ゴールデンカムイ一日中読んで遅れそうになった。
面白い作品は時間を取られて困るね!
「三沢大地君、デュエルは私の勝ちだが君は非常に優秀だ。デュエルアカデミアでの活躍を期待しているよ」
「はい。今回は本気でデュエルして頂きありがとうございます。デュエルアカデミアのレベルの高さ。身をもって知ることができてよかったです」
デュエル後、俺は試験官の人と握手をしてデュエルフィールドを後にし、2階の観客席で一息ついていた。
「ふう。試験でこれほどのデュエルをすることになるとな……」
「お疲れ様三沢君。負けちゃったけど、いいデュエルだったわよ」
「愛理君。……ああ、中々いい体験をすることができた。デュエルアカデミア、期待以上かもしれんな」
俺は、隣の席に座っていた愛理君に答えながら先ほどのデュエルを思い出す。
正確には違うが、デュエルアカデミアで行う最初のデュエル。
初陣を勝利で飾りたかったのは事実だが、教師のレベルを知れたのはよかった。
まだまだ己が未熟であり、学ぶことが多いことを教えてくれた。
「ええ。でも正直、今私は不安でいっぱいよ。まさか実技試験で三沢君が負けるなんてって思うとね」
そう言う愛理君の表情は固く、会場入り前に見せていた余裕を持った表情ではなくなっている。
いや、愛理君だけではない。
観客席を見渡せば受験生は皆一様に不安そうな顔をして、萎縮してしまっている。
「ふむ、だが今回のようなデュエルは恐らくないと思うぞ? ほら、あそこを見てみろ」
俺が指差す方、審査員たちが座る場所では俺が今し方デュエルした試験官が、責任者であろう金髪で青いコートを着た人物に怒られている。
推察するに、今のデュエルは審査員たちから見ても予想外に過ぎる内容だったためだろう。
この試験は受験生の力を見るのが目的であって、勝つことが目的ではないのだから。
「まあだから、そこまで緊張しなくても問題はないはずだ。君なら勝てるさ」
「……そうね。そろそろ順番だから行ってくるわ」
「ああ。頑張ってこい!」
俺の言葉がどこまで届いだのか、愛理君は多少緊張が解けた様子で試験場への階段を降りて行った。
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三沢君と話した後、私は試験場のデュエルフィールドに立ち、私の試験官となる人と挨拶をしていた。
「水無月愛理です。今日はよろしくお願いします」
「うむ、君の試験官を務める者だ。よろしく頼む。……どうにも、試験官の1人が張り切りすぎてしまったようで緊張しているようだが、安心したまえ、私は試験官として決められた範囲でデュエルする。あのようなデュエルはせんよ」
私の顔が緊張で強張っていたのかも知れない。
試験官の人が私の緊張を解そうと微笑みながら話してくれた。
「すーはー。……よし! お願いします!」
「うむ! 全力で来たまえ。君のデュエル、拝見させてもらう!」
私は深呼吸をしてドキドキと鳴る心臓の音を落ち着かせた後、デュエルディスクを構えた。
コナミ君と一緒に3年間の学園生活を送るために、このデュエルで私の実力を示して見せる!
「「デュエル!!」」
「先行は貰います! 私のターン、ドロー!」
私のデッキはサクリファイスと突然変異を中枢に据えた魔法使い族デッキ。
基本的には相手の戦術を利用するタイプだから後攻でもよかったのだけど、今回は先行でガンガン攻めていく戦術で行くつもりでいる。
「私は憑依装着ーウィンを攻撃表示で召喚!」
《憑依装着ーウィン》 攻撃力1850 守備力1500
「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
憑依装着ーウィン、プチリュウを連れた私と同じ霊使いに属する風属性の少女型モンスター。
霊使いは私を含めて6体いる。
そして私は以前まで6体すべてのカードを持っていたのだけど、コナミ君の全国大会が終わったあたりから時を追うごとに1枚ずつ消えていった。
残っているのはウィンのカードだけ。
この世界に来ているのは代表として私だけのはずなのだけど、もしかしたら来ているのかもしれない。
この…………人の世界に。
「では私のターンだ。ドロー!」
「私は、手札からヴォルカニック・エッジを召喚! その効果により、君に500ポイントのダメージを与える!」
「………ッ!」
《ヴォルカニック・エッジ》 攻撃力1800 守備力1200
《愛理》 残 LP 3500
「そして私は手札から疫病ウイルス ブラックダストを発動! 憑依装着ーウィンに装備。このカードを装備されたモンスターは攻撃できず。君の2回目のエンドフェイズに破壊される! これで私はターンエンド!」
「くっ。バーンダメージに攻撃封じまで………やっぱり、簡単に勝てせてはくれなさそうね」
ヴォルカニック・エッジの攻撃力は1800。
ウィンよりは攻撃力が低いから、何とかしてあの装備魔法を破壊しなくちゃ。
毎ターンの500ポイントダメージにライフを削られ続けることになる!
