アニメ見ててもクロノス先生の口調はよくわからんなあ!
デュエルアカデミアに入学してから数日。
今日はデュエルアカデミアで初めての授業が開始される日だ。
授業は一般科目以外にデュエルのエリートを教育する学校らしくデュエルに関する実技と筆記の授業がある。
中には錬金術に関する授業というよくわからない科目もあり、デュエルに何の関係があるのかと疑問符を浮かべるものもある。
そして僕は今、アカデミアにある巨大な専用デュエル場に立ち、僕と同じ多くの新入生が見守る中、デュエルをしようとしていた。
「シニョール、コナミ! 今回は新入生が初めて行う実技の授業ということで、推薦入学者である君に、代表として模範デュエルをしてもらおうと思いますーノ! よろしいですね?」
デュエル場に立ったにクロノス先生が問題ないか確認をしながら、観客席で見ている生徒たちを見渡して対戦に相応しい相手は誰かと考えている。
「はい! 僕は大丈夫です。それで……相手は誰に?」
「そうですね〜。新入生でユーに相応しいデュエリストとなると〜〜」
クロノス先生は僕の対戦相手が中々決まらないのか険しい顔で顎を撫でながら生徒たちを見渡している。
僕としてはできれば強い人がいい。
オベリスクブルーの生徒だともっと嬉しいかな。
同じ新入生とはいえ、成績優秀者って言われるオベリスクブルーの力を見てみたい気持ちがある。
「コナミ! 貴様の相手はこの俺様がしてやる!!」
僕が対戦相手は誰になるかなあっと待っていると観客席の中からオベリスクブルーの証である青い制服を着た、黒髪の少年が立ち上がってこちらを見ていた。
「おう!? シニョール万丈目! そうですノーネ。ユーならシニョールコナミの相手にも相応しいノーネ」
「そういうわけだ。このデュエル、オベリスクブルーのトップであるこの俺、万丈目準が相手をしてやる! 光栄に思うんだな」
そう言ってデュエル場まで降りて来た万丈目という名の少年はオベリスクブルーの中でもトップの成績らしい。
彼が僕の相手をすることに他の生徒も異論はないらしく、僕のデュエルアカデミアでの初戦は万丈目君に決まった。
「万丈目君だったね。知ってると思うけど、一応自己紹介をしておくよ。僕はコナミ、ラーイエローに入った新入生なんだ。今日はよろしくね」
「フンッ。オベリスクブルーの万丈目準だ。カイザーと競り合った貴様の実力、試させて貰おうか」
万丈目君は腕に相当な自信があるのか不敵な笑みを浮かべながらデュエルディスクを構えた。
「2人とも、模範デュエルとはいえ全力で戦ってもらって大丈夫なノーネ。素晴らしいデュエルを見せてくれることを期待してますーノ!」
「はい。いいデュエルをしようね万丈目君」
「フン、貴様に俺の実力を見せてやる」
クロノス先生の言葉を皮切りにデュエルの準備をした僕と万丈目君のデュエルが始まった。
「「デュエル!!」」
「俺の先行! ドロー!」
先行は万丈目君に行ったか。
さて、オベリスクブルーは中等部からの成績優秀者の集まりだって聞いてるけどどんなデッキを使ってくるのだろうか。
初めて会う相手だけど、性格はちょっと傲慢そうだからパワーで押してくるタイプかな?
「俺は手札から地獄戦士を攻撃表示で召喚! そしてカードを1枚伏せてターンエンドだ!」」
《地獄戦士》 攻撃力1200 守備力1400
「僕のターン、ドロー!」
万丈目君のモンスターは地獄戦士かあ。
たしかあのモンスターは戦闘ダメージを相手にも与える効果を持っていたはず。
だからダメージを最小限に抑えながら倒すのがセオリーだけど…………この手札は。
ふふ、そうだね。
デッキも張り切っているようだし、リスクを恐れず。初戦は派手に行こうか!
