートがあるので答えていただけるとありがたいです。
卒業式。
今日は3年間過ごした中学校とお別れをする日だ。
そして、コウキとの約束のデュエルをする日でもある。
朝に行われた卒業式も終わり、教室で最後の朝礼を終えた僕は、別々の高校へと進学する友達や知り合いにお別れの挨拶して回っていた。
「コナミ先輩。デュエルアカデミアでも頑張って下さい! 僕も来年受験しますので、そしたらまたデュエルして下さい!」
「うん、鈴木君。アカデミアで君の仮面デッキとデュエルできること、楽しみにしてる」
食堂でご飯を賭けてデュエルした鈴木君や一緒にゲームしたりして遊んだ友達たち、それ以外にも頼まれてデュエルを教えてあげた子たちなど、沢山の人たちとお別れの挨拶をした。
そうして大体の人たちと写真を撮ったりして、挨拶を終えた頃、廊下の向こう側から三沢君が軽く僕に手を挙げながら歩いて来た。
「ようコナミ、こっちは大体終わったが、そっちはどうだ?」
「僕もたぶん大丈夫。三沢君は……すごいねそれ。女の子たちに襲われたの?」
三沢君の制服は側から見てわかるくらいに皺くちゃになってるし、ボタンやネクタイがなくなっている。
たぶん、後輩や同級生の女の子たちに盗られたのだろう。
その様相はまるで盗賊にでも襲われたかのようだ。
「まあな。告白やら何やらと大変だった」
「人気者の宿命ってやつだね。お疲れ様」
「ああ。……ふむ、だがそう言うお前のほうこそいくつかなくなっているみたいじゃないか」
「僕? 僕は別に、せいぜいが数人だけだよ」
愛理ちゃんと彩音さん。それから後輩の女の子ぐらいだ。
告白されるってこともなかったから、そこまで大変ではなかったな。
「そうか。そう言えば愛理君たちはまだみたいだな。先程教室で女子グループと集まって話していた」
「そっか。それじゃあ三沢君。僕はそろそろ屋上に行くよ。待たせてたら悪いし」
「コナミ、愛理君たちは待たないのか?」
「うん。これは男同士の問題だから、愛理ちゃんたちには待っといて貰うよう伝えてるんだ」
今回のデュエルは僕とコウキが仲直りをするために行うものではない。
別々の高校へ進学する僕たちがお別れをするために行うもの。
たぶん、想像するような綺麗なデュエルにはならない。
お互いに相手を口汚く罵るような、見るに堪えないデュエルになる可能性がある。
そんなみっともない姿を彼女たちには見せたくはない。
だから水霊使いエリアも今回使うデッキからは抜いている。
「なるほど、それなら俺だけは同行しよう。万が一お前たちが殴り合いの喧嘩にでも発展した場合に止める必要がある」
「いや……流石に殴り合いにはならないと思うけど…………」
どうなんだろうか。
僕が暴力を奮うのはあまりイメージが湧かないけれど、コウキ相手だからなあ。
喧嘩で殴り合う可能性は………あるかもしれない。
僕にとって、コウキは他の友人とは違う枠組みにいると思っている。
同性の友達という枠では三沢君がいるけれど、コウキほど遠慮なく接することはできないだろう。
三沢君は尊敬する友人であり、共に頂点を目指すライバルだ。
もちろん愛理ちゃんたち女の子は違う。
彼女たちは守り愛すべき対象であって、雑に扱ってもいいと言う相手では断じてないからだ。
だから…………なんだろうな。
親友だとは思っているけれど、同時に何をしてもいい相手だという認識もある。