「私のターン、ドロー!」
「私は召喚僧サモンプリーストを召喚! このモンスターは召喚された時、守備表示になる」
《召喚僧サモンプリースト》 攻撃力800 守備力1600
「サモンプリーストの効果! 手札から魔法カードを墓地へ送ることでデッキからレベル4モンスターを特殊召喚できる! 私は手札の輪廻転生を墓地へ送ってデッキからマジシャンズ・ヴァルキリアを攻撃表示で召喚!」
《マジシャンズ・ヴァルキリア》 攻撃力1600 守備力1800
「ほう! マジシャンズ・ヴァルキリアを召喚してきましたか。そのモンスターはフィールドにいるだけで他のモンスターへの攻撃を封じるモンスター。2体揃えばロックができる。非常に強力なモンスターですね」
そう、マジシャンズ・ヴァルキリアは2体場にいることで強力な守りを構築することができる。
だから2体召喚してヴァルキリアロックを完成させたいところだけど、それは次のターンを待たないといけない。
それでもあの厄介な装備魔法を破壊する手段があればそちらを優先していたのだけど、今の私の手札にはない。
で、ある以上。
ここは多少のダメージは覚悟して守りを固めて時を待つ選択。
これが最善の道!
「私はカードを2枚伏せて、ターンエンドです!」
「では私のターンだ。ドロー! ヴォルカニック・エッジの効果! 君に500ポイントのダメージです!」
「くぅ!」
《愛理》 残 LP 3000
「水無月君、1ターンに2体のモンスターを召喚したことは評価しますが、早くこのモンスターを処理しなければダメージが蓄積していきますよ。私はさらに逆巻く炎の精霊を召喚!」
《逆巻く炎の精霊》 攻撃力100 守備力200
「バトルです! 逆巻く炎の精霊で君にダイレクトアタック! このモンスターはプレイヤーに直接攻撃ができる!」
《愛理》 残 LP 2900
「この程度なら…………!」
「そして逆巻く炎の精霊は直接攻撃が成功するたびに1000ポイント攻撃力が上がります」
《逆巻く炎の精霊》 攻撃力1100 守備力200
「なっ! そんな効果が…………!?」
「私はカードを1枚伏せてターンエンド。君のターンです」
「くっ、私のターン、ドロー!」
ヴォルカニック・エッジ、そして逆巻く炎の精霊。
試験官のデッキは炎モンスターを中心としたデッキね。
そして、両者とも時間を置けばそれだけ厄介なことになるモンスター。
恐らく、この試験官が求めているのはどれだけスピーディにモンスターたちに対処できるか。
それを見たがっている。
「私はサモンプリーストの効果発動! 手札から降格処分を墓地へ送ることでデッキから2体目のマジシャンズ・ヴァルキリアを特殊召喚!」
「2体揃いましたか…………!」
《マジシャンズ・ヴァルキリア》 攻撃力1600 守備力1800
「これで、もうあなたは攻撃できない!」
「確かに、そのモンスターたちがいる限り、他の魔法使い族を攻撃はできない。しかし、それはモンスターに攻撃できないだけ! ヴォルカニック・エッジの効果までは防げない! また逆巻く炎の精霊が攻撃するのはプレイヤーでありモンスターではない。ダメージを完全に防ぐことはできませんよ」
問題はない。
たしかに2体とも残しておけばダメージが増えていくけれど、このターンで対処できるんだから!
「私はさらに手札からツイスターを発動! 500ポイントライフを払うことであなたの疫病ウイルス ブラックダストを破壊するわ!」
「何ッ!」
《愛理》 残 LP 2400
魔法カードであるツイスターから発生した竜巻が試験官の場の疫病ウイルスのカードを破壊したことでウィンを苦しめていた病から解き放たれた。
「これでウィンは自由になったわ! あとは総攻撃すれば形勢は逆転するわ!」
「なるほど、ならばこの瞬間! 私はリバースカード 光の護封壁を発動します。1000の倍数のライフポイントを払うことで払ったライフポイント以下の攻撃力の相手モンスターは攻撃できません。私は3000ライフポイントを払います!」
《試験官》 残 LP 1000
「光の護封壁!? これじゃ、ウィンは攻撃できない!」
「水無月君。サモンプリーストの補助を受けることで魔法使い族を召喚していく君の戦術は悪くはありませんが、私に勝つにはまだ足りませんね」
せっかく厄介な疫病ウイルスを破壊出来たのに、攻撃できないんじゃ意味がない!
