この話まだ書き終わってないからもしかしたらあと2話くらい必要かもしれない。
カードショップでの敗戦からしばらく経ち、放課後、小学校で僕はクラスメイトとデュエルをしていた。
「僕はバスター・ブレイダーでダイレクトアタックだ!」
「うわー!? また負けたよ。やっぱり強いなあコナミ。最初の頃とは全然違う」
「へへ、初心者用デッキは卒業したからね」
ーコナミの奴これで何勝目だ?
ー連戦連勝。今日だけでも6勝目だな。あいつクラスどころか学年で一番強いんじゃないか?
僕のデュエルを見ていたクラスメイトとコウキからそんな言葉が聞こえてくる。
そう、カードショップでデッキを調整して以来、最初こそ負けることもあったけどここ最近はずっと勝利している。
といっても同年代の子たちだけで、たまに行くカードショップでの年上の人たちとのデュエルでは負けることの方が多いのだが。
それでもクラスメイトのなかでは相当上、いや一番の実力を持っている自信がある。
「ふふーん。もしかしたらみんなのいう通り今の僕は学年でも1番かもね♪」
「学年一か、それは聞きずてならないな」
デュエルの終わった僕たちが話していると、クラスの入り口から僕たちを見ている男の子がいた。
「君は、えっと」
「突然すまない、隣のクラスの三沢大地だ。隣のクラスにとても強いデュエリストがいると聞いてね。ちょっと見に来たんだ」
「三沢君だね。僕は粉眠、気軽にコナミと呼んでよ。その強いデュエリストだけど、多分僕のことじゃないかな? 最近ずっと勝ち続けているし」
ーコナミ君、強いデュエリストって自分で言っているよ。
ーまあ実際勝ってはいるんだけど、だいぶ調子に乗ってるなあ。
クラスのみんなが僕は調子に乗っていると言っているのが聞こえる。
実際自分でも調子に乗って天狗になっていると思うし、その自覚はあるんだけどとても気持ちがよくてやめられそうにない。
「ほう、大した自信だな。どうだい一つ手合わせお願いできないかな」
「三沢君もデュエルするの? いいよ、時間もあるしやろうか」
僕は自信一杯に答えて三沢君とデュエルすることに決めた。
三沢君がどれくらい強いのかわからないけど、まあ今の僕に勝てる同級生がいるとは思えない。
胸を貸すつもりでやろうかな。
「三沢君、僕は強いよ」
「そうだろうな。なにせ俺のクラスにまで噂が流れてくるぐらいだ。さぞ強いのだろう。だが勝つのは俺だ」
「俺の頭脳とタクティクスが生み出したこのデッキで君に勝つ」と告げて三沢君はデッキを取り出した。
僕もそれに応えるようにデッキを用意して互いのデッキをシャッフルした。
「準備はいいね。じゃあ…」
「「デュエル!」」
「先行は三沢君に譲るよ。君はチャレンジャーだからね」
「ん? ふふ、その慢心は君の首を絞めるぞ。だがくれるというならありがたくもらおう」
「俺の先行、ドロー!」
調子に乗って先行の権利を渡した僕を見て三沢君は少し笑いながらカードを引いた。
「俺はモンスターを守備表示で召喚! そしてカードを一枚伏せてターンエンド」
「僕のターン、ドロー!」
先行で守備表示か、珍しい…というか初めてかもしれない。同い年の子で守りを固めてきたのは。
まあ問題ないか。いつも通りのデュエルをすればいいだけだ。
「僕は暗黒の海竜兵を召喚! そして守備表示モンスターを攻撃!」
《暗黒の海竜兵》 攻撃力1800 守備力1500
「ふっ、かかったな。俺はトラップカードの魔法の筒を発動!」
「なんだって!」
「魔法の筒の効果は攻撃してきたモンスターの攻撃力をそのまま相手にお返しするカードだ。よって君は暗黒の海竜兵の攻撃力1800分のライフを失う」
《コナミ》 残 LP 2200
くそう、油断した。まさかそんな強力なカードが伏せられていたなんて。
先行で守備表示だったのは攻撃力の高いモンスターをだして攻撃されないのを嫌ったからか。
「魔法の筒なんてレアカード、よく持ってたね」
「手に入れるのは苦労したけどね。それに見合った活躍をしてくれているよ」
僕はいきなりライフを半分近く削られたことに冷や汗をかきながら、カードを2枚伏せてターンエンドをした。
大丈夫、いきなりライフを大きく削られたのは驚いたけど暗黒の海竜兵は場に残っている。
次のターンで巻き返せばいい。
「俺のターンだな。ドロー!」
「俺は伏せていたモンスターの効果を発動する。伏せていたのはサイバーポッド。効果はお互いのフィール上のモンスターすべてを破壊し、お互いにデッキの上からカードを5枚めくる。その中のレベル4以下のモンスターを全て攻撃表示または裏側守備表示で特殊召喚する。それ以外のカードは全て手札に加える」
「サイバーポッド!? 盤面のリセットと召喚を同時に行えるモンスター!」
なんてモンスターを伏せていたんだ三沢君。
これは…まずい! 引き次第だけど相手ターンに大量のモンスターを召喚されかねない!