そういう意味では悪友…………いや、兄弟が近いのかもしれない。
年が同じなだけのバカな弟。
それが近い気がする。
最強を夢見て目指して来た兄弟。
一方的かもしれないけれど、僕はそう思っている。
だから、もう遠慮なく叩き潰せる。
同じ夢を目指して来た相手に同情も情けも必要はない。
僕はそれをわかっていなかったから間違えた。
もう間違えない。
「三沢君、どうなるかはわからないけれど、屋上へ行こうか」
「うむ。無事に終わってほしいものだな」
僕たちは2人並んで屋上へとつながる階段を昇って行った。
階段を上り続けた先、本来は立ち入り禁止とされている屋上への出入り口の扉は鍵が掛けられることなく開くことができた。
「屋上、開けてくれてありがとうね」
「ああ。これでも3年間、この学校で優等生として過ごしてきたからな。先生方も快く開けてくれたよ」
三沢君のおかげで今だけ開けてくれた屋上。
そこに来たのはクラスで安全注意の授業で一度だけ来た限りだった。
今日は晴天。
空を見上げればどこまでも続く青空が広がっている。
僕はこの開放的な空気を味わおうと大きく深呼吸して開けていた目を閉じた。
不思議だ。
これから行われるデュエルを考えれば、緊張したり悲しい気分になるべきなんだろうけど、それとは逆に晴れ晴れとした気持ちが僕に広がっている。
「うん、大丈夫そうだ。今の僕は絶好調だ…………!」
しばらくそうして屋上で味わう解放感を味わっていると、後ろのドアが開いてコウキとヒロシが屋上へと入ってきた。
「おー! すげえなコウキ! 屋上だぜ屋上!!」
「ああ、本当に開いてらあ。おおコナミッ! 約束通り来てやったぞ!」
その声を聴いた僕はゆっくりと目を開いてコウキたちへと目を向けた。
「待ってたよコウキ。遅かったね、逃げたのかと思った」
「ほざけ! 果たし状なんて古臭いことしやがって。この俺が逃げるわけないだろうがッ!」
「…………デュエルしようか」
激高しながら僕を睨みつけてくるコウキを見ながら、どうでもいいと言った風に装って僕はデュエルディスクを展開した。
「おいコナミ! もう少し話をしてからでも!」
「そうだ! こちとらお前に呼び出されて来てやったんだ。ちっとは──」
三沢君とヒロシ君が話をするつもりのない僕の様子に驚いて、デュエルをしようとする僕を止めようとしてくる。
「どうでもいいんだよ。コウキが何を思っているかとか、僕に対して何を考えているかとかさ。そんなことはどうでもよくて、僕はここにデュエルをしに来たんだ。仲直りをしに来たわけじゃない」
三沢君とヒロシ君は僕の言葉に絶句して黙りこくっている。
そしてコウキは僕の様子を見ながら持ってきていた自前のデュエルディスクを展開した。
「デュエルの前に一つだけ聞かせろ。コナミ、仲直りしに来たってわけじゃねえなら、これは何のためのデュエルだ?」
「決まっている。あの日の僕の過ちを正すため。完膚なきまでの勝利を飾ることで、デュエリストとして更なる先へと進むための………
僕はこのデュエル、全力でコウキを倒す。
そうすることで、何の憂いもなくこの先のデュエリストとしての道を歩むことができる。
その結果、コウキのプロになる夢や、いつか辿り着けると信じている希望が完全に消えてしまうとしても、僕は迷わないッ!
僕は僕自身の夢のために、コウキ…………お前を潰す!