「私はこれでターンエンド…………」
「ふむ、私のターン、ドロー!」
「まず、手札から2体目のヴォルカニック・エッジを召喚! そして2体のヴォルカニック・エッジの効果で君に1000ポイントのダメージです!」
「くぅぅ!」
《ヴォルカニック・エッジ》 攻撃力1800 守備力1200
《愛理》 残 LP 1400
「さらに逆巻く炎の精霊でダイレクトアタック!」
「きゃあ!」
《愛理》 残 LP 300
「これで、逆巻く炎の精霊の攻撃力はさらに1000ポイントアップしました。私はカードを1枚伏せてターンエンド。次が、あなたのラストターンですね」
《逆巻く炎の精霊》 攻撃力2100 守備力200
「私のターン、ドロー!」
これが私のラストターン。
どうにかして、この状況を挽回する!
…………相手のライフは残り1000。
光の護封壁がある以上3000以下のモンスターでは攻撃できない。
だけど逆に言えば、3000以上のモンスターを召喚できればヴォルカニック・エッジを攻撃して勝利できる。
もしくは光の護封壁そのものを破壊できれば、そこから勝利への道が開けるんだけど。
私の手札でそれをするには…………。
「よし! 私はサモンプリーストと憑依装着ーウィンをリリースして手札から混沌の黒魔術師を攻撃表示で召喚!」
「混沌の黒魔術師!? バカなッ! そのカードはッ!!」
《混沌の黒魔術師》 攻撃力2800 守備力2600
混沌の黒魔術師。
世界でもこのカードを所有している人はそうはいない激レアカード。
私の持つカードの中でも最も希少価値の高いカードでもある。
そしてその効果もまた強力だ。
「混沌の黒魔術師の効果! このモンスターが召喚された時、墓地にある魔法カードを1枚手札に戻すことができる! 私は墓地へ行ったツイスターを手札に戻す!」
「ツイスター…………光の護封壁を破壊する気かな? だが、そのカードには500ポイントのライフが必要だ。君の残りライフは300。発動コストが足りないね。そして私はリバースカード 粘着落とし穴を発動! 君が混沌の黒魔術師を召喚した時、そのモンスターの元々の攻撃力を半分にする!」
《混沌の黒魔術師》 攻撃力1400 守備力2600
「混沌の黒魔術師の攻撃力が半分に!?」
「これで、万が一君が光の護封壁を破壊できたとしても私のライフを削りきることはできない。ここまでですね」
「いいえ、まだです。私はこのカードを発動します。私はリバースカード チェーンヒーリングを発動! 私のライフポイントを500ポイント回復する!」
《愛理》 残 LP 800
「今更ライフを回復したとて…………!」
「私はライフを500払い、ツイスターを発動! あなたの光の護封壁を破壊します!」
《愛理》 残 LP 300
「光の護封壁を破壊しましたか。しかし、あなたのモンスターたちではヴォルカニック・エッジ2体を処理できない。どの道私のターンが来れば終わりです」
「いいえ、そうはなりません。何故ならこのターンで私が勝つからです!」
「私は手札からマジシャンズ・クロスを発動! 私の場に2体以上の魔法使いがいる時、そのうちの1体の攻撃をできなくする代わりにもう1体の攻撃力を3000にする! 私は混沌の黒魔術師の攻撃力を3000に、マジシャンズ・ヴァルキリアを攻撃不可に!」
《混沌の黒魔術師》 攻撃力3000 守備力2600
「これは…………! そうですか、お見事です水無月さん」
試験官が自らの敗北を悟ったのか、穏やかな表情でその時を待っていた。
「混沌の黒魔術師でヴォルカニック・エッジを攻撃! デス・アルテマ!!」
混沌の黒魔術師が手に持つ杖から紫色の輝く稲妻を纏ったエネルギーを放ち、ヴォルカニック・エッジを破壊した。
《試験官》 残 LP 0
ドローソースの少なさから今後の話でアニメの最強ドローカード、天よりの宝札を許すかどうか悩み中。