「俺はカードを5枚めくりその中のレベル4以下のモンスターをすべて攻撃表示で召喚する。俺の引いたモンスターはこの4枚だ」
《磁石の戦士α》×2枚 攻撃力1400 守備力1700
《磁石の戦士β》 攻撃力1700 守備力1600
《セイバーザウルス》 攻撃力1900 守備力500
「ぐうっ。最悪だ。4枚もモンスターが並んだ。しかも下級モンスターの中でも攻撃力の高いセイバーザウルスまでいるなんて」
ーおいおい、コナミの奴やばくないか。
ーというか三沢ってやつあんな強かったのか。こりゃコナミの連勝記録もここまでかもな。
追い詰められつつある僕を見て周りから戸惑いの声が聞こえてくる。
「最後の1枚は悪魔のくちづけ、魔法カードだ。そのまま手札に行く、さあ次は君の番だよコナミ君。カードを5枚めくるといい」
僕はカード引く前に、現状を確認することにした。
三沢君の場には攻撃表示モンスターが4枚、このターン攻撃されないためには最低でも守備力が2000あるモンスターを引かないといけない。
一応僕のデッキには守備力2000のモンスターが3枚入っている。それを引き当てるしかない!
「頼む、来てくれ!」
1枚目 DNA改造手術 ー罠カードだ。違う、これじゃない。
2枚目 ドーピング 魔法カード ーこれも違う。
3枚目 鉄の騎士 ギア・フリード ーモンスターカードだけど今欲しいカードじゃない。
4枚目 隼の騎士 ーこれもモンスターカードだけどやはり守備力が足りない。
ラスト5枚目! しびれ薬 ー魔法カードだ。
「くそう引けなかった。僕はギア・フリードと隼の騎士を守備表示で召喚する」
《鉄の騎士 ギア・フリード》 攻撃力1800 守備力1600
《隼騎士》 攻撃力1000 守備力1000
「ふふふ、どうやらお目当てのカードは引けなかったようだな。まあ、仮に守備力の高いモンスターを引けていたとしても問題はないがな!」
守備力の高いモンスターを引けず苦しい表情をしている僕を見ながら三沢君はさらなる追い打ちをかけてきた。
「俺は手札の磁石の戦士γと磁石の戦士α、そしてフィールドの磁石の戦士βを墓地へと送り、手札から磁石の戦士マグネット・バルキリオンを召喚する!」
「ッ!」
《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》 攻撃力3500 守備力3850
ー攻撃力3500!?
ーすげえ! 三沢の奴2ターンで超強えモンスターを召喚しやがった!
三沢君がマグネット・バルキリオンを召喚した瞬間、周りで観戦していたみんなから歓声が沸き上がった。
「すごい」
そして僕も周りと同じように呆然としながらも感嘆した。
「どうだいコナミ君。これが俺のデッキのエースだ。これを見てもまだ俺は君が本気を出すには値しない男かい?」
「…すごい、すごいよ三沢君! そして…ごめん。正直侮ってた。デュエルを始める際、君のことをチャレンジャーなんて言って、失礼なことを言ったね」
僕はこのデュエルを開始する際のことを思い返していた。
クラスメイト相手に勝ち続けていたことに調子に乗って、真剣に向き合うべき三沢君を蔑ろにしてしまっていた。
「いいさ。次にデュエルをする時は先行を譲るなんて舐めたことをしてくれなければね」
「うん。次デュエルする際はちゃんと真剣に向き合うよ」
三沢君は笑みを浮かべながら僕の非礼を許してくれた。
そして失礼なことを言った僕と次もデュエルをしてくれると言ってくれた。
「ありがとう。だけど、まだ勝敗は決してはいない」
「そうだな。しかし君はこの状況でもまだ勝てるつもりでいるのかい?」
「三沢君は強い。今まで戦ってきた同級生の中では間違いなく1番だ! だけど勝って見せる。僕は将来キング・オブ・デュエリストになるんだから!」
間違いなく崖っぷちまで追い詰められた僕だけど、不思議なことに戦いの意欲が、闘志がどんどん湧いてくるのを感じる。
「ほう、面白いな君は。この状況で勝つと、キング・オブ・デュエリストになるとまで言うのか」
「当然! 僕の夢はキング・オブ・デュエリストだ。どんな状況でも最後まで諦めたりなんかしない!」
テレビでしか見たことはないけれどあの武藤遊戯さんだってどんなに追い詰められてもきっと諦めるなんてことはしなかったはずだ。
だから僕もライフポイントが0になるまでは諦めない!
そう言うと、僕の前で座っている三沢君は僕の言葉に心底愉快そうに笑いながらデュエルを再開した。
「そこまで言うなら見せてもらおうか。未来のキング・オブ・デュエリストの実力を! この状況をどう乗り切るのかを!」
小3という設定で書くには精神年齢高くない? と思いつつ三沢君だしまあいいかあと思い書いてます。
アニメでも誰より大人してた三沢君だ。きっと子供の頃も大人びていただろう。