「そうかよッ! じゃあ倒してみろや! この俺をよッ!」
コウキと僕はお互いを睨み合いながら声を揃えてデュエルを開始した。
「「デュエル!!」」
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「あーあ。今頃、コナミ君たちはデュエルしてる頃かなあ?」
僕とコウキがデュエルを開始した頃、教室で僕たちのことを待っている彩音さんが窓の外を見ながら呟いていた。
「そうね。でも大丈夫よ彩音。たぶん、そんなに時間はかからないと思うわ」
「それってコナミ君が簡単に勝っちゃうから? それともコウキ君だっけ。彼がデュエルしないから?」
あたしはコウキ君のことをよく知らない。
入学当初に愛理と友達になって、それからコナミ君と知り合ったけどコウキ君とは接する機会はなかったから、彼のことを知る機会はなかった。
ただ、コナミ君たちほどデュエルは強くないのと、どちらかというと不良と呼ばれる側に属している人とだけは聞いていたけど…………それだけ。
素行が悪い人と知り合いになりたくはないってこともあって、コナミ君たちに聞くこともなかった。
寧ろなんでコナミ君や三沢君がそんな不良と呼ばれている生徒と友達なのかと疑問に思うほどだった。
入学してから程なくして、喧嘩別れしたって聞いて、正直よかったとさえ思った。
ああ、これで不良なんて怖い人と知り合うことはないんだって本当に安心した。
だから正直、今回のコナミ君の一件だってよくは思っていない。
これで仲直りして万が一コナミ君が悪いことをするようになったら嫌だから。
そんなことを考えながら、あたしの質問に答えずに小説を読んでいる愛理を見る。
「愛理~、小説と睨めっこしてないであたしの質問に答えてよー。なんで時間がかからないと思うわけ?」
「…………そうね。たぶん、コナミ君が仲直りをしたくてデュエルするわけじゃないからかな?」
「…………どういうこと? 喧嘩したことを謝るためじゃないの?」
てっきりあたしはデュエルの失敗を、同じデュエルで取り戻そうとしていると思ってたんだけど…………。
愛理が言うには違うみたいだ。
「ごめんね。私もそこら辺の機微はよくわからないや。ただ、そうじゃないかなあってだけ思っただけなの」
「えー? 愛理にわからないなら、あたしが考えてもわからないか。仕方ない、ここで大人しく帰ってくるのを待つとしましょう…………」
あたしは考えてもわからないなら悩むだけ無駄と諦めて再び窓から外を眺めることにした。
それからどれくらいの時間が経ったのか、ぼんやりと外で涙のお別れをしている一団を眺めていたあたしに、小説を読み終わった愛理が話しかけて来た。
「……ところで彩音。あなた、コナミ君に告白はしないの?」
「……急になによ」
あたしは唐突に問われた愛理の質問に動揺しながらも、悟られないように静かに返答をして振り向いた。
「クリスマスを過ぎたあたりかな。何となくコナミ君へ向ける彩音の目が変わった気がしてね。勘違いだったら謝るわ」
「…………愛理は、あたしが彼に好きだって伝えてもいいわけ?」
愛理の様子を見るに、ほとんど確信を持って言ってきているのを感じたあたしは、コナミ君に惹かれていることを隠さないことにした。
下手に隠してギクシャクしたくはなかったから……。
「よくはないわ。思うところがないと言えば嘘になる。……でも、私たちはデュエルアカデミアへ行く。簡単に会うことが難しくなる以上、彩音に変に引きずってほしくもないの」
あたしは明かすつもりのない気持ちについて今一度考える。
告白か……。
あたしは、愛理と奪い合ってまで、彼と恋人になりたいのかしら。
あたしが愛理と争った先にコナミ君と付き合う…………?
それは……ないわね。
うん。ないと断言できる。
恋と友情は別物だけど、どちらを優先するかと聞かれればあたしは迷わず友情を取るわ。
クリスマスの時のことは雰囲気に流されていたこともあるからノーカン。
あたしとコナミ君はそうね……求められたら応える。
たぶん、それぐらいの関係。
「愛理、あたしは一度の恋に縛られるほどつまらない女じゃないわ。高校に行ったらもっと、もーっといい男を捕まえるもの。あんたが気にする必要なんてないのよ。愛理はあたしのことより自分のことだけ心配していなさい」
コナミ君のことだ。
あたしへの対応を見るにデュエルアカデミアへ入っても、知らぬ間に女の子をひっかけてそうだし。
やっぱりあたしより愛理の恋愛事情の方が心配だわ。
愛理はあたしの言葉と顔から本当に気にする必要がないことを悟ったのだろう。
安心したように微笑んでお礼を言った。
「ありがとう彩音。あなたが友達でよかったわ」
「あたしも、あんたと過ごした3年間。楽しかったわ」
中学校で愛理と過ごした3年間。
長い人生を考えれば、瞬きのような短い時間。
本当に楽しい3年間だった。
そしてこれから始まるであろう高校生活。
そこで出会う新しい友人と、あるかもしれない恋に思いを馳せながらあたしたちは、3年間の思い出話に花を咲かせるのだった。
思春期の青春や恋愛を書くにあたってそう言うR15くらいのあれな描写は書いていいかなあって思いと、でもこれ遊戯王だぜ? って思いがあるのでアンケートに答えてくれるとありがたいです。
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書いてもいい
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書かないでほしい
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どちらでもいい