「僕は手札から融合を発動! 僕は手札の闇魔界の戦士 ダークソードと漆黒の闘龍を融合! 現れろ! 闇魔界の竜騎士 ダークソード!!」
「なんだと!? 融合に…………ダークソードだと!」
《闇魔界の竜騎士 ダークソード》 攻撃力2200 守備力1500
「バカな! お前のデッキはガガギゴを中心とした水属性デッキのはず。なぜダークソードなど入っている!?」
万丈目君が僕がダークソードを召喚したことに随分と驚いた様子を見せている。
その言葉から、余程予想外だったんだろう。
全国大会で使用していたデッキを研究していたからなのかな。
彼が言っているガガギゴも勿論入っているけど、この2年で僕のデッキも色々と変わっているからあの時のデッキ対策をしていても、あまり意味はないんだよなあ。
「あれから色々あってね。友から託されたこのカードは僕のデッキの新しい仲間なのさ」
「新しい仲間だとぉ!?」
コウキから託されたダークソード。
それは確かな力となって僕のデッキを強化してくれていた。
「僕は手札からフージョン・ウェポンを発動! 闇魔界の竜騎士 ダークソードに装備することで攻撃力と守備力が1500ポイントアップ!」
《闇魔界の竜騎士 ダークソード》 攻撃力3700 守備力3000
「攻撃力3700ッ!? だが、地獄戦士の効果はお前にも戦闘ダメージを与える! そんな攻撃力で戦えばお前もただでは済まないぞ!!」
「それは重々承知だよ。君が気にすることではないさ。バトルだ! ダークソードで地獄戦士に攻撃! ダークソード・スラッシュ!!」
「うああああ!!」
漆黒の闘龍に乗ったダークソードが振り上げた剣を振り下ろして地獄戦士を破壊し、その際に浮かび上がった地獄戦士の剣が僕に戦闘ダメージを共有させた。
《万丈目》 残 LP 1500
《コナミ》 残 LP 1500
「ぐッ、だが俺はこの瞬間リバースカード 道連れを発動! 俺の地獄戦士が破壊されたことでお前の闇魔界の竜騎士 ダークソードを破壊する!」
万城目君が発動した道連れの効果によって地割れが起こり、そこから地獄戦士がダークソードを地の底へと道連れにしようとしてきた。
「これで厄介なダークソードは消える! そして次のターンが来れば、1500以上のモンスターを召喚して俺の勝ちだな!」
ハハハハハ! と笑い勝ち誇る万丈目君を見ながら僕は手札からカードを発動させた。
「万丈目君、悪いけどそう上手くはいかないよ。残念ながら次の君のターンはこないからね。僕は速攻魔法 融合解除を発動! 道連れの対象である闇魔界の竜騎士 ダークソードを融合解除して、素材となったモンスターを特殊召喚できる!!」
「バカな…………融合……解除!?」
「さあ、出番だよ! 僕の墓地から現れろ! 闇魔界の戦士 ダークソード! 漆黒の闘龍!」
《闇魔界の戦士 ダークソード》 攻撃力1800 守備力1500
《漆黒の闘龍》 攻撃力900 守備力600
「そんなバカな………融合に専用装備魔法。その上融合解除まで手札に来ていたというのか!?」
「…………昔、同じようなこと思ったなあ」
丸藤さんと全国大会で戦った時、僕も今の万丈目君のように尋常ではない衝撃を受けたことがあった。
それを思えば、今の僕はあの時の丸藤さんに近いところまで来れているのかもしれない。
…………いや、流石にそれは慢心かな?
まだまだあの人ほどの強さになれたとは思えない。
今回も偶々いたようなことができただけ、調子に乗ってはいけない。
まあそれはさておき、このデュエルを終わらせようか…………!
「僕はダークソードで万丈目君にダイレクトアタックだ!」
「う、うぉおおおお!!」
《万丈目》 残 LP 0
ダークソードが万丈目君を切り裂くことで彼のライフを削り取った。
「そんな…………バカな。この俺が、こんなあっさりと…………!」
「万丈目君、デュエル楽しかったよ。ありがとう」
返しの1ターンで敗けたのがよほどショックだったのか、万丈目君は両膝をついて項垂れている。
落ち込んでいる万丈目君に何か言ってあげるべきかなとも思ったけれど、勝者が敗者にかける言葉などどこまで行っても傲慢さが入ってしまうだろう。
だから、デュエリストとしてお礼を述べるだけにとどめておいた。
これで挫けるのなら、万丈目君はそこまでのデュエリストというだけのことなのだろうから…………。
「すんばらしい! 見事な模範デュエルでした。他の新入生の皆さんにもよい刺激になったでしょう!」
クロノス先生や観客席にいる生徒から拍手喝采が飛んでくる。
僕は降り注ぐ拍手に手を振り返し、デュエルアカデミアでの初めてのデュエルを勝利で終わらせれたことに満足感を感じながら大盛況の中、実技授業は終わった。
その後は通常授業を一通り終えて僕は今、ラーイエローで三沢君と夕食をとっていた。
机の上には歓迎パーティー程ではないにしても、十分に美味しいと言える料理が並んでおり、僕は勝利で終えれたこともあり何の憂いもなくご飯を楽しむことができていた。
「コナミ、今日の万丈目とのデュエルだが随分と速攻で終わらせていたな。いつもはもう少し様子を見るだろう」
「んー手札がねえ。すごく良かったのもあるけれど、何だかそんなに警戒しなくても勝てそうな予感がしてさ。ダメだった?」
「デュエリストの勘というやつか。……いや、お前の戦術に口出しする気はないんだ。だが、俺としては万丈目の実力や戦術を見ておきたかったというだけのことだ。お前が気にすることではないさ」
そう言ってパスタを口に運ぶ三沢君の様子はどことなく不服そうで、言葉とは裏腹に僕が1ターンで終わらせたことに不満があるようだった。
その様子を見ながら僕も好物であるパスタを口に運び、もう少し様子を見るべきだったかなあと軽く思うのだった。
確かに、新入生とはいえオベリスクブルーの実力を見るという意味では失敗だったかも知れない。
ただ、勝てると思った時に攻めないのもどうなのかなあとも思うわけで……。
「それよりコナミ、お前はこれから面倒なことになるかも知れないぞ?」
「え? 面倒って、何が?」
「あの万丈目という男、デュエルに負けた後お前のことを相当恨めしそうに睨んでいたからな。負けん気の強いタイプだった場合、何度も挑まれることになるかも知れん」
あ〜そういう。
……たまにいるよね。
プライドの高さ故か、勝つまでやりたがる人が……。
確かに万丈目君はプライドが高そうな人だった。
これから色々と絡まれそうだな。
「んーでも、いいんじゃない? そう言うタイプって負けるたびに強くなって挑んでくるから、僕としても楽しいし」
負けると分かってるからデュエルしない……なんて腐ってしまうよりずっといい。
デュエルアカデミアの生活もまだまだ始まったばかりだ。
万丈目君や他校から入学して来たデュエリストも沢山いるわけだし、今回勝ったからって胡座をかいて調子になるわけにもいかない。
僕の目標は学園最強になってプロになることなのだから……。
僕はちょっとだけ万丈目君が今後挑んでくるようになった際のことを考えながら、美味しい夕食を食べ続けるのだった。
オベリスクブルー寮。
デュエルアカデミアに建てられたどの寮よりも豪華な、高級ホテルを思わせる程の寮内にある自らの部屋で万丈目は荒れていた。
「くそっ! この俺があんなあっさりと負けるなどッ!」
「万丈目さん! 仕方ありませんよ。コナミはあのカイザーを追い詰めたほどの実力者なんですから」
「そうですよ。ブルー寮の誰がやっても同じような結果になってたでしょうし、誰も万丈目さんが弱いから負けたなんて思ってませんよ!」
万丈目の周りには普段からそばにいる取り巻きもおり、機嫌の悪い万丈目を宥めようとしていた。
「そうだとしてもだ! この俺は中等部からトップであり続けてきて、カイザーの後を継ぐデュエリストとして目されていたんだ! なのに蓋を開けてみればこの結果だ。……このままでは終わらん。終わらせてたまるかッ!」
コナミ、奴は必ず俺が倒す!
デュエルは緻密な計算が勝利への道だ。
ドローの運はほんの1%程の幸運に過ぎない。
今回はコナミの異常な幸運が勝利に導いたに過ぎん!
「おい! わかる限りでいい。コナミのデュエルの情報を集めるんだ! 次こそ俺が奴を倒して見せる!!」
俺は取り巻き共にコナミの情報を集めることを命じながら、勝利のためにデッキを見直すことに決めた。
俺は万丈目財閥の末弟である万丈目準だ。
期待してくれている兄さんたちのためにも、俺は必ずこの学園でトップに立って見せる!
「最強はこの俺、万丈目準だ! それをすぐに教えてやる! はーっはっはっはっ!」
勝利を誓う万丈目の高笑いは、部屋中に響き続けていた。
デュエルどうしようかなあと思いましたけど、正直カイザーとある程度戦えるコナミが青の時点の万丈目に苦戦するイメージが湧かなかったのであっさり終わらせました。
というかヘル・バーナーでどうやって戦えばいいかわからなかった。